●9.15日朝ピョンヤン宣言22周年集会の報告
9月15日午後、東京・文京区民センターにおいて日朝ピョンヤン宣言22周年集会(ストックホルム合意から10年)が開かれた。三連休の真ん中の日曜で、翌日には反原発大集会が予定されるはざまの設定だったが150人の人々が参加した。
昨年来、岸田首相が「前提条件なしの日朝首脳会談」を呼びかけ、朝鮮側もこれに留意する反応が一時見られたが、結局、安倍政権以来の「拉致の解決なくして国交正常化なし」など硬直した対朝鮮姿勢のままであることが分かり、朝鮮側が「一切の交渉拒否」を表明し転換する中での集会となった。集会はこうした状況を打開し、国交正常化交渉のまっとうな道を求めるものとして設定された。
集会では、和田春樹・東大名誉教授とジャーナリストで前参議院議員の有田芳生さんが講演した。
最初に和田さんが「日朝国交正常化はなぜ必要なのか-どうしたら可能になるか」をテーマに講演。
和田さんは、①隣国と正常な国交を持てない日本は異常、情けない国、②しかも今日日朝間は開戦一歩手前の敵対関係にされている、③日朝交渉はどう試みられ失敗してきたか、④安倍政権後も後継首相たちは「救う会」のブルーリボンをつけた安倍のオウム、➄朝鮮はプーチンの衛星国になりたくはなく対日正常化を望んでいる、⑥現在日本には国交正常化の声を挙げる運動がない、⑦日朝交渉を開くために必要なこと—-などについて縦横に語った。
続いて、有田さんが「日朝交渉はなぜ進まないのか—-打開の道を探る」をテーマに講演した。
その中で有田さんは、岸田政権の水面下交渉--その成果と挫折、拉致対策本部の役割と歴史的経過などを明らかにした。また朝鮮側から田中実さん、金田龍光さんら2名の生存情報がもたらされたにも関わらず、安倍「拉致三原則」の「全員生存・全員即時一括帰還」に固執して無視・黙殺し続けてきた安倍・菅・岸田政権の「冷血」ぶり、さらに朝鮮側の調査報告書を日本側が受け取らず交渉を決裂させたことなどを指摘した。そして「国交正常化させたくない、あわよくば朝鮮を崩壊させたい」とする勢力と対峙しながら、一歩でも日朝関係を進めることが必要だと強調した。
集会は最後に、韓国の8.15平和行動の映像とともに送られてきたハン・チュンモク韓国進歩連帯常任共同代表からの平和と連帯のビデオメッセージが会場に流され、全体で確認し終了した。
2024 9・15日朝ピョンヤン宣言22周年集会 賛同団体⇒個人一覧(50音順9/13現在)
【団体】731部隊と日本軍の毒ガス問題を追求するABC企画委員会、強制動員問題解決と過去清算のための共同行動、キリスト者平和ネット、研究所テオリア、「憲法」を愛する女性ネット、神戸国際基督教会、子どもと教科書全国ネット21、在日韓国民主女性会、在日韓国民主統一連合、(社)高史明・岡百合子・岡真史アーカイブ、新社会党中央本部、スペース21、朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会、朝鮮文化研究会、日韓民衆連帯全国ネットワーク(日韓ネット)、日朝協会、ぴ~す・め~る、ふぇみん婦人民主クラブ、婦人民主クラブ、本郷文化フォーラムワーカーズスクール(HOWS)、許すな!憲法改悪・市民連絡会 【個人】青柳清美、秋山淳子、浅井健治、池上仁、石岡イツ、石下直子、伊地智恵子、井上好子、大谷猛夫、大友陽子(主婦)、小田川興(在韓被爆者問題市民会議)、小野達雄、奥村律子、尾澤邦子(日韓ネット・ノレの会)、尾澤孝司(日韓ネット)、小野信也(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)、片山光広、金塚康博、川浪寿見子、北川広和(日韓ネット・「日韓分析」編集)、北原れい子、金性済(日韓和解と平和プラットフォーム書記)、桑原輝子、権龍夫、近藤ゆり子、斉藤登茂子(カトリック東京正義と平和の会)、坂本史子(元目黒区議)、坂本美幸、佐藤邦也、芝崎眞吾、宋世一、高梨晃嘉(日朝国交正常化を求める神奈川県民の会)、高野孟(「THE JOURNAL」論説主幹)、高橋昭子、高橋華枝、高柳允子、竹腰英樹(平和の物販担当)、谷口洋子、武田隆雄(日本山妙法寺 僧侶)、寺尾光身、土松克典(日韓ネット・HOWS)、冨田一彦(新社会党)、トヨマキキヌコ、中村知明(郵政ユニオン)、西賢一、蜂巣裕人、花村健一、番場明子(ぴ~す・め~る)、飛田雄一(神戸学生青年センター)、平山茂、福島博子、松浦賢治、森内慎一郎、森本孝子(朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会共同代表)、矢野秀喜(強制動員問題解決と過去清算のための共同行動)、吉沢公良(荒川住民ひろば)、吉原真次、梁大隆、渡辺一夫(韓国良心囚を支援する会全国会議代表)、渡辺健樹(日韓ネット共同代表)、渡辺多嘉子、渡辺吉男 【匿名希望】3名