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2018年9月22日 (土)

●2018 9・15日朝ピョンヤン宣言16周年集会の報告

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 915日夜、東京・文京区民センターで「日朝ピョンヤン宣言16周年 朝鮮敵視政策を改め日朝国交交渉の再開を!915集会」が開かれた。

 はじめに渡辺健樹さん(日韓ネット共同代表)が主催者挨拶。「南北共同連絡事務所の開設、918南北首脳会談、第2次米朝首脳会談への調整など、朝鮮半島は再び大きく動き出している。こんな中、河野外相は『朝鮮戦争の終戦宣言は時期尚早』などと発言している。日本の南北分断責任や朝鮮戦争に深くかかわってきた歴史を踏まえれば朝鮮戦争を一刻も早く終結させる責任がある。あらためて日朝国交正常化の実現を含め東アジアの平和のため取り組みを強めよう」と提起した。

 

P1010688_998x825_2                           高野孟さん

 朝鮮和平の新展開と安倍政権の行方 高野孟さんが講演

 続いて高野孟さん(インサイダー編集長、ザ・ジャーナル主幹)が「朝鮮和平の新展開と安倍政権の行方」と題してメインの講演をおこなった。

 高野さんはパワーポイントを使いながら、まず、6月の米朝首脳会談について「共同声明が短く中身がない」とか「非核化が進んでいない」などとケチをつける人が多いが、これにより「戦争の危険が主、平和の可能性が従という63年に及ぶ関係がついに逆転した」と切り出した。そして政府やメディアの意図的な歪曲も含め、「北朝鮮の非核化」vs.「朝鮮半島の非核化」の基本概念の混乱など、「非核化」についての基本的な誤解が生じているが、国際的にはすべて「朝鮮半島の非核化」とされていること。その上で、①最大の非核化責任は米国にある、②北に核武装を決意させたのは米国、③その後も繰り返し核恫喝を加えてきたことなどを指摘した。

 そして、万が一戦争が起これば膨大な被害が出ることになるが、日本が被爆国でありながら世界最大級の核兵器武装国・米国の傘の下にあり、またプルトニウムを貯め込む潜在的核保有国、米軍の核出撃基地を提供している状況こそ問題視されるべきであり、「東アジア非核地帯」「東アジア安保共同体」の形成をめざすべきだと力説した。

 さらに安倍政権の対朝鮮政策については、圧力一辺倒からトランプが対話に転じると微妙にニュアンスを変え、拉致問題を絡ませて「やっている感」の奇策に走っているだけだと指摘。現実には安倍政権の下では日朝首脳会談など開けないし、安倍政権をさらに追い詰めていく必要があると提起した。【講演の詳細は別掲】

 

 休憩をはさみ、今年811日にソウルで開かれた自主平和統一大行進や南北労働者サッカー大会などに参加した韓青同作成の映像が上映された。

P1010696_1024x768                           朴金優綺さん

朝鮮「制裁」に名を借りた在日朝鮮人への人権侵害の実態 

  -朴金優綺さんが特別報告

 

 続いて「朝鮮『制裁』に名を借りた在日朝鮮人への人権侵害の実態」についての特別報告を朴金優綺さん(パクキム・ウギ、在日本朝鮮人人権協会事務局員)がおこなった。

 朴金さんは、最初に628日に関西空港税関支署が神戸朝鮮高級学校生徒たちの朝鮮への修学旅行のお土産品を没収した事件について報告。税関係官が生徒のカバンをほとんど開けて検査し、お菓子・石鹸・はちみつ・人参茶・クッション・扇子・Tシャツ・化粧水・写真立て・ブックカバー・ポーチ・巾着袋・キーホルダーetc.など没収の生々しい実態を明らかにした。

 その上で、①日本と朝鮮間のヒト・モノ・カネを全面遮断する日本政府の対朝鮮「制裁」の現状、②日本政府による「高校無償化」からの朝鮮学校除外と地方自治体による朝鮮学校への補助金停止などで莫大な被害が及んでおり、事実上の「制裁」としても朝鮮学校差別があると指摘。日本の対朝鮮「制裁」は、①非人道的、②制裁目的との合理的関連性を欠き正当化できない、③旧植民地出身者の永住市民を対象とする点で不必要・不相当、④制裁目的が達成されないまま継続しており異常で、事実上の「制裁」である朝鮮学校差別は、政治的外交的理由に基づき朝鮮学校生徒らの人権を侵害する違法・不当なものだと訴えた。

 そして、非人道的な対朝鮮「制裁」の廃止、国連人種差別撤廃委員会の日本政府への勧告(2018.8.30、人種差別禁止法の制定、ヘイトクライム・ヘイトスピーチなどを撤廃する行動計画策定、朝鮮学校への「高校無償化」適用、朝鮮旅券所持者など一部の在日朝鮮人への再入国許可要件の撤廃etc.)の実現などを目指す必要があることを提起しつつ、最後に、日本政府による対朝鮮「制裁」や朝鮮学校差別は、日本政府自らによる在日朝鮮人へのヘイト行為であること、在日朝鮮人と朝鮮民主主義人民共和国とのつながりを全面的に切ろうとする日本政府に反対する声を共に挙げてくれるよう訴え、報告を締めくくった。

 

 集会は最後に、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック共同代表の大仲尊さん、許すな!憲法改悪・市民連絡会で総がかり行動共同代表でもある高田健さん、「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC)共同代表の中原道子さん、在日韓国民主統一連合副議長の宋世一(ソン・セイル)さんから、それぞれの重要な取り組みについてのアピールを受け、「2018 日朝ピョンヤン宣言16周年集会アピール」(下に掲載)を全体で確認して終了した。

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日朝ピョンヤン宣言16周年集会

 

朝鮮半島における平和への流れを確かなものに

 今年に入って始まった朝鮮半島の対話への動きは4月の南北首脳会談、6月の米朝首脳会談へ結実しました。

昨年まで、一触即発の戦争危機さえはらんでいた状況からすれば歓迎すべき大転換です。何より、朝鮮民主主義人民共和国の建国から70年に渡り、砲火を交え銃口を向けあってきた米朝首脳が歴史上初めて対面し、両首脳の名により包括的な目標が示されたことは画期的です。

米政権の一部や日本政府、マスメディアの多くは、もっぱら「北朝鮮の非核化」のみに焦点をあて、一方的にCVID(完全かつ検証可能で後戻りできない非核化)が明記されていないことなどを取り沙汰しています。

しかし、米朝共同声明の4項目は同時的かつ段階的に進められることが必要であり、その信頼醸成があってはじめて「朝鮮半島の完全な非核化」も実現可能です。

後続交渉では、朝鮮戦争の終戦宣言、停戦協定の平和協定への転換、国連軍司令部の解体や在韓米軍の撤収または何らかの地位変更問題なども「まな板」の上にのらざるを得ないでしょう。

私たちは、朝鮮半島の非核化を含む「完全かつ検証可能で後戻りできない平和体制構築」を後押しすべきではないでしょうか。

安倍政権は朝鮮半島の平和への動きを妨害するな

私たちは、この間まったく蚊帳の外で右往左往してきた安倍政権が、拉致問題を政治利用し日朝首脳会談を模索するポーズをとりながら、依然として朝鮮敵視政策をとり続け、これを利用して軍拡の道を走り続けていることを厳しく糾弾します。また「制裁」の名による在日朝鮮人への人権侵害も後を絶ちません。628日には関西空港税関支署が、祖国へ修学旅行した神戸朝鮮高校の生徒たちのお土産品まで没収しています。

安倍首相は、拉致問題を日朝交渉の入り口としてすべての上に置いてきましたが、それ自体が日朝ピョンヤン宣言の歪曲であり、拉致問題も含め日朝関係が一歩も進んでこなかった要因です。

私たちは、日朝ピョンヤン宣言16周年にあたり、日本政府が、南北・米朝首脳会談で確認された朝鮮半島の平和体制構築と完全な非核化実現のために積極的役割を果たし、日朝ピョンヤン宣言に基づき、不幸な過去の清算を基礎とした日朝国交正常化交渉を速やかに再開することを強く要求します。

 2018915日 日朝ピョンヤン宣言16周年集会 参加者一同

 

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