無料ブログはココログ

« 韓国大法院判決から2年 10.30日本製鉄・三菱重工本社への抗議要請行動にご参加を | トップページ | ●菅新政権と日本情勢 (12.18韓国進歩連帯との日韓ZOOM会議での日本側発題) »

2020年11月15日 (日)

★韓国サンケン労組の闘いを支援・連帯しよう!

韓国サンケン労組の闘いを支援・連帯しよう!
全泰壱(チョン・テイル)さん焼身決起50年-日韓労働者・民衆の連帯を
                               (日韓ネット・かもめ)

   3_20201115181901

   ▲2020年10月1日、「韓国サンケン労組を支援する会」本社前行動(埼玉)

 韓国サンケン労組の闘いが再燃している。日本でも2020年9月3日に「韓国サンケン労組を支援する会」、本社のある地元新座市でも「韓国サンケン労組と連帯する埼玉市民の会」が立ち上がり、連帯を強めている。闘いの中でみえてきたものは日本と韓国の資本の利益が合致し、巧妙に仕組まれたシナリオによる組合つぶしだった。

本社は日本のサンケン電気-子会社韓国サンケンの解散を一方的に通告

 今回の闘いは、2020年7月9日にサンケン電気本社が100%子会社である韓国サンケンの会社解散決定をホームページで一方的に通告したことにより始まった。2016年から2017年にかけて韓国サンケン労組の仲間が「遠征闘争」で来日し、埼玉県新座市にあるサンケン電気本社に抗議行動を行い、当時日本でも支援の輪が広がったことは記憶に新しい。
 サンケン電気はパワーシステムや半導体デバイス装置などを製造する東証一部上場企業だ。以前は電源三社として名高かったが、「サンケンレポート2020」によると最近では防犯カメラ電源装置などのパワーシステムの事業が約14%、自動車や白物家電などに使う半導体デバイス86%の事業を展開している。
 サンケン電気は韓国に1973年、韓国最南部の馬山自由貿易地域に韓国サンケンを設立。輸出ドライブをかける当時の韓国政府や地方自治体からの様々な税制優遇策のもとに事業を展開、多い時には韓国サンケンに600人近くを擁していた。韓国サンケンがある自由貿易地域の目の前は港になっており、作った製品が直ぐに船積みされ輸出が出来るようになっている。
韓国が民主化した1996年、韓国サンケンの労働組合が民主労総にナショナルセンターを変更し、様々な弾圧を跳ね返して社員の労働条件の向上や賃金の引き上げを図って行った。ちなみに馬山という地域は、1960年の李承晩元大統領を倒した4.19革命の発火点になった所で、1979年の10月、学生や市民が当時の朴正熙軍事政権に反独裁・民主化を要求し大規模なデモを行った「釜馬抗争」の現場として市民の意識も高い。
韓国サンケンでは闘う労働組合の登場で賃金や労働条件を確保したものの、当時LED主流の中でCCFL(冷陰極管)事業にしがみついた本社経営陣の読み間違えで赤字が膨らみ、希望退職やリストラ、会社休業などを繰り返し、労働組合と厳しい対立関係となっていった。

 雇撤回闘争に勝利(2017年)

  その後LED灯具などを製造していた韓国サンケンは50人程度に人員が削減されたが、2016年3月31日には組合員全員のいる生産現場を閉鎖し、組合員全員34人に解雇を通告するという攻撃がかけられた。これに怒った韓国サンケン労組は、工場前にテントを張り24時間体制の座り込みに突入、組合三役が組合員の前で髪の毛を剃る「剃髪闘争」も行った。剃髪の際、女性組合役員キム・ウニョンさんの髪の毛がバッサリ落ちると、あちこちで女性組合員のすすり泣きが漏れた。

1_20201115182101

  ▲2016年、会社前で座り込むテントで話し合う韓国サンケン労組の組合員

   果敢な闘いと日本での支援闘争の中、現地の地労委、中労委とも「解雇は不当」との裁定が下され、2017年6月2日には韓国サンケン労組と韓国サンケン(株)との合意書が締結された。内容は会社側が整理解雇への遺憾の意を表し、解雇の撤回と全員の復職を行うとともに労働協約を維持、労組の活動を保障するもので全面勝利だった。さらに合意書には生産再稼働のための措置の実施と併せ、今後重大な雇用問題が発生した際には、労働組合と合意のもとに行うことが取り決められている。

2_20201115182201

    ▲2017年6月17日、東京で行われた勝利報告集会

   その後、韓国サンケンでは組合員16人が現場に戻り、本社からの発注を消化すべく生産を続けていた。また争議の直後に自死した韓国人社長に代わり、財閥企業LG勤務経験のある韓国人が韓国サンケンの新社長に就任した。サンケン本社から韓国サンケンに発注する製品は少なく、しばしば会社の休業を余儀なくされる状況が続いた。

 韓国財閥LGの裏事情

 韓国サンケンの来日闘争が続いていた2016年秋から2017年にかけて韓国では朴槿恵の退陣を要求するキャンドルデモが続き、2017年3月に憲法裁で大統領罷免が決定し、キャンドル市民は勝利の喜びに大きく沸き上がった。その年の5月9日に大統領選挙が行われ、翌日5月10日には文在寅が大統領に就任した。
 文在寅政権は様々な改革を掲げていったが、その中には財閥改革も含まれていた。韓国の財閥は総帥とよばれるオーナー一家が権限を握り、その権力は政界にも及んでいる。朴槿恵、崔順実ゲート事件に関係したサムスンの李在鎔や「ナッツリターン」の究極的パワハラで世を騒がせた大韓航空の趙一族は日本でも有名だ。
 韓国財閥のLGグループは財閥序列4位だが、白物家電では草分け的存在で韓国国内はもちろん、東南アジアに行くとエアコンマークにLGがズラリと並んでいる。
   2018年5月9日、LG総帥一族の100憶ウォン(約10億円)脱税容疑で検察が家宅捜索に入ったのだが、これは15年ぶりのことだった。
 このLG系列にチフンという会社があったが、これは2008年に設立されたオーナー一族の個人会社だ。代表はク・ヒョンモ氏で設立当時は21歳。2018年5月以降韓国のマスコミにたびたび登場しその名が知られるようになった。当時LG電子の課長職にあり33歳、LG副会長の長男だ。チフンはこのク・ヒョンモという人物が100%株式を所有する個人会社だ。韓国のインターネットニュース『ビジネスウォッチ』(2018.12.14)によると、「個人会社を設立した理由は分かり切ったこと。個人の財産形成のためだ」。当初はディスプレイ用光学用フィルム事業を行うとして莫大な赤字を出し、その後LG化学やLG電子との内部取引で莫大な黒字を出したものの、政府の内部取引規制で利益が落ち込んだ。
 2018年5月14日の韓国の『ニュース1』記事には、韓国の公正取引委員会が規制強化に乗り出し、財閥一族親会社からの独占的大量受注や私益詐取の改善に乗り出した内容が掲載されている。公正取引委員会ではこの状況のもと、チフンを「私益詐取対象系列会社」に指定した。その後の事業売却などにより、この指定から何とか外れることはできたが、前述した5月9日の検察による家宅捜索などで「尻に火が付いた状況になった」。5月にはチフンに居た職員もほぼ退職し、「抜け殻同然の会社」になっていたのだが、記事では「文在寅政権の発足以降はオーナー個人の会社を整理する必要性があった」としている。
 2018年12月14日付『ビジネスウォッチ』によれば、「オーナー一家の代表的私有企業の変身を模索していたLG一家の4世が個人会社を突然整理した。…これで、いまいましい内部独占取引の世評から逃れられる」。この記事では設立時に10億ウォン(約1億円)の会社を私募ファンドに153億ウォン(約15億円)で売るので、「税金を払っても元は取れる」としている。
 2018年12月17日付『ニュース1』によると、チフンの株売却先はIBK企業財務安定私募投資合資会社というファンドだが、「11月29日、取引直前に電撃的に作られた」ファンド。韓国ではLG系列の会社を売った株を誰が買うのか関心が集まっていたのだが、多分LG一族の別会社が株を買うだろうとされ、そうすればチフンの系列分離も行われ、「お互いウィンウィンになれる」としていた。

 株式ロンダリング?

 チフンの株の買主が取り沙汰される中、2018年12月19日、韓国の『PAXNETNEWS』の記事に突然「日本のサンケン電気」が登場する。サンケン電気は「チフンに対するM&Aを念頭に私債投資ファンド(PEF)に出資者として参加した」としている。そもそもIBKファンドは「チフンの株と経営権を引き継ぐためのプロジェクトファンド」で、「サンケン電気にチフンの株100%を早期償還請求(Put Option)できる契約も締結した」。記事は続く。「チフンのM&A取引に参加した…サンケン電気本社はサンケン電気で製造した電力半導体チップをチフンでモジュール化し、それをLG電子などの家電製品製造業界に供給する製品流通の構造を構想している」。
 サンケン電気は韓国内のLGの裏事情を知って、直接チフンを買うよりも一旦投資ファンドを経由した方がイメージダウンにつながらないと思ったのだろうか。ここまで行くと株式ロンダリングだ。
 
 韓国で事業を拡大予定のサンケン電気

 韓国サンケン労組から提供された資料によると、このチフンは2018年12月18日、臨時株主総会で商号をチフンから株式会社イーケイイー(EKE)に変更している。
2019年7月1日の韓国『DT news24』によると、韓国中部の忠清南道天安市が国内の優良企業6社と投資協約を結んでいるのだが、この6社の中にEKEの名前がある。記事は次の通り。「家電製品用の電力半導体などの電子部品や電子素材を製造するEKEは、天安市が提供する予定の北部BIT一般産業団地内の敷地1万6528㎡に2020年6月から2023年6月まで総額315億ウォンの投資で工場を造成し、新規労働力約50人を雇用する計画だ。」
   サンケン電気は韓国から断じて撤退するのではない。
   今後もLGなどを取引先とする韓国市場での販売、人材豊富な韓国での研究開発、まじめで技術力のある製造部門と、今後も韓国での事業を続けて行くつもりだ。「サンケンレポート」でもそれを謳っており、上記の記事でも新たに「50人の雇用も予定」している。
   2018年サンケン電気の有価証券報告書を読むと、サンケン電気が「アドバンスパワーデバイステクノロジー」というソウルの会社に株式51%を保有したことが掲載されている。この会社の株式49%はシリコンワークスという会社が持っている。シリコンワークスは有機ELテレビモニターやアイフォン画面などに使われる有機ELパネル用駆動ICを製造している会社でLG系列の企業だ。2020年5月の『ニュースウェイ』によると、LGはサムソンには届かないものの、2年前にLG会長に就任したオーナー一族4世のク・グァンモ(満42歳)氏のプライドをかけた半導体事業でこの会社を作り、業績は右肩上がりだ。ちなみにLGは、娘や嫁に事業を分けるサムスンや、外部の人材を経営陣に置くヒュンダイ(現代)財閥と異なり、息子のみに事業を継承させることで有名だ。
   もう一度言うが、サンケン電気は決して韓国から撤退するのではない。むしろLGと一緒になって、韓国での販売や研究開発も強化しようとしている。そのために着々と他企業の株式を取得し、別会社を買収し、資本投入を行っている。その一方で現存する100%子会社の韓国サンケンは作られた「累積赤字」を理由に潰そうとしているのだ。
   その目的はどこにあるのか。それは、民主労総傘下の金属労組に属する韓国サンケン労組を根こそぎ引き抜き、会社ごと廃業させることにより、労組を無力化させようとする組合つぶしに他ならない。
   労働者のクビを切り落とし幸せな家庭を壊すサンケン電気による韓国サンケンの「清算」なるものの裏には、韓国のLG財閥の裏事情と日本のサンケン電気の思惑がマッチした資本の結びつきにより巧妙に仕組まれたシナリオがあったのだ。
   資本が結び付くなら、私たちがつながって行こう。日韓労働者、民衆の連帯が求められる理由が正にここにある。
                                                                                              (2020年11月14日記)

 4

        ▲2020年10月7日、韓国国会前で訴えるキム・ウニョン副支会長

       5

        ▲2020年10月11日、東京池袋、サンケン電気東京営業所前で

【当面の行動】

サンケン電気は韓国サンケンの解散を撤回しろ!12 ・20 デモ

◆日時:12 月20 日(日)
    午前11 時集合、12 時デモ出発
◆集合:新座市三軒屋公園
   (東武東上線志木駅南口より歩6 分、埼玉県新座市東北2-28-5 
     新座市東北コミュニティーセンター隣)

主催:韓国・金属労組慶南支部 韓国サンケン支会
   韓国サンケン労組と連帯する埼玉市民の会
   韓国サンケン労組を支援する会
連絡先:東京都台東区上野1-12-6-3F
    中小労組政策ネットワーク気付
    090-1805-8630(尾沢)

<スローガン>
サンケン電気は韓国サンケン労組との団交に応じろ!
韓国サンケンの偽装廃業を許さないぞ!
サンケン電気は韓国サンケンの正常稼働を行え!
韓国労働者の全員解雇を許さないぞ!
韓国サンケン労組と連帯して闘うぞ!
日韓連帯で勝利するぞ!

 

« 韓国大法院判決から2年 10.30日本製鉄・三菱重工本社への抗議要請行動にご参加を | トップページ | ●菅新政権と日本情勢 (12.18韓国進歩連帯との日韓ZOOM会議での日本側発題) »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

集会・行動の報告」カテゴリの記事