●【詳報】6・10ソウル国際シンポ「コリア国際平和フォーラム」を開催
6月10日、ソウルの韓国国会議員会館で「コリア国際平和フォーラム(KIPF)」が開かれた。このKIPFは日本や米国などと韓国の平和団体の交流と連帯の歴史を踏まえ、2013年7月27日、ソウルで開かれた朝鮮戦争停戦協定60年「国際平和大会」で結成しようと決議されていたもの。
そして今年、韓国側から「特に、サード(THAAD)配備の問題は朝鮮半島のみならず米国と中国、ロシアの対立に拡がっており、日本は朝鮮半島の軍事的対決を利用し、軍事大国化の道を歩み始めています。このような時に、国際平和運動勢力との連帯と共同の闘いは、朝鮮半島の恒久的平和を実現するのに決定的な力となるでしょう。今年、87年民主化抗争30年、キャンドル市民革命により朝鮮半島の激動期を迎えているこの時期に、コリアの平和のためのソウル国際フォーラムを開催しよう」との呼びかけを受け開かれた。
【主催】キム・ジョンフン議員、独立有功者遺族会、ソウル進歩連帯、ソウル平和会議、良心囚後援会、全国大学民主同門会協議会、全国民主労働組合総連盟(民主労総)、反戦平和国民行動、チョン・ドンヨン議員、平和3000、統一の道、韓国労働組合総連盟(韓国労総)、朝鮮戦争前後民間人犠牲者全国遺族会、韓国進歩連帯、6.15言論本部、6.15学術本部、KIPF(Korea International Peace Forum)
【後援】6月民主抗争30周年事業推進委員会、6.15共同宣言実践南側委員会、インターネット言論「民」プラス、サード配備阻止全国行動
日本からは、藤本泰成・平和フォーラム共同代表、渡辺健樹・日韓ネット共同代表、山元一英・日韓平和連帯(大阪)共同代表をはじめ各団体から9人が参加した。また海外からのスピーカーとして、ミシェル・チョスドフスキー・オタワ大学名誉教授、シオン・レイ中国人民大学教授、ヨーイチ・シマヅ中国清華大学教員なども一堂に会した。
フォーラムでははじめにキム・サムリョル(独立有功者遺族会代表・KIPF共同代表)、キム・ジョンフン国会議員が主催者を代表して挨拶を行った。
続いて、以下の発題と討論発表が行われた。【別掲で発題全文掲載】
【発題①】韓国の政権交代 第二の太陽政策 非武装化と平和プロセス
ミシェル・チョスドフスキー オタワ大学名誉教授
http://nikkan-net.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/post-9ef1.html
【発題②】朝鮮半島の恒久的平和体制に移行する激変期の情勢と闘争課題
ハン・チュンモク 韓国進歩連帯常任代表
http://nikkan-net.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/post-a304.html
【発題③】朝鮮半島平和プロセスの利害当事者とトラブルメーカー
シオン・レイ 中国人民大学教授
http://nikkan-net.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/post-1c0e.html
【発題④】米韓の政権交代と安倍政権の動向、日本平和勢力の課題
渡辺 健樹 日韓民衆連帯全国ネットワーク共同代表
http://nikkan-net.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/post-755e.html
4人の発題を受け、休憩後、韓国のTHAAD反対闘争の映像が流され、続いて討論に移った。
【討論①】日本社会の右傾化-暴走する安倍政権
藤本 泰成 フォーラム平和・人権・環境共同代表
【討論②】東アジアの平和構築の現況
山元 一英 日韓平和連帯共同体表
【討論③】サードの裏に隠された狙い-朝鮮半島非核化を「撃墜」
ヨーイチ・シマヅ 中国清華大学教員(日系米国人)
【討論④】韓国のサード配備阻止運動の意義と展望
キム・ピョンギュ 戦争反対平和実現国民行動共同執行委員長
討論の全体としては、トランプ米新政権の対朝鮮半島政策に対する分析と対応策、キャンドル革命を背景とした韓国新政権の展望、そしてその中での日本の安倍政権の動向などついて論議が集中し、いまや朝鮮半島の平和をめぐり決定的な分岐点に入ってきていること、サードの韓国配備反対をはじめ今後の朝鮮半島の恒久的平和体制構築に向けた課題について確認した。
87年6月民衆抗争30周年 民族民主烈士追慕祭などに参加
【6/9】今回、私たち東京・大阪の日本訪問団は9日にソウルで合流し、韓国の仲間たちや先乗りしていたチョスドフスキーさんらその他の海外組とも合流。その後、私たちの歓迎も兼ねた韓国民主化運動・平和統一運動の記念祝賀宴にも合流した。
ここでは、日本政府の朝鮮学校への「無償化」差別に反対する金曜行動の場と化した。金曜行動とは日本政府の朝鮮学校への「無償化」差別に反対して東京・文科省前で朝鮮学校生徒や「無償化連絡会」の人たちなどにより毎週金曜日に取り組まれているもので、ソウルでもこれに連帯して韓国の「ウリハッキョと子供たちを守る市民の会」が日本大使館前で毎週金曜日に取り組んできた。今回は大使館前ではないが、集まった韓国の人びと、チョスドフスキーさんや日本からの訪問団もバナーを掲げて意思表示した。
【6/10】翌10日、前述のコリア国際平和フォーラムを終えた一行は、ソウル市庁舎前で開かれた87年6月民衆抗争30周年 民族民主烈士追慕祭に参加した。
我々は、フォーラムとの時間の関係で文在寅大統領の記念演説には立ち会えなかったが、文在寅大統領は「歴史を変えた2人の青年、朴鍾哲と李漢烈を永遠に記憶する」と述べ、「6月抗争とキャンドル集会を通じ、民主主義を継承してきた市民こそ、歴史の主人公」、キャンドル革命は「未完の6月抗争」の完成を求めているとし、「制度としての民主主義が後退することは、もうない」と強調したという。
追慕会終了後、参加者全員が正面に掲げられた民主化闘争・平和統一闘争のなかで斃れた烈士の遺影に献花し、新たな闘いへの決意を固めていた。
日本訪問団の東京組は、翌11日早朝、東京で予定されている6・11東京シンポのためとんぼ返りした(韓国ゲストとチョスドフスキーさんも)。
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