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2015年3月

2015年3月 4日 (水)

●3・1独立運動96周年集会の報告

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 3・1朝鮮独立運動96周年を記念する日韓連帯集会が2月28日、東京・文京区民センターで開かれ170人の人々が参加した。毎年開催しているもので、今年は「戦後70年『戦争する国』を許さない」をテーマに安倍政権の暴走に日韓民衆が共同で反対していく場として設定されたもの。

     ハンギョレ新聞(日本語版)の記事 http://japan.hani.co.kr/arti/international/19817.html

 司会は許美善さん(ピースボート)、朴明哲さん(在日韓国民主統一連合)の二人。

 集会は初めに渡辺健樹さん(日韓ネット共同代表)が主催者挨拶。「3月1日は朝鮮独立運動に立ち上がった人々に思いを馳せ、歴史を直視しながら朝鮮半島やアジアの人々といかに平和な関係を築くかを問い直す日」だとしながら、「集団的自衛権関連法制・日米ガイドライン再改定、安倍談話、さらに来年の参議院選後の明文改憲まで言及し始めた安倍政権の暴走を止めるため、総がかり行動実行委員会や今年大きく共同した5・3憲法集会、東アジア市民連帯の取り組みなど多くの人と共に闘いを繰り広げよう」「日韓民衆連帯、朝鮮半島やアジアの人々との国際連帯の旗を高く掲げながら闘おう」と提起した。

半田滋さん(東京新聞論説兼編集委員)が講演 

 当日レジュメ 「2015228handa.pdf」をダウンロード 政府の例示図 「uso-reji.pdf」をダウンロード

 講演は「日本は戦争をするのか-集団的自衛権と自衛隊」と題して、東京新聞論説兼編集委員の半田滋さんがおこなった。

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 半田さんはまず、第2次安倍政権の2年間を振り返り「アベノミクスによる株高・円安の演出で政権の安定を画策し、その上で自衛隊を積極活用した安全保障政策へ誘導し、最終目標を憲法改定(次には自主防衛=対米自立)に置いている」、それは「ありえない事例を見せて国民をトリックにかけ、少人数による閣議優先、国会軽視の独裁に等しいやり方で進められている」と指摘した。

 そして、昨年の集団的自衛権行使容認の閣議決定後の記者会見で、米艦防護の例として示された“米軍艦船に運ばれる日本人母子”の図を指しながら、「こんな母子はいない。緊急事態の際の日本人非戦闘員退避のための輸送については最終的に米国から断られている」こと、また“朝鮮が米国に向け発射した弾道ミサイルが日本上空を横切る際の迎撃”論についても弾道ミサイルの飛翔ルートの図を示しながら「よく見るメルカトル図法の地図では朝鮮から日本を横切るように感じるが、実際には日本上空は飛ばない」として、安倍首相がウソで国民を丸め込もうとしていると指摘した。

 その上で朝鮮半島の戦争の危険について触れ、「93年の第一次核危機の際にクリントン政権が寧辺(ヨンビョン)への限定攻撃寸前までいったが、一転してカーター元大統領をピョンヤンに送り金日成主席と会談してジュネーブ合意に至った。この転換(攻撃断念)の重要な要因の一つは攻撃にあたって日本に支援を要請したが日本側が9条を盾にゼロ回答したことにある。その後、新ガイドラインで兵站などの支援を行うことが決められたが、今回、日本で集団的自衛権行使と関連法制が通れば、朝鮮半島における戦争発動の敷居も低くなる」とその危険性を指摘した。

 現在おこなわれている自公の与党協議についても、安保法制懇の10事例が15事例に増加し自衛隊海外派兵の恒久法制定など危険な動きとなっている現状を紹介しながら、日米ガイドライン再改定を先行させ、6月に安保法制の強行採決、年末には防衛大綱・中期防衛力整備計画の再改定、2016年度より自衛隊の海外活動本格化をにらみ防衛費の増加などに手を付けてくる可能性についても言及した。

 またこれらの動きに合わせ、「2016年の参議院選で与党の3分の2確保を目指し、そのあとに改憲国会発議、国民投票へという流れを意図している。最初は公明党などが主張する環境権や自民党が求める緊急事態条項の改憲、次に9条改憲の2段階をとる可能性がある。ただ中韓との『それなりの安定』に向かうのか、歴史修正主義が鮮明化して中韓との対立の深刻化に向かうのか。またさらに米国は安倍政権を警戒しつつも日本(自衛隊)の本格活用へ動き中東の後方支援などへの自衛隊派遣要請をしてくる可能性があり、戦場死があれば自衛隊にも国民にも変化の可能性がある。その場合いきなり9条改憲からという事態も考えられる」と指摘し、最後に「これらの動きを止めるには、当面まず統一地方選などで自民党を大敗に追い込むことが求められているのではないか」と提起し講演を締めくくった。

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 休憩をはさんで、日本人と在日メンバーで構成されている民衆歌謡グループ「ノレの会」が韓国でよく歌われている民衆歌謡「岩のように」「反戦平和の歌」の2曲を熱唱し、会場を大いに盛り上げた。    歌詞カード 「song-card.pdf」をダウンロード

韓国ゲスト イ・チャンボク6・15南北共同宣言実践南側委員会常任代表議長の報告

 当日の報告全文 「150228ityanboku.pdf」をダウンロード

 続いて韓国ゲストのイ・チャンボク6・15南北共同宣言実践南側委員会常任代表議長(元国会議員)が登壇した。今回、イ氏を含め4人の韓国ゲストが来日した。イ氏は1996年3月1日に同じ文京区民センターで開かれた第1回朝鮮半島とアジアの平和のための日韓共同シンポジウムの韓国側代表として来日している(第2回シンポは同年10月21日にソウルで開催)。この時の日韓シンポがその後の3・1集会の原型となったゆかりの人である。

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 イ・チャンボク氏は、まず「今年2015年は、アジア諸国の市民に深い意味のある年です。アジア全域を苦しめた日本帝国主義の侵略戦争が終わって70年、また朝鮮半島では分断70年となる年です。過去を振り返る契機でもありますが、いまだ清算されない70年前の苦しみを清算するのか、再びその過ちを繰り返すのかという重大な曲がり角に立っているときでもあります。私たちの選択と団結によって、これからの数十年の運命が決められることでしょう」と切り出した。そして「アジアにおいて冷戦的な対立を終わらせ、新たな平和体制の構築、互恵平等の国際関係を求める声が高まっています。韓国においては、金大中、盧武鉉の時代に不十分さが残るものの、南北間の和解と協力、東北アジアの協力に向かって努力を傾け、成果を上げてきました。しかし、米国の『アジア回帰』、安倍政権の『積極的平和主義』、李明博、朴槿恵政府の『同盟強化と対北強硬政策』どにより、東北アジアの軍事的葛藤と緊張は解決されず、むしろ激化している状況にあります」「平和が破壊されるなか、韓国では情報機関が大統領選挙に介入し、合法的な政党が強制解散させられ、国民が直接選んだ国会議員の資格が剥奪されるなど、民主主義が破壊されています。日本でも特定秘密保護法の制定など、国民の知る権利と国民による政策への監視・統制の権限が損なわれていると聞いています。国民の生存権が守られていないのは言うまでもありません。戦後数十年、市民による努力で、わずかでも前進した民主主義と平和の価値が、再び暴力的に破壊され、私たちは軍事的対決と葛藤の渦に巻き込まれる危機に直面しています。この危機を克服し、新たな平和と協力の時代を開くのか、暴力に屈して民主、生存権、平和が破壊される状況を続けるのか。私たちはいま、その岐路にさしかかっているのです」と指摘した。

 さらに「韓国の市民社会は歴史的なこの課題を前に、分断70年の契機を活用し、南北関係の改善、朝鮮半島の平和体制の構築、東北アジアの平和協力を通じた和解と平和の大転換を迎えようと努力しています。日米韓三か国は北朝鮮の脅威を軍事政策の万能だとしていますが、本当の脅威の解消は和解と協力が実現されたときに可能であり、これは朝鮮半島の平和体制構築、平和的統一へと帰結するとき確かなものになります。南北関係の悪化という流れのなか、私たち民間市民団体はこの7年間、北側の市民団体との接触、交流を十分に進めることができませんでした。政府があらゆる対話の窓口を封鎖したまま、強硬政策に没頭した結果です。しかし、自由な交流と出会いなしに和解と協力をすることは不可能なので、私たちは南北和解協力の象徴として、今年は必ず各界各層の出会いを成し遂げていこうと思っています。労働者はサッカー大会を推進し、大学生は光州で開かれるユニバシアード大会を契機に交流を進めています。南北共同宣言の6月15日、解放記念日、光復節の8 月15 日には各界の人たちが1つに集まる大規模な民族共同イベントを計画しています。私たちはこのような出会いと交流が今のままの状態で、すんなり実現できるとは思っていません。李明博政府と朴槿恵政府は、言葉では南北交流を言いますが、5・24 経済制裁措置を通じて経済協力も、民間交流も、人道的な支援も徹底的に遮断し、統制してきました。今年も年初から『民間交流積極推進』などと言いつつ、瀋陽での実務接触さえも不許可にしてしまいました。私たちは政府の許可をただ待っている訳にはいきません。私たちは市郡区、町内での統一の広場をつくり、平和を求める人たちと一緒に作る国際的な平和列車、全国各地からの平和大行進などを通じて、韓国社会の至る所で和解と平和の声を上げていきます。各地、各界から今年こそ政府が南北対話の機会を逃してはならないとの声を組織し、圧力を加えて正面から対抗していきます」と力強く報告した。

 そして最後に2015年の東アジアの平和のための提案として、①日本安倍政府の再武装と軍国主義的右傾化、歴史修正主義を阻止、②米国の覇権中心主義とこれを支える軍事政策を拒否し、より幅広い平和協力を求める、③東北アジアの平和実現の核心的課題である朝鮮半島問題の解決のために、南北対話と和解、平和協定実現-これらを目指す「東アジア平和市民連帯(仮称)」の創設を提案し報告を締めくくった。

 各運動体からアピール

 集会は最後に、①沖縄・辺野古、高江をめぐる緊迫した状況報告と沖縄に連帯した闘いのアピールを大仲尊さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック共同代表)から受け、続けて②戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会の取り組みや今年新たな共同の広がりを見せている5・3憲法集会に向けたアピールを土井登美江さん(許すな!憲法改悪・市民連絡会)、③河野談話の事実上の打消しなどの動きに反対し、女性国際戦犯法廷などこれまでの取り組みを踏まえ「慰安婦」問題の速やかな解決に向けたアピールを中原道子さん(VAWW RAC共同代表)、④65年日韓国交正常化(日韓条約・日韓協定体制)50年の問題点を問い直す取り組みについて矢野秀喜さん(日韓つながり直しキャンペーン2015)、⑤韓国で昨年出来た「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」などとの交流・共同の取り組みも始まった「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する取り組みについて森本孝子さん(「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会)-から力強いアピールを受け、今後の闘いへの決意を新たに集会を終えた。

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