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2012年9月

2012年9月18日 (火)

9・15ピョンヤン宣言10周年集会の報告

915日夜、東京・文京区民09_00011_2 センターで「日朝ピョンヤン宣言10周年 軍事大国化やめろ!日朝対話と過去の清算を 9・15集会」が開かれ、約150人が参加した。

はじめに実行委員会を代表して渡辺健樹さん(日韓ネット共同代表)が主催者あいさつし、「ピョンヤン宣言から10年の歳月が経っても朝鮮敵視は変わらず、逆に日韓軍事協定締結の動きや日米韓合同軍事演習が行われるまでになった。日韓軍事協定・日米韓軍事同盟に反対し、過去の清算と日朝の対話を-の声を挙げよう」と呼びかけた。また、今年8月の韓国訪問団が撮影・編集したソウル自主平和統一大会と前夜祭、韓日軍事協定反対集会とデモなど韓国民衆の反戦平和、統一への力強い闘いの映像が流された。

続いて、半田滋さん(東京新聞論説兼編集委員)が「米軍再編と強まる日米韓軍事同盟・軍事大国化路線」について、また西野瑠美子さん(VAWW RAC共同代表)が「軍事協定より過去の清算を、日朝の対話を」のタイトルで講演を行った。【講演要旨は下にあります】

集会ではまた、ノレの会が「イムジン河」と韓国民衆歌謡の「岩のように」を熱唱した。

さらに、オスプレイ配備に反対する闘いについて吉田正司さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)、自民党総裁候補全員が集団的自衛権行使の容認を唱えるなど危険な改憲動向に対する闘いについて高田健さん(許すな!憲法改悪市民連絡会)、朝鮮高校の「高校無償化」排除に反対する闘いから森本孝子さん(「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会)と当事者である朝鮮高校生の母親、そして韓国軍部政権時代に弾圧された在日元「政治犯」の再審無罪を勝ちとる闘いから石井寛さん(韓国良心囚を支援する会全国会議)のアピールを受け、今後の闘いへの決意を新たに終了した。

半田滋・東京新聞論説兼編集委員の講演要旨(文責・日韓ネット)

「米軍再編と強まる日米韓軍事同盟・軍事大国化路線」と題した講演で、半田さんは、この間の米国・中国・日本の軍事動向をつぶさに分析し次のように指摘した。

オバマの新国防戦略については、国防費縮小という制約下で「2正面作戦」から「1正面作戦と抑止」(1プラス)への移行とアジア太平洋でのプレゼンス重視を打ち出し、「統合エア・シーバトル」構想の下で空母6隻体制とオーストラリアに海兵隊移駐(ローテーション部隊)・シンガポールに沿岸戦闘艦供与・インドネシアにF16戦闘機24機無償供与を進め、これに日本の新防衛計画大綱の「南西防衛」「島嶼防衛」が連なり、総じて中国包囲網の構築を狙っていること。その中で、米軍再編の真の狙いが、「横須賀、佐世保、岩国を結ぶ空母トライアングル」の形成だと指摘した。そして、「沖縄に海兵隊はいらない。ましてオスプレイは不要」と断言した。

 中国の軍事動向については、「国家の発展にみあった強固な国防力と強大な軍隊の建設」をめざし、96年の台湾海峡危機の教訓や13億人のエネルギー政策のため中東・アフリカに関与しシーレーン確保を必要としているとしながら、海軍力強化により第一列島線の内海化とアクセス拒否、第二列島線への進出を強めている。中国のいう第一列島線と米国が戦後西太平洋の防衛ラインとしてきた「第一層の島嶼ライン」とは同じであり、米国は自らの防衛ラインに中国が進出してくることが気に入らないようだ。中国はまたパキスタン、スリランカ、ミャンマーなどに拠点港を作り「真珠の首飾り」とも呼ばれる戦略もとっている。

 日本は、1976年に自民党政権下で策定された防衛計画大綱以来の「基盤的防衛力」政策から民主党政権で大転換が図られた。基盤的防衛力を「静的抑止」として否定し、「動的防衛力」強化へ転換、中国を意識した「南西防衛」「島嶼防衛」の強化が進められ、与那国島に沿岸監視部隊、潜水艦を16隻から22隻へ、那覇の戦闘機1個から2個へなどが進められている。さらにオーストラリアとの間では2プラス2の開催、日豪ACSA(20105)、軍事情報包括保護協定(20125月)を相次いで結んだ。

韓国との間では、今年に入り朝鮮半島沖での日米韓共同演習(6月)、大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)航空阻止演習(7月・日本が主催し韓国も参加)、リムパックでの日米韓共同演習(8月)と立て続けに合同演習が繰り返されている。これまで自衛隊は、集団的自衛権行使を禁止する憲法上の制約から2010年まで米国以外の国々との共同訓練はできなかった。しかし、同年から「シナリオ訓練」への参加をやめ、「イベント訓練(戦術行動訓練、通信訓練など具体的な有事想定のない訓練)」に参加することとし、各国との連携重視に切り換えた。日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)・物品役務相互提供協定(ACSA)は、5月締結予定が韓国側の野党などの反対で延期になったが、流れは変わらないだろう。

また、竹島・尖閣諸島問題の継続の中で米国の思惑として、<日韓対立は困るが、領土問題の解決も困る(米国抜きで日韓連携に向かうような)>という立場をとっている。

深刻なのは、日本の政治が危険な方向に向かっていること、自民党総裁候補5人全員が集団的自衛権容認で日本維新の橋下氏も同様、改憲発議に必要な国会議員3分の2は目前になっていることだ。これにどう対処していくかが問われている。

西野瑠美子・VAWW RAC共同代表の講演要旨(文責・日韓ネット)

続いて講演の2番手は西野瑠美子さん(VAWW RAC共同代表)。

西野さんは、この間韓国の人びとが日本軍「慰安婦」問題の解決を日本政府に求めていることに対して、日本国内からは「慰安婦が軍に暴行、脅迫を受けて連れてこられた証拠はない」(橋下徹大阪市長)等、加害をねじ曲げるような発言が噴き出し、一部の政治家たちから河野談話攻撃、見直し論が相次いでいることを断じて見過ごせないとして次のように述べた。

橋下大阪市長は、「(河野談話は)日韓の紛争の一番の元凶となっており、政府は直ちに是正すべきだ」と、とんでもない発言をしていますが、先月、野田首相が河野談話踏襲の意思を表明した脇から、現政権の松原仁国家公安委員長は河野談話について、「近く政府内で見直しを提起する」と発言しました。河野談話が「韓国をはじめ近隣国との信頼を築くうえで重要な役割を果たしてきた」ことは、安倍内閣時代も含めて、歴代内閣が踏襲してきたことからも伺える。現在、次回総選挙を意識して民主党・自民党の総裁選に関心が集まっているが、安倍氏は自民党総裁選に乗じて、「自民党は、歴代政府の答弁や法解釈を引きずってきたが、新生・自民党では、しがらみを捨てて再スタートを切れる」「新生・自民党として、河野談話と村山談話に代わる新たな談話を閣議決定すべきだ」等とする発言を堂々と行っている。
 このような事態になったら、隣国はもとより、国際社会の日本不信、日本警戒は増大する一方であり、好戦的で偏狭なナショナリズムの応酬が行きつく果ては日本の孤立であり、過去の過ちをまたもや繰り返すことになりかねない。
 1993年に公表された「河野談話」は、関係資料調査、元軍人等関係者及び被害者への聞き取り、米国公文書調査、沖縄現地調査による「総合的」な判断で発表されたものであり、「歴史の教訓を直視」「歴史教育」への決意を述べた国際公約だ。河野談話の内容は、発表後に発見された資料や被害証言からも確認される。また、日本で提訴された「慰安婦」・戦時性暴力裁判でも、日本の裁判所は被害証言にある連行と慰安所での強制を含む被害事実について認定している。
 「慰安婦」問題は、強制連行を直接示す資料があるか否かの「証拠論」で語られるものではなく、女性の人権が重大に侵害されたその事実に目を塞ぎ、偏狭な国益論を翳してなかったことにする発言に対して、現政府は毅然とした対応をすべきだ。
 日本軍が「慰安婦」制度を創設・運用・管理したのはどのような詭弁によっても消すことのできない歴史的事実であり、日本軍がつくった「慰安婦」制度の下で女性たちは監禁され、逃亡・抵抗する自由すら奪われ、連日、強かんと激しい身体的心理的虐待にさらされた。加えて、アジア各地に連行された女性たちの多くが、連行地に置き去りにされた。しかし、日本政府は戦後、一度たりとて、そうした女性たちの原状復帰に取り組むことはなかった。
 アジア各地で被害にあった女性たちが名乗りを上げてから20数年が経過し、河野談話が発表されてからすでに19年という歳月が流れた。当時60代、70代だった女性たちも8090代となり、一方で多くの女性たちが亡くなっている。被害女性に直接お詫びを伝えられる今こそ、被害者が納得する責任を行使する最後のチャンスだ。私たちは、現政権が「河野談話」の踏襲の意思を具体的に形にし、一刻も早く「慰安婦」問題の法的解決に踏み出すことを強く求める。

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