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2012年3月

2012年3月25日 (日)

韓国進歩連帯が記者会見 「北風公安状況作りを中止せよ!」

韓国インターネットニュースサイト<統一ニュース>2012 03 23 17:22:06配信

韓国進歩連帯が記者会見

“北風・公安状況”を作り出すのは直ちに中止せよ

韓国進歩連帯(常任代表イ・ガインシル)は、第19代国会議員選挙にあたり、「北風を煽る言動(訳注:北朝鮮への敵視言動やバッシングなど)」を中断することを求めた。

23日午前、ソウル市のチョンウン洞役場前で、 韓国進歩連帯は記者会見を開催した。

記者会見におけるプレスリリースでは、「イ・ミョンバク(李明博)政権になって悪化した南北関係により朝鮮半島の緊張が高まる中で、総選挙を目前に北風を煽るマスコミの言動が激化し、多くの憂慮を作り出している」としながら、「“北風・公安状況を作り出すこと”を中断すること」を求めた。

韓国進歩連帯は、「すでに西海(訳注:黄海)では莫大な戦力増強が行われ、一般の旅客機への銃撃さえ統制されない<先措置・後報告>という極めて危険な状況が生み出されている」と指摘した。

記者会見では政府の北敵視政策の実例として、キム・グァンジン(金寛鎮)国防長官の「挑発時には指揮所へ10倍の打撃を与えよ」という発言や、26日の「哨戒艦“天安号”懲らしめの日」制定、西海の海上境界線一帯の実戦訓練などを挙げた。

また、26日から開催されるソウルでの「核安全保障サミット」開催時期に合わせて「公安状況を作り出し、政権への審判を曇らせようとする意図」だとした。また、「4月半ばには国会議員を選出する総選挙が行われる。歴代の独裁政権はいつも朝鮮半島の分断状況を悪用し選挙を目前に、人為的に問題を膨らませてきて、北朝鮮への敵視政策と公安状況を作り出し成果を得た時期もあった」とした。

記者会見では、「選挙を前に納得しがたい挑発的言動と強硬な対応により、朝鮮半島の緊張を高めるのに必死になっているイ・ミョンバク(李明博)政権の意図は明らかだ」としながら、「イ・ミョンバク(李明博)政権は判断を誤ってはならない。国民は、もはや分断のくびきに捕われ政権審判の意志が覆されることはない、というのを地方自治選挙ではハッキリと立証した」と警告した。下記はその会見文。

【プレスリリース】

北風・公安状況を作り出すのは直ちに中止し、朝鮮半島の平和のために努力せよ! 

イ・ミョンバク(李明博)政権になり悪化した南北関係により朝鮮半島の緊張が高まるなかで、総選挙を目前に北風状況を作り出そうとする動きがさらに激しくなっていて憂慮が深まっている。
 これまで李明博政権は、南北関係を言葉に例えようもないほど悪化させてきた。李明博政権は「非核開放3000」、「自由民主主義への吸収統一」などの政策を進め、「6.15共同宣言」、「10.4宣言」など、南北首脳の合意をはじめとする履行や合意を一方的に廃棄してきた。その結果、2007年には55件もあった政府間の対話は、2011年には1度しかないほど断絶状態となり、金剛山や開城観光も中断、開城工業団地を除く経済協力事業が中断し、関連企業も多くの打撃を受けてしまった。離散家族の再会は4年間に2度しか行なわれず、人道支援も2011年には2007年に比べ4.4%(政府支援は1.8%)の水準に低下するなど、人道問題もほとんど進まなかった。そればかりではない。200911月、201011月に2度もわたり西海海上で武力衝突が発生するなど、依然として軍事的緊張が存在し、このような衝突を防止、または緩和するための制度的装置が事実上消滅してしまっている。今や米国さえも北と何度か交渉し合意を導き出しているのに、この間、李明博政権は南北関係の改善について何ら合意も作り出せないまま、むしろ朝鮮半島の緊張を高めるのに必死になっている。

 さらに深刻なのは、このような強硬な対応が選挙を目前により激化しているということだ。すでに西海上では戦力が増強され、一般旅客機に対する銃撃でさえ統制されないという「先措置・後報告」という危険極まりない状況が作り出されている。軍事衝突への統制装置が全く作動しないばかりか、これを煽り立て、刺激する行動をためらいもなく行っている。
 韓国軍の好戦的スローガン事件について北側の強い糾弾が続くと、金寛鎮国防長官が先頭に立ち「挑発時には指揮所10倍の打撃を」などの刺激的な発言で対応したり、3 26日を「哨戒艦”天安号”懲らしめの日」に制定、25日頃には西海の海上境界線一帯で実戦訓練を大々的に行ったりするなど、軍事衝突の憂慮を高めている。すでに20万人の軍人が動員され、4月末まで韓米合同軍事演習に突入していることを考えたとき、西海海上での追加的軍事訓練は、衝突を挑発するものに他ならない。

 326日ソウルでは、「核安全保障サミット」が開催される。核軍縮による実質的な核の危険解消ではなく、核保有国の核による覇権維持のみが話し合われるこの会議が「哨戒艦”天安号”事件」2周年と総選挙を狙ってソウルで開催されるということについて、すでに多くの進歩的社会団体と言論機関が憂慮を表明している。しかし、李明博政権はこの会議を契機に安全保障問題を大きく扱い公安状況を作り上げ、政権への審判を曇らせようとしている。

 最近北の人工衛星発射について、周辺国が憂慮を表明しているが、北側は主権国家としての権利を主張しつつ、同時に2.29米朝合意の発表以前に米国にこの事実を伝え、発射現場を国際的に公開することにするなど、憂慮を払しょくさせるための動きも進めていた。このようなところから、落ち着いて節制した対応によって、状況を安定的に管理するための努力が求められているのだが、やはりこの問題でも李明博政権は強硬な態度を崩していない。

 4月半ばには第19代国会議員を選出する総選挙が行われる。これまでも歴代の独裁政権ではいつも分断状況を悪用し、選挙の前に人為的に問題を膨らませてきたのだが、以前はこのような「北風・公安状況」が成果を得た時期もあったかもしれない。選挙を前に到底納得できない挑発的な言動と強硬な対応によって、朝鮮半島の緊張を高めるのに必死な李明博政権の意図も明らかだ。
 しかし、李明博政権は判断を誤ってはならない。もはや国民は、分断のくびきに捕われて政権審判の意志が覆されるものではないということを、以前の地方自治選挙がハッキリ立証している。

韓国政府は北風・公安状況を作り出すのを中断し、朝鮮半島の平和のために努力せよ!
軍事的挑発は直ちに中断し、相互の信頼回復のために努力せよ!
南北共同宣言の全面的な履行を宣言し、関係改善のための対話を行え!

2012
3 23
韓国進歩連帯

2012年3月24日 (土)

●李正姫候補辞退 野党圏連帯危機乗り越えて

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本ブログでも紹介した、4.11総選挙野党圏候補単一化予備選が終わった翌日の319日午後、統合進歩党イ・ジョンヒ共同代表が野党単一候補に選ばれたソウル冠岳(クァナク)乙区の予備選で、イ共同代表陣営側の不正問題が発覚した。

予備選は外部の民間調査会社に委託され、1718の両日、野党単一候補適合度について電話世論調査方式で進められた。調査は無作為に年代順に進められたが、ここでイ共同代表の選対幹部は調査が年代ごとに順次終了するごとに、支持者に「○歳代は終了した。電話がきたら○歳代と答えて欲しい」というメールを送ったことが明らかになり、イ共同代表陣営の内部調査でも事実を確認した。

イ代表は直ちに事実を明らかにして謝罪し、(対戦相手だった民主統合党のキム・ヒチョル議員が)このために予備選結果に影響があったと判断されるなら再予備選に応じる」ことを表明した。野党圏連帯予備選管理委員会は

緊急会議を開き、「野党圏連帯の大義を生かし差し迫る時間を考慮して、予備選管理委が決める方式に従い2122日の間に再度予備選を行うこと」を両党に勧告した。

予備選結果を不服として予備選終了後直ちに離党を表明していたキム・ヒチョル議員は、この問題が明らかになると、イ共同代表の候補辞退を強硬に主張する一方、21日、予備選で勝利した統合進歩党のシム・サンジョン、ノ・フェチャン、チョン・ホソン候補の対戦相手の民主統合党候補らと共同記者会見を行い、予備選への不服から「これらの進歩党候補は責任を取り辞退せよ」と主張し、さらに問題を拡散させるに至った。そしてキム・ヒチョル議員は同日正式に民主統合党を離党した。

野党圏連帯は大きな危機に直面した。セヌリ党はもとより「朝・中・東」(チョン・チュン・ドン=朝鮮日報・中央日報・東亜日報の保守言論の総称)なども格好の野党攻撃の材料として連日報じた。

イ・ジョンヒ代表は21日から民主党にこの問題など一連の事態解決のための代表会談を提案し、「今、私たちがしなければならないことは野党圏連帯を通じた総選挙体制を至急に整備し、セヌリ党を相手に戦列を整えることだ」「一角で発生した予備選不服事態を整理して未合意の地域を含む残った争点を候補登録が始まる22日の前の今日中に目処をつけなければならない」と提起した。

野党圏連帯交渉に関与したある要人は「統合進歩党が予備選で負けた40余りの地域では何の話もないのに、民主党が負けた7ヶ所の地域では全て予備選結果に従わず民主党指導部は傍観している。今回の事態の核心は(冠岳乙の)“携帯メール事件”ではなく野党圏連帯を脅かす予備選不服行為だ」と語った(ハンギョレ新聞)。統合民主党は22日、京畿安山タンウォン甲区の予備選で統合進歩党候補に僅差で敗れたペク・ヘリョン民主統合党候補に公認状をもあたえた。

こうした事態を受け、候補登録期限である23日、イ・ジョンヒ統合進歩党共同代表は野党圏連帯を成功させた立役者でありながら、冠岳(クァナク)乙区問題の責任をとり候補登録放棄を表明した。
国会での記者会見【写真】でイ共同代表は「多くの方々が長い時間をかけて熱心に作った統合と連帯の道が私のために混乱に陥った」「進歩の道徳性を地に落とした責任も当然私のもので、身を滅ぼしても責任を負うことが当然だ」としながら、「やっとのことで成り立った野党圏連帯が勝利するよう、必ず政権を交替できるように最も低くて苦しい位置で献身する」と述べた。イ共同代表は、これに先立ち21日に白楽晴(ペク・ナクチュン)ソウル大名誉教授(希望2013宣言の提唱者)と、22日には年末の大統領選の野党統一候補として有力視されている文在寅(ムン・ジェイン)民主統合党常任顧問らを相次いで訪ね、意見交換もしている。

韓明淑(ハン・ミンスク)民主統合党代表も、この日午後に記者会見を行い「イ代表が想像もできない苦痛の中で大きな決断をしたことに敬意」を表し、「雨降って地が固まるように、両党がさらに固く手を握り団結して勝利で報いる」と表明した。

これを受けて、▲京畿安山タンウォン甲区のペク・ヘリョン民主統合党候補も候補登録を放棄、▲この日まで野党単一候補が決まっていなかったいくつかの地域区でも統合進歩党候補らが全員候補を辞退、▲予備選不服の動きを見せた民主統合党候補は離党や無所属出馬を取り下げ、▲イ共同代表が辞退したソウル冠岳(クァナク)乙区には、代わりに統合進歩党からイ・サンギュ前ソウル市党委員長を公認した。ハン民主統合党代表も「イ・サンギュ候補を野党圏単一候補として認定し、民主党は冠岳(クァナク)乙区に公認を立てない」と明らかにした。イ・サンギュ候補は2010年ソウル市長選に民主労働党から立候補し、野党圏単一化交渉を経てハン・ミョンスク民主党候補に譲歩した経緯もある。

これにより全国的な野党圏連帯交渉は全て終わり、両党は週末から本格的に共同選対本部構成のための協議を始める予定となっている。

[社説]イ・ジョンヒの‘涙’が生き返らせた野党圏連帯

ハンギョレ新聞 2012.03.23 19:12

 

やはりイ・ジョンヒ統合進歩党共同代表は賢明だった。イ代表が411総選挙のソウル冠岳(クァナク)乙区野党圏単一候補を辞退した。イ代表を惜しむ人々には非常に残念な便りであろう。参謀が犯した世論調査操作時も、波紋が果たして候補職辞退をしなければならない程重大な事案かという事に対する論議があり得る。だが、イ代表はきれいに決断したし頭を下げて謝った。 

今回の事件が起きるとすぐに守旧勢力は好材料に会ったというようにイ代表はもちろん進歩陣営全体をひっくるめて売り渡した。 “定義を蹴飛ばしながら、どのように国の定義をたてるということか” “権力に目が見えなくなった破廉恥な姿”などのじゅうたん爆撃を加えた。

だが、イ代表は新しい政治、進歩の道徳性がどんなものなのかを全身で見せた。腐敗した保守では決して探せない自己犠牲と責任意識だ。そしてこの試練はイ代表をより大きい政治家で育てる焼き入れでもある。今はたとえ痛くてくやしいか分からないが将来さらに成熟して丈夫な政治家に成長できる貴重な資産になるだろうと信じる。 

もう民主統合党と統合進歩党は野党圏連帯の座礁危機から抜け出して再び総選挙にまい進できる反転の機会をつかんだ。京畿安山市タンウォン甲区の民主党ペク・ヘリョン候補が出馬撤回をしたし、選挙戦不服の動きを見せたいくつかの民主党候補らも離党や無所属出馬企図を取り下げた。世論操作事件波動が結果的には野党圏連帯を囲んだ葛藤を一挙に解消する契機に作用したわけだ。

だが、野党圏の総選挙展望は明るいだけではない。今回の事態を体験しながら野党圏が受けた傷は決して軽くない。野党圏連帯の象徴であるイ・ジョンヒ代表の中途下車で虚脱した統合進歩党支持者が動揺する可能性も排除することはできない。両党としては野党圏連帯を新しく復元し、拡散した支持層を再び集めることが緊急な課題に浮び上がった。その責任は両党全体にあるが、やはり民主党の役割がはるかに大きい。直ちにイ代表の後任に統合進歩党側の野党圏単一候補が出てきたソウル冠岳(クァナク)乙区の選挙戦対策を用意することも民主党の役割だ。 

411総選挙の意味は重大だ。 実情で汚されたイ・ミョンバク政権を審判して民主主義と国の軸を新しくする逃すことのできない機会だ。イ代表が候補辞退の決断を下したのもこのような歴史的責務の前に障害物にならないという意からだ。イ代表の決断を無駄にしないためにも両党はより一層奮発しなければならない。 “雨が降って地固まる”というハン・ミョンスク代表の希望はただの言葉だけでは成り立たない。 

【参考】

韓国インターネットニュースサイト「民衆の声」 

http://www.vop.co.kr/index.html

ハンギョレ新聞  

http://www.hani.co.kr/

同邦訳版サイト「ハンギョレサランバン」 

http://blog.livedoor.jp/hangyoreh/

2012年3月19日 (月)

【韓国動向】野党圏単一候補予備選の結果

野党圏単一候補予備選の結果(民主57、進歩11、進歩新党1

李明博・セヌリ党と野党圏11の全面対決へ

310日の統合進歩党と民主統合党による野党圏連帯合意に基づき(本ブログ既報)、17日と18日の両日、電話世論調査方式による野党圏単一候補予備選がおこなわれた。

李正姫(イ・ジョンヒ)統合進歩党共同代表はソウル冠岳(クァナク)乙区の現職である民主統合党キム・ヒチョル議員を破るという“異変”を演出した。イ代表は組織票で押されるだろうと思われていたが、人物論で先んじ、「政権交替のための野党圏連帯のためにはイ・ジョンヒが適任」ということで民主党支持層の心も動かしたと見られる。

統合進歩党は69候補確定地域のうち11ヶ所で勝利した。まず、野党圏候補単一化予備選管理委員会が主管した51選挙区ではソウル蘆原丙区(ノ・フェチャン)、ソウル恩平乙区(チョン・ホソン)、ソウル冠岳乙区(イ・ジョンヒ)、蔚山北区(キム・チャンヒョン)、蔚山蔚州郡区 (イ・ソノ)、京畿高陽徳陽甲区(シム・サンジョン)、京畿利川区 (オム・テジュン)、京畿驪州楊坪加平区等8ヶ所で勝利した。李正姫(イ・ジョンヒ)、シム・サンジョン、魯会燦(ノ・フェチャン)、チョン・ホソンなど統合進歩党の4首脳は全部生き残った。しかし現職であるチョ・スンス議員は蔚山南区甲区で民主統合党シム・キュミョン候補に敗れた。

これとは別に予備選を進めていた慶南の15選挙区では11ヶ所のうち、統合進歩党は昌原甲区(ムン・ソンヒョン)、チン・ジュウル(カン・ビョンギ)2ヶ所で勝利した。 候補間合意によって別途選挙戦を行った5選挙区では大邱北区乙区でチョ・ミョンレ候補が勝利した。 

民主統合党は、故キム・グンテ顧問(元民主化運動青年連合議長)夫人でもあるイン・ジェクン氏(ソウル道峰甲区)、元統一部長官のチョン・ドンヨン氏(ソウル江南)をはじめ57ヶ所で予備選に勝利した。

一方、中央レベルの野党圏連帯には参加しなかったが地域議論を通じて慶南、巨済の予備選に参加した進歩新党は、巨済でキム・ハンジュ候補を野党統一候補に当選させた。

19日午前国会内でおこなわれた野党圏候補単一化予備選管理委員会の発表によれば、候補確定地域69ヶ所のうち民主統合党57ヶ所、統合進歩党が11ヶ所、進歩新党が1ヶ所で勝利したと集計された。

ちなみに統合進歩党は選挙区調整で選出された16とあわせ27ヶ所で野党単一候補として地域区から出馬することになる。比例区にも20人ほどが立候補予定だ。

 これにより、李明博政権与党・セヌリ党と野党圏との11の対決構図が全面的に形成され、411総選挙勝利に向けて終盤の闘いが一気に加速することになる。

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【写真】3月19日、国会内で予備選結果を発表する野党圏候補単一化予備選管理委員会のパク・ソグン韓国進歩連帯共同代表()とペク・スンホン民主社会のための弁護士会(民弁)会長()

2012年3月12日 (月)

【韓国動向】4・11総選挙に向け野党圏連帯交渉が妥結

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韓国のインターネットニュースサイト「民衆の声」の報道によると、3月10日未明の午前4時、統合進歩党(以下、進歩党)と民主統合党(以下、民主党)の野党圏連帯交渉が妥結した。李正姫(イ・ジョンヒ)進歩党共同代表(写真左・旧民主労働党代表)と韓明淑(ハン・ミョンスク)民主党代表(写真右)が国会内で行われた「2012総選挙勝利のための野党圏連帯調印式」に臨み、合意文に署名した。これにより、411総選挙に向けて「反MB(李明博)戦線」が再構築される見込みだ。

最終合意文で両党代表は、「民生破綻と不正腐敗に彩られた李明博政府とセヌリ党(旧ハンナラ党)政権審判、民主主義と平和回復、労働尊重・福祉社会建設という国民の希望に従い、今日、全国的包括的野党圏連帯に合意した」「両党は総選挙勝利と政権交代のため大きく団結しろとの国民の要求に従い、411総選挙での共同の勝利、国民の勝利のために野党圏連帯に合意する」と宣言した。

合意文は、共同政策、全国的な選挙区調整、選挙戦を通した候補単一化方式などを含んでいる。

韓米FTA実施全面反対、済州島海軍基地工事中断で合意

共同政策は、総選挙で野党圏統一候補が共に勝利し、選挙後構成される第19代国会で両党が合意した「共同政策合意文」を実践するとしている。

政策交渉で難題となったのは、韓米FTAについて民主党の「再協議」と進歩党の「廃棄」の間の溝が埋まらず、結局「現政権が締結、批准した韓米FTAの実施には全面反対する」という妥協線で合意した。

また現在社会的イシューとなっている済州・江汀(カンジョン)村の海軍基地建設にたいしては即時工事中断とともに、第19代国会で工事計画の全面再検討、必要な場合、責任糾明のための国政調査を実施することでも合意した。

今回発表された共同政策合意文は、昨年から野党4党と市民・社会団体が協議して用意していた「希望2013宣言」と「大韓民国を変える20の約束」を基礎に作られた全野党陣営の共同政策実践課題である。

全体として、第19代国会で解決すべき課題として、▲民生懸案5大課題、▲過去清算と歴史見直しのための5大課題、▲経済民主化と普遍的福祉実現7大課題、▲韓米FTA実施反対、▲済州・江汀(カンジョン)村の海軍基地建設中断と再検討-などの合意がなされている。

また、その実現と履行状況の点検のための常設機構を構成・運営する一方、ドイツ式政党名簿比例代表制などを含んだ選挙制度改革を推進することでも合意した。

選挙区調整と選挙戦を通じた候補一本化

候補単一化と関連して選挙区調整または選挙戦を通じた候補単一化方式の採用で合意した。

▲選挙区調整では、民主党の譲歩地区16(=野党単一候補として進歩党候補16が確定)、進歩党の譲歩地区69で調整され、また、▲76の選挙区で選挙戦を通じた候補単一化を図ること(3月17~18日に各選挙区で「野党圏単一候補適合度」について世論調査を実施し決定)-で合意した。その他、一部地域では例外的に両党候補がそのまま立候補する地区もある。また、民主党が候補を決め切れていないソウル地方区については今後協議するとした。

【注】韓国の国会議員選挙は定数299、地域区(小選挙区)245と比例区54だったが、去る2月27日国会政治改革特別委員会で地域区1人増の公選法改正案が議決され、今回定数300、地域区246、比例区54へ。

2012年3月11日 (日)

2月米朝高位級会談の合意内容

朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)と米国間の第三回高位級会談が223日・24日に中国北京で行われ、229日、その内容について米朝が同時発表しました。

これについて、日本のマスメディアでは、①朝鮮側が核実験とミサイル発射、寧辺のウラン濃縮施設の活動の一時停止、IAEA監視要員の受入れを認め、②その見返りに米側が栄養食品の支援をおこなうことで合意した-というだけの報道が殆どですが、朝鮮外務省スポークスマンの発表によると、「朝米関係改善のための信頼醸成措置と朝鮮半島の平和と安全保障、6カ国協議再開に関連した問題が真剣で深く論議され」、上記の二点のほかいくつかの合意がなされています。これは、金正日総書記の死去後も政策が継続され、金正恩政権移行後初めての米朝合意という意味もあります。

  クリントン米国務長官は、「正しい方向へのささやかな第一歩」と言いましたが、朝鮮半島の平和を求める人びとから言わせれば、米国に停戦状態=準戦時状態の放置から平和協定締結の実現へ向かわせる「正しい方向へのささやかな第一歩」と言えると思います。(W)

【以下、朝鮮外務省スポークスマンの発表内容】(「朝鮮通信」より)

20117月と10月に行われた二度の米朝高位級会談の継続過程である今回の会談では、朝米関係改善のための信頼醸成措置と朝鮮半島の平和と安全保障、6カ国協議再開に関連した問題が真剣に深く論議された。

朝米双方は、919共同声明(【注】20056者協議共同声明=本ブログの書庫に全文所収)の履行意志を再確認して、平和協定が締結される前まで停戦協定が朝鮮半島の平和と安定のための礎石であることを認めた。

双方はまた、朝米関係を改善するための努力の一環として、一連の信頼醸成措置を同時にとることに合意した。

米国は朝鮮を敵視せず、自主権尊重と平等の精神で二国間関係を改善する準備がされていることを再確認した。

米国は文化、教育、スポーツなど様々な分野で人的交流を拡大する措置を取る意思を表明した。

米国は、朝鮮に24tの栄養食品を提供し、追加的な食糧支援を実現するために努力することとし、双方は、そのための行政実務的な措置を直ちにとることにした。

米国は対朝鮮制裁が国民の生活など民生分野を狙っていないという事を明らかにした。

6カ国協議が再開されれば、我々の制裁解除と軽水炉提供問題が優先的な議題になるだろう。

双方は、対話と交渉の方法で朝鮮半島の平和と安定を確保し、朝米関係を改善し、非核化を実現していくことがそれぞれの側の利益に合致することを確認して会談を継続することにした。

我々は米国の要求に応じて朝米高位級会談に肯定的な雰囲気を維持するために、実りある会談が行われる期間の核実験と長距離ミサイル発射、寧辺におけるウラン濃縮を臨時停止し、国際原子力機関の監視を可能にすることにした。

2012年3月 4日 (日)

3・1朝鮮独立運動93周年集会の報告

201081415_027  225日、「31朝鮮独立運動93周年-韓国・沖縄の人びとと連帯し平和つくろう!2・25集会」が東京・文京区民センターで開かれ、日本人と在日韓国人など多数が詰めかけた。

 折しも韓国では4月総選挙・12月大統領選を控え、李明博政権を打倒する政権交代の可能性が高まっており、集会では韓国ゲストを招き、その状況について講演を受けた。

 日韓ネット共同代表の渡辺健樹さんの主催者挨拶に続き、講演に立った韓国ゲストのソン・ミヒさん(全国女性連帯・民衆の力共同代表=写真)は、まず「31万歳運動は対日民族自主化の壮大な運動だったが、現在も対米民族自主化、平和・統一の運動として引き継がれている」「水曜デモ1千回ではベルリンの行動に呼ばれて行ったが、元『慰安婦』のハルモニたちは亡くなる方も多くもはや時間がない」と速やかな解決を訴えた。

 その上で韓国情勢について、「間もなく米韓合同軍事演習が始まるが、対北対決と緊張激化・民衆弾圧を繰り返してきた李明博政権は、政権周辺の不正・腐敗事件が次々と明るみに出ていることも併せて危機的状況にあり、野党勢力が分裂せず、李明博・与党と全面対決の構図が維持できれば勝利は疑いない」「現在、野党勢力は旧民主党中心の統合新党[民主統合党]と旧民主労働党中心の統合新党[統合進歩党]の二つのかたまりができ、政策調整・選挙区調整も進められている。民主統合党が若干支持率を伸ばして傲慢になり、調整も難しさがあるが、一致して李明博政権に向かえという統合民主党への大衆的圧力もある」「韓国が南北の和解と平和、民衆の生存権尊重へと舵を切ることになれば、それは東北アジアの平和にとっても寄与するものとなるだろう」と指摘した。

 集会ではまた、環境影響評価書糾弾!辺野古新基地建設阻止の闘いの報告を沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの吉田正司さん、水曜デモ1千回―今こそ日本軍「慰安婦」問題の解決を求める闘いの報告をVAWW RAC共同代表の中原道子さん、朝鮮高校への「高校無償化」適用を直ちに行うことを求める闘いの報告を森本孝子さん(「高校無償化」からの朝鮮学校適用廃除に反対する連絡会)から受けた。また原水禁国民会議の井上年弘・事務局次長から脱原発の取り組みのアピールも受けた。

さらに途中、ノレの会が韓国の民衆歌謡「岩のように」と在日の立場から祖国の統一を願い作られた「HANA(ひとつ)」を熱唱し、会場を盛り上げた。

集会は最後に、ソン・ミヒさんとともに今回来日したチェ・ウナさん(韓国進歩連帯統一局長)と日向よう子さん(HOWS)による日韓双方の提案で「韓米合同軍事演習に反対する日韓(韓日)共同声明」が発表され、全体で確認した。

2012年3月 3日 (土)

韓米合同軍事演習に反対する日韓(韓日)民衆の共同声明

韓米合同軍事演習に反対する日韓(韓日)民衆の共同声明

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127日、韓米連合軍司令部は、227日から39日にかけて韓米合同軍事演習「キー・リゾルブ」を実施し、31日から430日までは韓米合同野外機動演習である「フォールイーグル」を実施すると発表した。また119日、韓国軍は韓国と米海兵隊が来る3月に最大規模の連合上陸訓練である「双龍訓練(韓国名)」を実施することに合意したことも明らかにしている。

「キー・リゾルブ」演習は「北朝鮮全域を占領し北朝鮮軍を壊滅、北の政権崩壊」など、全面戦争を想定した「作戦計画5027」の移行演習であり、2009年からはいわゆる「急変有事」に備えた演習の割合を拡大しつつある。

特に今回の「双龍訓練」は、イ・ホヨン海兵隊司令官とマイケル・レグノ駐韓米海兵隊司令官が119日の指揮官会議を通じて合意したもので、韓国海兵隊と沖縄駐留米第3海兵遠征軍所属(司令部・沖縄キャンプ・コートニー)の海兵隊部隊など1万人余りが参加する軍事訓練であり、1989年に中止されたチームスピリット訓練以後23年ぶりに開かれる最大規模の海兵隊上陸訓練とされる。今回の「双龍訓練」に参加する第3海兵遠征軍は、「作戦計画5027」などで最初に投入される部隊であり、高速上陸艇と大型輸送機、戦闘爆撃機、浸透用輸送ヘリコプター、中型輸送ヘリコプターなどを備え、佐世保の第7艦隊の強襲揚陸艦などと一体の行動をとる。

韓国軍関係者によると「韓米両国海兵隊が昨年に旅団級連合上陸訓練を隔年実施で合意して以後初めて実施される訓練」としながら「金正日死後予想される北朝鮮の挑発の可能性を抑制して確固たる韓米同盟を誇示するためのもの」とされている。また、このほか韓米両国海兵隊は、西北島嶼地域防御のために中隊級野外機動訓練を定例化することにしている。

韓米軍事演習は平和を破壊する軍事挑発だ!

韓米連合司令部は「キー・リゾルブ」や「フォールイーグル」演習について「通年で行われる防御的訓練」だと主張しているが、演習に適用される「作戦計画5027」は侵略を撃退するという名目で「攻撃の兆し」があれば先制攻撃することも含んでおり、侵略を撃退するだけでなく北朝鮮全域を占領し、政権を崩壊させることをその目的としている。また、いわゆる「急変事態に備える」という名目で、北の政権崩壊、ピョンヤン占領、代理統治機構の樹立までをも想定した軍事訓練を並行することにより、「北の政権崩壊」という立場を明確にしている。

 海兵隊は浸透、上陸を担当する典型的な攻撃戦力であり、「作戦計画5027」によると、海兵隊上陸は「ピョンヤン占領」を想定した段階で行われる作戦だ。毎年行われる「キー・リゾルブ」や「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」期間には、すでに3千人規模の海兵隊が参加する韓米連合での海兵隊上陸訓練が行われてきたが、今回の上陸訓練こそ、これら演習の攻撃性を象徴するものであり、内外の集中批判を受けてきたものだ。しかし、今回前例のない大規模な海兵隊上陸訓練を追加並行するということは、朝鮮半島一帯の軍事的緊張を一挙に高めるものである。

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)では金正日総書記が急逝し、金正恩新体制が発足したばかりの今、韓米両軍があえてこのような大規模な軍事演習をおこなうことは、明らかな軍事的挑発以外の何ものでもない。

特に前例のない大規模な海兵隊上陸訓練を追加実施するということは、対話や米朝会談、6者協議の進展に水を差す敵対的行為としかいいようのないものだ。

そもそも2010年に発生した疑惑だらけの哨戒艦「天安」沈没事件は「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」軍事演習の最中に起こり、同年1123日の延坪島砲撃事件も、天安沈没事件を口実とした大規模な韓米海兵隊砲撃演習の最中に発生したということを見逃してはならない。

停戦協定を平和協定に!

平和を求める日韓(韓日)の市民・民衆は、こうした韓米合同軍事演習の中止を共同して強く求めるものである。

朝鮮半島の軍事的緊張の根源は、朝鮮半島が依然として「撃ち方止め」に過ぎない停戦状態のまま放置されていることにある。615南北共同宣言(2000)104南北首脳宣言(2007)は、朝鮮半島の和解と平和・統一の大方向を確認し、その具体化として朝鮮戦争の終結・平和協定締結問題や西海(黄海)の平和地帯化を目指すことでも合意した。このことは、朝鮮半島の人びとにとってだけではなく、日本を含む東北アジアの平和を願う民衆にとっても歓迎すべきものであった。

平和を願う日韓(韓日)の市民・民衆は、関係する諸国政府に次のように要求する。

一、韓国政府は、韓米合同軍事演習を中止し、615104宣言を履行せよ!

一、米国政府は、韓米合同軍事演習を中止し、北朝鮮との対話をはかり、6ヵ国協議の再開などあらゆる場を通じ、停戦協定の平和協定への転換を行え!

一、日本政府は、韓米合同軍事演習へのあらゆる加担をやめ、軍事緊張をもたらす韓米軍事演習への反対を公式に表明せよ!「制裁」を解除し日朝正常化交渉を再開せよ!普天間基地を閉鎖し、朝鮮半島やアジア諸国への出撃拠点となる辺野古新基地建設計画を撤回せよ! 

【日本側】2012 3・1朝鮮独立運動93周年集会実行委員会

連絡先団体 日韓民衆連帯全国ネットワーク、「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター(VAWW RAC)、反安保実行委員会、許すな!憲法改悪・市民連絡会、基地はいらない!女たちの全国ネット

【韓国側】韓国進歩連帯

構成23団体 キリスト教社会宣教連帯会議、労働人権会館、農民薬局、民家協良心囚後援会、民族民主烈士犠牲者追悼(記念)団体連帯会議、民族問題研究所、民族自主平和統一中央会議、民主労働者全国会議、民主民生平和統一主権連帯、民主化実践家族運動協議会、仏教平和連帯、全国農民会総連盟、全国民主化運動遺家族協議会、全国貧民連合、全国女性農民会総連合、全国女性連帯、祖国統一汎民族連合南側本部、平和在郷軍人会、統一広場、統合進歩党、韓国青年連帯、21世紀韓国大学生連合

2012年3月 2日 (金)

【韓国動向】民主統合党、統合進歩党結成と連合戦線体・民衆の力発足

民主党、民主労働党などが相次いで「統合新党」結成

 今年4月の総選挙、12月の大統領選勝利に向けて、韓国版政界再編が進められてきた。昨年末には、最大野党・民主党が市民統合党・韓国労総系と統合した新党・民主統合党を発足させ、また「進歩政党」を掲げる民主労働党、国民参与党、新しい進歩統合連帯が統合し、統合進歩党として出発した。

 民主労働党の李正姫(イ・ジョンヒ)代表、国民参与党の柳時敏(ユ・シミン)代表、新しい進歩統合連帯の魯会燦(ノ・フェチャン)代表は12月5日、国会で合同会議を開き3党統合を公式に決議した。 昨年1月に始まった「進歩政党」の統合協議は紆余曲折を経て10カ月で完了し、今年1月15日の中央党創党大会で最終的に統合した。2000年1月に誕生した民主労働党は12年の歴史に幕を下ろした。

世の中を変える民衆の力が出帆

 労働者、農民、学生などの市民団体の集合体として、「世の中を変える民衆の力(以下、民衆の力)」が12月3日誕生した。全国民主労働組合総連盟、全国農民会議総連盟、全国貧民連合、全国女性連帯、韓国青年連帯、韓国進歩連帯、社会進歩連帯、平和と統一を開く人々などの団体と共に、民主労働党、進歩新党、社会党などの各進歩的政党も網羅されている。

 この日、ソウル駅広場で「民衆の力」結成式を兼ねて行われた「2011年民衆大会」には約2500人が参加、米国とのFTAに代表される「すべての新自由主義政策に反対する」と宣言された。大会では米国のFTAが、「1%の富める者のためだけに、故障した米国式新自由主義制度を移植する超法規的な経済統合協定」であり、「健康保険制度の破たんを招き、零細企業を保護することはFTA違反になり、農業は塗炭の苦しみを強いられる」と指摘した。

 「民衆の力」は、米国とのFTAの無効化をはじめ、民衆の生存権の保障、李明博大統領の退陣、ハンナラ党の解体などを求めている。

 大会ではまた、「テロとの戦争」という口実でこの10年間に米国が繰り広げてきたイラク、アフガニスタン戦争を糾弾し、米国との大規模軍事演習と済州島の海軍基地建設など、「朝鮮半島と東北アジアの緊張を高めるいかなる行為にも反対する」と強調した。 大会は午後2時過ぎから約40分にわたって開催された。

<世の中を変える民衆の力構成>

参加団体:労働社会科学研究所、労働人権会館、農民薬局、みんなで、民主労働党、民主労働者全国会議、民主化のための全国教授協議会、反貧困貧民連帯、富川民衆連帯、仏教平和連帯、不安定労働撤廃連帯、貧困社会連帯、貧民解放実践連帯、四月革命会、社会党、社会進歩連帯、ソウル連帯、イエスキリスト住んでいる、全国労働者会、全国農民会総連盟(全農)、全国民主労働組合総連盟(民主労総)、全国貧民連合、全国女性農民会総連合、全国女性連帯、全国障害者差別撤廃連帯、全国学生行進、全泰壹財団、全泰壹労働大学、祖国統一汎民族連合南側本部(汎民連)、進歩新党、カトリック正義具現全国連合、追慕連帯、平和と統一を開く人々、全国非正規センター、韓国進歩連帯、韓国青年連帯、現場実践連帯、現場実践社会変革労働者戦線、21世紀コリア研究所、21C韓国大学生連合(40団体)

オブザーバー団体:民言連、民族自主平和統一中央会議、釜山(プサン)民衆連帯、蔚山(ウルサン)進歩連帯、大邱(テグ)民衆ゴンツボン、光州(クァンジュ)進歩連帯、京畿(キョンギ)進歩連帯、慶南進歩連合(準)(8団体)

常任代表:民主労総キム・ヨンフン委員長

共同代表:全農イ・グァンソク議長、全女農バク・ジョムオク会長、全貧連シム・ホソプ議長、貧民解放実践連帯ベ・ヘングク共同議長、韓国青年連帯パク・ヒジン共同代表、全国女性連帯ソン・ミヒ共同代表、民主労働党イ・ジョンヒ代表、進歩新党ホン・セファ代表、社会党アン・ヒョサン代表、平和と統一を開く人々ベ・ジョンリョル常任代表、汎民連南側本部イ・ギュジェ議長、全泰壹労働大学キム・スンホ代表、労働戦線ジョ・フイジュ代表、もろともにチェ・ヨンジュン運営委員、ソウル連帯キム・ジョンミン共同代表、宗教関連の代表者1名追加予定(全16人)

【書庫】声明 延坪島砲撃戦と私たちの立場(2010年12月)

  【声明】 延坪島砲撃戦と私たちの立場                         

今こそ朝鮮半島の準戦時状態に終止符を打ち恒久的平和体制へ

朝鮮半島の緊張を利用した米日韓三角軍事同盟の強化反対!

2010121日 日韓民衆連帯全国ネットワーク

延坪島砲撃戦と「2010護国演習」をめぐる経過

1123日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の朝鮮人民軍は、韓国側の延坪島に砲撃を行い、兵士と基地建設に携わっていた労働者の計4名が死亡、十数名の負傷者が出た。これに対して、韓国軍も北朝鮮側に応射しているが、北朝鮮側の被害状況は不明である。民間人に被害が出たことについては北朝鮮側も「遺憾」の意を表明した。

これに先立ち、韓国側では1122日から「2010護国演習」と名づけられた大規模軍事演習が繰り広げられていた。この軍事演習はかつての米韓合同軍事演習「チームスピリット」に代わるものとして行われ、今年は韓国全土で韓国軍7万人以上と戦車・機動車両600両以上、戦闘ヘリ90機以上、艦艇50隻以上、航空機500機以上が参加、延坪島一帯でも実弾砲撃訓練が計画されていた。

これに対して北朝鮮側は延坪島一帯での砲撃演習計画が発表された直後から繰り返し中止を要求し、事件当日の午前8時、南北軍事会談の北朝鮮側団長から韓国側団長に再び中止を強く求める電話通知文を送り警告を発していたが、韓国側はこれを無視して砲撃演習を強行した。韓国国防部の報告書では、砲撃演習は午前1015分から北側の砲撃が始まるまでの1424分までの4時間にわたり、実に3,657発に達する実弾砲撃を行ったとされている。また表立っては西南方向に向けて発射したとしているが、「射撃訓練の砲が北の作戦統制線を越えた蓋然性がある」との軍当局者の見解も明らかになっている。ちなみに延坪島は、北朝鮮側の甕津半島から12.6km、ミリョクリ島からは僅か4kmしか離れていない。こうした場所で行う砲撃演習は、明らかに軍事挑発というほかない。

緊張をエスカレートさせるすべての戦争演習を中止せよ!

この延坪島事態を受けて、米韓は黄海で1128日から121日にかけて横須賀を母港とする原子力空母ジョージ・ワシントンや巡洋艦カウペンスを含む大規模な軍事演習を行っている。黄海での米原子力空母の演習に反対してきた中国をも牽制しつつ行われている大規模軍事演習は、朝鮮半島と東北アジアの軍事的緊張をさらに高めるものである。123日から10日には、引き続きジョージ・ワシントンを含む大規模な日米統合実働演習も予定されている。これらが連動した軍事演習であることはいうまでもない。

私たちは、これらの軍事演習の中止を強く求めるものである。

この間、米韓両国は、白翎島周辺での米韓合同軍事演習中に沈没した哨戒艦・天安号事件を、数々の疑問が噴出しているにもかかわらず「北朝鮮の攻撃」と断定し、国連安保理議長声明(注)にも反して対北朝鮮軍事演習を繰り返してきた。「2010護国演習」もこの流れの中にあった。私たちは、今回の延坪事態を口実として軍事的緊張をさらにエスカレートさせるいかなる動きにも反対する。何より南北当局は自制し、対話により事態の平和的解決に向かうよう強く求めるものである。

(注)哨戒艦事件に対する国連安保理議長声明は、「北朝鮮攻撃説」をとらず、事件とは無関係とする北朝鮮側の主張にも留意した上で、「朝鮮戦争休戦協定の完全な順守を促し、紛争の回避と状況悪化の防止を目的に、適切なルートを通じ直接対話と交渉を可能な限り速やかに再開し、平和的手段による朝鮮半島の懸案解決を奨励する」としている。

横たわる西海北方限界線(NLL)と停戦協定違反

 今回の延坪島砲撃戦の背景には、北方限界線(NLL)の問題が横たわっている。

 朝鮮戦争の停戦協定では、陸上の軍事境界線と非武装地帯については合意がなされたが、いわゆる西海北方限界線(NLL)を海上の軍事境界線とする何らの合意もなされていない。

 この北方限界線とは、朝鮮戦争中にクラーク米軍総司令官兼国連軍司令官による北朝鮮に対する海上封鎖線、「クラーク・ライン」に端を発している。しかし「クラーク・ライン」は、朝鮮戦争の停戦協定の締結とともに合意に基づき解除された。現在、韓国側が主張する北方限界線は、この「クラーク・ライン」に沿い停戦協定後に国連軍司令官が一方的に設定したものであるが、その意味はまったく180度異なっていた。

停戦交渉の過程で、当時の李承晩政権はあくまで「北進統一」を唱え、停戦協定そのものに反対し、停戦協定にも加わらなかったばかりか、陰に陽にこれを破壊しようと挑発を繰り返していた。これに手を焼いた米軍・国連軍司令部が、李承晩の海上における北進を押さえ込むために設けたのが北方限界線であった。このことはその名称自体に端的に示されている。

停戦協定では、確かに朝鮮半島北部を取り囲む西海海域のうち白翎島、大青島、小青島、延坪島、隅島の5島については国連軍総司令官の軍事統制下に残すことが合意されている。しかし、それは個々の島の管轄を認めただけである。西海上の境界線として協定で合意され共同管理されてきたのは漢江河口から隅島までのみであり、西海5島を結んで事実上北側にたいする海上封鎖線的性格を持つものは何ら認められていない。むしろ、「本停戦協定は、敵対中の一切の海上軍事力に適用され、このような海上軍事力は非武装地帯と相手方の軍事統制下にある朝鮮陸地に隣接した海面を尊重し、朝鮮に対していかなる種類の封鎖もできない」(第216項)と明記され、前述のように協定締結後双方の合意に基づき「クラーク・ライン」は解除された。

休戦協定はまた、「協定に対する修正増補は、必ず敵対双方司令官等の相互合意を経なければならない」「協定の各条項は、双方が共同で受け入れる修正及び増補または双方の政治的水準での平和的解決のための適当な協定中の規定により明確に交替される時まで効力を持ち続ける」(第561項、62項)としている。

したがって、北方限界線を軍事境界線、事実上北側にたいする封鎖線とする韓国側の一方的な主張と行動は、停戦協定違反である。まして西海5島はすべて、1982年の国連海洋法条約の領海12海里(22.224km)規定に基づけば、北朝鮮の領海内に存在しているのである。

この北方限界線について北側は一貫して認めておらず、南北間の艦船の間で衝突が繰り返されてきた。

こうした状況を踏まえ、199112月に調印された「南北間の和解と不可侵および交流と協力に関する合意書」(南北合意書)の付属合意書第10条で、「南と北の海上不可侵線については、今後継続して協議する。海上不可侵区域は、海上不可侵線が確定されるときまでは、双方がこれまで管轄してきた区域」とした。

つまり、海上の不可侵線についてはこれまで双方の合意がないことを双方が認め、継続して協議することことにしたのであり、この合意に立ち返って南北の漁民の安全操業の保障等を含め、南北間の協議が進められる必要がある。盧武鉉前大統領と金正日国防委員長との「104南北首脳宣言」(2007)は、それをさらに具体化する内容を打ち出していた。これらの南北合意の履行こそが求められている。

停戦=準戦時状態を放置している米国の責任、そして日本

今回の延坪島砲撃事件は、あらためて朝鮮半島が「撃ち方止め」に過ぎない停戦=準戦時状態のまま放置され続けていることを浮かび上がらせた。その最大の責任は米国にある。

停戦協定では、「朝鮮問題の平和的解決を保障するため…停戦協定が調印され効力を発生した後3ヶ月以内に双方の高級政治会談を召集し、朝鮮からのすべての外国軍隊の撤収及び朝鮮問題の平和解決などの問題を協議する」(第460項)とされているにもかかわらず、米国は同年12月、一方的に協議の場から退席、10月に李承晩政権との間で締結した米韓相互防衛条約を盾に居座り続けた。それは米陸海空軍を「無期限に韓国に駐留することを許容」し、「韓国の軍事力を国連軍司令部の作戦統制下に置く」(54年米韓共同声明)ものだった。そして米国は1950年代以降膨大な戦術核兵器を韓国内に持ち込み、「チームスピリット」などの大規模軍事演習を繰り返して絶えず軍事的緊張を作り出してきた。6者協議の枠組みができて以降も「フォール・イーグル」などの大規模軍事演習を繰り返してきた。停戦協定で、「朝鮮国境外から増援・増員する軍事人員を入れることを停止する」(第213項の3)、「朝鮮国境外から増援する作戦飛行機、装甲車両、武器及び弾薬の搬入を禁止する」(同4)と明記されているにもかかわらず、である。

 こうした状況の中で、今回の事態も起きたのである。米国が停戦協定の責任ある当事者であるなら、米朝の対話によって停戦=準戦時状態に速やかに終止符を打ち、平和協定締結など朝鮮半島の恒久的平和体制への移行を図るべきなのである。そうしてこそ、朝鮮半島の核問題も根本的解決に向かうだろう。

 現在、日本政府・菅政権は、米韓の尻馬に乗りながら、先に釜山で行われた「大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)」に基づく海上封鎖演習に自衛隊艦隊を実働参加させるなど、米日韓三角軍事同盟の弱い環である日韓の軍事協力体制強化を画策している。123日からの日米統合演習には、初めて韓国軍がオブザーバー参加することも明らかになっている。今年8月の「韓国併合100年」についての韓国だけに向けられた首相談話も、反省のリップサービスによって韓国世論を緩和させ、こうした新たな画策を進めようとするよこしまな意図が見え隠れしている。朝鮮高校の無償化手続きも菅首相の指示でストップさせられた。

さらに菅政権の諮問機関である「新安保懇」報告に基づき、自衛隊配備の南西へのシフト、島嶼防衛、「武器輸出三原則」見直しなどを含む新防衛計画大綱を策定しようとしている。沖縄民衆の圧倒的多数の意思を無視し、今年5月の日米共同宣言に基づき辺野古への新基地建設にあくまで固執している。

私たちは、こうした政策に強く反対する。

 政権交代を実現させた日本の多くの人々は、このような道を望んだのではないだろう。議論はあるにせよ鳩山前代表の「東アジア共同体」「(普天間移設の)国外、最低でも県外」「米国と対等な関係」などの主張にむしろ多くの人々が共感を寄せた結果である。

 私たちは、日本政府が朝鮮半島と東北アジアの緊張激化に加担するのではなく、朝鮮半島の和解と平和・統一、東アジアの平和構築に積極的に寄与する道を進むよう重ねて強く要求するものである。

【書庫】資料 10・4南北首脳宣言(2007年)

南北関係の発展と平和繁栄のための宣言(全文)

                 [いわゆる104南北首脳宣言]

 大韓民国の盧武鉉大統領と朝鮮民主主義人民共和国の金正日国防委員長間の合意に従い、盧武鉉大統領が2007年10月2日から4日まで平壌を訪問した。

 訪問期間中、歴史的な出会いと会談があった。

 出会いと会談では、6・15共同宣言の精神を再確認し、南北関係の発展と韓半島の平和、民族共同の繁栄と統一を実現するための諸般の問題を虚心坦懐に協議した。

 双方は、わが民族同士、意思と力をあわせれば、民族繁栄の時代、自主統一の新時代を開いていくことができるという確信を表明し、6・15共同宣言に基づいて南北関係を拡大、発展させていくために次のように宣言する。

 1、南北は、6・15共同宣言を固守し、積極的に実現していく。

 南北は、わが民族同士の精神に従って統一問題を自主的に解決しながら、民族の尊厳と利益を中心として、すべてのことを、これに向かわせていくことにした。

 南北は、6・15共同宣言を引き続き履行していこうとする意思を反映して、6月15日を記念する方案を講究していくことにした。

 2、南北は、思想と制度の差を超越して、南北関係を相互尊重と信頼の関係に確実に転換させていくことにした。

 南北は、内部問題に干渉せず、南北関係の問題を和解と協力、統一に合致するように解決していくことにした。

 南北は、南北関係を統一指向的に発展させていくため、それぞれ法律的、制度的な装置を整備していくことにした。

 南北は、南北関係の拡大と発展のための諸問題を、民族の念願に合致するように解決するため、双方の議会など、各分野の対話と接触を積極的に推進していくことにした。

 3、南北は、軍事的な敵対関係を終結させ、韓半島における緊張緩和と平和を保障するために緊密に協力していくことにした。

 南北は、互いに敵対視せず、軍事的な緊張を緩和し、紛争問題を対話と交渉を通して解決していくことにした。

 南北は、韓半島において如何なる戦争にも反対し、不可侵の義務を確固として遵守することにした。

 南北は、西海での偶発的な衝突防止のため、共同漁業水域を指定し、この水域を平和水域とするための方案と、各種の協力事業に対する軍事的な保障措置問題など、軍事的な信頼構築措置を協議するため、南側の国防相と北側の人民武力相の間の会談を今年11月中に平壌で開催することにした。

 4、南北は、現休戦体制を終結させ、恒久的な平和体制を構築していかなければならないということで認識を同じくし、直接関連する3カ国または、4カ国の首脳が、韓半島地域で会談し、終戦を宣言する問題を推進していくために協力していくことにした。

 南北は、韓半島の核問題を解決するために、6カ国協議の「9・19共同声明」と「2・13合意」が順調に履行されるよう、共同で努力することにした。

 5、南北は、民族経済の均衡的な発展と共同の繁栄のために、経済協力事業を共利共栄と有無相通の原則で、積極的に活性化し、持続的に拡大発展させていくことにした。

 南北は、経済協力のための投資を奨励し、基盤施設の拡充と資源開発を積極推進し、民族内部協力事業の特殊性に合わせて各種の優遇条件と特恵を優先的に付与することにした。

 南北は、海州地域と周辺海域を包括する「西海平和協力特別地帯」を設置し、共同漁業区域と平和水域の設定、経済特別区建設と海州港の活用、民間船舶の海州直航路通過、漢江河口の共同利用などを積極的に推進していくことにした。

 南北は、開城工業地区の1段階建設を早い時期に完工して2段階開発に着手し、汶山鳳東間の鉄道貨物輸送をはじめ、通行、通信、通関問題をはじめとする諸般の制度的な保証措置を早急に完備していくことにした。

 南北は、開城新義州鉄道と開城ー平壌高速道路を共同で利用するため、改補修問題を協議・推進していくことにした。

 南北は、安辺と南浦に造船協力団地を建設し、農業、保健医療、環境保護など、さまざまな分野での協力事業を進めていくことにした。

 南北は、南北経済協力事業の円滑な推進のため、現在の「南北経済協力推進委員会」を副首相レベルの「南北経済協力共同委員会」に格上げすることにした。

 6、南北は、民族の悠久な歴史と優秀な文化を輝かせるため、歴史、言語、教育、科学技術、文化芸術、体育など、社会文化分野の交流と協力を発展させていくことにした。南北は、白頭山観光を実施し、このため白頭山ソウル直航路を開設することにした。

 南北は、2008年北京オリンピック大会に南北応援団が京義線列車を初めて利用して参加するようにした。

 7、南北は、人道主義協力事業を積極推進していくことにした。

 南北は、離散家族・親族の再会を拡大し、ビデオ手紙の交換事業を推進していくことにした。

 このため、金剛山面会所が完工するに従って、双方の代表を常駐させ、離散家族・親族の再会を常時進めていくことにした。

 南北は、自然災害をはじめとして災難が発生する場合、同胞愛と人道主義、相互扶助の原則に従って積極的に協力していくことにした。

 8、南北は、国際舞台において、民族の利益と海外同胞の権利と利益のための協力を強化していくことにした。

 南北は、この宣言の履行のため、南北首相会談を開催することとし、第一回会議を今年11月中にソウルで行うことにした。

 南北は、南北関係の発展のため、首脳が随時会談して懸案問題を協議していくことにした。

 2007年10月4日  ピョンヤン

 大韓民国大統領 盧武鉉    朝鮮民主主義人民共和国国防委員長  金正日

2012年3月 1日 (木)

【書庫】日韓ネットの声明・見解および関連資料

資料① 北朝鮮の核実験に対する日韓ネットの声明(2006.10.10)

資料② 北朝鮮の核実験に対する韓国社会・市民団体の共同記者会見文(2006.10.10)

資料③ 北朝鮮ミサイル問題に対する日韓ネット声明(2006.7.9)

資料④ 6カ国共同声明全文(2005.9.19)

資料⑤ 6カ国共同声明に対する日韓ネット声明(2005.9.25)

資料⑥ 「竹島の日」条例に反対する日韓ネット声明(2005.4.1)

資料⑦ 日朝ピョンヤン宣言全文(2002.9.17)

資料⑧ 日朝首脳会談・ピョンヤン宣言に対する日韓ネット声明(2002.9.20)

資料⑨ 米朝ジュネーブ枠組み合意全文(1994.10.21)

資料⑩ 南北共同宣言全文(2000.6.15)

       

資料① 声明   北朝鮮の核実験をめぐって
制裁ではなく、今こそ米朝交渉実現の国際世論を

20061010日 日韓民衆連帯全国ネットワーク

(一)
 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)政府は、109日、地下核実験を「成功裏に行った」と発表した。核保有を宣言し、「強硬には超強硬で」と言明していたことからすれば、ミサイル発射実験に続く、予想された事態である。 
 私たちは、これまで反戦・反核・平和を求め、また韓国・朝鮮の人々との真の和解と平和、友好連帯を求める中で、米国を筆頭とする核大国はもとより、北朝鮮を含むすべての国の核開発・核保有・核実験に反対の立場を繰り返し明らかにしてきた。私たちは、あらためて今回の北朝鮮の核実験に反対の立場を表明する。
 しかし、今回の北朝鮮の核実験が、米軍の先制攻撃態勢の強化と日米軍事同盟の再編・強化、とりわけミサイル防衛(MD)がすすめられ、さらにリムパックなどの大規模軍事演習が繰り返し行われていることが背景にあることは明らかである。こうした動きに北朝鮮側が脅威を感じても不思議ではない。
 今回の核実験は、こうした動きに対して軍事力を示し、核保有国として交渉力を強め、米朝直接交渉へのアピールの意図が込められている。

                (二)
 私たちは、何よりも朝鮮半島の平和と非核化の実現のためには、制裁ではなく、朝鮮半島をめぐる歴史的構造的な問題解決に向かうことこそが求められていることを繰り返し訴えてきた。
 問題の根源は、南北が分断され、米朝が半世紀以上にもわたり準戦時状態のまま放置され続けていることにある。このことが、朝鮮半島の南北の人々にどれだけ苦痛を与えてきたか。
 こうした中で、1994年に米朝は、核問題の解決と関係正常化にまで至る包括的な合意に至り、2000年には南北首脳会談で南北の和解と平和・統一の方向も合意された。しかし、新たに成立したブッシュ政権は「悪の枢軸」規定を打ち出し、2002年、日朝ピョンヤン宣言が出された直後には新たな「ウラン濃縮疑惑」を持ち出し、米朝包括合意を一方的に反故(ほご)にした。
 その後、米国は直接対話を拒否し続け、北朝鮮側は核保有を宣言、核実験実施にまで至ったのである。しかし、北朝鮮側は、米国の敵視政策が変わりさえすれば、検証可能な形で核を放棄すると繰り返し明確にしている。
 朝鮮半島の平和と非核化の鍵は、形式はどうであれ、実質的な米朝交渉により、準戦時状態から恒久的平和体制へ移行し、朝鮮半島の非核化、米朝関係の正常化など、朝鮮半島問題の包括的な解決を実現することにある。
 この点で、直接交渉を拒み続け、問題解決を先送りし、事態の深刻化を招いてきた米ブッシュ政権の責任はきわめて重大である。

                (三)
 現在、米国は国連安保理に武力行使も可能とする国連憲章第7章を盛り込んだ制裁決議案を提出した。北朝鮮船舶への臨検なども含んでいるとされている。安倍政権もこれに同調し、独自の追加制裁も実施の構えをとっている。
 私たちは、北朝鮮への一切の制裁に反対する。このような制裁決議や、あるいは有志連合による臨検・海上封鎖などを許せば、ますます容易ならぬ事態を招くことになる。
 東アジア情勢は、戦争か平和の道かを鋭く問う、まさに重大な岐路に立っている。
 制裁ではなく、今こそ米朝交渉の実現を求める国際的世論を巻き起こすことが強く求められている。


資料② 【韓国運動体の記者会見文】
      ~平和と共存共栄の未来のため前向きの決断を促す~
   
米国は北に対する制裁を中断し、直ちに米朝対話を行え

 9日、北の核実験を成功裏に行ったとの発表は、内外に大きな衝撃を与えた。
 私たちは朝鮮半島、ひいては全世界で核兵器が廃絶され、互恵平等、平和共存の原則のもとで国際関係が発展することを心から願っている。また、その方法は明確に平和的で合理的でなければならないと考える。そのように見たとき、米朝間の葛藤と対決がついに核実験にまで激化してしまったということは、非常に遺憾なことだ。
 米朝の葛藤と対決を解決する基本方向は、 94年のジュネーブ合意と2000年の米朝共同コミュニケ、9.19の六か国共同声明で合意された朝鮮半島の非核化実現と関係正常化、平和保障体制の構築によって問題を根本的に解決しようとするものだった。これらの合意が忠実に履行されていれば、平和は実現していただろう。
 しかし、これら合意は履行されず、朝鮮半島は一触即発の緊張状態に包まれている。
 このように合意が無力になったのは、米ブッシュ政権の敵対政策にその原因がある。北に対する敵視政策は、関係改善と矛盾する。
 ブッシュ政権はこれまで一貫して北への敵対政策を強化し、特に 9.19六か国共同声明の発表直後には未確認のいわゆる「偽装紙幤」問題まで持ち出して、制裁を全面化しつつ軍事的脅威も強化させ、9.19共同声明を無力化させてしまった。
 このような圧迫政策は必ず強い抵抗を呼び起こすように、合意を反故にし、力で北を屈服させようとした米国の強硬政策こそ、北の核保有という強硬な対応をもたらしたその基本要因となった。
 今回の核実験後、米国と日本は安保理の追加制裁を扇動し、南側政府も対北政策の転換を示唆している。甚だしくは「軍事的制圧」のような極端な主張まで垣間見える。
 しかし、このような強硬姿勢がむしろ北の強い抵抗を招くだけだというのは、すでに核実験という結果で確認されている。
 米国は状況をさらに悪化させる一切の制裁を中断し、米朝の直接対話に積極的に乗り出すべきである。米国は対話で解決するとしながら、決して安保理の追加制裁や対北封鎖を行ってはならない。特に、船舶拿捕と強制臨検などの措置は、物理的衝突を招く深刻な挑発行為という点で、絶対あってはならない。
 米国が真に非核化と平和を願うなら、北への圧迫政策を中断し、平和共存の政策に転換する決断を下すべきだ。
 対北制裁のお先棒を担ぐと自認している日本は、状況悪化をけしかける行動を直ちに中断しなければならない。日本は北への強硬制裁を煽りながら状況をさらに激化させており、これを元に軍国主義的な右傾化を合理化している。
 日本は自国の軍国主義的目的のために、東北アジア一帯の緊張を高める恥ずべき行動を直ちに中断しなければならない。
 南側政府が対北政策の根本的変化を示唆したことは、状況への介入力を自ら放棄することのみならず、6.15南北共同宣言を全面破棄する立場となる。政府は米国の圧迫政策がもたらしたこの局面を冷静に見るべきであろう。
 最近になって核実験を行った国の中で、唯一北のみを制裁の対象と規定する状況は決して合理的だとはいえない。朝鮮半島の平和と統一は、どちらか一方を武力と圧力で屈服させ実現されるものではなく、米日の覇権政策に追従することは大変愚かで危険千万なことだといわざるを得ない。
 南側政府は開城工団の経済協力事業と金鋼山観光事業など、平和志向的で建設的な南北協力事業をも中断させようとする内外の好戦勢力の煽動に決して乗せられてはならない。
 今こそ南北の和解協力政策を積極的に推進し、平和と統一という確固たる志向を内外に示すことこそ必要なときだ。
 私たちは、朝鮮半島の平和を守る力は、わが民族にあることを信じて疑わない。
 もしも米国が対北敵視政策や戦争脅威をあおり、状況をさらに悪化させるようならば、これを阻止粉砕するための炎は大きく燃え上がり、東北アジアにおいて何とか保っているその影響力さえも深刻な打撃を受けるだろう。
 平和と共存共栄の未来のために、再度各国の賢明で前向きな決断を促すものだ。   

                    2006 10 10

6.15南北共同宣言の実現と朝鮮半島の平和のための統一連帯>
苦難を受ける人々と共にする会/キリスト教市民社会連帯/南北共同宣言実践連帯/大韓民国臨時政府記念事業会/文学芸術青年共同体/民族問題研究所/民族民主烈士・犠牲者追悼連帯会議/民族自主平和統一中央会議/民族和合運動連合/民主労働党/民主社会のための弁護士委員会(民弁)・統一委員会/民主主義民族統一全国連合/民主化実践家族運動協議会(民家協)/反米女性会/(社)金九精神実践同胞連合/仏教平和連帯/非転向長期囚送還推進委員会/四月革命会/実践仏教全国僧家会/民家協良心囚後援会/自主女性会(準)/全国農民会総連盟(全農=農民連)/全国大学新聞記者連合(全大記連)/全国牧会者正義と平和実践協議会/全国民族民主遺家族協議会(遺家協)/全国民主労働組合総連盟(民主労総)/全国貧民連合(貧民連)/全国女性農民会総連合/祖国統一汎民族連合南側本部(汎民連)/祖国平和統一仏教協議会/カトリック統一後援会/青年統一のひろば/統一広場/統一を迎える文益煥牧師記念事業会/統一を迎えるハンシン連帯/韓国カトリック農民会/韓国労働社会研究所/韓国労働組合総連盟(韓国労総)/韓国大学総学生会連合(韓総連)/韓国青年団体協議会/韓民族生活文化研究所/21世紀コリア研究所/COREA平和連帯

資料③  声明   北朝鮮のミサイル発射問題に寄せて

北朝鮮への一切の制裁に反対する

-誰が東アジアの平和の脅威なのか

2006.7.9日韓民衆連帯全国ネットワーク

(1)軍事行動にお墨付きを与える日米などの「国連制裁決議案」

 7月5日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は7発のミサイル発射実験をおこなった。ミサイルは、いずれも日本海(東海)のロシア側公海に落下した。

 これに対して日本政府は、直ちに万景峰号の6ヶ月間の入港禁止、北朝鮮当局の職員の入国禁止、日本の国家公務員の渡航自粛と民間に渡航の自粛を求めることなど9項目の「制裁」措置を発動した。さらに追加措置の構えを取るとともに、国連安全保障理事会に米英などと共同して「制裁決議案」を提出した。これに対しては中ロが反対姿勢を示している。

 私たちは、この「制裁決議案」に強く反対するとともに、一切の「制裁措置」に反対する。

 とりわけ、日本政府が作成したとされる国連「決議案」は、経済制裁や武力行使さえも可能とする国連憲章第7章に基づいて行動することを掲げた、とんでもない代物だ。

 国連憲章第7章は、その第42条〔軍事的措置〕で、「安全保障理事会は、第41条(注・非軍事的措置)に定める措置では不十分であろうと認め、又は不十分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍又は陸軍の行動をとることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる」と規定している。

 まして朝鮮半島では、先制攻撃戦略をとる米軍が「国連軍司令部」のシャッポを被り居座り続けており、依然として「撃ち方やめ」に過ぎない停戦状態のまま今日に至っているのである。

 私たちは、このような「制裁決議案」を含む一切の制裁措置に反対する。

(2)誰が「緊張の原因」を作り出しているのか

 

私たちは、北朝鮮の核開発やミサイル発射実験にも強い憂慮を表明する。

 だが、何よりも私たちは、朝鮮半島における南北分断と戦争の脅威の根源である米国の責任をあらためて強調し、強く非難するものである。

 日本ではほとんど報道されていないが、この間にも、6月下旬からグァム近海で横須賀を母港とするキティホークをはじめ、ロナルド・レーガン、エイブラハム・リンカーンの3隻の空母機動部隊とB-2戦略爆撃機をはじめとする航空機280機などが参加した大規模軍事演習が行われ、すぐ続いて、6月末から7月末までハワイ沖で、米・日・韓・豪・加・ペルー・チリなどによる環太平洋合同軍事演習「リムパック」が大規模に行われている。「6カ国協議」の枠組みができている今なお、米韓合同軍事演習も繰り返し行われている。

 在日米軍の再編、駐韓米軍の再編が、「不安定の弧」と米国が規定した広い範囲をターゲットにした機動性の確保を意図するものであると同時に、依然として対北朝鮮先制攻撃態勢の強化をも含んでいる。横須賀を母港とする米トマホーク艦が、常時ピョンヤンを射程に入れていることなども忘れてはならないだろう。これらが、北朝鮮側にとって大きな脅威として写っているとしても不思議ではない。

 この間、米朝ジュネーブ包括合意を一方的に反故(ほご)にし、米朝二国間協議を拒否し続けて問題解決を先送りし、朝鮮半島の核問題の解決をめざす「6カ国協議」で時間稼ぎをして、北朝鮮体制の自動崩壊を目論んできたのが米・ブッシュ政権である。

 昨年9月の「6カ国共同声明」は、検証可能な形で朝鮮半島の非核化を目指すことを確認し、同時に、米朝が「相互の主権を尊重し、平和裏に共存すること、二国関係に関するそれぞれの政策に従って関係正常化の措置を取る」ことや「直接の当事者は、適当な話し合いの場で、朝鮮半島における恒久的平和体制について協議する」等でも合意した。そして、これらを「公約対公約、行動対行動」の原則のもと双方が段階的に進めることを確認した。

 しかし、この米朝ジュネーブ包括合意の6カ国版ともいうべき内容に内心不満な米・ブッシュ政権が、これを事実上反故にしようとして持ち出してきたのが「偽ドル疑惑」を口実とした金融制裁であった。こうしておきながら米当局は、「これは6カ国協議とは別問題であり、北朝鮮は無条件で6カ国協議に復帰すべき」などと主張している。だが、これ自体が「6カ国共同声明」に反する行為である。

問題は、「6カ国共同声明」を履行するか否かである。これなしには、6カ国協議も有名無実の場となる。そして、その履行の鍵は、まさに対立する当事者である米朝の交渉にある。

 現在、米国内ですらブッシュ政権の「米朝直接交渉拒否」という名の無策が、事態をより深刻化させているとしてこれに対する批判が強まっている。

 私たちは、何よりも米国が「6カ国共同声明」を履行し、速やかに米朝交渉を行うよう強く要求する。

(3)北朝鮮の「脅威」煽る政府・マスコミ-和解と平和の道をとれ

 私たちは、今回日本政府が先頭に立って北朝鮮「脅威」論を煽り、ネオコンの一人である米国連大使・ボルトンらと手を組み、軍事行動まで選択肢とする「国連制裁決議案」を提出したことを強く非難し、その撤回を要求する。

 日米軍事同盟の再編強化、日米軍事一体化を推し進め、いまや公然と現職閣僚が「ミサイル発射基地を事前に叩くことも自衛の範囲内」と言い放つまでに至っている。

 米軍と一体となり戦争国家の道をひた走り、憲法9条改悪にまで至るプロセスを加速しているこうした日本の姿が、ひとり北朝鮮だけではなくアジアの人々に大きな憂慮を与えている。

 私たちは日米軍事同盟の再編強化、日米軍事一体化と、そのための新たな治安維持法である共謀罪をはじめとする国内の戦争体制作りのための一切の法律・法案、憲法9条改悪の動きに引き続き強く反対する。

 私たちは、日本のマスメディアの多くが、日本と朝鮮半島の歴史や朝鮮半島問題の本質は一切抜きにして、北朝鮮に対する一方的なバッシングを繰り返していることを厳しく批判する。

拉致問題を通じてあたかも日本人が一方的な「被害者」であるようにすり替え、ブッシュと同様「ならず者国家」としてのイメージを振りまくことで、「北朝鮮なら叩いて当然」といった雰囲気すら醸成してきた。7月5日、新潟西港に入港した万景峰号から下船した修学旅行生に心無い罵声が浴びせられ、東京・北区の朝鮮高校の塀に誹謗中傷のビラが貼られたとの情報も私たちのもとに寄せられている。

 未だ日本が過去の加害の責任すら何らの清算もせず、国交正常化すらしてこなかったことこそが異常なことなのである。拉致問題もまた、日本の侵略・植民地支配と戦後の南北分断という朝鮮半島の不幸な歴史を背景として生み出された。朝鮮半島においては、戦前の日帝時代はもとより、戦後も「守る」べき平和な状態などなかったといっても過言ではない。日本は戦後、朝鮮半島の分断に加担することで、過去の清算を行ってこなかった。

 いま何よりも、100年に及ぶ日本と朝鮮半島の不幸な歴史を直視し、その清算を速やかに行うことが必要である。拉致問題の解決も、その100年の歴史の清算の一環として速やかになされるべきだ。こうした立場からの日朝の対話・交渉がなされなければならない。マスメディアもこうした真の和解と平和に資することが求められているのではないだろうか。

 私たちは、引き続き朝鮮半島の和解と平和、統一に寄与し、平和を求める韓国民衆、東アジアと世界の民衆と連帯して闘うものである。

資料④  4回六者会合に関する共同声明(仮訳) 外務省HPより

2005919日 於:北京

 第4回六者会合は、北京において、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国、日本国、大韓民国、ロシア連邦及びアメリカ合衆国の間で、2005726日から87日まで及び913日から19日まで開催された。

 武大偉中華人民共和国外交部副部長、金桂冠朝鮮民主主義人民共和国外務副相、佐々江賢一郎日本国外務省アジア大洋州局長、宋旻淳大韓民国外交通商部次官補、アレクサンドル・アレクセーエフ・ロシア連邦外務次官及びクリストファー・ヒル・アメリカ合衆国東アジア太平洋問題担当国務次官補が、それぞれの代表団の団長として会合に参加した。

 武大偉外交部副部長が会合の議長を務めた。

 朝鮮半島及び北東アジア地域全体の平和と安定のため、六者は、相互尊重及び平等の精神の下、過去三回の会合における共通の理解に基づいて、朝鮮半島の非核化に関する真剣かつ実務的な協議を行い、この文脈において、以下のとおり意見の一致をみた。

1.六者は、六者会合の目標は、平和的な方法による、朝鮮半島の検証可能な非核化であることを一致して再確認した。

 朝鮮民主主義人民共和国は、すべての核兵器及び既存の核計画を放棄すること、並びに、核兵器不拡散条約及びIAEA保障措置に早期に復帰することを約束した。

 アメリカ合衆国は、朝鮮半島において核兵器を有しないこと、及び、朝鮮民主主義人民共和国に対して核兵器又は通常兵器による攻撃又は侵略を行う意図を有しないことを確認した。

 大韓民国は、その領域内において核兵器が存在しないことを確認するとともに、1992年の朝鮮半島の非核化に関する共同宣言に従って核兵器を受領せず、かつ、配備しないとの約束を再確認した。

 1992年の朝鮮半島の非核化に関する共同宣言は、遵守され、かつ、実施されるべきである。

 朝鮮民主主義人民共和国は、原子力の平和的利用の権利を有する旨発言した。他の参加者は、この発言を尊重する旨述べるとともに、適当な時期に、朝鮮民主主義人民共和国への軽水炉提供問題について議論を行うことに合意した。

2.六者は、その関係において、国連憲章の目的及び原則並びに国際関係について認められた規範を遵守することを約束した。

 朝鮮民主主義人民共和国及びアメリカ合衆国は、相互の主権を尊重すること、平和的に共存すること、及び二国間関係に関するそれぞれの政策に従って国交を正常化するための措置をとることを約束した。

 朝鮮民主主義人民共和国及び日本国は、平壌宣言に従って、不幸な過去を清算し懸案事項を解決することを基礎として、国交を正常化するための措置をとることを約束した

3.六者は、エネルギー、貿易及び投資の分野における経済面の協力を、二国間又は多数国間で推進することを約束した。

 中華人民共和国、日本国、大韓民国、ロシア連邦及びアメリカ合衆国は、朝鮮民主主義人民共和国に対するエネルギー支援の意向につき述べた。

 大韓民国は、朝鮮民主主義人民共和国に対する200万キロワットの電力供給に関する2005712日の提案を再確認した。

4.六者は、北東アジア地域の永続的な平和と安定のための共同の努力を約束した。

 直接の当事者は、適当な話合いの場で、朝鮮半島における恒久的な平和体制について協議する。

 六者は、北東アジア地域における安全保障面の協力を促進するための方策について探求していくことに合意した。

5.六者は、「約束対約束、行動対行動」の原則に従い、前記の意見が一致した事項についてこれらを段階的に実施していくために、調整された措置をとることに合意した。

6.六者は、第五回六者会合を、北京において、200511月初旬の今後の協議を通じて決定される日に開催することに合意した。

         

資料⑤  声明  朝鮮半島の核問題に関する

            6カ国共同声明と私たちの立場

2005925日 日韓民衆連帯全国ネットワーク

 9月19日、朝鮮半島の核問題に関する6カ国協議において初の共同声明が発表された。

 私たちは、今回の6カ国共同声明が朝鮮半島の非核化および冷戦体制の最終的解体にとっての包括的な解決の一歩前進であると評価し、「『公約対公約、行動対行動』の原則に従い」、具体化プロセスを明確化して「これらを段階的に実施」するよう求めるものである。

(一)

 共同声明は、第一項で6カ国協議の目標が、「平和的な方法による朝鮮半島の検証可能な非核化であることで一致」した。そして、この目標のため

     朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、すべての核兵器および既存の核計画を放棄すること、核不拡散条約(NPT)及び国際原子力機関(IAEA)の保証措置に早期に復帰することを約束。

     米国は、朝鮮半島において核兵器を有さず、北朝鮮に核兵器・通常兵器による攻撃、侵略の意図を有しないことを確認。

     韓国は、領域内に核兵器が存在しないことを確認し、92年(発効)の南北非核化共同宣言に従い核兵器の受領、配備を行わないことを再確認。同宣言は順守され、実施すべき。

     北朝鮮は、原子力の平和利用の権利を有する旨発言し、各国はこれを尊重するとともに適当な時期に軽水炉提供問題について議論をおこなうことで合意した。

 私たちは、北朝鮮の非核化への決断と米国が攻撃・侵略の意図を有しないことを確認したことも同時に歓迎する。ここでは北朝鮮の非核化のみが一方的に確認されたのではない。米国および韓国が朝鮮半島において核兵器を持たないことも確認され、92年の南北非核化共同宣言の実施が確認された。

その92年の南北非核化共同宣言は、以下の規定をしている。

 すなわち「朝鮮半島の非核化を検証」するため、南北のそれぞれが、「相手方が選定し双方が合意する対象に対して南北核統制共同委員会」が「査察」を実施することも含まれているのである。ところで、米軍は50年代以降、朝鮮半島に膨大な核兵器を持ちこんできた。南北間の非核化共同宣言の直前に、当時の米ブッシュ(父)政権が地上配備核の撤去を打ち出し、盧泰愚大統領(当時)が核兵器不存在を宣言するという経過があった。しかし、このことは検証を伴うものではなかった。論理的にいえば、これらの「検証(査察)」も必要ということになる。実際に、米軍基地の査察が可能かどうかは分からないが、何らかの形で担保される必要があるのではないか。

今回の6カ国共同声明が、マスコミ等で報じられる単なる「北朝鮮の非核化」のみではなく、南北および駐韓米軍をも対象とした「朝鮮半島の非核化」を目指していることに注意を喚起したい。

 もう一つの重要な点は、この第1項目に北朝鮮の原子力平和利用の権利の尊重と軽水炉提供問題が明記されたことである。「発言」を「尊重する」とか、「適当な時期」に「議論をおこなう」等の表現で合意にこぎつけたわけだが、北朝鮮側に「既存の核計画の放棄」を求める以上、黒鉛減速炉に替わるエネルギー提供問題は不可欠である。NPTも南北非核化共同宣言も、原子力の平和利用を非核兵器保有国の権利として認めている。これに対して、米日両国は“北朝鮮が先に核放棄し、その後に軽水炉提供について議論する”と主張し、北朝鮮側は“米国が軽水炉を提供すれば、すぐにNPTに復帰し、IAEAとの保障措置協定を締結して履行する”と主張している。

 この点でも「公約対公約」「行動対行動」の原則に基づき双方が段階的に同時行動をとる必要がある。かつての94年米朝ジュネーブ合意では、北朝鮮の黒鉛減速炉の凍結から解体へのプロセスと、米国による重油提供、KEDOによる軽水炉建設プロセス、米朝関係正常化がリンクされ、その段階的な実施が確認されていた。そして最終的に、「軽水炉対象の相当部分(注・主要核関連部分以外)が実現された後、そして主要核関連部品などが納入される前」に北朝鮮は「国際原子力機関と自己の核物質冒頭報告書の正確性および完全性の検証と関連する協議をおこない、それに従い機関が必要と認めるすべての措置を取ることを含む機関との保障措置協定(通報/403)を完全に履行する」と規定されていた。

 6カ国共同声明は、11月初旬に第56カ国協議の開催で合意しているが、この第5回以降、「行動対行動」原則に基づく具体化が図られなければならい。

(二)

 第二項では、6カ国が「国連憲章の目的および原則、並びに国際関係について認められた規範を順守」すること、すなわち国家関係において平和的共存等を順守することを確認するとともに、

 ① 朝米は相互の主権を尊重し、平和裏に共存すること、二国関係に関するそれぞれの政策に従って関係正常化の措置を取る。

      日朝は、ピョンヤン宣言に従って、不幸な過去を清算し懸案事項を解決することを基礎として、国交正常化のための措置を取ることが確認された。

いうまでもなく、東北アジアの冷戦体制を解体する上で、朝米・日朝の関係正常化は不可欠

である。

 とくに日朝国交正常化に向けて、日本政府を含む6カ国であらためて原則が確認されたことの意義は大きい。この間、日本では政府・マスコミをはじめとして、日朝関係といえばあたかも「日本人拉致問題」の解決のみがすべてであるかのように喧伝されてきた。しかし、共同声明では何よりも日本の侵略・植民地支配の「不幸な過去の清算」を始めとして、「懸案事項を解決」することが確認されたのである。ときに「『日本の常識』は世界の非常識」と言われることがあるが、6カ国協議の過程における日本の孤立ぶりは、そのことを如実に示すものであった。もちろん、「懸案事項」の中には「日本人拉致事件」の解決も含まれるが、日朝間の100年に及ぶ不幸な過去の清算のなかでこの問題も解決すべきであり、「不幸な過去の清算」の一つとして速やかな解決が可能となるだろう。

 共同声明発表後、日朝間の政府間協議の再開も合意されたが、私たちは、あらためてこれらの諸原則のもと速やかに日朝国交正常化を実現することを強く求めるものである。

(三)

 共同声明の第三項では、6カ国は「エネルギー、貿易、投資の分野における経済協力を、二国間または多国間で推進」するとともに、米国を含む他の5カ国が北朝鮮へのエネルギー支援の意向を表明した。昨年の第36カ国協議の段階では、米国は「中国・ロシア・韓国・日本がエネルギー支援をおこなうことを容認」する(だが米国自身はおこなわない)―という虫のいい提案をおこなっていたが、今回は米国自身もエネルギー支援を表明する形になったことは、大きな変化である。

 またこの項で、7月12日の韓国による北朝鮮への200万キロワットの電力供給提案が再確認された。しかし、“民族共助”としての韓国側提案は評価されるが、依然として米国の影響が色濃い韓国が電力供給をコントロール下に置くことになり、北朝鮮側にとっては主権に関わる問題として慎重な対応にならざるを得ないだろう。北朝鮮側が、軽水炉提供にこだわるのもまさにそれがエネルギー主権に関わっているからである。

 いずれにせよ、北朝鮮の非核化と軽水炉提供までのつなぎとして、かつての米朝ジュネーブ合意に基づいておこなわれていた重油提供に替わる措置が速やかに履行される必要がある。

(四)

 共同声明の第四項では、6カ国は「北東アジアの永続的な平和と安定のための共同の努力を約束」するとともに、「直接の当事者は、適当な話し合いの場で、朝鮮半島における恒久的平和体制について協議する」ことが確認された。いうまでもなく、朝鮮半島は未だ停戦協定のままの準戦時体制のもとに置かれている。停戦協定を恒久的な平和協定に転換することは急務の課題である。直接の当事者とはあくまで朝米両国である。場合によって停戦協定に調印した当事国である中国、停戦協定に調印しなかった韓国を含む協議形式が取られるかもしれないが、その場合でもあくまで朝米の恒久的平和協定締結問題が基本となるだろう。

 また「6カ国は、北東アジアにおける安全保障面の協力を促進するための方策について探求」することが合意された。この中には、6カ国協議を将来においても東北アジア安保協議機構として存続させることなどが意図されているのかもしれないが、大国間のパワーポリティックスの場ではなく、日本を含む東北アジア非核地帯化の実現などが追求されなければならない。私たちは、そもそも非核を国是とする日本が、朝鮮半島の92年非核化共同宣言と同じ程度の水準を受け入れるべきだと考える。

(五)

 共同声明の第五項では、6カ国が「『公約対公約、行動対行動』の原則に従い、前記の意見が一致した事項について、これらを段階的に実施していくために、調整された措置をとること」に合意した。あらためて、6カ国があくまでこの原則に立ち、共同声明の第六項で合意されている11月初旬の第5回協議以降、共同声明で合意された諸事項を具体化し、速やかな履行を求めるものである。

 私たちは、平和を願う広範な日本の民衆とともに、韓国・朝鮮、アジアの人々と連帯し、日本の「戦争国家」化阻止、核も米軍基地もない平和な東北アジアの実現のために全力を挙げるものである。

資料⑥ 声明 「竹島の日」条例に反対する

「竹島(独島)」領有の侵略的歴史を直視して、

植民地支配の清算に踏み出せ

200541日 日韓民衆連帯全国ネットワーク

 日韓両政府は日韓条約締結40周年を記念して、今年を「日韓友情年」と定めた。しかしそのさなか、韓国が実効支配している独島(日本名「竹島」)の領有をめぐる紛糾が広がった。私たちはこれを機会に、日本政府が「竹島」を領有するに至った歴史的背景を再確認し、日韓関係を根底から問い直し、過去の歴史清算に踏み出すよう要求する。

 今回の紛糾の発端は、島根県議会が316日、「竹島の日」条例を制定し、「竹島の領有権の早期確立を目指した運動を推進する」としたことにある。なぜいま「竹島の日」なのか。ちょうど100年前の1905222日、島根県が「竹島」の帰属を告示したからである。

島根県の告示は、同年128日の閣議決定に基づいている。その閣議決定で「竹島」と初めて命名し、それまでは「リヤンコ島」などと称していた。また、告示は県レベルにとどめ、これをただちに大韓帝国に通告せず、19064月になってわざわざ通告している。その間の190511月には、乙巳保護条約を強要して、日本は韓国の外交権を剥奪している。そのため、韓国は島根県告示の通告を受けても、何ら反論できなかった。こうした事実経過は、日本が「竹島」を日本領ではなく韓国領と認識していたことを示している。

 閣議決定に至る経緯にも問題がある。1月の閣議決定は、前年の19049月に一事業者が明治政府に提出した「リヤンコ島領土編入並びに貸下願」に基づいている。『島根県誌』および『島根県竹島の新研究』(いずれも「竹島は日本領」と主張している)によると、事業者は「竹島」は韓国領と認識していたとされ、独占的利用のため、農商務省に帰属を確認したが、農商務省では分からず、海軍省に問い合わせたところ、水路部長が「帰属ははっきりしないが、日本の方が韓国より近いから、領土編入してしかるべきだ。領土編入願いをいっしょに出せば独占的に貸し下げてやる」と事業者を説得したとされている。海軍省の要請に従って、事業者が「願い」を出し、即日政府がこれを受理している。海軍省=軍部が、一事業者を利用して、韓国領土とみなしていた「竹島」の日本領有を確定してしまったことになる。

 海軍省は19057月、「竹島」に望楼を建設している。折からの日露戦争の戦況を有利に進めるためである。日露戦争は朝鮮半島の領有権をめぐる戦争である。日本の「竹島」領有は、この事実からも朝鮮植民地支配に密接に関わっていることがうかがえる。1905年の「竹島」領有を肯定することは、日本軍国主義による朝鮮植民地支配を肯定するに等しい。

 以上から、「竹島」=独島は植民地支配の過程で日本が韓国から奪ったことが明らかである。

 こうした「竹島」領有の経緯を熟知する韓国民衆が、「竹島の日」条例の制定に対して、「日本による再侵略の始まりだ」との危機感を抱いたのも当然である。韓国内では、民衆レベルはもとより政府レベルでも、「竹島の日」制定に反発し、日本政府が朝鮮植民地支配を正当化しようとしていると警戒を強めている。324日には、盧武鉉大統領みずから、「竹島」問題と歴史教科書問題に対する日本政府の姿勢について、「侵略と支配の歴史を正当化する行為だ。再び覇権主義を貫徹しようとする意図を見過ごすわけにいかない」と厳しく批判している。

 日本政府は韓国政府・民衆の声に真摯に耳を傾けなければならない。日本がいかに朝鮮半島を植民地支配していったのか、もう一度歴史を振り返るべきである。そして、植民地支配に対する謝罪と償いを、乙巳保護条約から100年を迎えたいまこそ、実行に移すべきである。謝罪と償いなくして、真の『日韓友情』が芽生えることも根付くこともありえない。

資料⑦        日朝平壌宣言  2002917日 平壌

 小泉純一郎日本国総理大臣と金正日朝鮮民主主義人民共和国国防委員長は、2002917日、平壌で出会い会談を行った。
 両首脳は、日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、実りある政治、経済、文化的関係を樹立することが、双方の基本利益に合致するとともに、地域の平和と安定に大きく寄与するものとなるとの共通の認識を確認した。

1
.双方は、この宣言に示された精神及び基本原則に従い、国交正常化を早期に実現させるため、あらゆる努力を傾注することとし、そのために200210月中に日朝国交正常化交渉を再開することとした。
 双方は、相互の信頼関係に基づき、国交正常化の実現に至る過程においても、日朝間に存在する諸問題に誠意をもって取り組む強い決意を表明した。

2
.日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した。
 双方は、日本側が朝鮮民主主義人民共和国側に対して、国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施し、また、民間経済活動を支援する見地から国際協力銀行等による融資、信用供与等が実施されることが、この宣言の精神に合致するとの基本認識の下、国交正常化交渉において、経済協力の具体的な規模と内容を誠実に協議することとした。
 双方は、国交正常化を実現するにあたっては、1945815日以前に生じた事由に基づく両国及びその国民のすべての財産及び請求権を相互に放棄するとの基本原則に従い、国交正常化交渉においてこれを具体的に協議することとした。
 双方は、在日朝鮮人の地位に関する問題及び文化財の問題については、国交正常化交渉において誠実に協議することとした。

3
.双方は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認した。また、日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した。

4
.双方は、北東アジア地域の平和と安定を維持、強化するため、互いに協力していくことを確認した。
 双方は、この地域の関係各国の間に、相互の信頼に基づく協力関係が構築されることの重要性を確認するとともに、この地域の関係国間の関係が正常化されるにつれ、地域の信頼醸成を図るための枠組みを整備していくことが重要であるとの認識を一にした。
 双方は、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守することを確認した。また、双方は、核問題及びミサイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、問題解決を図ることの必要性を確認した。
 朝鮮民主主義人民共和国側は、この宣言の精神に従い、ミサイル発射のモラトリアムを2003年以降も更に延長していく意向を表明した。
 双方は、安全保障にかかわる問題について協議を行っていくこととした。

資料⑧

声明 日朝首脳会談・ピョンヤン宣言に対する私たちの立場

   真の和解と平和を基礎とした日朝国交正常化の実現をめざして

2002年9月20日 日韓民衆連帯全国ネットワーク

日朝国交正常化交渉の再開を歓迎する

 9月17日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の首都・ピョンヤンで小泉首相と金正日国防委員長による初の日朝首脳会談が行われ、両首脳は日朝共同宣言(ピョンヤン宣言)に署名した。

 宣言は、「両首脳は、日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、実りある政治、経済、文化関係を樹立することが、双方の基本的利益に合致するとともに、地域の平和と安定に大きく寄与するものとなるとの共通の認識を確認した」と高らかに謳い、第1項で、国交正常化を早期に実現するため、あらゆる努力を傾注することとし、10月中に日朝国交正常化交渉を再開することで合意した。

 私たちは、まず両首脳が確認したこの方向と合意を支持し、歓迎する。

 しかし同時に、共同宣言の各項の内容は、アジアの平和と朝鮮半島の統一に寄与し、朝鮮半島全体の人びととの真の和解を基礎とした日朝国交正常化の実現のためには、日本民衆のなお一層の努力が求められていること、新たな局面に立った闘いのスタートを要請している。

 私たちは、この自覚の上に、さらに運動を前進させたいと考える。

日本政府に侵略・植民地支配への誠意ある謝罪と補償を求める

 共同宣言第2項で、「日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人びとに多大の損害と苦痛を与えたという事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びを表明」し、①財産および請求権を相互に放棄し、②国交正常化ののち日本側が経済協力を行うこと、③その規模と内容について正常化交渉で協議すること-が確認された。また在日朝鮮人の地位および文化財返還・補償についても正常化交渉で誠実に協議することが確認された。

 私たちはこの間、村山談話の「反省とお詫び」があくまで韓国併合有効・合法論の立場に立つものであり、65年日韓経済協力協定方式の援用は、真の過去清算とはいえないことを繰り返し明らかにしてきた。今回、北朝鮮側が日本政府の固持し続けている立場に譲歩し、共同宣言の確認に至ったわけだが、問題は依然として残されたままであるといわなければならない。

 私たちは、日本民衆の主体的責任において、日本政府に誠意ある謝罪と補償をおこなうよう要求するものである。とりわけ軍隊「慰安婦」、強制連行などによる被害当事者への国家の責任による謝罪と補償を強く要求する。

北朝鮮政府に拉致事件被害者への誠意ある対応を求める

 共同宣言第3項で、双方は、国際法を遵守し互いの安全を脅かす行動をとらないこと、また日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題について北朝鮮側はこのような遺憾な問題が再び発生しないよう適切な措置をとること-を確認した。私たちは、これを歓迎し誠実な履行を求めるものである。

 とりわけ今回、金正日国防委員長自身から、北朝鮮の国家機関の一部が関与した日本人拉致事件や工作船問題が明らかにされ、拉致被害者の8人もの人びとの死亡が明らかにされたことは、日本社会に大きなショックを与えた。

 拉致事件について私たちは、政府が認定してきた「8件11人」について、これまで「肉親が行方不明になっているご家族の心中は察するに余りあるが、明確な証拠がなく疑惑に過ぎない」と主張してきた。私たちは、結果として拉致事件の事実認識が誤っていたことを率直に認める。私たちは、この自らの事実認識の誤りを踏まえつつ、これらの問題について国交正常化交渉の中で、真相の解明や生存者の帰還等、北朝鮮の誠意ある対応を求めるものである。

 同時に私たちは、今回の拉致事件の被害者の悲しみや怒りが、過去の強制連行や軍隊「慰安婦」とされた被害者の悲しみや怒りと同じものであると考える。日本政府・小泉首相にも、金正日国防委員長自ら拉致事件の国家関与を認め謝罪したのと同様に、あらためて過去、日本がおこなった強制連行、軍隊「慰安婦」等への国家関与を認め、誠意ある謝罪と補償、実態の解明をおこなうよう強く主張する。

 また、この事件を口実として各地に広がる在日朝鮮人への暴力や嫌がらせを許すことはできない。

朝米はジュネーブ合意の履行を、日本政府は有事法制の廃案を

 共同宣言第4は、双方が、a.北東アジア地域の平和と安定のための協力、b.信頼醸成のための枠組み整備の重要性を確認、c.朝鮮半島の核問題の包括的解決のため関連国際法を遵守、d.核・ミサイル問題を含む安全保障上の諸問題について関係諸国との対話を促進し、問題解決を図る、e.北朝鮮側はミサイル発射のモラトリアムを2003年以降も延長、f.日朝間の安全保障問題について協議していく-ことを確認している。

 私たちは、これを基本的に歓迎し、次のように具体化することを求める。

 まず何より、両国に生起するあらゆる事態を、対話を通じた平和的手段で解決することである。

 同時に、焦点になっている核・ミサイル問題の解決については、米国との関係を抜きに語ることはできない。

私たちは、朝米両国に、あらためて94年の朝米ジュネーブ枠組み合意、2000年朝米共同声明を誠実に履行することを強く要求し、朝米両国が速やかに交渉を再開することを求める。この点で、日本政府は何よりも米国政府に北朝鮮との交渉再開を促し、上記二合意の履行を求めるべきである。

 この間、米ブッシュ政権は、北朝鮮を「大量破壊兵器開発疑惑」を理由として「悪の枢軸」と名指しし、緊張を高めてきた。ブッシュ政権は北朝鮮に即時の核査察を要求しているが、これは何の根拠もない。ジュネーブ合意では「(北朝鮮に転換支援する)軽水炉対象の相当な部分が実現された後、そして主要核関連部品などが納入される前」に、北朝鮮はIAEAとの保障措置協定を完全に履行することが明記されている。

 むしろ今、ジュネーブ合意で確認されている軽水炉の供与(供与期限2003年)が大幅に遅れ、やっと8月に起工式がおこなわれたばかりで完工予定は2008年、5年も遅延する見通しとなっている。このペースでいくと主要関連部品等が納入されるのは2005年と見られており、ジュネーブ合意に基づけば、査察はこの段階(軽水炉対象の相当な部分が実現された後、主要核関連部品が納入される前)でなされることになる。そして、北朝鮮も、ジュネーブ合意を誠実に履行することを繰り返し表明している。

 ここでは、ジュネーブ合意の約束の期限を守らず、難癖をつけているのが米ブッシュ政権の側であることは明らかである。ジュネーブ合意に基づき、軽水炉へ転換する間の代替として米国が重油を提供しているが、ブッシュ政権にはこの遅延期間も引き続き円滑に重油を提供する義務がある。

 さらに、ジュネーブ合意では軽水炉転換問題とともに、対北朝鮮経済制裁の緩和、米国が核兵器を使用せず核威嚇もしないことを保障すること、相互の連絡事務所の設置、そして相互の関心事の解決に伴い大使級の関係樹立までが確認されているのである。

 問われているのは、「北朝鮮が査察を受け入れるかどうか」よりも、むしろその反対に、ブッシュ政権がジュネーブ合意を遵守するのかどうかである。

 ミサイル問題では、北朝鮮側と米クリントン前政権は朝米ミサイル交渉をおこない、2000年秋には趙明禄・国防委第一副委員長、オルブライト国務長官のワシントン、ピョンヤン相互訪問がなされ、「米国大統領の訪朝」まで明記した共同声明が出された。これらの状況は、朝米が関係正常化に接近しつつあったことを示している。

 これらの国際約束を無視し、産軍複合体など特定の利害集団の利益を代弁して、緊張激化と戦争拡大政策を推し進めているのがブッシュ政権である。それはアジアの平和にとって最大の脅威である。

 朝鮮半島における戦争の危険を押し止めるためには、北朝鮮にもジュネーブ合意・2000年朝米共同声明の誠実な履行を求めることが必要だが、何よりも米ブッシュ政権にこそ、これまでの朝米交渉の経過を尊重し、その誠実な履行を要求する必要がある。これはアジアの平和を求める各国・民衆の共同の課題であり、日朝共同宣言の核心問題の一つである。

 私たちは、日朝間の対話と信頼醸成、何よりも国交を正常化して緊張を緩和し、さらに周辺諸国間の和解・平和友好関係の促進へと波及させ、朝鮮半島の平和と統一、アジアとりわけ北東アジア地域の軍縮や非核地帯化などの恒久的平和に向けた展望を開くことが必要であり、日朝共同宣言のこの項目が、こうした方向に向かって実現されることを強く要求する。

 そのためにも日本政府・小泉政権は有事法制を廃案にすべきであり、憲法9条を遵守し、平和外交を日本の対外政策の柱に据えなければならない。

 

 私たちは、再開される日朝交渉を歓迎し、これを注視しながら、引き続き以上の方向実現のために闘うものである。

資料⑨   米朝ジュネーブ枠組み合意

 米国と朝鮮民主主義人民共和国間の合意枠組み

 19941021

 1994年9月23日から10月21日、米国政府および北朝鮮政府代表はジュネーブにおいて会談し、朝鮮半島核問題に関する全般的解決について交渉が行われた。
 両国政府は、1994年8月12日の米朝間合意声明で示された目標を達成し、核のない朝鮮半島のもとでの平和と安全の実現を目指した1993年6月11日米朝共同声明の諸原則を支持していくことが重要であることを再確認した。

1.両国政府は、北朝鮮の黒鉛減速炉および関連施設を軽水炉施設(LWR)に転換することに協力する。

①1994年10月20日の米国大統領からの書簡に従い、米国は目標年である2003年までに約2000メガワットの発電総量を持つ軽水炉計画を北朝鮮に提供する準備を行う。 

米国は、北朝鮮に提供する軽水炉計画を資金的に支え、計画を供与する国際事業体(an international consortium)を米国主導で組織する。米国は、国際事業体を代表して、軽水炉計画における北朝鮮との接触の中心を担う 

米国は、国際事業体を代表して、本文書日付から6ヶ月以内に、軽水炉計画供与契約の締結に最善の努力を行う。契約締結のための協議は、本文書日付後、可能な限り早急に開始する。 

必要な場合、米朝両国は、核エネルギーの平和的利用に関する協力のための二国間協定を締結する。 

②1994年10月20日の米国大統領からの書簡に従い、米国は、国際事業体を代表し、軽水炉一号機が完成するまで、北朝鮮黒鉛減速炉およびその関連施設凍結によって生産不能になるエネルギーを補填する準備を行う。

代替エネルギーとしては、暖房と発電用の重油が供給される。 

重油の供給は、引渡しスケジュールについての合意に基づき、本文書日付の3ヶ月以内に開始され、年間50万トンの割合で行われる。 

③北朝鮮は、軽水炉の提供と暫定的な代替エネルギーに対する米国側の約束を受け入れる際、黒鉛減速炉とその関連施設の建設を凍結し、最終的にはこれらを解体する。

北朝鮮黒鉛減速炉と関連施設建設の凍結は本文書日付の1ヶ月以内に完全に実行される。

この1ヶ月間ならびに凍結期間中、国際原子力機関(IAEA)は、この凍結を監視でき、北朝鮮は、この目的に対してIAEAに全面的に協力する。 

北朝鮮の黒鉛減速炉および関連施設の解体は、軽水炉計画が完了した時点で完了する。 

軽水炉建設中、米国と北朝鮮は、5メガワット実験炉から生じる使用済み燃料を安全に貯蔵し、北朝鮮での再処理を行わない安全な形で処理する方法を協力して模索する。 

④本文書日付後できるだけ速やかに、米国・北朝鮮の専門家たちによる二種類の協議を行う。

一つめの協議では、代替エネルギーおよび黒鉛減速炉から軽水炉への転換を話し合う。 

もう一つの協議では、使用済み燃料の貯蔵と最終的な処理についての具体的な取り決めを協議する。 

2.両国は、政治的、経済的関係の完全な正常化に向けて行動する。

 ①本文書日付3ヶ月以内に、両国は、通信サービスや金融取引の制限を含め、貿易、投資に対する障壁を軽減する。 

②専門家レベルの協議で、領事その他の技術的問題が解決された後、それぞれの首都に連絡事務所を開設する。

③両国の関心事項において進展が見られた場合、米国・北朝鮮は、両国間関係を大使級の関係に進展させる。  

3.両国は、核のない朝鮮半島に基づいた平和と安全のために協同する。

①米国による核兵器の脅威とその使用がないよう米国は北朝鮮に公式の保証を与える。 

②北朝鮮は、朝鮮半島非核化に関する南北共同宣言の履行に向けた取り組みを一貫して行う。 

③本合意枠組みは南北対話を促進する環境の醸成に寄与するものであり、北朝鮮は、南北対話に取り組む。 

4.両国は、国際的核不拡散体制の強化に向けて協同する。

①北朝鮮は、核拡散防止条約(NPT)加盟国としてとどまり、同条約の保障措置協定の履行を認める。 

②軽水炉計画供給に関する供与契約締結後、北朝鮮・IAEA間の保障措置協定のもとで、凍結の対象とならない施設に関して、特定査察および通常査察が再開される。供与契約締結までは、保障措置の継続性のためにIAEAが必要とする査察は、凍結の対象でない施設にも行われる。 

③軽水炉計画の大部分が完了し、かつ重要な原子炉機器が提供される前の時点で、北朝鮮は、IAEAとの保障措置協定(INFCIRC/403)を完全に遵守する。これは、国内核物質に関する北朝鮮側第一回報告書が正確かつ完全であるかを確認するための協議後、IAEAが必要と考えるすべての措置を行うことを含むものである。

資料⑩      南北共同宣言

 祖国の平和的統一を念願する全民族の崇高な意志により、韓国の金大中大統領と朝鮮民主主義人民共和国の金正日国防委員長は、2000年6月13日から15日まで平壌で歴史的な対面と首脳会談をおこなった。

 南北首脳は分断の歴史上初めて開いた今回の対面と会談が、お互いの理解を増進させ、南北間関係を発展させ、平和統一を実現させる重大な意義を持つと評価し、次のように宣言する。

1.南と北は国の統一問題を、その主人であるわが民族同士で互いに力を合わせ、自主的に解決していくことにした。

2.南と北は国の統一のため、南側の連合制案と北側の緩やかな連邦制案がお互い、共通性があると認め、今後、この方向で統一を志向していくことにした。

3.南と北は、今年8・15に際して、離散家族、親戚訪問団を交換し、非転向長期囚問題を解決するなど、 人道的な問題を早急に解決していくことにした。

4.南と北は経済協力を通じて、民族経済を均衡的に発展させ、社会、文化、体育、保健、環境など、諸般の分野の交流を活性化させ、互いの信頼を固めていくことにした。

5.南と北は以上のような合意事項を早急に実践に移すために、早い時期に当局間の対話を開催することにした。

 金大中大統領は、金正日国防委員長がソウルを訪問するように丁重に招請し、金正日国防委員長は今後適切な時期にソウルを訪問することにした。

                           2000615

大韓民国大統領     朝鮮民主主義人民共和国国防委員長

金 大中                金 正日

【書庫】日韓ネットの声明・見解および関連資料(~2006年)

資料① 北朝鮮の核実験に対する日韓ネットの声明(2006.10.10)

資料② 北朝鮮の核実験に対する韓国社会・市民団体の共同記者会見文(2006.10.10)

資料③ 北朝鮮ミサイル問題に対する日韓ネット声明(2006.7.9)

資料④ 6カ国共同声明全文(2005.9.19)

資料⑤ 6カ国共同声明に対する日韓ネット声明(2005.9.25)

資料⑥ 「竹島の日」条例に反対する日韓ネット声明(2005.4.1)

資料⑦ 日朝ピョンヤン宣言全文(2002.9.17)

資料⑧ 日朝首脳会談・ピョンヤン宣言に対する日韓ネット声明(2002.9.20)

資料⑨ 米朝ジュネーブ枠組み合意全文(1994.10.21)

資料⑩ 南北共同宣言全文(2000.6.15)

       

資料① 声明   北朝鮮の核実験をめぐって
制裁ではなく、今こそ米朝交渉実現の国際世論を

20061010日 日韓民衆連帯全国ネットワーク

(一)
 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)政府は、109日、地下核実験を「成功裏に行った」と発表した。核保有を宣言し、「強硬には超強硬で」と言明していたことからすれば、ミサイル発射実験に続く、予想された事態である。 
 私たちは、これまで反戦・反核・平和を求め、また韓国・朝鮮の人々との真の和解と平和、友好連帯を求める中で、米国を筆頭とする核大国はもとより、北朝鮮を含むすべての国の核開発・核保有・核実験に反対の立場を繰り返し明らかにしてきた。私たちは、あらためて今回の北朝鮮の核実験に反対の立場を表明する。
 しかし、今回の北朝鮮の核実験が、米軍の先制攻撃態勢の強化と日米軍事同盟の再編・強化、とりわけミサイル防衛(MD)がすすめられ、さらにリムパックなどの大規模軍事演習が繰り返し行われていることが背景にあることは明らかである。こうした動きに北朝鮮側が脅威を感じても不思議ではない。
 今回の核実験は、こうした動きに対して軍事力を示し、核保有国として交渉力を強め、米朝直接交渉へのアピールの意図が込められている。

                     (二)
 私たちは、何よりも朝鮮半島の平和と非核化の実現のためには、制裁ではなく、朝鮮半島をめぐる歴史的構造的な問題解決に向かうことこそが求められていることを繰り返し訴えてきた。
 問題の根源は、南北が分断され、米朝が半世紀以上にもわたり準戦時状態のまま放置され続けていることにある。このことが、朝鮮半島の南北の人々にどれだけ苦痛を与えてきたか。
 こうした中で、1994年に米朝は、核問題の解決と関係正常化にまで至る包括的な合意に至り、2000年には南北首脳会談で南北の和解と平和・統一の方向も合意された。しかし、新たに成立したブッシュ政権は「悪の枢軸」規定を打ち出し、2002年、日朝ピョンヤン宣言が出された直後には新たな「ウラン濃縮疑惑」を持ち出し、米朝包括合意を一方的に反故(ほご)にした。
 その後、米国は直接対話を拒否し続け、北朝鮮側は核保有を宣言、核実験実施にまで至ったのである。しかし、北朝鮮側は、米国の敵視政策が変わりさえすれば、検証可能な形で核を放棄すると繰り返し明確にしている。
 朝鮮半島の平和と非核化の鍵は、形式はどうであれ、実質的な米朝交渉により、準戦時状態から恒久的平和体制へ移行し、朝鮮半島の非核化、米朝関係の正常化など、朝鮮半島問題の包括的な解決を実現することにある。
 この点で、直接交渉を拒み続け、問題解決を先送りし、事態の深刻化を招いてきた米ブッシュ政権の責任はきわめて重大である。

                     (三)
 現在、米国は国連安保理に武力行使も可能とする国連憲章第7章を盛り込んだ制裁決議案を提出した。北朝鮮船舶への臨検なども含んでいるとされている。安倍政権もこれに同調し、独自の追加制裁も実施の構えをとっている。
 私たちは、北朝鮮への一切の制裁に反対する。このような制裁決議や、あるいは有志連合による臨検・海上封鎖などを許せば、ますます容易ならぬ事態を招くことになる。
 東アジア情勢は、戦争か平和の道かを鋭く問う、まさに重大な岐路に立っている。
 制裁ではなく、今こそ米朝交渉の実現を求める国際的世論を巻き起こすことが強く求められている。


資料② 【韓国運動体の記者会見文】
      ~平和と共存共栄の未来のため前向きの決断を促す~
   
米国は北に対する制裁を中断し、直ちに米朝対話を行え

 9日、北の核実験を成功裏に行ったとの発表は、内外に大きな衝撃を与えた。
 私たちは朝鮮半島、ひいては全世界で核兵器が廃絶され、互恵平等、平和共存の原則のもとで国際関係が発展することを心から願っている。また、その方法は明確に平和的で合理的でなければならないと考える。そのように見たとき、米朝間の葛藤と対決がついに核実験にまで激化してしまったということは、非常に遺憾なことだ。
 米朝の葛藤と対決を解決する基本方向は、 94年のジュネーブ合意と2000年の米朝共同コミュニケ、9.19の六か国共同声明で合意された朝鮮半島の非核化実現と関係正常化、平和保障体制の構築によって問題を根本的に解決しようとするものだった。これらの合意が忠実に履行されていれば、平和は実現していただろう。
 しかし、これら合意は履行されず、朝鮮半島は一触即発の緊張状態に包まれている。
 このように合意が無力になったのは、米ブッシュ政権の敵対政策にその原因がある。北に対する敵視政策は、関係改善と矛盾する。
 ブッシュ政権はこれまで一貫して北への敵対政策を強化し、特に 9.19六か国共同声明の発表直後には未確認のいわゆる「偽装紙幤」問題まで持ち出して、制裁を全面化しつつ軍事的脅威も強化させ、9.19共同声明を無力化させてしまった。
 このような圧迫政策は必ず強い抵抗を呼び起こすように、合意を反故にし、力で北を屈服させようとした米国の強硬政策こそ、北の核保有という強硬な対応をもたらしたその基本要因となった。
 今回の核実験後、米国と日本は安保理の追加制裁を扇動し、南側政府も対北政策の転換を示唆している。甚だしくは「軍事的制圧」のような極端な主張まで垣間見える。
 しかし、このような強硬姿勢がむしろ北の強い抵抗を招くだけだというのは、すでに核実験という結果で確認されている。
 米国は状況をさらに悪化させる一切の制裁を中断し、米朝の直接対話に積極的に乗り出すべきである。米国は対話で解決するとしながら、決して安保理の追加制裁や対北封鎖を行ってはならない。特に、船舶拿捕と強制臨検などの措置は、物理的衝突を招く深刻な挑発行為という点で、絶対あってはならない。
 米国が真に非核化と平和を願うなら、北への圧迫政策を中断し、平和共存の政策に転換する決断を下すべきだ。
 対北制裁のお先棒を担ぐと自認している日本は、状況悪化をけしかける行動を直ちに中断しなければならない。日本は北への強硬制裁を煽りながら状況をさらに激化させており、これを元に軍国主義的な右傾化を合理化している。
 日本は自国の軍国主義的目的のために、東北アジア一帯の緊張を高める恥ずべき行動を直ちに中断しなければならない。
 南側政府が対北政策の根本的変化を示唆したことは、状況への介入力を自ら放棄することのみならず、6.15南北共同宣言を全面破棄する立場となる。政府は米国の圧迫政策がもたらしたこの局面を冷静に見るべきであろう。
 最近になって核実験を行った国の中で、唯一北のみを制裁の対象と規定する状況は決して合理的だとはいえない。朝鮮半島の平和と統一は、どちらか一方を武力と圧力で屈服させ実現されるものではなく、米日の覇権政策に追従することは大変愚かで危険千万なことだといわざるを得ない。
 南側政府は開城工団の経済協力事業と金鋼山観光事業など、平和志向的で建設的な南北協力事業をも中断させようとする内外の好戦勢力の煽動に決して乗せられてはならない。
 今こそ南北の和解協力政策を積極的に推進し、平和と統一という確固たる志向を内外に示すことこそ必要なときだ。
 私たちは、朝鮮半島の平和を守る力は、わが民族にあることを信じて疑わない。
 もしも米国が対北敵視政策や戦争脅威をあおり、状況をさらに悪化させるようならば、これを阻止粉砕するための炎は大きく燃え上がり、東北アジアにおいて何とか保っているその影響力さえも深刻な打撃を受けるだろう。
 平和と共存共栄の未来のために、再度各国の賢明で前向きな決断を促すものだ。   

                    2006 10 10

6.15南北共同宣言の実現と朝鮮半島の平和のための統一連帯>
苦難を受ける人々と共にする会/キリスト教市民社会連帯/南北共同宣言実践連帯/大韓民国臨時政府記念事業会/文学芸術青年共同体/民族問題研究所/民族民主烈士・犠牲者追悼連帯会議/民族自主平和統一中央会議/民族和合運動連合/民主労働党/民主社会のための弁護士委員会(民弁)・統一委員会/民主主義民族統一全国連合/民主化実践家族運動協議会(民家協)/反米女性会/(社)金九精神実践同胞連合/仏教平和連帯/非転向長期囚送還推進委員会/四月革命会/実践仏教全国僧家会/民家協良心囚後援会/自主女性会(準)/全国農民会総連盟(全農=農民連)/全国大学新聞記者連合(全大記連)/全国牧会者正義と平和実践協議会/全国民族民主遺家族協議会(遺家協)/全国民主労働組合総連盟(民主労総)/全国貧民連合(貧民連)/全国女性農民会総連合/祖国統一汎民族連合南側本部(汎民連)/祖国平和統一仏教協議会/カトリック統一後援会/青年統一のひろば/統一広場/統一を迎える文益煥牧師記念事業会/統一を迎えるハンシン連帯/韓国カトリック農民会/韓国労働社会研究所/韓国労働組合総連盟(韓国労総)/韓国大学総学生会連合(韓総連)/韓国青年団体協議会/韓民族生活文化研究所/21世紀コリア研究所/COREA平和連帯

資料③  声明   北朝鮮のミサイル発射問題に寄せて

北朝鮮への一切の制裁に反対する

-誰が東アジアの平和の脅威なのか

2006.7.9日韓民衆連帯全国ネットワーク

(1)軍事行動にお墨付きを与える日米などの「国連制裁決議案」

 7月5日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は7発のミサイル発射実験をおこなった。ミサイルは、いずれも日本海(東海)のロシア側公海に落下した。

 これに対して日本政府は、直ちに万景峰号の6ヶ月間の入港禁止、北朝鮮当局の職員の入国禁止、日本の国家公務員の渡航自粛と民間に渡航の自粛を求めることなど9項目の「制裁」措置を発動した。さらに追加措置の構えを取るとともに、国連安全保障理事会に米英などと共同して「制裁決議案」を提出した。これに対しては中ロが反対姿勢を示している。

 私たちは、この「制裁決議案」に強く反対するとともに、一切の「制裁措置」に反対する。

 とりわけ、日本政府が作成したとされる国連「決議案」は、経済制裁や武力行使さえも可能とする国連憲章第7章に基づいて行動することを掲げた、とんでもない代物だ。

 国連憲章第7章は、その第42条〔軍事的措置〕で、「安全保障理事会は、第41条(注・非軍事的措置)に定める措置では不十分であろうと認め、又は不十分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍又は陸軍の行動をとることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる」と規定している。

 まして朝鮮半島では、先制攻撃戦略をとる米軍が「国連軍司令部」のシャッポを被り居座り続けており、依然として「撃ち方やめ」に過ぎない停戦状態のまま今日に至っているのである。

 私たちは、このような「制裁決議案」を含む一切の制裁措置に反対する。

(2)誰が「緊張の原因」を作り出しているのか

 

私たちは、北朝鮮の核開発やミサイル発射実験にも強い憂慮を表明する。

 だが、何よりも私たちは、朝鮮半島における南北分断と戦争の脅威の根源である米国の責任をあらためて強調し、強く非難するものである。

 日本ではほとんど報道されていないが、この間にも、6月下旬からグァム近海で横須賀を母港とするキティホークをはじめ、ロナルド・レーガン、エイブラハム・リンカーンの3隻の空母機動部隊とB-2戦略爆撃機をはじめとする航空機280機などが参加した大規模軍事演習が行われ、すぐ続いて、6月末から7月末までハワイ沖で、米・日・韓・豪・加・ペルー・チリなどによる環太平洋合同軍事演習「リムパック」が大規模に行われている。「6カ国協議」の枠組みができている今なお、米韓合同軍事演習も繰り返し行われている。

 在日米軍の再編、駐韓米軍の再編が、「不安定の弧」と米国が規定した広い範囲をターゲットにした機動性の確保を意図するものであると同時に、依然として対北朝鮮先制攻撃態勢の強化をも含んでいる。横須賀を母港とする米トマホーク艦が、常時ピョンヤンを射程に入れていることなども忘れてはならないだろう。これらが、北朝鮮側にとって大きな脅威として写っているとしても不思議ではない。

 この間、米朝ジュネーブ包括合意を一方的に反故(ほご)にし、米朝二国間協議を拒否し続けて問題解決を先送りし、朝鮮半島の核問題の解決をめざす「6カ国協議」で時間稼ぎをして、北朝鮮体制の自動崩壊を目論んできたのが米・ブッシュ政権である。

 昨年9月の「6カ国共同声明」は、検証可能な形で朝鮮半島の非核化を目指すことを確認し、同時に、米朝が「相互の主権を尊重し、平和裏に共存すること、二国関係に関するそれぞれの政策に従って関係正常化の措置を取る」ことや「直接の当事者は、適当な話し合いの場で、朝鮮半島における恒久的平和体制について協議する」等でも合意した。そして、これらを「公約対公約、行動対行動」の原則のもと双方が段階的に進めることを確認した。

 しかし、この米朝ジュネーブ包括合意の6カ国版ともいうべき内容に内心不満な米・ブッシュ政権が、これを事実上反故にしようとして持ち出してきたのが「偽ドル疑惑」を口実とした金融制裁であった。こうしておきながら米当局は、「これは6カ国協議とは別問題であり、北朝鮮は無条件で6カ国協議に復帰すべき」などと主張している。だが、これ自体が「6カ国共同声明」に反する行為である。

問題は、「6カ国共同声明」を履行するか否かである。これなしには、6カ国協議も有名無実の場となる。そして、その履行の鍵は、まさに対立する当事者である米朝の交渉にある。

 現在、米国内ですらブッシュ政権の「米朝直接交渉拒否」という名の無策が、事態をより深刻化させているとしてこれに対する批判が強まっている。

 私たちは、何よりも米国が「6カ国共同声明」を履行し、速やかに米朝交渉を行うよう強く要求する。

(3)北朝鮮の「脅威」煽る政府・マスコミ-和解と平和の道をとれ

 私たちは、今回日本政府が先頭に立って北朝鮮「脅威」論を煽り、ネオコンの一人である米国連大使・ボルトンらと手を組み、軍事行動まで選択肢とする「国連制裁決議案」を提出したことを強く非難し、その撤回を要求する。

 日米軍事同盟の再編強化、日米軍事一体化を推し進め、いまや公然と現職閣僚が「ミサイル発射基地を事前に叩くことも自衛の範囲内」と言い放つまでに至っている。

 米軍と一体となり戦争国家の道をひた走り、憲法9条改悪にまで至るプロセスを加速しているこうした日本の姿が、ひとり北朝鮮だけではなくアジアの人々に大きな憂慮を与えている。

 私たちは日米軍事同盟の再編強化、日米軍事一体化と、そのための新たな治安維持法である共謀罪をはじめとする国内の戦争体制作りのための一切の法律・法案、憲法9条改悪の動きに引き続き強く反対する。

 私たちは、日本のマスメディアの多くが、日本と朝鮮半島の歴史や朝鮮半島問題の本質は一切抜きにして、北朝鮮に対する一方的なバッシングを繰り返していることを厳しく批判する。

拉致問題を通じてあたかも日本人が一方的な「被害者」であるようにすり替え、ブッシュと同様「ならず者国家」としてのイメージを振りまくことで、「北朝鮮なら叩いて当然」といった雰囲気すら醸成してきた。7月5日、新潟西港に入港した万景峰号から下船した修学旅行生に心無い罵声が浴びせられ、東京・北区の朝鮮高校の塀に誹謗中傷のビラが貼られたとの情報も私たちのもとに寄せられている。

 未だ日本が過去の加害の責任すら何らの清算もせず、国交正常化すらしてこなかったことこそが異常なことなのである。拉致問題もまた、日本の侵略・植民地支配と戦後の南北分断という朝鮮半島の不幸な歴史を背景として生み出された。朝鮮半島においては、戦前の日帝時代はもとより、戦後も「守る」べき平和な状態などなかったといっても過言ではない。日本は戦後、朝鮮半島の分断に加担することで、過去の清算を行ってこなかった。

 いま何よりも、100年に及ぶ日本と朝鮮半島の不幸な歴史を直視し、その清算を速やかに行うことが必要である。拉致問題の解決も、その100年の歴史の清算の一環として速やかになされるべきだ。こうした立場からの日朝の対話・交渉がなされなければならない。マスメディアもこうした真の和解と平和に資することが求められているのではないだろうか。

 私たちは、引き続き朝鮮半島の和解と平和、統一に寄与し、平和を求める韓国民衆、東アジアと世界の民衆と連帯して闘うものである。

資料④  4回六者会合に関する共同声明(仮訳) 外務省HPより

2005919日 於:北京

 第4回六者会合は、北京において、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国、日本国、大韓民国、ロシア連邦及びアメリカ合衆国の間で、2005726日から87日まで及び913日から19日まで開催された。

 武大偉中華人民共和国外交部副部長、金桂冠朝鮮民主主義人民共和国外務副相、佐々江賢一郎日本国外務省アジア大洋州局長、宋旻淳大韓民国外交通商部次官補、アレクサンドル・アレクセーエフ・ロシア連邦外務次官及びクリストファー・ヒル・アメリカ合衆国東アジア太平洋問題担当国務次官補が、それぞれの代表団の団長として会合に参加した。

 武大偉外交部副部長が会合の議長を務めた。

 朝鮮半島及び北東アジア地域全体の平和と安定のため、六者は、相互尊重及び平等の精神の下、過去三回の会合における共通の理解に基づいて、朝鮮半島の非核化に関する真剣かつ実務的な協議を行い、この文脈において、以下のとおり意見の一致をみた。

1.六者は、六者会合の目標は、平和的な方法による、朝鮮半島の検証可能な非核化であることを一致して再確認した。

 朝鮮民主主義人民共和国は、すべての核兵器及び既存の核計画を放棄すること、並びに、核兵器不拡散条約及びIAEA保障措置に早期に復帰することを約束した。

 アメリカ合衆国は、朝鮮半島において核兵器を有しないこと、及び、朝鮮民主主義人民共和国に対して核兵器又は通常兵器による攻撃又は侵略を行う意図を有しないことを確認した。

 大韓民国は、その領域内において核兵器が存在しないことを確認するとともに、1992年の朝鮮半島の非核化に関する共同宣言に従って核兵器を受領せず、かつ、配備しないとの約束を再確認した。

 1992年の朝鮮半島の非核化に関する共同宣言は、遵守され、かつ、実施されるべきである。

 朝鮮民主主義人民共和国は、原子力の平和的利用の権利を有する旨発言した。他の参加者は、この発言を尊重する旨述べるとともに、適当な時期に、朝鮮民主主義人民共和国への軽水炉提供問題について議論を行うことに合意した。

2.六者は、その関係において、国連憲章の目的及び原則並びに国際関係について認められた規範を遵守することを約束した。

 朝鮮民主主義人民共和国及びアメリカ合衆国は、相互の主権を尊重すること、平和的に共存すること、及び二国間関係に関するそれぞれの政策に従って国交を正常化するための措置をとることを約束した。

 朝鮮民主主義人民共和国及び日本国は、平壌宣言に従って、不幸な過去を清算し懸案事項を解決することを基礎として、国交を正常化するための措置をとることを約束した

3.六者は、エネルギー、貿易及び投資の分野における経済面の協力を、二国間又は多数国間で推進することを約束した。

 中華人民共和国、日本国、大韓民国、ロシア連邦及びアメリカ合衆国は、朝鮮民主主義人民共和国に対するエネルギー支援の意向につき述べた。

 大韓民国は、朝鮮民主主義人民共和国に対する200万キロワットの電力供給に関する2005712日の提案を再確認した。

4.六者は、北東アジア地域の永続的な平和と安定のための共同の努力を約束した。

 直接の当事者は、適当な話合いの場で、朝鮮半島における恒久的な平和体制について協議する。

 六者は、北東アジア地域における安全保障面の協力を促進するための方策について探求していくことに合意した。

5.六者は、「約束対約束、行動対行動」の原則に従い、前記の意見が一致した事項についてこれらを段階的に実施していくために、調整された措置をとることに合意した。

6.六者は、第五回六者会合を、北京において、200511月初旬の今後の協議を通じて決定される日に開催することに合意した。

         

資料⑤  声明  朝鮮半島の核問題に関する

            6カ国共同声明と私たちの立場

2005925日 日韓民衆連帯全国ネットワーク

 9月19日、朝鮮半島の核問題に関する6カ国協議において初の共同声明が発表された。

 私たちは、今回の6カ国共同声明が朝鮮半島の非核化および冷戦体制の最終的解体にとっての包括的な解決の一歩前進であると評価し、「『公約対公約、行動対行動』の原則に従い」、具体化プロセスを明確化して「これらを段階的に実施」するよう求めるものである。

(一)

 共同声明は、第一項で6カ国協議の目標が、「平和的な方法による朝鮮半島の検証可能な非核化であることで一致」した。そして、この目標のため

     朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、すべての核兵器および既存の核計画を放棄すること、核不拡散条約(NPT)及び国際原子力機関(IAEA)の保証措置に早期に復帰することを約束。

     米国は、朝鮮半島において核兵器を有さず、北朝鮮に核兵器・通常兵器による攻撃、侵略の意図を有しないことを確認。

     韓国は、領域内に核兵器が存在しないことを確認し、92年(発効)の南北非核化共同宣言に従い核兵器の受領、配備を行わないことを再確認。同宣言は順守され、実施すべき。

     北朝鮮は、原子力の平和利用の権利を有する旨発言し、各国はこれを尊重するとともに適当な時期に軽水炉提供問題について議論をおこなうことで合意した。

 私たちは、北朝鮮の非核化への決断と米国が攻撃・侵略の意図を有しないことを確認したことも同時に歓迎する。ここでは北朝鮮の非核化のみが一方的に確認されたのではない。米国および韓国が朝鮮半島において核兵器を持たないことも確認され、92年の南北非核化共同宣言の実施が確認された。

その92年の南北非核化共同宣言は、以下の規定をしている。

 すなわち「朝鮮半島の非核化を検証」するため、南北のそれぞれが、「相手方が選定し双方が合意する対象に対して南北核統制共同委員会」が「査察」を実施することも含まれているのである。ところで、米軍は50年代以降、朝鮮半島に膨大な核兵器を持ちこんできた。南北間の非核化共同宣言の直前に、当時の米ブッシュ(父)政権が地上配備核の撤去を打ち出し、盧泰愚大統領(当時)が核兵器不存在を宣言するという経過があった。しかし、このことは検証を伴うものではなかった。論理的にいえば、これらの「検証(査察)」も必要ということになる。実際に、米軍基地の査察が可能かどうかは分からないが、何らかの形で担保される必要があるのではないか。

今回の6カ国共同声明が、マスコミ等で報じられる単なる「北朝鮮の非核化」のみではなく、南北および駐韓米軍をも対象とした「朝鮮半島の非核化」を目指していることに注意を喚起したい。

 もう一つの重要な点は、この第1項目に北朝鮮の原子力平和利用の権利の尊重と軽水炉提供問題が明記されたことである。「発言」を「尊重する」とか、「適当な時期」に「議論をおこなう」等の表現で合意にこぎつけたわけだが、北朝鮮側に「既存の核計画の放棄」を求める以上、黒鉛減速炉に替わるエネルギー提供問題は不可欠である。NPTも南北非核化共同宣言も、原子力の平和利用を非核兵器保有国の権利として認めている。これに対して、米日両国は“北朝鮮が先に核放棄し、その後に軽水炉提供について議論する”と主張し、北朝鮮側は“米国が軽水炉を提供すれば、すぐにNPTに復帰し、IAEAとの保障措置協定を締結して履行する”と主張している。

 この点でも「公約対公約」「行動対行動」の原則に基づき双方が段階的に同時行動をとる必要がある。かつての94年米朝ジュネーブ合意では、北朝鮮の黒鉛減速炉の凍結から解体へのプロセスと、米国による重油提供、KEDOによる軽水炉建設プロセス、米朝関係正常化がリンクされ、その段階的な実施が確認されていた。そして最終的に、「軽水炉対象の相当部分(注・主要核関連部分以外)が実現された後、そして主要核関連部品などが納入される前」に北朝鮮は「国際原子力機関と自己の核物質冒頭報告書の正確性および完全性の検証と関連する協議をおこない、それに従い機関が必要と認めるすべての措置を取ることを含む機関との保障措置協定(通報/403)を完全に履行する」と規定されていた。

 6カ国共同声明は、11月初旬に第56カ国協議の開催で合意しているが、この第5回以降、「行動対行動」原則に基づく具体化が図られなければならい。

(二)

 第二項では、6カ国が「国連憲章の目的および原則、並びに国際関係について認められた規範を順守」すること、すなわち国家関係において平和的共存等を順守することを確認するとともに、

 ① 朝米は相互の主権を尊重し、平和裏に共存すること、二国関係に関するそれぞれの政策に従って関係正常化の措置を取る。

      日朝は、ピョンヤン宣言に従って、不幸な過去を清算し懸案事項を解決することを基礎として、国交正常化のための措置を取ることが確認された。

いうまでもなく、東北アジアの冷戦体制を解体する上で、朝米・日朝の関係正常化は不可欠

である。

 とくに日朝国交正常化に向けて、日本政府を含む6カ国であらためて原則が確認されたことの意義は大きい。この間、日本では政府・マスコミをはじめとして、日朝関係といえばあたかも「日本人拉致問題」の解決のみがすべてであるかのように喧伝されてきた。しかし、共同声明では何よりも日本の侵略・植民地支配の「不幸な過去の清算」を始めとして、「懸案事項を解決」することが確認されたのである。ときに「『日本の常識』は世界の非常識」と言われることがあるが、6カ国協議の過程における日本の孤立ぶりは、そのことを如実に示すものであった。もちろん、「懸案事項」の中には「日本人拉致事件」の解決も含まれるが、日朝間の100年に及ぶ不幸な過去の清算のなかでこの問題も解決すべきであり、「不幸な過去の清算」の一つとして速やかな解決が可能となるだろう。

 共同声明発表後、日朝間の政府間協議の再開も合意されたが、私たちは、あらためてこれらの諸原則のもと速やかに日朝国交正常化を実現することを強く求めるものである。

(三)

 共同声明の第三項では、6カ国は「エネルギー、貿易、投資の分野における経済協力を、二国間または多国間で推進」するとともに、米国を含む他の5カ国が北朝鮮へのエネルギー支援の意向を表明した。昨年の第36カ国協議の段階では、米国は「中国・ロシア・韓国・日本がエネルギー支援をおこなうことを容認」する(だが米国自身はおこなわない)―という虫のいい提案をおこなっていたが、今回は米国自身もエネルギー支援を表明する形になったことは、大きな変化である。

 またこの項で、7月12日の韓国による北朝鮮への200万キロワットの電力供給提案が再確認された。しかし、“民族共助”としての韓国側提案は評価されるが、依然として米国の影響が色濃い韓国が電力供給をコントロール下に置くことになり、北朝鮮側にとっては主権に関わる問題として慎重な対応にならざるを得ないだろう。北朝鮮側が、軽水炉提供にこだわるのもまさにそれがエネルギー主権に関わっているからである。

 いずれにせよ、北朝鮮の非核化と軽水炉提供までのつなぎとして、かつての米朝ジュネーブ合意に基づいておこなわれていた重油提供に替わる措置が速やかに履行される必要がある。

(四)

 共同声明の第四項では、6カ国は「北東アジアの永続的な平和と安定のための共同の努力を約束」するとともに、「直接の当事者は、適当な話し合いの場で、朝鮮半島における恒久的平和体制について協議する」ことが確認された。いうまでもなく、朝鮮半島は未だ停戦協定のままの準戦時体制のもとに置かれている。停戦協定を恒久的な平和協定に転換することは急務の課題である。直接の当事者とはあくまで朝米両国である。場合によって停戦協定に調印した当事国である中国、停戦協定に調印しなかった韓国を含む協議形式が取られるかもしれないが、その場合でもあくまで朝米の恒久的平和協定締結問題が基本となるだろう。

 また「6カ国は、北東アジアにおける安全保障面の協力を促進するための方策について探求」することが合意された。この中には、6カ国協議を将来においても東北アジア安保協議機構として存続させることなどが意図されているのかもしれないが、大国間のパワーポリティックスの場ではなく、日本を含む東北アジア非核地帯化の実現などが追求されなければならない。私たちは、そもそも非核を国是とする日本が、朝鮮半島の92年非核化共同宣言と同じ程度の水準を受け入れるべきだと考える。

(五)

 共同声明の第五項では、6カ国が「『公約対公約、行動対行動』の原則に従い、前記の意見が一致した事項について、これらを段階的に実施していくために、調整された措置をとること」に合意した。あらためて、6カ国があくまでこの原則に立ち、共同声明の第六項で合意されている11月初旬の第5回協議以降、共同声明で合意された諸事項を具体化し、速やかな履行を求めるものである。

 私たちは、平和を願う広範な日本の民衆とともに、韓国・朝鮮、アジアの人々と連帯し、日本の「戦争国家」化阻止、核も米軍基地もない平和な東北アジアの実現のために全力を挙げるものである。

資料⑥ 声明 「竹島の日」条例に反対する

「竹島(独島)」領有の侵略的歴史を直視して、

植民地支配の清算に踏み出せ

200541日 日韓民衆連帯全国ネットワーク

 日韓両政府は日韓条約締結40周年を記念して、今年を「日韓友情年」と定めた。しかしそのさなか、韓国が実効支配している独島(日本名「竹島」)の領有をめぐる紛糾が広がった。私たちはこれを機会に、日本政府が「竹島」を領有するに至った歴史的背景を再確認し、日韓関係を根底から問い直し、過去の歴史清算に踏み出すよう要求する。

 今回の紛糾の発端は、島根県議会が316日、「竹島の日」条例を制定し、「竹島の領有権の早期確立を目指した運動を推進する」としたことにある。なぜいま「竹島の日」なのか。ちょうど100年前の1905222日、島根県が「竹島」の帰属を告示したからである。

島根県の告示は、同年128日の閣議決定に基づいている。その閣議決定で「竹島」と初めて命名し、それまでは「リヤンコ島」などと称していた。また、告示は県レベルにとどめ、これをただちに大韓帝国に通告せず、19064月になってわざわざ通告している。その間の190511月には、乙巳保護条約を強要して、日本は韓国の外交権を剥奪している。そのため、韓国は島根県告示の通告を受けても、何ら反論できなかった。こうした事実経過は、日本が「竹島」を日本領ではなく韓国領と認識していたことを示している。

 閣議決定に至る経緯にも問題がある。1月の閣議決定は、前年の19049月に一事業者が明治政府に提出した「リヤンコ島領土編入並びに貸下願」に基づいている。『島根県誌』および『島根県竹島の新研究』(いずれも「竹島は日本領」と主張している)によると、事業者は「竹島」は韓国領と認識していたとされ、独占的利用のため、農商務省に帰属を確認したが、農商務省では分からず、海軍省に問い合わせたところ、水路部長が「帰属ははっきりしないが、日本の方が韓国より近いから、領土編入してしかるべきだ。領土編入願いをいっしょに出せば独占的に貸し下げてやる」と事業者を説得したとされている。海軍省の要請に従って、事業者が「願い」を出し、即日政府がこれを受理している。海軍省=軍部が、一事業者を利用して、韓国領土とみなしていた「竹島」の日本領有を確定してしまったことになる。

 海軍省は19057月、「竹島」に望楼を建設している。折からの日露戦争の戦況を有利に進めるためである。日露戦争は朝鮮半島の領有権をめぐる戦争である。日本の「竹島」領有は、この事実からも朝鮮植民地支配に密接に関わっていることがうかがえる。1905年の「竹島」領有を肯定することは、日本軍国主義による朝鮮植民地支配を肯定するに等しい。

 以上から、「竹島」=独島は植民地支配の過程で日本が韓国から奪ったことが明らかである。

 こうした「竹島」領有の経緯を熟知する韓国民衆が、「竹島の日」条例の制定に対して、「日本による再侵略の始まりだ」との危機感を抱いたのも当然である。韓国内では、民衆レベルはもとより政府レベルでも、「竹島の日」制定に反発し、日本政府が朝鮮植民地支配を正当化しようとしていると警戒を強めている。324日には、盧武鉉大統領みずから、「竹島」問題と歴史教科書問題に対する日本政府の姿勢について、「侵略と支配の歴史を正当化する行為だ。再び覇権主義を貫徹しようとする意図を見過ごすわけにいかない」と厳しく批判している。

 日本政府は韓国政府・民衆の声に真摯に耳を傾けなければならない。日本がいかに朝鮮半島を植民地支配していったのか、もう一度歴史を振り返るべきである。そして、植民地支配に対する謝罪と償いを、乙巳保護条約から100年を迎えたいまこそ、実行に移すべきである。謝罪と償いなくして、真の『日韓友情』が芽生えることも根付くこともありえない。

資料⑦        日朝平壌宣言  2002917日 平壌

 小泉純一郎日本国総理大臣と金正日朝鮮民主主義人民共和国国防委員長は、2002917日、平壌で出会い会談を行った。
 両首脳は、日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、実りある政治、経済、文化的関係を樹立することが、双方の基本利益に合致するとともに、地域の平和と安定に大きく寄与するものとなるとの共通の認識を確認した。

1
.双方は、この宣言に示された精神及び基本原則に従い、国交正常化を早期に実現させるため、あらゆる努力を傾注することとし、そのために200210月中に日朝国交正常化交渉を再開することとした。
 双方は、相互の信頼関係に基づき、国交正常化の実現に至る過程においても、日朝間に存在する諸問題に誠意をもって取り組む強い決意を表明した。

2
.日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した。
 双方は、日本側が朝鮮民主主義人民共和国側に対して、国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施し、また、民間経済活動を支援する見地から国際協力銀行等による融資、信用供与等が実施されることが、この宣言の精神に合致するとの基本認識の下、国交正常化交渉において、経済協力の具体的な規模と内容を誠実に協議することとした。
 双方は、国交正常化を実現するにあたっては、1945815日以前に生じた事由に基づく両国及びその国民のすべての財産及び請求権を相互に放棄するとの基本原則に従い、国交正常化交渉においてこれを具体的に協議することとした。
 双方は、在日朝鮮人の地位に関する問題及び文化財の問題については、国交正常化交渉において誠実に協議することとした。

3
.双方は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認した。また、日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した。

4
.双方は、北東アジア地域の平和と安定を維持、強化するため、互いに協力していくことを確認した。
 双方は、この地域の関係各国の間に、相互の信頼に基づく協力関係が構築されることの重要性を確認するとともに、この地域の関係国間の関係が正常化されるにつれ、地域の信頼醸成を図るための枠組みを整備していくことが重要であるとの認識を一にした。
 双方は、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守することを確認した。また、双方は、核問題及びミサイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、問題解決を図ることの必要性を確認した。
 朝鮮民主主義人民共和国側は、この宣言の精神に従い、ミサイル発射のモラトリアムを2003年以降も更に延長していく意向を表明した。
 双方は、安全保障にかかわる問題について協議を行っていくこととした。

資料⑧

声明 日朝首脳会談・ピョンヤン宣言に対する私たちの立場

   真の和解と平和を基礎とした日朝国交正常化の実現をめざして

2002年9月20日 日韓民衆連帯全国ネットワーク

日朝国交正常化交渉の再開を歓迎する

 9月17日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の首都・ピョンヤンで小泉首相と金正日国防委員長による初の日朝首脳会談が行われ、両首脳は日朝共同宣言(ピョンヤン宣言)に署名した。

 宣言は、「両首脳は、日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、実りある政治、経済、文化関係を樹立することが、双方の基本的利益に合致するとともに、地域の平和と安定に大きく寄与するものとなるとの共通の認識を確認した」と高らかに謳い、第1項で、国交正常化を早期に実現するため、あらゆる努力を傾注することとし、10月中に日朝国交正常化交渉を再開することで合意した。

 私たちは、まず両首脳が確認したこの方向と合意を支持し、歓迎する。

 しかし同時に、共同宣言の各項の内容は、アジアの平和と朝鮮半島の統一に寄与し、朝鮮半島全体の人びととの真の和解を基礎とした日朝国交正常化の実現のためには、日本民衆のなお一層の努力が求められていること、新たな局面に立った闘いのスタートを要請している。

 私たちは、この自覚の上に、さらに運動を前進させたいと考える。

日本政府に侵略・植民地支配への誠意ある謝罪と補償を求める

 共同宣言第2項で、「日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人びとに多大の損害と苦痛を与えたという事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びを表明」し、①財産および請求権を相互に放棄し、②国交正常化ののち日本側が経済協力を行うこと、③その規模と内容について正常化交渉で協議すること-が確認された。また在日朝鮮人の地位および文化財返還・補償についても正常化交渉で誠実に協議することが確認された。

 私たちはこの間、村山談話の「反省とお詫び」があくまで韓国併合有効・合法論の立場に立つものであり、65年日韓経済協力協定方式の援用は、真の過去清算とはいえないことを繰り返し明らかにしてきた。今回、北朝鮮側が日本政府の固持し続けている立場に譲歩し、共同宣言の確認に至ったわけだが、問題は依然として残されたままであるといわなければならない。

 私たちは、日本民衆の主体的責任において、日本政府に誠意ある謝罪と補償をおこなうよう要求するものである。とりわけ軍隊「慰安婦」、強制連行などによる被害当事者への国家の責任による謝罪と補償を強く要求する。

北朝鮮政府に拉致事件被害者への誠意ある対応を求める

 共同宣言第3項で、双方は、国際法を遵守し互いの安全を脅かす行動をとらないこと、また日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題について北朝鮮側はこのような遺憾な問題が再び発生しないよう適切な措置をとること-を確認した。私たちは、これを歓迎し誠実な履行を求めるものである。

 とりわけ今回、金正日国防委員長自身から、北朝鮮の国家機関の一部が関与した日本人拉致事件や工作船問題が明らかにされ、拉致被害者の8人もの人びとの死亡が明らかにされたことは、日本社会に大きなショックを与えた。

 拉致事件について私たちは、政府が認定してきた「8件11人」について、これまで「肉親が行方不明になっているご家族の心中は察するに余りあるが、明確な証拠がなく疑惑に過ぎない」と主張してきた。私たちは、結果として拉致事件の事実認識が誤っていたことを率直に認める。私たちは、この自らの事実認識の誤りを踏まえつつ、これらの問題について国交正常化交渉の中で、真相の解明や生存者の帰還等、北朝鮮の誠意ある対応を求めるものである。

 同時に私たちは、今回の拉致事件の被害者の悲しみや怒りが、過去の強制連行や軍隊「慰安婦」とされた被害者の悲しみや怒りと同じものであると考える。日本政府・小泉首相にも、金正日国防委員長自ら拉致事件の国家関与を認め謝罪したのと同様に、あらためて過去、日本がおこなった強制連行、軍隊「慰安婦」等への国家関与を認め、誠意ある謝罪と補償、実態の解明をおこなうよう強く主張する。

 また、この事件を口実として各地に広がる在日朝鮮人への暴力や嫌がらせを許すことはできない。

朝米はジュネーブ合意の履行を、日本政府は有事法制の廃案を

 共同宣言第4は、双方が、a.北東アジア地域の平和と安定のための協力、b.信頼醸成のための枠組み整備の重要性を確認、c.朝鮮半島の核問題の包括的解決のため関連国際法を遵守、d.核・ミサイル問題を含む安全保障上の諸問題について関係諸国との対話を促進し、問題解決を図る、e.北朝鮮側はミサイル発射のモラトリアムを2003年以降も延長、f.日朝間の安全保障問題について協議していく-ことを確認している。

 私たちは、これを基本的に歓迎し、次のように具体化することを求める。

 まず何より、両国に生起するあらゆる事態を、対話を通じた平和的手段で解決することである。

 同時に、焦点になっている核・ミサイル問題の解決については、米国との関係を抜きに語ることはできない。

私たちは、朝米両国に、あらためて94年の朝米ジュネーブ枠組み合意、2000年朝米共同声明を誠実に履行することを強く要求し、朝米両国が速やかに交渉を再開することを求める。この点で、日本政府は何よりも米国政府に北朝鮮との交渉再開を促し、上記二合意の履行を求めるべきである。

 この間、米ブッシュ政権は、北朝鮮を「大量破壊兵器開発疑惑」を理由として「悪の枢軸」と名指しし、緊張を高めてきた。ブッシュ政権は北朝鮮に即時の核査察を要求しているが、これは何の根拠もない。ジュネーブ合意では「(北朝鮮に転換支援する)軽水炉対象の相当な部分が実現された後、そして主要核関連部品などが納入される前」に、北朝鮮はIAEAとの保障措置協定を完全に履行することが明記されている。

 むしろ今、ジュネーブ合意で確認されている軽水炉の供与(供与期限2003年)が大幅に遅れ、やっと8月に起工式がおこなわれたばかりで完工予定は2008年、5年も遅延する見通しとなっている。このペースでいくと主要関連部品等が納入されるのは2005年と見られており、ジュネーブ合意に基づけば、査察はこの段階(軽水炉対象の相当な部分が実現された後、主要核関連部品が納入される前)でなされることになる。そして、北朝鮮も、ジュネーブ合意を誠実に履行することを繰り返し表明している。

 ここでは、ジュネーブ合意の約束の期限を守らず、難癖をつけているのが米ブッシュ政権の側であることは明らかである。ジュネーブ合意に基づき、軽水炉へ転換する間の代替として米国が重油を提供しているが、ブッシュ政権にはこの遅延期間も引き続き円滑に重油を提供する義務がある。

 さらに、ジュネーブ合意では軽水炉転換問題とともに、対北朝鮮経済制裁の緩和、米国が核兵器を使用せず核威嚇もしないことを保障すること、相互の連絡事務所の設置、そして相互の関心事の解決に伴い大使級の関係樹立までが確認されているのである。

 問われているのは、「北朝鮮が査察を受け入れるかどうか」よりも、むしろその反対に、ブッシュ政権がジュネーブ合意を遵守するのかどうかである。

 ミサイル問題では、北朝鮮側と米クリントン前政権は朝米ミサイル交渉をおこない、2000年秋には趙明禄・国防委第一副委員長、オルブライト国務長官のワシントン、ピョンヤン相互訪問がなされ、「米国大統領の訪朝」まで明記した共同声明が出された。これらの状況は、朝米が関係正常化に接近しつつあったことを示している。

 これらの国際約束を無視し、産軍複合体など特定の利害集団の利益を代弁して、緊張激化と戦争拡大政策を推し進めているのがブッシュ政権である。それはアジアの平和にとって最大の脅威である。

 朝鮮半島における戦争の危険を押し止めるためには、北朝鮮にもジュネーブ合意・2000年朝米共同声明の誠実な履行を求めることが必要だが、何よりも米ブッシュ政権にこそ、これまでの朝米交渉の経過を尊重し、その誠実な履行を要求する必要がある。これはアジアの平和を求める各国・民衆の共同の課題であり、日朝共同宣言の核心問題の一つである。

 私たちは、日朝間の対話と信頼醸成、何よりも国交を正常化して緊張を緩和し、さらに周辺諸国間の和解・平和友好関係の促進へと波及させ、朝鮮半島の平和と統一、アジアとりわけ北東アジア地域の軍縮や非核地帯化などの恒久的平和に向けた展望を開くことが必要であり、日朝共同宣言のこの項目が、こうした方向に向かって実現されることを強く要求する。

 そのためにも日本政府・小泉政権は有事法制を廃案にすべきであり、憲法9条を遵守し、平和外交を日本の対外政策の柱に据えなければならない。

 

 私たちは、再開される日朝交渉を歓迎し、これを注視しながら、引き続き以上の方向実現のために闘うものである。

資料⑨   米朝ジュネーブ枠組み合意

 米国と朝鮮民主主義人民共和国間の合意枠組み

 19941021

 1994年9月23日から10月21日、米国政府および北朝鮮政府代表はジュネーブにおいて会談し、朝鮮半島核問題に関する全般的解決について交渉が行われた。
 両国政府は、1994年8月12日の米朝間合意声明で示された目標を達成し、核のない朝鮮半島のもとでの平和と安全の実現を目指した1993年6月11日米朝共同声明の諸原則を支持していくことが重要であることを再確認した。

1.両国政府は、北朝鮮の黒鉛減速炉および関連施設を軽水炉施設(LWR)に転換することに協力する。

①1994年10月20日の米国大統領からの書簡に従い、米国は目標年である2003年までに約2000メガワットの発電総量を持つ軽水炉計画を北朝鮮に提供する準備を行う。 

米国は、北朝鮮に提供する軽水炉計画を資金的に支え、計画を供与する国際事業体(an international consortium)を米国主導で組織する。米国は、国際事業体を代表して、軽水炉計画における北朝鮮との接触の中心を担う 

米国は、国際事業体を代表して、本文書日付から6ヶ月以内に、軽水炉計画供与契約の締結に最善の努力を行う。契約締結のための協議は、本文書日付後、可能な限り早急に開始する。 

必要な場合、米朝両国は、核エネルギーの平和的利用に関する協力のための二国間協定を締結する。 

②1994年10月20日の米国大統領からの書簡に従い、米国は、国際事業体を代表し、軽水炉一号機が完成するまで、北朝鮮黒鉛減速炉およびその関連施設凍結によって生産不能になるエネルギーを補填する準備を行う。

代替エネルギーとしては、暖房と発電用の重油が供給される。 

重油の供給は、引渡しスケジュールについての合意に基づき、本文書日付の3ヶ月以内に開始され、年間50万トンの割合で行われる。 

③北朝鮮は、軽水炉の提供と暫定的な代替エネルギーに対する米国側の約束を受け入れる際、黒鉛減速炉とその関連施設の建設を凍結し、最終的にはこれらを解体する。

北朝鮮黒鉛減速炉と関連施設建設の凍結は本文書日付の1ヶ月以内に完全に実行される。

この1ヶ月間ならびに凍結期間中、国際原子力機関(IAEA)は、この凍結を監視でき、北朝鮮は、この目的に対してIAEAに全面的に協力する。 

北朝鮮の黒鉛減速炉および関連施設の解体は、軽水炉計画が完了した時点で完了する。 

軽水炉建設中、米国と北朝鮮は、5メガワット実験炉から生じる使用済み燃料を安全に貯蔵し、北朝鮮での再処理を行わない安全な形で処理する方法を協力して模索する。 

④本文書日付後できるだけ速やかに、米国・北朝鮮の専門家たちによる二種類の協議を行う。

一つめの協議では、代替エネルギーおよび黒鉛減速炉から軽水炉への転換を話し合う。 

もう一つの協議では、使用済み燃料の貯蔵と最終的な処理についての具体的な取り決めを協議する。 

2.両国は、政治的、経済的関係の完全な正常化に向けて行動する。

 ①本文書日付3ヶ月以内に、両国は、通信サービスや金融取引の制限を含め、貿易、投資に対する障壁を軽減する。 

②専門家レベルの協議で、領事その他の技術的問題が解決された後、それぞれの首都に連絡事務所を開設する。

③両国の関心事項において進展が見られた場合、米国・北朝鮮は、両国間関係を大使級の関係に進展させる。  

3.両国は、核のない朝鮮半島に基づいた平和と安全のために協同する。

①米国による核兵器の脅威とその使用がないよう米国は北朝鮮に公式の保証を与える。 

②北朝鮮は、朝鮮半島非核化に関する南北共同宣言の履行に向けた取り組みを一貫して行う。 

③本合意枠組みは南北対話を促進する環境の醸成に寄与するものであり、北朝鮮は、南北対話に取り組む。 

4.両国は、国際的核不拡散体制の強化に向けて協同する。

①北朝鮮は、核拡散防止条約(NPT)加盟国としてとどまり、同条約の保障措置協定の履行を認める。 

②軽水炉計画供給に関する供与契約締結後、北朝鮮・IAEA間の保障措置協定のもとで、凍結の対象とならない施設に関して、特定査察および通常査察が再開される。供与契約締結までは、保障措置の継続性のためにIAEAが必要とする査察は、凍結の対象でない施設にも行われる。 

③軽水炉計画の大部分が完了し、かつ重要な原子炉機器が提供される前の時点で、北朝鮮は、IAEAとの保障措置協定(INFCIRC/403)を完全に遵守する。これは、国内核物質に関する北朝鮮側第一回報告書が正確かつ完全であるかを確認するための協議後、IAEAが必要と考えるすべての措置を行うことを含むものである。

資料⑩      南北共同宣言

 祖国の平和的統一を念願する全民族の崇高な意志により、韓国の金大中大統領と朝鮮民主主義人民共和国の金正日国防委員長は、2000年6月13日から15日まで平壌で歴史的な対面と首脳会談をおこなった。

 南北首脳は分断の歴史上初めて開いた今回の対面と会談が、お互いの理解を増進させ、南北間関係を発展させ、平和統一を実現させる重大な意義を持つと評価し、次のように宣言する。

1.南と北は国の統一問題を、その主人であるわが民族同士で互いに力を合わせ、自主的に解決していくことにした。

2.南と北は国の統一のため、南側の連合制案と北側の緩やかな連邦制案がお互い、共通性があると認め、今後、この方向で統一を志向していくことにした。

3.南と北は、今年8・15に際して、離散家族、親戚訪問団を交換し、非転向長期囚問題を解決するなど、 人道的な問題を早急に解決していくことにした。

4.南と北は経済協力を通じて、民族経済を均衡的に発展させ、社会、文化、体育、保健、環境など、諸般の分野の交流を活性化させ、互いの信頼を固めていくことにした。

5.南と北は以上のような合意事項を早急に実践に移すために、早い時期に当局間の対話を開催することにした。

 金大中大統領は、金正日国防委員長がソウルを訪問するように丁重に招請し、金正日国防委員長は今後適切な時期にソウルを訪問することにした。

                           2000615

大韓民国大統領     朝鮮民主主義人民共和国国防委員長

金 大中                金 正日

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