UPLANさんの集会全編動画はコチラ↓
https://www.youtube.com/watch?v=k-dwoV1Wd0I

日韓ネット事務局・尾澤邦子
9月17日(土)午後、東京の文京区民センターで行われた「9.17日朝ピョンヤン宣言20周年集会『今こそ日朝国交正常化交渉再開を』」に参加しました。
主催者あいさつは、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の菱山南帆子さん。安倍元首相について「ピョンヤン宣言を無視し、朝鮮との外交などのつながりを持とうとせず、重要課題だと言ってきた拉致問題では何一つ進展はありませんでした。ミサイルの脅威を利用して票をだまし取り、延命してきたにすぎない政権でした。」など、東北アジアの平和とは程遠い行為を行ってきたことを批判。また3年ぶりに韓国に行ったことを報告し「日本は過去の侵略戦争を反省し、繰り返さないと誓った憲法9条を世界に活かしていくことこそが戦争責任だと思う」と話しました。憲法9条を「みっともない憲法」だと言い、改憲に邁進し、また民族差別の政治を行ってきた安倍元首相を国葬になどしてはいけないと強調しました。「国葬反対の世論が盛り上がっている今こそ、市民運動が力を発揮するとき。岸田政権に対し、畳みかけるような運動の継続が必要。軍事費の増額を許さない世論を盛り上げ、内閣を打倒しよう。そのためにも東北アジアの仲間たちとの連帯は不可欠」と訴えると、会場からは「そうだ!」の声と拍手があちこちから起こり、おおいに元気をいただきました。
菱山南帆子さん

旧統一教会問題などでいまや大忙しの有田芳生さんが登壇。「拉致問題はなぜ解決しないのか。安倍政権の罪」と題して講演を行いました。
朝鮮民主主義人民共和国のソンイルホ大使が一昨日出したコメントには、3つの特徴があると話し始めました。「ひとつは『拉致問題は完全に解決した』、これは20年間変わっていない。5人生存、8人死亡を今回も明らかにした。問題が解決つかないのは、日本政府に責任があるという指摘。また日朝ピョンヤン宣言が今でも有効であることを声明で出したことは大事なことだ。日本政府も日朝ピョンヤン宣言は有効だと言っている」と。
有田さんは「2002年の小泉訪朝は、1年間の水面下での極秘交渉があって実現した。しかし拉致を認めようとしないキムジョンイル総書記の態度に対し、これでは日朝ピョンヤン宣言も締結できないと、日本側の総力で説得して、宣言を発表することができた。同行した安倍晋三官房副長官の手柄だなどという人がいるが、それは全くのデタラメだ。2012年の第2時安倍政権発足の時、安倍さんは拉致問題の『完全解決』を約束したが、何も成果がなかった。何が問題かといえば、外務省を信用しなかった。小泉訪朝を準備した歴史、教訓、成果から学ぼうとせずに、官邸外交にシフトした。経産省と警察の幹部を重用して外交をやらせた。そこで失敗した。北朝鮮側は2018年には、日朝交渉再開のための条件を提示している。日本における差別政策を是正すること、制裁の解除など。2017年の国連総会で安倍晋三さんは『北朝鮮に対しては圧力しかない』と演説した。また河野太郎さんは『北朝鮮と断行しよう』などと言った。それが決定的だった。以降相手にされない。救う会が方針を決めて、家族会が容認し、それを政府が聞かざるを得ないというこの構造を崩さないと日朝交渉は進まない。『全ての被害者の即時一括帰国』なんてありえない。それを世論の力で崩していかないといけない」と話しました。とても説得力のあるお話しで、よくわかりました。

有田芳生さん(上)と岡本厚さん(下)

休憩を挟み、「世界」元編集長の岡本厚さんが、「『日朝平壌宣言』20年とウクライナ戦争後の東アジア」と題して、講演を行いました。
日朝平壌宣言は第1項目で、「国交正常化交渉を再開する」とうたっています。また2項目では、「日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した」としています。岡本さんは「総理大臣が国交のない国に自ら乗り込み、それまでの関係を一挙に変えようとした画期的な行動」だと評価しました。しかし、なぜ20年間動かなかったのかといえば、安倍さんの歴史修正主義的な姿勢が大きな要因だと話しました。不誠実であったのはアメリカや日本で、「北朝鮮は崩壊する」という思い込みを持っていたのではないか、北朝鮮に対する情報が誤っていたのではないかと考えざるを得ない、教育レベルはとても高い国だと言っていました。
北朝鮮はなぜ核開発を進めるのかについては、「米韓軍事演習の恐怖、爆撃の恐怖が原点」と話していました。ウクライナ戦争の教訓は「戦争を起こしてはいけない」ということだと。
これから何を進めるべきかについては、「日朝平壌宣言」の精神に戻ることと話していました。確かにそうだと思います。そして「今こそ日朝国交正常化交渉」の再開が必要だと思います。司会者から、ぜひおうちに帰って「日朝平壌宣言」を読み直してくださいと言われました。
集会は最後に、安倍国葬に反対する実行委員会から高田健さん、沖縄の玉城デニー知事再選勝利後の闘いについて沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの木村辰彦さん、朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会から森本孝子さんからのアピールを受けました。
会場は200人の参加で、みな熱心に講師の話に聞き入っていました。以前なら、終わってからの一杯、交流会を楽しみにしていましたが、まだコロナの影響もあり、みなまっすぐ帰りました。(了)


高田健さん 木村辰彦さん

森本孝子さん 鈴木敏夫さん
日朝ピョンヤン宣言20周年集会呼びかけ
-今こそ日朝国交正常化交渉の再開を!-
今年の9月17日は、日朝国交正常化の早期実現をめざすことで合意した「日朝平壌宣言
」から20年を迎えます。かつて日本が行った侵略・植民地支配によって多大な被害を与
えた朝鮮民主主義人民共和国との間で未だ国交すらないこと自体異常なことです。
私たちは不幸な過去の清算を基礎とした日朝国交正常化のための交渉を速やかに再開す
ることを求めます。
停戦状態から朝鮮戦争の終結へ
朝鮮半島が、日本からの解放と同時に南北に分断されてから今年で77年。南北分断に起
因する朝鮮戦争の停戦協定からも69年が経過しましたが、いまだ戦争は終結していませ
ん。これこそが朝鮮半島の「危機」の根源です。
2018年の南北首脳による板門店宣言、史上初の米朝シンガポール首脳会談は、朝鮮戦争
の終結、朝鮮半島の平和体制と完全な非核化へ向かう歴史的な可能性をもたらしました
が、米国の引き続く強硬政策、韓国の政権交代による米韓合同軍事演習の拡大など再び
緊張激化の時代に入りました。朝鮮側も2018年以来継続してきたICBMの発射実験や核実
験のモラトリアム(猶予)を停止する方向に動いています。
さらに米国はウクライナに対するロシアの軍事侵攻を口実に「東アジアも例外ではない
」として、中国・朝鮮の「脅威」を煽りながら米日韓軍事態勢を強化し、その中で日本
政府は専守防衛から「敵基地攻撃」「敵指揮拠点攻撃」に至る能力の保有や軍事費のGD
P比2%以上へ大軍拡を進めようとしています。
平和外交こそ日本がとるべき道
日本政府が今とるべき道は、戦争を呼び込むこうした危険な動きではなく、南北・米朝
首脳会談で確認された朝鮮半島の平和・統一と非核化実現のために平和外交で積極的役
割を果たすことだと私たちは確信します。
そして何よりも日朝ピョンヤン宣言を基礎に、不幸な過去を清算し日朝国交正常化交渉
を速やかに再開すべきです。またその中で在日朝鮮人への差別を止め法的地位と人権保
障についても誠実に協議・履行することを求めます。
日朝ピョンヤン宣言20周年集会に結集し、声を挙げていきましょう。p>
【資料】 日朝平壌宣言 (日本外務省HPから)
小泉純一郎日本国総理大臣と金正日朝鮮民主主義人民共和国国防委員長は、2002年9月17日、平壌で出会い会談を行った。
両首脳は、日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、実りある政治、経済、文化的関係を樹立することが、双方の基本利益に合致するとともに、地域の平和と安定に大きく寄与するものとなるとの共通の認識を確認した。
1.双方は、この宣言に示された精神及び基本原則に従い、国交正常化を早期に実現させるため、あらゆる努力を傾注することとし、そのために2002年10月中に日朝国交正常化交渉を再開することとした。
双方は、相互の信頼関係に基づき、国交正常化の実現に至る過程においても、日朝間に存在する諸問題に誠意をもって取り組む強い決意を表明した。
2.日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した。
双方は、日本側が朝鮮民主主義人民共和国側に対して、国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施し、また、民間経済活動を支援する見地から国際協力銀行等による融資、信用供与等が実施されることが、この宣言の精神に合致するとの基本認識の下、国交正常化交渉において、経済協力の具体的な規模と内容を誠実に協議することとした。
双方は、国交正常化を実現するにあたっては、1945年8月15日以前に生じた事由に基づく両国及びその国民のすべての財産及び請求権を相互に放棄するとの基本原則に従い、国交正常化交渉においてこれを具体的に協議することとした。
双方は、在日朝鮮人の地位に関する問題及び文化財の問題については、国交正常化交渉において誠実に協議することとした。
3.双方は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認した。また、日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した。
4.双方は、北東アジア地域の平和と安定を維持、強化するため、互いに協力していくことを確認した。
双方は、この地域の関係各国の間に、相互の信頼に基づく協力関係が構築されることの重要性を確認するとともに、この地域の関係国間の関係が正常化されるにつれ、地域の信頼醸成を図るための枠組みを整備していくことが重要であるとの認識を一にした。
双方は、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守することを確認した。また、双方は、核問題及びミサイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、問題解決を図ることの必要性を確認した。
朝鮮民主主義人民共和国側は、この宣言の精神に従い、ミサイル発射のモラトリアムを2003年以降も更に延長していく意向を表明した。
双方は、安全保障にかかわる問題について協議を行っていくこととした。
日本国 総理大臣 朝鮮民主主義人民共和国 国防委員会委員長
小泉純一郎 金 正日
2022 9・17日朝ピョンヤン宣言20周年集会 賛同団体⇒個人一覧・50音順 (9/15現在)
【団体】荒川住民ひろば、原水爆禁止日本協議会(原水協)、強制動員問題解決と過去清算のための共同行動、キリスト者平和ネット、研究所テオリア、「憲法」を愛する女性ネット、憲法を生かす会関東連絡会、在日韓国民主女性会、在日韓国民主統一連合、スペース21、朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会、朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会、日韓民衆連帯全国ネットワーク(日韓ネット)、日朝協会、日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会、日本平和委員会、ぴ~す・め~る、東アジアの和解と平和ネットワーク、ふぇみん婦人民主クラブ、婦人民主クラブ、部落解放同盟東京都連合会、本郷文化フォーラムワーカーズスクール(HOWS)、許すな!憲法改悪・市民連絡会、【個人】浅井健治、新里倫子、池上仁、石井寛(韓国良心囚を支援する会全国会議事務局長)、石下直子、伊藤英一、井上好子、岩村義雄(神戸国際キリスト教会牧師)、岩本乾治、大谷猛夫、小笠原三枝子、岡田雅宏、奥村律子、尾澤邦子(日韓ネット・ノレの会)、尾澤孝司(日韓ネット)、小田川興(在韓被爆者問題市民会議)、小野信也(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)、北川広和(日韓ネット・「日韓分析」編集)、北原れい子、北村小夜、金性済(日本キリスト教協議会[NCC]総幹事)、くじゅうのりこ(東アジアの和解と平和ネットワーク)、倉林浩(郵政ユニオン)、小林和博(日本製鉄元徴用工裁判を支援する会会員)、近藤ゆり子(9条の会・おおがき世話人)、斎藤紀代美、坂本史子(元目黒区議会議員)、佐藤かづ代、佐藤邦也、芝崎眞吾(東水労退職者会)、城山大賢(報正寺住職)、申嘉美、高梨晃嘉(日朝国交正常化をすすめる神奈川県民の会事務局長)、高野孟(ジャーナリスト)、高橋昭子、高橋華絵、竹内宏一(日朝教育・文化交流をすすめる愛知の会)、竹腰英樹(中野協同プロジェクト)、武田隆雄(日本山妙法寺僧侶)、田場祥子、寺尾光身(元理系教員)、土松克典(日韓ネット・HOWS)、西賢一、西惇、蜂巣裕人、原崎澄子。番場明子(ぴ~す・め~る)、平山良平(<ノーモア南京>名古屋の会事務局)、堀純、布施由女、松尾直樹、松田照男、森内慎一郎、森川静子、森本孝子(平和憲法を守る荒川の会代表)、矢野秀喜(強制動員問題解決と過去清算のための共同行動)、山口菊子(「憲法」を愛する女性ネット)、山根敏英、吉原信次、渡辺一夫(韓国良心囚を支援する会全国会議代表)、渡辺健樹(日韓ネット共同代表)、渡辺真哉(比例代表制を求める請願署名)、渡辺多嘉子、渡辺吉男 (匿名希望4名)