●元海兵隊員の蛮行糾弾!6・19沖縄県民大会・国会包囲行動
またも繰り返された米軍関係者の凶悪犯罪に対して沖縄では怒りと悲しみに包まれ、6月19日、那覇市の奥武山(おうのやま)陸上競技場で「元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾!被害者を追悼し海兵隊の撤退を求める県民大会」(主催・オール沖縄会議)が6万5千人の人々の結集で開かれた。またこの日、沖縄県民大会に呼応して東京の国会包囲行動をはじめ全国32都道府県・40か所を超える各地で連帯行動が取り組まれた。
怒りは限界を超えた!沖縄県民大会に6万5千人
沖縄県民大会では、初めに全参加者で被害女性に黙とうがささげられた。
続いてオール沖縄会議共同代表の稲嶺名護市長、呉屋守将さん、高里鈴代さん、SEALD’S琉球の玉城愛さんの4人が挨拶。その中で、被害女性と同世代の玉城愛さんは「同じ世代の女性の命が奪われる。もしかしたら私だったかもしれない。私の友人だったかもしれない」と米軍犯罪被害と隣り合わせの沖縄の現実を涙ながらに訴え、「彼女が奪われた生きる時間の分、責任を持って生きていきませんか」と呼びかけた。
また県民大会には被害女性の父親から、「なぜ娘なのか、なぜ殺されなければならなかったのか。次の被害者を出さないためにも、全基地撤去、辺野古新基地に反対、県民が1つになれば可能だと思っています」とのメッセージが寄せられ高里さんによって代読された。
挨拶に立った翁長沖縄県知事は、女性が遺棄された場所に花を手向けた際、「心の底から『あなたを守ってあげることができなくてごめんなさい』という言葉が出ました。政治の仕組みを変えることができなかったことは、知事として痛恨の極みであり、申し訳ない」と述べ「このような事件が二度と起きないよう県民の先頭に立って、日米地位協定の抜本的な見直し、海兵隊の撤退・削減を含む基地の整理縮小、新辺野古基地建設阻止に取り組んでいく不退転の決意」を表明した。
6万5千人の参加者は「怒りは限界を超えた」「海兵隊は撤退を」と書かれたメッセージボードを掲げ、沖縄の人々の怒りと悲しみを表した。
沖縄県民大会に呼応し1万人で国会包囲行動
この日、午後2時から約1万人が結集して国会包囲行動が取り組まれた。総がかり行動実行委員会と「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実行委員会が共催したものだ。
国会正門前で開かれた集会では、初めに1分間の沈黙で被害女性に哀悼をささげた。
国会包囲実行委員会から沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック共同代表の外間さんが主催者挨拶。沖縄がたどってきた歴史に触れながら、沖縄に差別と負担を強いている本土側の責任を自覚しながら連帯した闘いを強めて行こうと呼びかけた。
続いて沖縄平和運動センター事務局長の大城悟さんが登壇し、「日米政府がいくら綱紀粛正やパトロールを強化しても基地がある限り事件はなくならない」「日米地位協定の抜本的改定、米海兵隊の撤退こそが求められている」と訴えた。
また民進党の初鹿明博衆議院議員、日本共産党副委員長の田村智子参議院議員、社民党党首の吉田忠智参議院議員らが相次いで登壇し、それぞれの立場から被害女性への哀悼と沖縄駐留米海兵隊の撤退、そして安倍退陣に向け野党共闘と市民の連携で参院選に何としても勝利する決意を表明した。
集会ではまた、沖縄県民大会の翁長知事の挨拶が実況で流され、力強い決意の表明に国会前でも大きな拍手が起こった。
さらに作家の落合恵子さんら各分野の人々が次々と思いを語り、最後に総がかり実行委員会から小田川義和さん(戦争をする国づくりストップ!憲法を守り・生かす共同センター)のアピール、高田健さん(解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会)の行動提起を受け締めくくった。
参加者は、「出ていけ海兵隊!」などと書かれたメッセージボードを掲げながら、全体で「女性殺害徹底糾弾!」「海兵隊は今すぐ出てけ!」「地位協定は抜本改定!」「辺野古新基地建設反対!」「戦争法は今こそ廃止!」「憲法改悪絶対反対!」のシュプレヒコールを国会に向け、また沖縄の人々に届けとばかりに挙げ続けた。