●2017 8・15ソウル訪問記
2017年8・15ソウル訪問団の活動は、14日から始まった。
韓国良心囚釈放要求集会に参加
14日は午前中、光化門広場のセオウル号真相究明のテントを訪れ、さらに近くで開かれたハン・サンギュン民主労総委員長やイ・ソッキ旧統合進歩党国会議員ら不当に拘束されている33人の良心囚釈放要求集会に参加。「全斗煥でさえ8・15特赦を行い一部であれ良心囚を釈放したのに、文在寅政権は8・15特赦をまだ発表していない」として、青瓦台(大統領府)に向けて行進し、青瓦台前でも釈放要求集会が行われた。
クォン・オホン民家協代表(後方が青瓦台)
石井寛さん(着ている青い上着は囚人服)
青瓦台前集会では、政治犯家族らでつくる民主化実践家族運動協議会(民家協)のクォン・オホン代表らが次々とアピールする中、韓国良心囚を支援する会全国会議事務局長で日韓ネット事務局でもある石井寛さんが、長年にわたる在日韓国人「政治犯」救援の取り組みと今や再審請求で次々と無罪判決を勝ち取っていることを報告し、集会参加者に感銘を与えた。集会後、青瓦台内の民間請願受付所を訪れ釈放要求署名を係官に手渡した。
南営洞(ナミョンドン)対共分室跡・朴鐘哲記念展示室を訪問
14日の午後は、かつて対共分室が置かれ、「アカ」「スパイ」などと見なされた民主化運動や統一運動の活動家らに水拷問や電気拷問などを加えた南営洞(ナミョンドン)の警察施設を訪れた。
80年代半ばに民主化青年連合代表としてこの対共分室に拘束され、激しい拷問を受けた故金槿泰氏(キム・グンテ=のちに統合民主党常任顧問)の自伝的手記『南営洞』を基に作られた映画「南営洞1985」を観た人も多いだろう。
5階部分のみ窓が小さいのは拷問に耐えかねた飛び降り自殺防止のため
とくに1987年1月、ソウル大生の朴鐘哲(パク・ジョンチョル)氏がこの対共分室で水拷問により殺害されたことが明らかになり、全斗煥軍事独裁政権を打倒した87年6月民衆抗争とこれに続く労働者大闘争の起爆剤になったことでも知られている。
現在、ここは警察庁人権保護センターとなり、5階の拷問が繰り返された取り調べ室は、朴鐘哲氏が拷問で虐殺された部屋は当時のまま保存され、4階は朴鐘哲氏記念展示室になっている。そしてこれらは警察施設でありながら運動圏の団体が管理しているという。ここにも韓国民主化運動の強さを見てとれ感慨深いものがあった。
左の浴槽は水拷問のためのもの
拷問部屋の全景。四六時中小型カメラで監視されていた
朴鐘哲記念展示室
外から見えないようにされている建物裏手の拘束者専用の入り口から入り、5階の取り調べ室=拷問部屋のフロアにしか行けないらせん階段を上りながら、ここに連行された人々に思いを馳せた。
ちなみに今回、我々に同行してくれた韓国のA氏もかつてソウル大「旗事件」と呼ばれる弾圧事件で、ここに収監されたことがあるとのことだった。
建物裏手の拘束者専用入り口
取調室=拷問部屋の5階フロアにしか行けない螺旋階段
取調室=拷問部屋の5階フロア
西大門刑務所跡を訪問
今回の訪問団のなかには初めての訪韓者も多く、やはり西大門刑務所跡の参観は欠かせないということで訪問した。ここは、かつて日本支配下で多くの独立運動家たちが投獄され、拷問・処刑がなされた場所で、貴重な資料が展示され、また処刑場跡などが保存されている。また解放後も、多くの良心囚が投獄された場所でもある。
初めて参観した人は、あらためて日本帝国主義の残虐な歴史を見て新たな決意を固めていた。
15日午前、民間人虐殺現場跡、非武装地帯近くの民間人統制区域内を訪問
15日は早朝からバスに乗り、まず朝鮮戦争時に韓国軍によって民間人虐殺が行われた現場を訪れた。朝鮮戦争の緒戦、南下する朝鮮人民軍は各所に人民委員会を組織した。米軍が仁川(インチョン)に上陸して米韓軍の反撃が始まり、再びこの地を占領した韓国軍は、人民委員会に協力したとして特定思想を持たない多くの民間人を容赦なく虐殺した。坑道にこれらの人々を引き立てて射殺し、遺体は深く掘られた竪穴に突き落とされ、埋められたという。現在、遺骨が発掘され、現場保存がなされているが、まだ未発見の遺骨が埋もれている可能性があるという。
私たちはさらにイムジン河沿いにあるイムジン閣を参観、さらに民間人統制区域内(注)の南北直通鉄道・道路がある都羅山(トラサン)駅を訪れた。かつては朝鮮側の開城(ケソン)工業団地へ行きかう人々でにぎわっていたが、朴槿恵政権による閉鎖でまったくひと気がなかった。
一行は、都羅山駅構内に寄せ書きを広げ、朝鮮半島の平和と統一の願いなど思いおもいに寄せ書きに書き込んだ。
イムジン閣から寸断された鉄道、破壊された鉄橋を見る
都羅山駅
改札口に「平壌方面」とある(写真をクリックすると大きくなります)
朝鮮半島と東アジアの平和の願いを込め寄せ書き
さらに一行は、民間人統制区域でも最も非武装地帯に近い「6・15リンゴ園」を訪れ、昼食をごちそうになった。ここは名前の通り6・15南北共同宣言を実践しようという農業者が経営しているもので、昼食後、このリンゴ園の社長は我々のバスに同乗し、ソウル市庁舎前の平和大会に参加した。
6・15リンゴ園での昼食会
ソウル市庁舎前・米国大使館前の平和行動は別掲の通りである。
(注)南北を分断している軍事境界線は朝鮮半島の東から西へ切り裂くように設定されているが、停戦協定により南北ともに軍事境界線から2キロを非武装地帯にしている。韓国側はさらにそこから20キロを民間人統制区域として許可なく民間人が入ることを規制している。ただ元々の住民たちがおり、特別の条件のもとで居住が許されている。
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