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2014年9月22日 (月)

●9・13ピョンヤン宣言12周年集会の報告

 5月の日朝ストックホルム合意で動き出した日朝交渉を前に、市民の側から声を挙げようと913日夜、「日朝ピョンヤン宣言12周年 動き出した日朝交渉-今こそ国交正常化へ!913集会」が文京区民センターで開かれ160人が参加した。

 

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 はじめに実行委員会を代表して渡辺健樹さん(日韓ネット共同代表)が基調報告。①日朝ストックホルム合意の誠実な履行を、②安倍政権はなぜ日朝合意したのか-安倍政権の狙いと日本民衆の立場、③日本の戦後責任と東北アジアの平和に直結する日朝国交正常化-の三つの柱から歴史と現状況を明らかにし、市民・民衆の闘いの方向として「安倍政権の集団的自衛権行使容認など『戦争のできる国』づくりや反人民的な政策に真っ向から反対しながら、同時に、安倍政権による日朝ストックホルム合意の履行を監視し、これに逸脱する場合は徹底的に批判しあくまで合意を履行するよう圧力をかけていく-このような闘いが求められている」「今こそ、日朝国交正常化の実現へ声を挙げよう!」と提起した。また来年の65年日韓条約体制50年、戦後70年を問う闘いの重要課題の一つとしていくことも明らかにした。

  基調報告全文「12.pdf」をダウンロード
  日朝ストックホルム合意全文「529.pdf」をダウンロード

イ・ヨンチェ氏が講演

 

 続いて、イ・ヨンチェ恵泉女学園大学准教授が「今なぜ日朝国交正常化交渉なのか-歴史と現状を読む」と題して講演。50年代からの日朝関係と東アジアの動向を分析し、①「韓流」と日韓・日朝関係の現状、②歪曲された日朝関係の歴史的構造、③朴槿恵政権の対外政策と日朝接近、④日朝交渉の課題と展望、⑤北朝鮮は本当に変化しているのか、⑥北朝鮮とどう向き合うのか-を柱に問題を提起した。

 

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 休憩を挟んで、後半のトップバッターとしてノレの会が「歌のようにステキな世界」「イムジン河」を熱唱し、会場全体を巻き込む歌声で大いに盛り上がった。

 続いて、西野瑠美子さん(VAWW RAC共同代表)が在朝鮮「慰安婦」被害者の実態、福山真劫さん(平和フォーラム共同代表)が在朝鮮被爆者の実態について報告した。

 

在朝鮮「慰安婦」被害者の実態を報告(西野瑠美子さん)

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 西野さんは、ピョンヤン宣言の過去清算部分では日韓請求権協定と同じ「経済協力方式」しか明記されていないが、第13回日朝交渉で朝鮮側が「一括妥結」だけでは不十分、「慰安婦」被害者等への個人補償を提起していることを指摘。河野談話でも在朝鮮「慰安婦」被害者の聞き取りもされておらず、「国民基金」の対象からも外されてきたとし、「今や『慰安婦』問題は韓国人『慰安婦』問題にすり替えられ、アジア各地の被害者への関心の疎外化が顕著になっているが、とりわけ北朝鮮に関しては意図的な沈黙が感じられる」と警鐘を鳴らした。そして、西野さんが直接取材した在朝鮮「慰安婦」被害者の具体的事例をパワーポイントの映像も駆使して紹介し、国交正常化と彼らへの謝罪・補償が急がれることを訴えた。

 西野さんの報告全文「9_13.pdf」をダウンロード

 西野さんの当日レジュメ「9_13_2.pdf」をダウンロード

在朝鮮被爆者の実態報告(福山真劫さん)

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 福山さんは、広島・長崎で被爆しその後朝鮮に帰還した人が約2000(推計)いたが、すでに亡くなっている人も多く朝鮮被爆者協会の2008年調査時点で生存者が382人いる現状を紹介。高齢化で健康悪化と生活不安の拡大、被爆2世・3世の問題など緊急な被爆者支援・医療支援が求められていることなど具体的事例を挙げて提起し、日朝国交正常化のなかで必ず解決すべき課題と指摘した。

 

 福山さんのレジュメ全文「fukuyama.pdf」をダウンロード

 

 集会はさらに、集団的自衛権に反対する取り組みについて土井登美江さん(許すな!憲法改悪・市民連絡会)、辺野古の新基地建設阻止に向けて大仲尊さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック共同代表)、朝鮮学校に「高校無償化」適用を求める取り組みを森本孝子さん(「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会)、来年の日韓条約50年を問う取り組みについて矢野秀喜さん(日韓つながり直しキャンペーン2015事務局長)、在日韓国人民主・統一運動についてソン・セイルさん(在日韓国民主統一連合副議長)からアピールを受け、最後に集会アピールを全体で確認して終了した。

 

韓国ハンギョレ新聞の報道(日本語版)

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/18255.html

韓国ハンギョレ新聞の報道(原文)http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/655081.html

 

9.13日朝ピョンヤン宣言12周年集会アピール

 私たちは、「日朝ピョンヤン宣言12周年 動き出した日朝交渉-今こそ日朝国交正常化へ!913集会」を開催し、日朝ストックホルム合意の意義と合意履行の重要性について明らかにした。日本政府は拉致問題だけに固執しているが、合意によれば、「日本側は……すべての日本人に関する調査を要請した」のであり、朝鮮側の特別調査委が調査を完了すれば、日本側は「信頼醸成と関係改善を目指す」ため、ただちにすべての制裁措置を解除して、日朝国交正常化交渉を日朝ピョンヤン宣言にのっとって前進させなければならない。過去清算に基づく日朝国交正常化は、日本の東アジア平和外交の第一歩である。私たちは、安倍政権に対して、この日朝合意を誠実に履行するよう強く要請する。

 日朝国交交渉では、集会で報告された在朝鮮「慰安婦」問題や在朝鮮被爆者問題にも焦点が当てられ、強制連行問題を含む個人補償問題が解決に向かうことが求められる。その実現こそが、来年、締結50周年を迎える日韓条約の抜本的見直しにもつながる。

 ところが、安倍政権は、朝鮮との協議に応じる一方で、朝鮮や中国の脅威を防衛白書などであおりつづけている。また、敗戦記念の式辞で安倍首相は、「加害責任」や「不戦の誓い」を意図的に外している。これは、集団的自衛権の行使容認の閣議決定にも見られるように、海外で戦争のできる国、つまり侵略戦争ができる国づくりを推し進めていることをあらわしている。私たちは、侵略戦争に突き進もうとする安倍政権の暴走を絶対に許さず、断固としてこれを阻止する。

 安倍政権はまた、国連人種差別撤廃委員会の最終勧告にもかかわらず、ヘイトスピーチに対する法的規制に取り組まず、朝日新聞の報道をきっかけに「従軍慰安婦はなかった」とするキャンペーンをマスメディアとともに展開し、朝鮮高校を無償化措置から除外する差別的措置をとりつづけている。

 安倍首相が、侵略戦争・植民地支配を否定する歴史歪曲発言を繰り返し、韓国人、朝鮮人、中国人に対する憎しみをあおる差別排外主義的言動をとっているのは、みずからの人権意識水準の低さと軍国主義への憧憬をさらけ出している。しかし、それだけではない。国民に海外での武力行使を容認させるためであり、詰まるところ国民を戦争に動員する狙いも込められている。

 私たちは平和を願う多くの心ある市民に呼びかける。

こうした安倍政権の人権無視・憲法破壊の諸政策に反対する国内の様々な闘いの連帯の輪を広げよう。

韓国、朝鮮、中国を初めとしたアジア民衆と連携して、東アジアに真の平和を築く努力を強めよう。

そして、動き出した日朝交渉を注視しながら、「今こそ日朝国交正常化へ!」の声を挙げよう。

913日朝ピョンヤン宣言12周年集会・参加者一同

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