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2012年12月

2012年12月29日 (土)

韓国大統領選の結果分析

韓国大統領選、何があったのか?

かもめ(日韓ネット)

 1219日午前6時から午後6時まで実施された韓国の第18代大統領選挙は、保守与党「セヌリ党」候補のパク・クネ(朴槿恵、以下朴)が野党「民主統合党」のムン・ジェイン(文在寅、以下文)候補に勝利し、次期大統領となることが決まった。下記はその結果。

朴槿恵

1,577万票

51.55%

文在寅

1,469万票

48.02%)

               その差:108万票(3.53%)(注:韓国選管より筆者が作成

 選挙戦は当初から朴槿恵の優勢で進められていた。前号(60)の日韓ネットニュースで次のような世論調査の表を示していたのをご記憶だろうか。

 

6/25

7/27

9/24

10/8

10/15

朴槿恵

41.1

31.3

37.5

37.0

35.2

文在寅

15.1

9.3

22.6

22.1

21.8

流行語は「メンブン」

 上の表を見ると文が「善戦」したとも見ることが出来ようが、韓国の革新・進歩勢力は政権交代を成し遂げられなかったとして、「とてつもない敗北(統一ニュース)」、「その衝撃は2007年(訳注:前回の選挙、現政権誕生)より大きく、後遺症も長びきそう(オーマイニュース)」としている。流行語の「メンブン」は直訳すると「メンタル・ブンゲ(崩壊)」で、「選挙敗北で打ちのめされ、立ち直れないほどのショックによりメンタル/精神状態が崩壊寸前」の様子らしい。

確かに1219日の大統領選挙が行われた同日には、いくつかの選挙が同時に行われたのだが、ことごとく保守が勝った。慶尚南道の知事選では与党「セヌリ党」の洪準杓候補が62.91%で、革新系無所属候補の37.08%に対し25.83%の差で勝利。これは今年7月まで革新系知事だった金斗官前知事が「民主統合党」の大統領候補選に出るため辞任空席になったところから行われたものだ。対立候補の権永吉氏は元民主労総委員長で民主労働党時代の国会議員でもあり、票田の工場地帯の馬山・昌原地域も抱えるところから、負けたショックは大きい。またソウル市の教育監選挙でも保守系の文竜鱗候補54.17%に対し、全教組委員長で民主労総委員長出身の李秀浩が37.01%の得票で敗北した。保守の強い慶北・慶山市で保守系が勝つのはまだしも、仁川市の中区長選でもセヌリ党が勝利。光州市東区は「民主統合党」が勝っているが、基礎自治体の議員選挙では「セヌリ党」9人に対し、「民主統合党」6人、「統合進歩党」2人の当選となっている。

大統領選挙の後半ではアン・チョルスとの候補一本化や「統合進歩党」代表イ・ジョンヒの候補辞退など、選挙直前には「世論調査で文が逆転」、「投票率が71%を越えれば若者層の支持が増えるので勝てる」という情報も飛び交っていただけに、インターネット上では「もう政治はやめて英語を勉強しよう」という書込みが増えているという。韓国に見切りをつけて海外に移民に行こうということだ。

数字でみる結果

下記の表をみてほしい。太字が当選者だ。

年度

選挙

投票率

保守派

得票率

改革派

得票率

2012

19代大統領選

75.8%

朴槿恵

51.55%

文在寅

48.02%

2007

17代大統領選

63.0%

李明博

48.7%

鄭東泳

26.1%

2002

16代大統領選

70.8%

李会昌

46.6%

盧武鉉

48.9%

1997

15代大統領選

80.7%

李会昌

38.7%

金大中

40.3%

1992

14代大統領選

81.9%

金泳三

42.0%

金大中

33.8%

参考:20124月、総選挙の投票率は54.3% (表は筆者が作成)

では、今回の大統領選では投票率が高かったのに、なぜ勝てなかったのか。

ちなみに選管によると、投票率が一番高かったのは光州市の80.4%で、二位は蔚山市78.4%、三位は慶北78.2%だ。反対に投票率の低かった所は、忠南72.9%、済州道73.3%、江原道73.8%となっている。

問題は朴と文の票がどのように得られたものなのか、ということになろう。

筆者の分析で順位別にみると、文の①光州市(91.97%)、②全南道(89.28%)、③全北道(86.25%)に対し、朴の地域は1)大邱市(80.14%)、2)慶北道(80.82%)、3)慶南道(63.12%)となっている。文の①+②+③÷3=平均値は89.16%で、朴の1)2)3)÷3=74.69%より14.5%近く上回っている。

問題は地域ごとの人口だ。文の得票した上位三地域の得票数を合計すると283万なのだが、朴の上位三地域は388万となり、既に105万票の差が出ている。そもそも韓国の東南地方が西南地方に比べて人口が多いため、得票パーセンテージが高くても得票数は高くならない。これを埋めるために文側としては、ソウルや仁川、大田など大都市での得票を伸ばす必要があるのだが、結果は下記のようにそれほど票が伸びなかった。

地域

得票数

支持率

得票数

支持率

ソウル

302

48.18

322

51.42

仁川

85

51.58

79

48.04

大田

45

49.95

44

49.70

手元にソウルの具体的な得票数もあるが、割愛する。要は江南など富裕層の地域が一丸となって朴陣営を後押ししたことだ。

それでは各世代別の投票行為はどうなっているのか。

これについて選管は集計中で資料がないが、放送3社の出口調査にそのヒントがある。

年齢

投票率

朴支持率

文支持率

20

65.2

33.7

65.8

30

72.5

33.1

66.5

40

78.7

44.1

55.6

50

89.9

62.5

37.4

60代以上

78.7

72.3

27.5

上の表で分かるように、50歳代は投票率が89.9%とダントツで、その62.5%が朴支持に回っている。このようなところから、韓国では「年齢50代論」などがかまびすしい。

 それらは「韓国が高齢化社会であり、人口が若者より高齢者が増えているので、高齢者の票そのものが多い」というのから、保守の唱える「5060革命論」まで幅広い。要は「人間は高齢になると当然保守化する傾向にあり、若者社会に嫌気がさした“疎外された高齢者”が反旗を翻した」という論調だ。

 筆者はこれに異を唱えたい。一番の理由は、上記の減少が今回の選挙に限ったことではないためだ。選管HPによると、前回2007年の年代別投票率も50代が76.6%と最も高く、60代以上が76.3%40代が66.3%で、20代後半が42.9%と最も低かった。二番目の理由は「50代の中身」が重要で、その注目先は「5060代の女性」だからだ。

オバサンたちの「青春」

 テレビ局SBSの調査からと断ったインターネット記事によると、朴支持者は50代女性で50代男性59.4%に対し65.7%が、60代以上の女性は男性72%に対し72.5%となっている。反対に20代の女性は文在寅への支持69%30代女性65.1%40代女性は52%となっていて、女性の50代から朴支持へ急上昇していることが分かる。

 これを裏付けるのが1213日から19日までの「ギャラップ調査」。ここでは職業別の支持率も調べているのだが、19日の調査でサラリーマンのホワイトカラー層は朴支持が35.4%なのに対し、文在寅支持は64.2%、学生の朴支持30%に対し、文在寅支持は68.4%。その一方で主婦層は、朴支持が61.0%で、文支持は38.9%に留まっている。

13日から14日にかけてのこの調査では主婦層の朴支持は55%だったのが、17日から18日にかけては58%となっており、19日が61%となっているので、朴槿恵への得票を押し上げたのは「5060代の女性」だったのだ。

朴陣営は投票日2日前の17日に、子どもの頃の水着姿やセーラー服の学生時代の朴槿恵の写真を公開したが、これは同世代を生きた女性たちにとっては「アイドルの再来」だっただろう。貧しい時代を生きた中年女性にとって朴槿恵は「お嬢様」であり、「あこがれ」の対象だった。日本のテレビ画面でも朴陣営で熱狂的な中年女性たちの姿が印象的だった。

 これについては『民衆の声』に掲載された聖公会大学教授たちの座談会で、女性学専攻の許教授が興味深い分析をしている。

韓国版「ティーパーティー」?!

 許教授は語っている。「保守的傾向の“韓国女性団体協議会”は2000年代前半に会員が2万人程度だったのが、李明博政権時代に700万人になった。朴槿恵陣営は早くから多くの会を開いていた」、「女性の組織固めをしていた。朴候補のファン・ブログも5つくらいあったが、一つに75千人ずつ会員を集めていた。民主党にはこれらがなかった」、「自由主義的フェミニズムが女性団体を中心に固まり、朴候補がこれに乗っかった。キャッチフレーズも“準備された女性大統領”というジェンダー性を押し出したのに、民主党は進歩陣営の兄貴分という態度だった」。

 朴陣営では女性管理職の積極登用などを公約として掲げ、18日の最後の遊説でも「女性が大統領になれば女性差別もなくなる」、「危機の時代に国民の母を」と訴えた。地道などぶ板、草の根選挙を行っていた保守に対し、安哲秀の人気と若者の雰囲気に乗っかろうとした改革・進歩勢力の安易さが生んだ結果だという批判もうなずける。

赤を着た保守

日本の労働組合の旗は赤い地色に組合名が白抜きしてあったりするが、韓国の労働組合の旗は赤くないのはご存じだろうか。民主労総の組合旗は白地に民主労総のマークが、金属労組は紺色に歯車のマーク、建設労組は緑色に建設機械のマークだ。

2002年日韓共催FIFAワールドカップで韓国の「赤い悪魔・応援団」が赤いTシャツを着始めた時、対抗勢力として「白い天使・応援団」が作られた。保守系の宗教団体からクレームがついて急きょ結成したのだったのだが、若者たちからブーイングを受け、早々に退散したことがある。韓国ではそれほど「赤がタブー」だったのだ。

今回、保守「セヌリ党」のイメージカラーは赤で、黄色の「民主統合党」に打ち勝った。

3つのタブーを乗り越えて

「赤」以外のもう一つのタブーは「女性」だ。韓国のことわざに「めんどり(雌鶏)が鳴くと家が滅びる」というのがある。その家で女性がしゃしゃり出るな、という戒めだ。 儒教を国是とした14世紀の朝鮮王朝時代から7世紀後の2012年、そのタブーも破られた。それについては先に書いた通り。

もう一つは「福祉」。韓国保守の定番は「経済成長」や「安保」で、福祉は改革・進歩陣営のお株だった。政治学者の趙己淑は「(今回の選挙で)文陣営が50代に拒否反応を与えたのは大学の学費半額と医療費の100万ウォン上限制だった」としている。財源なしのバラマキ政策は後に増税を呼び込むものとして、現実的な有権者は見抜いていたというのだ。また、「特殊目的高校を一般高校へ転換させる公約」も中産層の女性からソッポを向かれたとしている。

朴陣営のキャッチフレーズは「韓国型福祉の構築」としつつ、「生涯を通じた各自に合うオーダーメード型の福祉による細やかなソーシャルネットワークの構築」というもので、「女性や高齢者など、各自のニーズに合わせて身の丈の福祉を進める」とした。具体的には保育料の無償化、結婚や出産への税制支援、一時保育の促進、学童保育の活性化、「イクメン(男性育児)」の促進、低所得者層の子ども奨励金などがある。筆者が韓国で以前、日本的感覚で保育園の話をすると、周りの人から「共産圏でもないのに、保育園なんて。子どもは母親が家でみるもの」と一蹴されたので、「保育料の無償化」などの公約は隔世の感。文側の福祉政策は「保育の無償化と子ども手当の支給」程度だった。

これから…

 白熱した選挙戦から1週間が経って、韓国でもようやく様々な分析記事が目立つようになってきた。だが、筆者の考える文陣営と進歩勢力の最も大きな敗因は、その目標を「李明博政権の審判」に立てたことだ。民衆は既に李明博から離れており、審判はついていた。それを知っていた朴陣営は、もはや「李明博政権を審判し、それに見切りをつけ、差別化を図っていた」のであったから、そのスローガンは空虚だったと言わざるを得ない。

 趙の言い方を借りれば、「セヌリ党」は中間層へ左クリックしており、「金大中、盧武鉉政権の施策を取り込まざるを得なくなっている」。

 先の教授陣の座談会でも「朴新政権は48%の反対票を意識しない訳にはいかず、一定部分は大衆の要求を受け入れつつ政局を安定させる“受動(的)革命”の形で現れる」としている。ただ、一方で「朴正煕式の鉄の統治」、「疑似ファシズム」のような局面も否めない、という分析だ。金東春教授は「片手でこん棒を振り回し、振り向いては(微笑みかけて)温情主義と成長主義を叫ぶ」政権だとしている。

 今後、韓国でも選挙の敗因や立て直しをめぐって「政界再編」が行われるだろうが、先の教授たちも指摘したように改革勢力の中で「統合進歩党」を中心とする進歩勢力の重要性は増している。チェ・チャンウは『プレシアン』の中で、「文在寅はNLL(北方限界線)問題でなぜ毅然とした態度を取れなかったのか。平和を全面展開して押すべきだったのに、テレビ討論で朴と同じ土俵に立ってしまい、あいまいなポーズをとった」と批判している。このような中で、富裕税導入や金融デリバティブ課税などの公約や朝鮮半島の平和、脱原発を掲げた「統合進歩党」の「急進的路線」は若者に賛同され、再編される「民主統合党」への圧力になるだろう。

 韓国の民衆側に落ち込んで「メンブン」のヒマはない。2014年地方選の準備に乗り出し、平和な東アジアのためにやるべきことは多い。それは安倍政権が発足した日本の私たちも同じことだ。

20121228日記)

2012年12月21日 (金)

辺野古アセス「補正評価書」の奇襲提出に抗議する

防衛省は12月18日、総選挙・政権交代期のドサクサに紛れて辺野古アセスの「補正評価書」を沖縄県に奇襲的に提出しました。
これに対して12月20日、緊急に対防衛省抗議・申入れ行動が行われ、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックと日韓ネットが申入れ書を提出するなど断固とした抗議を防衛省にぶつけました。
下記、私ども日韓ネットの抗議・申入れ書をご紹介します。
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森本 敏 防衛大臣 様

 辺野古への基地建設のアセス補正評価書の

 奇襲提出に対する抗議申し入れ書

                   2012年12月20日 日韓民衆連帯全国ネットワーク

防衛省は昨日、補正評価書を沖縄県へ奇襲提出した。このことに強い怒りをもって抗議する。

防衛省は、評価書の問題点579箇所を指摘した知事意見に対して、諮問機関である有識者研究会で評価書の修正すべき点を検討させ、12月10日にその最終報告書を森本防衛大臣に提出したばかりだ。

今回提出された補正評価書は、その最終報告書を基に修正したものと思われるが、その最終報告書は、内容的にも、知事意見書に何ら答えるような内容になっていない。

有識者研究会は全て非公開で行われ、議事録も一部しか公開されていないという問題もある。また最終報告書が出されて僅か一週間で補正評価書を提出したが、はたしてまともに補正作業が行われたのか大いに疑問がある。

琉球新報の社説でも「防衛省が移設を推進するための理論武装の手助けをした印象が否めない」「お墨付きを与えるための無責任な専門家の結論など茶番というほかない。これを根拠にアセス手続きが進むことは許されない」と厳しく批判をしている。

社説では、例えば具体的に、『埋め立て予定海域がサンゴ類の生息域の一つと位置付けた上で、建設によって「生息可能性を有する場が(中略)消失することは、サンゴ礁環境にとって影響が大きい」と指摘している。それなのに埋め立てを是認している。影響軽減策として挙げている記述を読むと、あきれるほかない。海域に沈めるコンクリート建造物のケーソンなど護岸の表面に凹凸を付けてサンゴ類を付着させる工夫を検討するというのだ。サンゴ礁を形成する海域を破壊しておきながら、人工物に再びサンゴを生息させるという提案が果たして自然環境の専門家が考えることだろうか。』『ジュゴンについては移設計画があってもなくても絶滅する危険があるなどと主張する。その上で「沖縄全体のジュゴンの保全について考えていく必要がある」などと主張し、辺野古から県内全域へと論点をはぐらかす姿勢は不誠実だ。』と問題点を指摘している。

このようなデタラメな最終報告書に基づいていると思われる補正評価書では、辺野古の自然を破壊するだけで、取り返しのつかない環境破壊を結果させ、基地の建設は全く不適切だ。

これらの点から、アセスの最終段階である補正評価書を、とうていまともな補正評価書とは認めることはできない。補正評価書を奇襲提出したことに強く抗議すると共に、直ちにデタラメな補正評価書を撤回すべきだ。

2012年12月10日 (月)

12・10対防衛省行動報告(「ミサイル」騒動・PAC3沖縄配備反対)

1210日夜、朝鮮の人工衛星打上げをめぐるP10000631_4 「ミサイル」騒動とPAC3の沖縄配備などに反対して対防衛省緊急行動が取り組まれました。沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックが緊急に呼びかけたもので、私たち日韓ネットも防衛省に対して抗議・申入れを行いました。

 

申し入れ書

内閣総理大臣 野田佳彦 様

防衛大臣   森本 敏 様

 

さる12月1日、朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の朝鮮宇宙空間技術委員会スポークスマンは、地球観測衛星《光明星-3》号2号機衛星を運搬ロケット《銀河‐3》に載せて、12月10日から22日の間に平安北道鉄山郡の西海衛星発射場から南側方向P10000601_4 に向けて発射することになるという談話を発表しました。

これに対して、日本政府は今年4月の時と同様、はじめから「『人工衛星』と称する長距離弾道ミサイルの発射」予告と決めつけ、米韓両国政府と連携をとりつつ、「国連安保理決議違反」として朝鮮敵視政策を強めています。

また国内では、12月7日に安全保障会議を開き、そこでの決定を受けて、同日、森本防衛大臣は自衛隊に対して「破壊措置命令」を発令しました。そして、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を沖縄島の航空自衛隊那覇基地と知念分屯基地、宮古島の航空自衛隊宮古島分屯基地、石垣島の新港地区に、また首都圏にも陸上自衛隊朝霞訓練場、陸上自衛隊習志野演習場、航空自衛隊市ヶ谷基地、航空自衛隊習志野分屯基地に強行配備しました。また「万が一のミサイル落下被害に備えて」と称して沖縄島の陸上自衛隊那覇駐屯地、航空自衛隊那覇基地と宮古島、石垣島、与那国島、多良間島に自衛隊を配備し、さらに迎撃ミサイルSW-3を装備したイージス艦3隻を沖縄周辺海域と日本海に配備しました。こうした動きは、日米韓で連携をとって行なわれており、合計10隻のイージス艦が沖縄周辺海域や黄海などで展開されている状況です。

こうした対応は、マスコミの意図的な反北朝鮮報道とあいまって、「北朝鮮のミサイルが飛んでくる」という戦争雰囲気を日本国内に醸成し、現在行なわれている衆議院選挙でも憲法違反の「国防軍」創設を公然と叫ぶ政党が現われる始末です。とりわけ沖縄島、宮古島、石垣島、与那国島、多良間島では、銃器を携行した自衛隊員や重装備の車輌が移動する状況下に置かれており、今年4月と同様の緊迫した戦争状況が強要されています。わたしたちは、こうした北朝鮮の人工衛星発射を口実にした自衛隊の強行配備、新防衛大綱の「島嶼防衛・南西諸島防衛」の先取り的実施=地ならしを断固糾弾し、日本政府に対して「破壊措置命令」を撤回し、部隊を即刻撤収することを強く要求します。

そもそも、宇宙の平和利用は諸国民の権利です。11月29日に打ち上げを予定していた韓国の人工衛星・羅老号が発射直前に打ち上げを中止したことは、まだわたしたちの記憶に新しいことです。韓国の羅老号も、今回の北朝鮮の《光明星-3》号2号機も、飛ぶ軌道は同じです。では羅老号発射にあたり、日本政府は「万が一の落下被害に備えて」、沖縄やその近海にPAC3やイージス艦を配備したでしょうか? しなかった。なぜか? ここに、日本政府のとるダブル・スタンダードが如実に現われています。韓国の人工衛星に対しては「破壊措置命令」を発令せず、北朝鮮の人工衛星に対してだけ発令するのは、沖縄住民を守ることに主眼があるのではなく、それは口実であり、米軍と一体となった新防衛大綱の先取り実施にこそ目的であることを明らかに示しています。

 

以上のことから、わたしたち日韓民衆連帯全国ネットワークは、以下のことを日本政府に強く申し入れます。

 

・日本政府は戦争の雰囲気を煽る「北朝鮮のミサイル」騒動をやめ、ただちに沖縄からPAC3と自衛隊員を撤去・撤収せよ!

・日本政府は、与那国島をはじめとした南西諸島への自衛隊の配備・強化を中止し、沖縄への差別・抑圧をやめろ!

・日本政府は北朝鮮への敵視政策をやめ、日朝ピョンヤン宣言にもとづく対話姿勢をとれ!

・日本政府は在日朝鮮人への差別・排外主義を煽る北朝鮮敵視政策を改めよ!

2012年12月10日

日韓民衆連帯全国ネットワーク

2012年12月 6日 (木)

12・4韓国大統領候補TV討論の詳報

各大統領候補、統一・外交・安保の見解差はっきり

4日初の大統領選候補TV討論  .イ・ジョンヒ統合進歩党候補、パク・クネ候補を'猛攻'

20121205()00:00:01 チョ・ジョンフン記者

124日午後8時中央選挙放送討論委員会主催により20121205k0000m030109000p_size5_2 <MBC>スタジオで'政治、外交、安保、統一'分野で初めてTV討論会が開かれた。この日各候補は初めての討論会の主題であった'統一、外交、安保'分野で明確な差を見せた。

ムン・ジェイン民主統合党候補は"対北朝鮮対話を再開しながら北核解決、北朝鮮挑発問題などを共に議題として解決していかなければならない"として"パク候補の主張のように前提条件を付けてはならない"と述べた。

これに対しパク・クネセヌリ党 候補は"前提条件はない。必要ならば首脳会談もすることができる"とし、"人道的支援は政治的状況とは別に持続する。相互交流を拡大して南北間の信頼が積もって北核解決が進展すれば大規模な経済協力プロジェクトを推進する"と述べた。

しかし、"約束は守られなければならない"と話して北朝鮮の核放棄の立場を曲げなかった。

安保問題に対してムン候補は"イ・ミョンバク政府は安保をいつも強調するが、実際に見れば天安(チョナン)艦爆沈事件、延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件などが発生し、最近では'ノック亡命(注・北兵士が38度線を越えて亡命した際、韓国側哨戒所にノックするまで誰も気がつかなかった)'が発生するなど安保に穴が開いているのではないか"と述べた。

それと共に"参与政府(注・盧武鉉政権5年の間ただ一件の軍事的衝突もなかったことは、十分な抑止力でそのような挑発を事前に防いで挑発がないようにした"と強調した。

しかし、パク候補は'対北朝鮮への一方的支援'の論議に言及"ポジュを通じて平和を維持するのは真の平和ではない。参与政府時代の2006年、北朝鮮が最初の核実験を行った。それでは色々な努力が偽の平和というものではないか"と反論した。

この日の討論会でパク候補は、10.4宣言(注・2007年南北首脳宣言)の西海(ソヘ)共同漁労区域の設定に関連して、議論になったノ・ムヒョン前大統領の西海(ソヘ)北方境界線(NLL)発言カードを取り出してムン・ジェイン候補を圧迫した。

彼女は、"この前話を変えてNLLが事実上領海線だと話したが、その真正性を信じ難い"とし、"ムン候補はその年の南北国防長官会談で'NLLを遵守しなければならない'という立場だった(キム・ジャンス)国防長官に対して'会談に臨む態度が硬直している'としたが、"ムン候補の考えはNLLを変更しなければならないということか"と問い詰めた。

するとムン候補は"NLL1992年度南北基本合意書で南北間海上不可侵境界線だと明らかにした"とし、"それでNLLは事実上の南北間領海線であり断固として死守しなければならないという意志を何度も明らかにしたのに(パク候補が)を繰り返して残念"と話した。

そして"10.4宣言にともなう共同漁労区域は既存のNLLを前提としたこと"としながら"キム・ジャンス当時国防長官に対して'硬直した'としたのは共同漁労区域を設定しながら(南北)共同調査のための軍事的保障が必要だが、そこで硬直した態度を見せて議論が進展できなかったという物足りなさを表現した"と話した。

イ・ジョンヒ候補は"パク・チョンヒ前大統領時代に領海法が制定されたが、当時も西海5島には領海線が引かれている地図はなかった"として、"パク候補の言葉通りならば10.4宣言の核心である共同漁労区域は永遠に作ることができないではないかと思う"と反論した。

引き続き"禁断の限度を越して統一を現実に作り出す努力が必要だが(パク候補は)すでに旧時代の思考に染まっておりそのような資格がないようだ"と述べ、"維新の対決論理で韓半島に責任を負うとして出てはいけない。このような人が南北和解の大統領になろうと乗り出すのは正しくない。初めから無資格者判定を受けた人"と話した。

そして"パク候補が大統領になれば7.4南北共同声明から南北基本合意書、6.15共同宣言、10.4共同宣言まで全部全て履行されるのか疑問"とも話した。

これに対しパク候補は、"これまで何度もインタビューを通じて、これまでの南北間合意は政府がしたことなので守らなければならないといったが、(イ候補が)一度も見られなかったようだ"としながら、"ただし10.4宣言履行のためには国会の同意を経なければならず、憲法精神に合致しない部分があり検討する事項がある"として6.1510.4宣言の履行に対する明確な立場を示さなかった。

.FTA(自由貿易協定)に対してイ・ジョンヒ候補は、"ローンスター(米国の投資会社)による韓国政府に対するISD(投資家-国家訴訟)がなかったとすれば韓国法廷に損害を尋ねることができなかっただろう"と質問すると、すぐにパク候補は"ISDは韓米FTAと全く関係がない"と答えた。

ムン・ジェイン候補は"パク候補は韓米FTA再協議に対して批判しながら反対する立場を持つようだ"として"与野党の多くの議員が賛成して韓米FTA再協議要求決議案を通過させたが、するとその当時に再協議要求決議が誤ったとか、決議にもかかわらず、再協議なしで今のままでなければならないということか"と話した。

これに対しパク候補は"韓米FTAを廃棄しなければならないということについて、これは国際間の信頼の問題もあり、さらにムン候補は参与政府の時代にこれを強力に推進しなかったのか"とし、"そのように言葉を変えることをしてはいけないという話したことがあるが、再交渉はしないといったことはない"と反論した。

イ・ジョンヒ"高木正雄、根は隠すことはできない"、パク・クネは'ため息'

この日初めての大統領選候補討論会でイ・ジョンヒ候補はパク・クネ候補に向かってずっと刃をたてた。

イ・ジョンヒ候補は'韓・米、韓・中、韓・日間の外交政策'に対する質問で'高木正雄'というパク・チョンヒ前大統領の日本軍将校時代の名前を議論、パク・クネ候補を圧迫した。

イ候補は"外交の基本は国の主権を守ること"としながら"忠誠血書を書いて日本軍将校になった高木正雄が誰なのかみんな知っています。韓国名パク・チョンヒ、軍事クーデターで執権して韓日協定を押しつけた張本人です。維新独裁をして鉄拳を振り回した"と話した。

引き続き"根元は隠すことはできない"として"パク・クネ-セヌリ党が韓米FTA(自由貿易協定)を強行して経済主権を売り払った。代々国の主権を売り飛ばした人々が(むしろ)国歌を歌う資格はない"として統合進歩党の愛国歌論争をセヌリ党に渡すまでの猛攻を浴びせた。

続くイ・ジョンヒ候補の舌戦にパク・クネ候補はため息をつく姿を見せた。

イ・ジョンヒ候補は"パク候補はチョン・ドゥファン政権が渡したお金6億ウォンを自ら受けとったといわなかったか。このお金は維新政権が財閥から受けたお金から出てきたのではないのか"として攻勢のひもを緩めなかった。

イ候補は、"パク候補が権力型不正の根絶を言ったが、率直に'贓物'の月給を受けて生きてきた方なのでよく信じられない"と追及して"正修奨学会もキム・ジテ氏を脅迫して奪って嶺南(ヨンナム)大学校も奪って28才の時理事長をしたのではなかったか"と問い詰めた。

これに対しパク候補は、"その当時、父も凶弾で亡くなって幼い弟(妹)らと生きる道がはるかに遠い状況で(チョン・ドゥファン前大統領が) '何の問題もない、配慮する次元でやろう'というので、"心の余裕がない状況で受けた"と認めた。

そして"後ほどそれはみな社会に還元する"としながらも、"正修奨学会や嶺南(ヨンナム)大問題は全部報道されたところである"として'正修奨学会'問題を避けた。

これに対してイ・ジョンヒ候補は討論会締めくくり発言で、"チョン前大統領に受けた6億ウォンを後ほど社会還元するといったが大統領選挙を受ける前に還元しなければ本気だと言うことができないだろう"と攻勢を止めなかった。

この日の討論会でイ・ジョンヒ候補は、パク・クネ候補を集中的に狙い、"私はパク・クネ候補を必ず落とすだろう"とまで言った。

パク・クネ候補はイ候補に向かって、"イ・ジョンヒ候補はずっと(野党圏候補)単一化を主張するのに後で候補を辞退すれば国庫補助金はそのまま受けるのではないか。そのような道徳的問題もあるのに単一化を主張しながら討論会に出てくる理由があるのか"と話した。

するとイ候補は、"私は必ず進歩的政権交替をする"としながら"パク・クネ候補を必ず落とすだろう"としてパク候補を当惑させた。

イ候補の度重なった攻勢にパク・クネ候補は、"イ・ジョンヒ候補は今日非常に考えてきて、ネガティブをしてパク・クネを落とさなければならないと決意して討論に出てきたようだ"と不快感を表わした。

この日討論会直後、主なポータル検索語にイ・ジョンヒ候補と'高木正雄'1,2位を占めるなどネチズンの熱い反応を集めた。

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