辺野古アセス「補正評価書」の奇襲提出に抗議する
森本 敏 防衛大臣 様
辺野古への基地建設のアセス補正評価書の
奇襲提出に対する抗議申し入れ書
2012年12月20日 日韓民衆連帯全国ネットワーク
防衛省は昨日、補正評価書を沖縄県へ奇襲提出した。このことに強い怒りをもって抗議する。
防衛省は、評価書の問題点579箇所を指摘した知事意見に対して、諮問機関である有識者研究会で評価書の修正すべき点を検討させ、12月10日にその最終報告書を森本防衛大臣に提出したばかりだ。
今回提出された補正評価書は、その最終報告書を基に修正したものと思われるが、その最終報告書は、内容的にも、知事意見書に何ら答えるような内容になっていない。
有識者研究会は全て非公開で行われ、議事録も一部しか公開されていないという問題もある。また最終報告書が出されて僅か一週間で補正評価書を提出したが、はたしてまともに補正作業が行われたのか大いに疑問がある。
琉球新報の社説でも「防衛省が移設を推進するための理論武装の手助けをした印象が否めない」「お墨付きを与えるための無責任な専門家の結論など茶番というほかない。これを根拠にアセス手続きが進むことは許されない」と厳しく批判をしている。
社説では、例えば具体的に、『埋め立て予定海域がサンゴ類の生息域の一つと位置付けた上で、建設によって「生息可能性を有する場が(中略)消失することは、サンゴ礁環境にとって影響が大きい」と指摘している。それなのに埋め立てを是認している。影響軽減策として挙げている記述を読むと、あきれるほかない。海域に沈めるコンクリート建造物のケーソンなど護岸の表面に凹凸を付けてサンゴ類を付着させる工夫を検討するというのだ。サンゴ礁を形成する海域を破壊しておきながら、人工物に再びサンゴを生息させるという提案が果たして自然環境の専門家が考えることだろうか。』『ジュゴンについては移設計画があってもなくても絶滅する危険があるなどと主張する。その上で「沖縄全体のジュゴンの保全について考えていく必要がある」などと主張し、辺野古から県内全域へと論点をはぐらかす姿勢は不誠実だ。』と問題点を指摘している。
このようなデタラメな最終報告書に基づいていると思われる補正評価書では、辺野古の自然を破壊するだけで、取り返しのつかない環境破壊を結果させ、基地の建設は全く不適切だ。
これらの点から、アセスの最終段階である補正評価書を、とうていまともな補正評価書とは認めることはできない。補正評価書を奇襲提出したことに強く抗議すると共に、直ちにデタラメな補正評価書を撤回すべきだ。
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