●「3.1朝鮮独立運動101周年」2.28東京集会の報告
2月28日夜、3.1朝鮮独立運動101周年東京集会が開かれた。折からの新型コロナ事態を受けて参加者への事前の注意喚起と受付でのアルコール消毒作戦も実施される中での開催だったが、会場の文京区民センターには180人の人々が駆け付けてくれた。
集会でははじめに主催者を代表して渡辺健樹さん(日韓ネット共同代表)が挨拶。続いて来賓として、日韓の宗教者と市民社会団体の間で平和のためのプラットフォーム創設を準備している金性済さん(キム・ソンジェ、日本キリスト教協議会総幹事)が挨拶した。さらに3.1朝鮮独立運動とは何であったかを紹介するため制作された映像「植民地支配に抗(あら)がって-3.1朝鮮独立運動」も上映された。
続いて「東アジアの共有財産としての韓国大法院徴用工裁判判決」と題して吉澤文寿さん(新潟国際情報大学教授)が講演に立った。
吉澤さんは、①韓国大法院「徴用工」判決から1年-その意味を改めて考える、②日本政府の責任回避-「日韓問題」へのすり替え、後退する歴史認識、③「徴用工」判決は日韓市民連帯の成果、④日韓市民の連帯、そして日本と南北朝鮮の市民たちが作る平和への展望を語ろう-の4点について分かりやすく丁寧に説明した。また、今回2月14日に初めて開示された日韓会談時の外務省北東アジア課の極秘文書(1960年7月22日)についても詳しく説明、韓国側に請求権を放棄させ経済協力で決着させようという日本側のシナリオがあけすけに記され、日韓請求権協定もシナリオ通りに行われたことを裏付けている。
講演レジュメ・資料 ダウンロード - e59089e6bea4e383ace382b8e383a5e383a1.pdf
極秘文書について ダウンロード - e59089e6bea4e4bb98e5b19ee8b387e69699.pdf
*極秘文書そのものは日韓会談等文書管理委員会のHPで閲覧できる
http://www.f8.wx301.smilestart.ne.jp/
休憩をはさみ、歌のコーナーとなった。ノレの会が韓国で歌われている「ノー・アベソング(3.1日韓バージョン)」を歌い、また朝鮮高校の「無償化」排除に反対する文科省前の金曜行動から駆け付けてくれた皆さんがこの闘争のテーマソングともなっている「声よ集まれ、歌となれ」を披露した。
続いて韓国ゲストのチュ・ジェジュンさん(安倍糾弾市民行動政策委員長)が「2020年朝鮮半島情勢(米朝・日韓関係を中心に)-激変期の勝利に向けた最後の旅程」と題して報告に立った。
チュさんは、この中で米朝交渉のこう着状態が長期にならざるを得ない状況について詳しく説明しながら、一方でキャンドル革命を実現した韓国市民たちの自主意識の高まりのなかで、米国への観点に根本的変化が生まれており、米軍駐留経費の大幅負担増の要求などを目の当たりにしてこれまではなかった「米国は出ていけ」という声が広がっていることなどを紹介した。また文在寅政権についても、南北関係をめぐり米国の圧力と干渉に屈せず自らが当事者としての役割を発揮すべきことを強調した。
さらに日韓関係についても、韓国の「NO安倍」の闘いの意味を紹介しながら、日本の改憲反対の闘いの「NO安倍」と韓国の「NO安倍」の闘いの積極的連帯の必要性を訴えた。
チュさんのパワポ ダウンロード - 200227e69c9de9aeaee58d8ae5b3b6e68385e58ba2.pdf
集会は最後に、「米韓合同軍事演習に反対する決議」(別掲)を参加者全体で採択し、今野耕太さん(日朝協会事務局次長)の閉会挨拶で締めくくった。
*なお、予定していた翌日の新宿アルタ前のキャンドル行動は新型コロナを考慮しぎりぎりまで検討し中止としましたが、直前の告知が届かず現場に来られる方のためにスタッフ3人が集会のバナー(横幕)を掲げてスタンディングしながら対応しました。
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米韓合同軍事演習に反対する決議
米韓両政府は米韓合同軍事演習を3月中旬に実施する方針を固めました。2月24日には、鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)韓国国防相が訪米し、エスパー米国防長官との間で合同演習の詰めの協議も行っています。
2月27日になり米韓合同司令部は、突如、新型コロナウィルスの感染拡大を理由に演習の延期を発表しましたが、それはあくまで中止ではなく延期に過ぎません。「延期」が過ぎればいつでも実施する構えです。
2017年まで「キー・リゾルブ」「フォール・イーグル」の名称で大規模な米韓軍事演習が繰り返されてきましたが、昨年は規模・期間を縮小したものの対朝鮮先制攻撃や朝鮮政権除去などの侵略的性格は変わっていません。今年も、昨年の演習を踏襲するとされていますが、米国は最新無人偵察機MQ-4Cを日本に拠点を置く第7艦隊に、さらにステルス戦闘機F-22の配備、韓国に配備したTHAAD(サード)ミサイルシステムの性能改善とあわせ軍事能力の強化を図っているなかでの演習です。
これは2018年の板門店宣言及び米朝共同声明、9月南北ピョンヤン共同宣言と南北軍事合意書などに反するものであり、朝鮮半島の緊張を再び高める軍事挑発以外の何ものでもありません。私たちはこれに強く反対します。
2月19日、韓国の83の市民社会団体は、「韓米軍事演習を中止することなく対話と平和の扉は開かない」として、米韓両政府に向けて演習の中止を求める共同記者会見を開きました。私たちは、これら韓国の市民社会団体を心から支持し、連帯するものです。
いうまでもなく、米韓合同軍事演習は在日米軍が深く関わっており、また安倍政権が強行している辺野古の米軍新基地建設や日米軍事一体化の動きともつながっています。私たちは朝鮮半島と東北アジアの平和に逆行するこれらの動きにも強く反対するものです。
米韓両政府は米韓合同軍事演習を中止せよ。
板門店宣言、米朝共同声明を履行し、対話で平和と非核化を目指せ。
安倍政権は辺野古の新基地建設をやめ、朝鮮半島対話プロセスを妨害するな。
2020年2月28日 3.1朝鮮独立運動101周年東京集会・参加者一同
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【賛同団体⇒個人一覧・50音順(2/29現在)】 アオギリ里子運動、アジア友好学院、荒川住民広場、かながわ歴史教育を考える市民の会、強制動員問題の解決と過去清算のための共同行動、「憲法」を愛する女性ネット、憲法を生かす会関東連絡会、在日韓国民主統一連合、三多摩日朝女性のつどい、「植民地歴史博物館」と日本をつなぐ会、新社会党東京都本部、スペース21、全水道東京水道労働組合、「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC)、朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会、朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会、朝鮮人強制労働被害者補償立法をめざす日韓共同行動、朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会、東京朝鮮人強制連行真相調査団、日韓民衆連帯全国ネットワーク(日韓ネット)、日朝協会、日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会、日本製鉄元徴用工裁判を支援する会、日本平和委員会、ノー・ハプサ(合祀)、ピースボート、東アジアの和解と平和ネットワーク、ふぇみん婦人民主クラブ、平和を実現するキリスト者ネット、平和といのち・イグナチオ9条の会、フォーラム平和・人権・環境、本郷文化フォーラム・ワーカーズスクール(HOWS)、許すな!憲法改悪・市民連絡会、Little Hands、青柳清美、池上仁、石井寛(韓国良心囚を支援する会全国会議事務局長)、石下直子(子どもの未来を望み見る会)、石谷春日、伊藤英一、伊藤美恵子、岩本乾治、内田雅敏(弁護士)、大谷猛夫、大友陽子(主婦)、奥津律子、尾澤邦子(日韓ネット・ノレの会)、尾澤孝司(日韓ネット)、小田川興(在韓被爆者問題市民会議)、笠原直子、片山光広、北川広和(日韓ネット・「日韓分析」編集)、北村めぐみ、金性済(日本キリスト教協議会総幹事)、絹山達也(自営業者)、くじゅうのりこ、黒田恵、高史明(作家)、後藤玲子、権龍夫、近藤ゆり子(9条の会・おおがき世話人)、斎藤義夫、酒井緑、坂本史子(元目黒区議)、坂本美幸、佐藤邦也、佐藤大介(ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン事務局)、白石孝(日韓市民交流を進める希望連帯代表)、鈴木敏夫(子どもと教科書全国ネット21事務局長)、須田稔(立命館大学名誉教授)、高梨晃嘉(かながわ歴史教育を考える市民の会)、田上中(憲法前文唱和の会代表)、竹腰英樹(中野協同プロジェクト)、武田隆雄(日本山妙法寺僧侶)、寺尾光身(元理系教員)、田場祥子、都相太(NPO法人三千里鐡道理事長)、土松克典(日韓ネット・HOWS)、冨田一彦、友田シズエ、長瀬春代、中地弘志、中塚明(奈良女子大学名誉教授)、西惇、西栄子、西賢一、丹羽雅代、橋本敦(弁護士)、蜂巣裕人(ゆぎぷろ代表)、花村健一(樹花舎)、花輪不二男、平野晶男、藤田高景(村山談話を継承し発展させる会)、布施由女(三多摩日朝女性のつどい世話人)、松浦賢治、松田照男、森内慎一郎(佐賀カトリック正義と平和協議会代表)、森本孝子(朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会共同代表)、安井正和(原水爆禁止日本協議会事務局長)、矢野秀樹(朝鮮人強制労働被害者補償立法をめざす日韓共同行動事務局長)、山口菊子(「憲法」を愛する女性ネット世話人)、山田昭次、梁大隆(東京朝鮮人強制連行真相調査団)、與芝豊、吉原真次、渡辺健樹(日韓ネット共同代表)、渡辺多嘉子、渡辺吉男、(匿名希望3名)