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2018年8月18日 (土)

 日本側発題② 山元一英

朝鮮戦争休戦65周年・東アジアに平和を!7・27キャンドル行動

                   山元一英・日韓平和連帯共同代表

1. 4月27日南北首脳会談、6月12日米朝首脳会談の意義。

 

米ソの冷戦体制が崩壊し、最後の冷戦構造にあった朝鮮半島の南北分断、新たな戦争の脅威であった米朝対立が解消し、東アジアに平和体制が構築される情勢が生まれようとしています。南北分断から南北の平和統一へ、朝鮮戦争・休戦協定から戦争終結・平和協定へと平和の流れが、戦後世界史の大転換を期する出来事として、今私たちの前で起こっているのです。

この様な大きな成果をもたらせたのは、日本では朝鮮への制裁・圧力が功を奏したとの評価がなされていますが、決してそうではありません。一昨年の韓国におけるキャンドル革命は、朝鮮敵視政策を進める朴槿恵大統領を弾劾し、南北融和・「太陽政策」をとる文ジェイン大統領を誕生させました。そして今年に入り、平昌冬季オリンピックでの南北融和の前進、4・27南北首脳会談の成功を経て、6・12米朝首脳会談の開催へとつなげました。韓国キャンドル革命を成し遂げた民衆及び文ジェイン政権が果たした役割こそが、評価されなければなりません。

4・27「板門店宣言」では、朝鮮半島の非核化、朝鮮戦争の終結、南北相互訪問、共同連絡事務所の開設、離散家族対面の再開、敵対行為の中止等で合意されました。同じ民族の分断に終止符を打つべく、南北の平和統一の道が切り開かれました。とりわけ東北アジアの平和勢力にとっては、朝鮮戦争の終結と軍事的緊張の根源となる敵対行為(米韓合同軍事演習)の全面中止は、戦争ではなく平和を築くうえでの大きな合意事項といえます。

そして、史上初の6・12米朝首脳会談が開催され、「共同声明」が発せられました。「共同声明」では、敵対関係を克服(米韓軍事演習の中止)し、新たな米朝関係の確立、持続的で安定した平和体制(朝鮮戦争の終結と平和協定締結)を築く努力、板門店宣言を再確認し、朝鮮半島における完全非核化の努力、米軍兵士の遺骨の収集の四点で合意されました。

その後、南北では6月14日「南北将軍級軍事会談」、16日「南北体育会談」、22日「南北赤十字会談」が持たれ、民族の和解と団結、平和と統一に向けた取り組みが進められています。また、米国は6月19日「8月米韓合同軍事演習」の中止を決定、トランプ大統領は20日「朝鮮戦争戦死者遺骨200体の返還を受けた」ことを明らかにしました。また同日朝鮮は、「西海衛星発射場(ミサイルエンジン試験場)」を廃棄することを表明しました。このように、南北、米朝間の対話は着実に進展しており、日本での報道が皆無なのが心配の種です。

 

2. これからの、日本と朝鮮半島との関係をどうするのか。

 

  中国、朝鮮・韓国、日本は、紀元前の時代からの歴史を刻み、相互の文化・交流を行ってきました。しかし、近代日本は、世界の帝国主義陣営に組し、アジア諸国を植民地化とする軍国日本となりました。朝鮮、台湾を植民地化し、中国に満州国をでっちあげ、皇国臣民を強制し、悲惨な戦争に駆り出しました。この戦争での犠牲者は、アジアでは2000万人以上、日本人も320万人といわれています。敗戦後日本の民主化は、米国の反共政策に従い、朝鮮戦争を契機に自衛隊の発足、憲法・民主主義の形骸化が促され、現在でも、日本軍慰安婦問題、朝鮮学校無償化排除問題、外国人の参政権問題等、民族差別、排外主義を克服すべき課題が山積しています。これらの課題を無視し、朝鮮の核・ミサイルの脅威をあおり、国家間・民族間の不信を助長していては、共生、共存の国際関係を造ることは不可能です。朝鮮による「日本人拉致問題」は大きな問題ですが、2002年の金正日氏と小泉首相との間で交わされた「日朝平壌宣言」に立ち返り、植民地支配の清算、戦後補償と拉致問題の包括的解決に向け、日朝の国交正常化の再開を開始すべきです。

 

3. 今回の会談が日本の労働運動、平和運動に及ぼす影響は?

 

これまで安倍政権や保守勢力は、被爆国日本の「核軍縮の素朴な願い」を利用して、核・ミサイル開発をすすめる朝鮮を「独裁国家」「テロ国家」と宣伝し、多くの国民に「北朝鮮」脅威論を流布してきました。そして、朝鮮の核・ミサイル攻撃から日本を守ると称して、米軍再編強化、自衛隊軍事装備の増強、集団的自衛権行使が出来る戦争法の制定、9条改憲等、日米軍事一体化を推し進めてきました。しかし、「北朝鮮」からすれば、朝鮮戦争から65年経た現在も戦争終結がなされず、朝鮮の国家体制転覆を意図する米韓合同軍事演習が恒例のように続けられ、昨年末には東北アジアでの新たな米朝戦争の危機が、極度に高まりました。今回の南北・米朝首脳会談の成功は、朝鮮戦争の終結と休戦協定を平和協定へと転換させ、世界最後の冷戦体制である朝鮮半島に平和をもたらす可能性を切り開きました。私たちは、米朝首脳会談の共同声明に述べられた「米国と朝鮮の新たな関係樹立や朝鮮半島の持続的で強固な平和体制の構築」を断固支持し、東北アジアの平和構築に奮闘することが、日本の平和にとって重要であることを自覚しなければなりません。

ところで日本では、南北・米朝会談での「朝鮮半島の非核化」を「北朝鮮の非核化」に矮小化し、平和構築に水を差す論調が多くみられます。世界から核兵器を根絶する課題は、すべての核保有国に課せられた課題です。朝鮮半島の非核化は、当然にも最大の核保有国である米国の核兵器削減や、韓国に配備されている中距離弾道ミサイル問題にも波及するものです。日本のプルトニュウム保有問題も、無関係とは言えません。朝鮮半島の非核化問題を、米国、中国、ロシアの核軍縮へと波及させなければなりません。

この様に、南北関係の平和統一の前進、米朝関係の改善による朝鮮戦争の終結は、また米韓合同軍事演習の完全なる廃止が実現するならば、沖縄の在日米軍基地強化の必要性も、日米軍事同盟と化した安保条約も、その存在理由の根拠を弱体化するに違いありません。日本における反戦平和運動の前進にとっても、朝鮮半島の平和構築と日朝国交正常化の取り組みは重要な課題となっています。

 

4.このような認識に立ち私たちは7月27日、「朝鮮戦争休戦65周年、東アジアに平和を!7・27キャンドル行動」を、大阪靭公園に1500名が結集し、平和「PEACE」の人文字を完成させ御堂筋デモを行い、街行く人々に朝鮮戦争の終結、平和協定締結を訴えました。9月18日には、日朝国交正常化と9条改憲阻止を掲げ、安倍政権打倒に向けた集会を準備する予定です。今こそ「コリア国際平和フォーラム」国際連帯が重要な時はありません。ともに東アジアの平和体制確立に向け頑張ろう!

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