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2017年8月

2017年8月17日 (木)

●【詳報】 2017 8・15ソウル平和行動に日本訪問団参加

韓米合同軍事演習中止・サード配備撤回・平和協定締結もとめ8・15行動

17815_2            キャンドルに代わる1万余の赤い傘で埋め尽くされたソウル市庁舎前

 8月15日、72回目の光復節(解放記念日)のソウルは激しい豪雨の1日となった。

 午後3時、豪雨を突いてソウル市庁舎前広場では、韓国進歩連帯・民主労働組合総連盟(民主労総)・全国農民会総連盟(全農)・全国貧民連合、全国女性連帯など200余りの社会・市民団体が主催する「主権回復と朝鮮半島の平和実現のための8・15汎国民平和大会」が1万人余りの結集で開かれ、参加者はキャンドルの代わりの赤い傘をさしてぬかるみのなかを座り込んだ。さらに集会後、光化門の横にある米国大使館前で抗議行動を繰り広げた。

 

 8・15光復節には、政府主催の記念式典や日本への戦後補償を要求する被害者団体・支援団体などの行動も毎年取り組まれているが、労働者・農民・貧民・女性・青年学生たちは何十年にもわたり、解放とともにもたらされ今なお続く南北分断克服のための取り組みを進めてきた。とくに今年は、キャンドル行動の巨大なうねりで朴槿恵政権を打倒し、新政権発足後初めての8・15であり、また朝鮮半島の緊張が極度に高まっている中での大会開催となった。

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      心を一つに韓米軍事演習中止、サード配備撤回、平和協定締結のスローガンを叫ぶ

 大会では、はじめに労働者、女性、青年学生の各団体から選抜された500人の統一先鋒隊(全国キャラバン隊)が、各地での取り組みや交流の成果を報告。律動(集団群舞)を披露して会場を大いに盛り上げた。とくに民主労総から選抜された200人の統一先鋒隊は、龍山(ヨンサン)に新たに設置された日本による強制労働を象徴する「徴用工像」の除幕式にも参加後、首都圏市民にトランプの卑劣な言葉を知らせて「戦争危機の中に国を押込む韓米戦争演習を中止しろ」との500枚の横幕を市中に掲示するミッションにも取り組んだ。私たちも訪問中、ソウルの各所でこの横幕を見た。

 

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                   500人の統一先鋒隊が先頭で決意表明

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                  8・15の数日前にミッション「横幕作戦」が遂行された

チェ・ジョンジン民主労総委員長職務代行(注 ハン・サンギュン委員長が不当拘束されているため)や全農、全国女性連帯など各団体代表が登壇し大会決議文を朗読。

決議は、「最近米国は朝鮮半島での武力行使を云々(うんぬん)しているが、キャンドル政府を自認する文在寅(ムン・ジェイン)政権は、清算すべき朴槿恵前政権の韓米同盟強化政策、一方的な対北敵対政策から抜け出せずにいる」と批判し、「一触即発の軍事的危機を前に韓米が21日から31日まで実施予定の合同軍事演習『乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン』は当然中止するべき」であり、「米国が数十年間推進してきた対北敵対政策を中断し関係正常化と平和体制構築に向けた対話と協議に入れ」と訴えた。さらに「偉大なキャンドル抗争で腐敗と反民生、事大主義、反統一の政権を追い出したが、分断と冷戦を克服しない限り積弊(積もり積もった弊害)清算の時代的課題を成し遂げることはできない」として、「分断により未完成である私たちの光復(解放)をもう完成させよう」と提起した。さらに「韓米日同盟を完成させる意図で強行された韓日『慰安婦』合意と韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を廃棄し、朝鮮半島危機を高めるサード配備を直ちに撤回しなければならない」と要求した。

                                     

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            ハン・チュンモク韓国進歩連帯常任共同代表

 登壇したハン・チュンモク韓国進歩連帯常任共同代表は、「文在寅政権は、隣国の反発と報復を招き、我が国が統制できない米軍のサード(高高度ミサイル迎撃システム)配備をただ韓米同盟という名前で押し切っている。韓米同盟の名のもとにすべての常識と合理、平和への要求が敬遠されている状況下で自らをキャンドル政府と自認できるのか」と問い、「キャンドルの灯に込めた人々の願いは、国民が主人になる国、自主権がある国らしい国だ。朴槿恵積弊勢力が追求した韓米同盟の国、対米屈辱の国ではない。私たちこそがキャンドルの灯だ。国民が主人である国、使い道がなく平和を害するだけのサードのような兵器が配備されない国、米国に『戦争はあってはならず、平和交渉を開始せよ』と堂々と要求する国、キャンドルの灯が念願する自主・平和・統一の世の中をどうしても創ろう」と力強く訴えた。

 続いて、イ・チャンボク6・15共同宣言実践南側委員会常任代表議長の激励辞、良心囚釈放推進委員会による「ハン・サンギュン民主労総委員長、イ・ソッキ旧統合進歩党国会議員の釈放」を求める映像と公演、韓国民衆歌謡グループ「ウリナラ」のミニコンサートなども行われた。

 またサード配備地でこれに反対している星州(ソンジュ)、Xバンドレーダーの前面に位置する金泉(キムチョン)からも住民が大挙して参加し、金泉の代表から「サード配備撤回」まで闘う力強い決意表明がなされた。

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                   サード(THAAD)配備撤回を叫ぶ金泉の住民代表

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日本からの訪問団、在日韓国青年同盟も連帯あいさつ

さらに東京・関西・沖縄・平和フォーラムなどから参加した日本の訪問団と、政権交代により入国が可能となった在日韓国青年同盟(韓青)代表団が一緒に登壇し、日本訪問団を代表して勝島一博・平和フォーラム事務局長、韓青を代表してキム・スンミン委員長がそれぞれ連帯の挨拶をおこなった。

P1010274_640x480        日本訪問団も全員登壇し勝島・平和フォーラム事務局長が連帯挨拶
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                      在日韓国青年同盟代表団も連帯挨拶

 

 1万余人で米国大使館前抗議行動

  

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        米国大使館前を埋め尽くし抗議する人々(左端の建物が米大使館)

 大会を終えた一万余人の参加者は、「NO WAR NO TRUMP」と書かれた先導車と「怒りの雷鳴」を模した数百人の太鼓隊を先頭に光化門(カンファムン)前広場へ向けて平和行進を開始。ここは昨年キャンドルで埋め尽くされた場所だ。米国大使館はこの広場の通りに面して建っている。当初予定していた米国大使館への「人間の鎖」は裁判所から不許可決定を受けたため、大使館前に1万余人の参加者が幾重にも陣形をとり、キャンドル代わりの赤い傘で埋め尽くされ、米国・トランプへのレッドカードにもなった。参加者は米国大使館に向かって「サード配備反対」「戦争やめろ」「平和協定を締結しろ」などのスローガンを口々に叫んだ。

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口をチャックでふさいだトランプの似顔絵とSTOP!UFG(乙支フリーダム・ガーディアン)と書かれた横幕を掲げ行進する人々

 米国大使館前行動は1時間ほど行われ、最後にチェ・ジョンジン民主労総委員長職務代行が「72年前と比べて日本と米国が入れ替わっただけで帝国主義の支配が続いている。韓国政府が出ることができないなら民衆が団結して朝鮮半島の戦争危機を防ごう」と締めくくり行動を終えた。

P1010254_640x472                    NO WAR  NO TRUMPを掲げた先導車

P1010261_640x480_4           先導車に取り付けられたトランプの吹き流し。下からの風でコミカルに動く

Photo              「怒りの雷鳴」を模した数百人の太鼓隊が先頭で行進
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●2017 8・15ソウル訪問記

 2017年8・15ソウル訪問団の活動は、14日から始まった。

 

韓国良心囚釈放要求集会に参加

 

 14日は午前中、光化門広場のセオウル号真相究明のテントを訪れ、さらに近くで開かれたハン・サンギュン民主労総委員長やイ・ソッキ旧統合進歩党国会議員ら不当に拘束されている33人の良心囚釈放要求集会に参加。「全斗煥でさえ8・15特赦を行い一部であれ良心囚を釈放したのに、文在寅政権は8・15特赦をまだ発表していない」として、青瓦台(大統領府)に向けて行進し、青瓦台前でも釈放要求集会が行われた。

P1010186_640x480                 クォン・オホン民家協代表(後方が青瓦台)
P1010195_640x480                 石井寛さん(着ている青い上着は囚人服)

 青瓦台前集会では、政治犯家族らでつくる民主化実践家族運動協議会(民家協)のクォン・オホン代表らが次々とアピールする中、韓国良心囚を支援する会全国会議事務局長で日韓ネット事務局でもある石井寛さんが、長年にわたる在日韓国人「政治犯」救援の取り組みと今や再審請求で次々と無罪判決を勝ち取っていることを報告し、集会参加者に感銘を与えた。集会後、青瓦台内の民間請願受付所を訪れ釈放要求署名を係官に手渡した。

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 南営洞(ナミョンドン)対共分室跡・朴鐘哲記念展示室を訪問

 

14日の午後は、かつて対共分室が置かれ、「アカ」「スパイ」などと見なされた民主化運動や統一運動の活動家らに水拷問や電気拷問などを加えた南営洞(ナミョンドン)の警察施設を訪れた。

80年代半ばに民主化青年連合代表としてこの対共分室に拘束され、激しい拷問を受けた故金槿泰氏(キム・グンテ=のちに統合民主党常任顧問)の自伝的手記『南営洞』を基に作られた映画「南営洞1985」を観た人も多いだろう。

Photo_2             5階部分のみ窓が小さいのは拷問に耐えかねた飛び降り自殺防止のため

とくに1987年1月、ソウル大生の朴鐘哲(パク・ジョンチョル)氏がこの対共分室で水拷問により殺害されたことが明らかになり、全斗煥軍事独裁政権を打倒した87年6月民衆抗争とこれに続く労働者大闘争の起爆剤になったことでも知られている。

現在、ここは警察庁人権保護センターとなり、5階の拷問が繰り返された取り調べ室は、朴鐘哲氏が拷問で虐殺された部屋は当時のまま保存され、4階は朴鐘哲氏記念展示室になっている。そしてこれらは警察施設でありながら運動圏の団体が管理しているという。ここにも韓国民主化運動の強さを見てとれ感慨深いものがあった。

P1010205_640x480               左の浴槽は水拷問のためのもの
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                拷問部屋の全景。四六時中小型カメラで監視されていた

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                          朴鐘哲記念展示室

 外から見えないようにされている建物裏手の拘束者専用の入り口から入り、5階の取り調べ室=拷問部屋のフロアにしか行けないらせん階段を上りながら、ここに連行された人々に思いを馳せた。

 ちなみに今回、我々に同行してくれた韓国のA氏もかつてソウル大「旗事件」と呼ばれる弾圧事件で、ここに収監されたことがあるとのことだった。

Photo_5               建物裏手の拘束者専用入り口
Photo_6          取調室=拷問部屋の5階フロアにしか行けない螺旋階段
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              取調室=拷問部屋の5階フロア

 

西大門刑務所跡を訪問

 

今回の訪問団のなかには初めての訪韓者も多く、やはり西大門刑務所跡の参観は欠かせないということで訪問した。ここは、かつて日本支配下で多くの独立運動家たちが投獄され、拷問・処刑がなされた場所で、貴重な資料が展示され、また処刑場跡などが保存されている。また解放後も、多くの良心囚が投獄された場所でもある。

P1010212_640x480          拷問器具の一つ。頭がつっかえ横には杭が出て刺さる仕組み

 初めて参観した人は、あらためて日本帝国主義の残虐な歴史を見て新たな決意を固めていた。

 

15日午前、民間人虐殺現場跡、非武装地帯近くの民間人統制区域内を訪問

 

15日は早朝からバスに乗り、まず朝鮮戦争時に韓国軍によって民間人虐殺が行われた現場を訪れた。朝鮮戦争の緒戦、南下する朝鮮人民軍は各所に人民委員会を組織した。米軍が仁川(インチョン)に上陸して米韓軍の反撃が始まり、再びこの地を占領した韓国軍は、人民委員会に協力したとして特定思想を持たない多くの民間人を容赦なく虐殺した。坑道にこれらの人々を引き立てて射殺し、遺体は深く掘られた竪穴に突き落とされ、埋められたという。現在、遺骨が発掘され、現場保存がなされているが、まだ未発見の遺骨が埋もれている可能性があるという。

P1010215_640x480                  虐殺現場で説明を受ける
P1010218_640x480                  発掘された多数の遺骨

P1010220_640x480_2                     虐殺された遺体が突き落とされた竪穴

 

私たちはさらにイムジン河沿いにあるイムジン閣を参観、さらに民間人統制区域内()の南北直通鉄道・道路がある都羅山(トラサン)駅を訪れた。かつては朝鮮側の開城(ケソン)工業団地へ行きかう人々でにぎわっていたが、朴槿恵政権による閉鎖でまったくひと気がなかった。

一行は、都羅山駅構内に寄せ書きを広げ、朝鮮半島の平和と統一の願いなど思いおもいに寄せ書きに書き込んだ。

P1010228_640x480                 イムジン閣から寸断された鉄道、破壊された鉄橋を見る
P1010247_640x480                              都羅山駅
P1010239_640x381               改札口に「平壌方面」とある(写真をクリックすると大きくなります)
P1010233_640x480                   朝鮮半島と東アジアの平和の願いを込め寄せ書き

さらに一行は、民間人統制区域でも最も非武装地帯に近い「6・15リンゴ園」を訪れ、昼食をごちそうになった。ここは名前の通り6・15南北共同宣言を実践しようという農業者が経営しているもので、昼食後、このリンゴ園の社長は我々のバスに同乗し、ソウル市庁舎前の平和大会に参加した。

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                          6・15リンゴ園での昼食会
 

 ソウル市庁舎前・米国大使館前の平和行動は別掲の通りである。

 

()南北を分断している軍事境界線は朝鮮半島の東から西へ切り裂くように設定されているが、停戦協定により南北ともに軍事境界線から2キロを非武装地帯にしている。韓国側はさらにそこから20キロを民間人統制区域として許可なく民間人が入ることを規制している。ただ元々の住民たちがおり、特別の条件のもとで居住が許されている。

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