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カテゴリー「9・17ピョンヤン宣言集会報告」の7件の記事

2017年9月23日 (土)

【講演詳細】9・16集会 纐纈厚・山口大名誉教授のレジュメから

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日朝ピョンヤン宣言15周年 朝鮮半島と東アジアの平和を求める9・16集会

南北朝鮮の和解と統一を阻むもの

~アメリカの覇権主義と追随者たち~

 

                                  Rep.纐纈厚

                                                                                                                         .朝鮮分断の歴史過程~日本の朝鮮植民地支配を出発点として

 

1)歴史の事実から

 

〇日本敗戦過程のなかで:

「ポツダム宣言」(1945.7.26.)連合国側、特にアメリカの思惑と違い日本受諾拒否(1945.7.27.)を躊躇連合国の日本降伏計画に齟齬。アメリカ、原爆によりソ連を牽制(1945.8.6)ソ連対日宣戦布告(1945.8.8.)アメリカ、二度目原爆投下(1945.8.9.)

 

日本、「国体護持」を条件に降伏受諾(1945.8.10.)日本国内で降伏条件をめぐりクーデタ発生。「聖断」により決着(1945.8.14.)玉音放送(1945.8.15.)この一連の流れのなかで朝鮮分断方針は明示されず

 

〇アメリカによる日本占領計画作成(1945.8.10.-11)

占領計画の完成(1945.8.16.)アメリカの三省委員会(アメリカ陸軍はソ連による朝鮮全土の単独占領の可能性を阻止し、38度線での分断方針を構想

 

⇒何故、38度線なのかに就いては諸説あり

 日清戦争後、朝鮮半島をめぐり緊張関係を高めていた日本とロシアが1896に、38度線を境界線朝鮮分断を画策。同様に1903年にも朝鮮分断交渉を水面下で進め、交渉妥結に至らなかったことも含め、日露戦争が開始(1904)[1]

 日本の大本営が本土決戦に備えて38度線以北を関東軍の管轄とし38度線以南の朝鮮軍を大本営の直轄とした[2]

 

〇朝鮮植民地化政策のなかで:

1910822日、違法性の高い「朝鮮併合条約」により朝鮮の植民地化日本、朝鮮半島を大陸侵攻の橋頭保に

⇒第二次世界大戦終結後:フランスのように占領後、直ぐに独立が不可能であった背景があった。朝鮮臨時政府「大韓民国臨時政府」(中国上海で設立)の動向との関連、日本降伏に伴い機能不全に。日本敗戦(ポツダム宣言受諾)以後朝鮮戦争(1950.6.25.-1953.7.27.休戦協定成立)

 

 

2)戦後史研究から

 

〇分断を志向する米ソの角逐のなかで:

8月6日の広島、9日の長崎への原爆投下により、日本敗北が時間の問題となって以後、占領計画書作成過程の最終段階で米国の戦争指導者たちは、ソ連軍がこのまま進撃すれば朝鮮全土、北海道まで解放占領する勢いに危機感を強め、急遽、国務-陸軍-海軍3省委員会(SWNCC)のジョン・マックロイが2人の若い将校に隣室で朝鮮を分割する地点を見つけるようにと指示

 

⇒8月10日から11日にかけての深夜のことで、作業に与えられた時間は30分、2人は地図を見ながら、「アメリカ側に首都を含めることができる」という理由から、北緯38度線を選択、これが朝鮮において米ソ両軍によって占領されるべき地域として確定され一般命令第1号に含まれた

 

*この2人が30分の間に選んだ線が、36度線あるいは39度線ではなくて38度線だったのかについては以下の事実が参考されたのであろう。①日露両国が、1896年(日清戦争終結の翌年),38度線を境界線として朝鮮を分断する交渉した経緯があり、同様の交渉が再度、1903年(日露戦争の前年)にも行われた[3]

 

〇朝鮮植民地支配との関連性:

⇒日本の大本営が本土決戦に備えて38度線以北を関東軍の管轄とし、38度線以南の朝鮮軍を大本営の直轄としたことから、日本敗北後、関東軍がソ連に、朝鮮軍がアメリカにより武装解除された経緯から、38度線以北を事実上ソ連に、以南を事実上アメリカの支配権下にすえおくことになった[4]

 

⇒38度線提案が出され、38度線条項を含む一般命令が討議されている間にソ連軍は19458月12日朝鮮北部に入り進撃、8月15日には千島攻撃を開始する予定だったが、米軍はまだ沖縄に留まっていた(九州上陸作戦の予定は194511月1日であった)

 

⇒一般命令第1号は、19458月15日マッカーサ元帥に打電され、ソ連にも打電されたが、スターリンは、翌日ソ連軍による北海道北半部占領を提案し米国から拒否されたが、ヤルタ秘密協約遵守の言質を与えられたこととの引き換えに38度線分断を黙認

 

⇒8月15日に日本政府は、天皇の権威でやっと軍部の抵抗を抑え込み、天皇が戦争終結の放送をし、全日本軍に戦闘停止命令を発した。38度線条項を含む一般命令第1号は1945年9月2日、マッカーサ元帥によって発せられた。

 

.今 韓国で何が起きているのか~韓米同盟への見直し求める動き

 

1)韓国国内での新たな動き

 

〇アメリカのためだけの同盟:

Is this an alliance? Get lost with your THAAD!(これが同盟なのか。サードを持って消えろ!)=韓国の人々がアメリカ政府やアメリカ軍基地に向け、口々に叫んでいるスローガン=不平等な韓米関係と従属的な韓米同盟の見直しを希求する切実な声

 

⇒韓国国内では、文在寅大統領の下、「6・15南北共同宣言」への見直しの機運が高まる

 

〇韓米同盟の見直しを迫る:

2000613日から金大中大統領と金正日国防委員長との首脳会談が行われ、「六・一五南北共同宣言」を発表=「自主的解決」による統一及び韓国の「連合制案」と北朝鮮の「連邦制案」の共通性を相互に認め合うこと等を骨子とし、南北朝鮮が自主的平和的統一への方向で共同歩調を採ることを合意

 

2007102日から開始された盧武鉉大統領と金正日国防委員長との首脳会談後に発表された「10・4宣言」も含め、韓国では所謂「6・15時代」を取り戻そうとする運動が活発化=韓国が対米従属路線から脱し、主権を回復する運動とも位置付けられる

 

韓国の主権を回復することが切望され、韓国政府とこれを支える韓国国民が団結して、「6・15南北共同宣言」以来、両国間で検討されていた統一方式の共通性を土台とする統一国家構想の具体化に向けて歩みだす機会との位置づけ

 

 

2)「戦闘なき停戦」の時代をどう捉えるのか

 

〇米朝間の歩み寄りの時代から相互批判・対立の時代へ:

北朝鮮の核開発プログラムの凍結を取り決めた米朝枠組み合意」(1994年10月21日)が成立。2003年に決裂するまで10年近く継続。アメリカ韓国・北朝鮮・中国ロシア日本の六ヵ国から構成された北朝鮮の核開発問題に関し、解決のため関係各国外交当局の局長級担当者が直接協議を行う「六者協議」が、20038月から20073月まで北京を協議場に、合計6(合計9次)開催

 

〇合意や協議が破綻した理由は何か:

六か国間の軋轢の深刻化=日本と韓国及び中国とは、領土問題や歴史問題で相互不信に陥り、アメリカとロシアとはシリア問題等で険悪化し、日本と北朝鮮はミサイル発射実験などで冷却化

 

アメリカの北朝鮮政策の硬直化:である。これに日本も韓国も追随し、加えて中国の北朝鮮への影響力も薄らぎ、ロシアも具体的な手を打てず、傍観者的な立場に

 

〇「戦闘無き停戦」の本質としての〝戦闘なき戦闘〟状態の恒常化:

アメリカは休戦協定(第13d項)違反を侵しているだけでなく、北朝鮮侵攻計画「5015計画」を決定(2016.6.

 

繰り返される米韓軍事合同演習の実態=「戦争のように演習し、演習のように戦争する」事実上の戦争⇒北朝鮮の経済・工業・教育など全ての分野に消耗を強いる目的(今回の演習も北朝鮮で始まった稲の収穫期と合わせた農業・食料生産の削減を意図)

 

アメリカ軍が韓国軍を巻き込んで実施する米韓合同軍事演習は、軍事演習の範疇では捉えきれないもので、事実上〝演習〟という名の戦争である。」(ジョン フェッファー栗原泉他訳〉『アメリカの対北朝鮮・韓国戦略』明石書店、2004年)

 

米軍関係者による恫喝の繰り返し=cf.金正恩がソウルを砲撃すれば、米空軍の核爆撃機による〈クローム・ドーム〉作戦で北朝鮮は地球上から消えてしまうだろう(前米空軍合同参謀本部次長トーマス・マッカーニ予備役中将の発言)

 

 

 

Ⅲ.アメリカの北朝鮮恫喝政策が「脅威」の根源 

 

 

1)アメリカによる「二重の恫喝」

 

〇アメリカによる南北朝鮮同時的恫喝:

北朝鮮には米韓合同軍事演習と核戦略で、韓国には韓米同盟の履行を迫る意味で、アメリカは南北朝鮮を同じ「鳥の籠」に押し込めている

 

韓国の政府も国民も実は強く認識しているが、南北朝鮮分断の固定化が、アメリカの利益に叶うと考えている

 

〇歴史を跨いでの〝植民地支配〟の継続:

戦前期朝鮮は日本による35年間に及ぶ植民地支配を受け、戦後は1951年以降、アメリカによる、事実上の〝植民地支配〟(新植民地)を受け、それを担保するものとして米韓安保・米韓地位協定を締結(日本も同質)

 

「国際内戦」と称される朝鮮戦争は、脱植民地の戦争ではなかったのか、という問いが発せられていることの意味(米ソ冷戦体制は、アジアにおける植民地支配の継続を担保)=朝鮮戦争(1950-53)を〝脱植民地戦争〟と把握する視点が意味するもの

 

〇自主的平和的統一とは、〈復元〉ではなく〈創造〉であること:

休戦協定締結以後、南北朝鮮は1972年の「7・4南北共同声明」で祖国統一の三大原則に合意し、1991年には「南北基本合意書」を取り交わし、南北関係を国家と国家の関係でない統一を志向する関係と規定

 

分断の歴史的性格からして、朝鮮統一とは分断以前の状態へ単に復元することではなく、統一とは朝鮮民族固有の歴史と文化とを踏まえ、新たな国家を創造すること

 

 

2)休戦協定を潰したアメリカ

 

〇最初に休戦協定を潰したのはアメリカ:

休戦協定第13節d項=南北朝鮮が損傷を受けたり、使い古した装備の再配備以外には朝鮮に新しい武器を持ち込むべきではないと規定。事実上、核兵器とミサイルの持ち込みを禁じていた

 

19569月、アメリカのアーサー・W・ラドフォード統合参謀本部議長は、アメリカ政府内部でアメリカの軍備増強として朝鮮に核兵器を持ち込むことになると主張、アイゼンハワー大統領の承認を得た。

 

1957621日、在朝鮮国連司令部軍事休戦委員会の会合でアメリカは北朝鮮代表団に国連軍(UNC)は最早休戦協定第13節d項に対する義務を負わないと表明

 

19581月、W7などの核砲弾が発射可能のMGRI(オネスト・ジョン)、W9/W31、核砲弾発射可能のM65 280mmカノン砲が韓国に配備

 

〇北朝鮮からは平和協定締結への繰り返しの提案[5]

1970年代:朝米間平和協定締結案、1980年代=韓国を含めた米朝韓間三国による平和協定案、1990年代:新しい平和保障体系樹立提案、2007104日、停戦協定関係国が集い、戦争終結を宣言する問題を推進することについての提案、20101111日:朝鮮戦争勃発60年になる年に停戦協定を平和協定に変更するための会談を速やかに開始することについての提案

 

201336日、朝鮮人民軍最高司令部スポークスマン声明=「停戦協定の効力を全面的に白紙化する」と宣言

 

最近における弾道弾迎撃ミサイル・システムであるTHAADミサイルTerminal High Altitude Area Defense missile)の配備に至るまで、アメリカは核兵器やロシア・中国・北朝鮮を対象とした攻撃・迎撃兵器を朝鮮半島および日本を含め地域周辺に大量に持ち込み続ける。

 

〇繰り返される南北朝鮮間の軍事衝突:

真相は定かではないものの、韓国海軍の大型哨戒艦「天安」沈没事件2010326)、北朝鮮人民軍の多連装ロケットBM21北朝鮮名BM11によると思われる砲撃が、韓国領土内の延坪島に向けて発射され、韓国軍も応戦した事件が発生した。こうした南北間の緊張関係が増幅する傾向

 

 

3)アメリカがアジアでの軍事プレゼンスに執着する理由は何か

 

〇親米国家の再生産による世界覇権主義の貫徹:

⇒アジア(韓国・フィリピン・インドネシア等)、ラテンアメリカ(アルゼンチン・チリ・ブラジル等)、中東(イラク・リビア等)の親米軍事独裁政権を支援し、その限界性が露呈されると見るや、表向きには「親米民主政府」、実際上には「民主的独裁」とも呼称し得る政権形成に奔走

 

⇒アメリカからの自立志向を仄めかす親米国家指導者への干渉と恫喝=cf.田中角栄(中国への自立的接近)、小沢一郎・鳩山由紀夫(在日米軍有事駐留論)らへの干渉と失脚を誘導

 

〇アメリカの本音は何処にあるのか:

⇒アメリカ外交の常套手段は分断政策=かつてユーゴスラビアを解体し、続けてチェコスロバキア・中央アフリカ・イラク・シリア・スーダンと事実上の分断による内紛の常態化政策を直接間接に実行

 

1997年成立の「アメリカ新世紀プロジェクト」Project for the New American Century, PNAC)は、アメリカ第一主義を掲げるアメリカの権力集団が、アメリカ主導の朝鮮統一を目途とし、朝鮮半島全域にアメリカの軍事力プレゼンスを展開。アメリカの意向を汲んだ統一朝鮮が、新たな経済収奪対象地域と算定

 

韓米同盟も日米同盟も、南北朝鮮の自主的平和統一の阻害要因。段階的であれ同盟関係の緩和から、さらには解消のプログラムの構築が大胆に検討されるべき

 

 

4)作為された〝脅威論〟の果てに

 

〇〝脅威論〟の実際は、「作為された脅威」であること:

〝脅威〟がアメリカの朝鮮半島における軍事プレゼンスを正当化するために利用されていること、そして、日本では安倍首相の言う「東アジアの安全保障環境が変わった」という言辞によって、集団的自衛権から安保関連法、さらには共謀罪まで次々に法制化されていく外交軍事政策の口実にされていることが、実は平和を希求する人々にとって、本当の脅威であること

 

防禦的抑止力の向上を目的に、北朝鮮は今後もミサイル発射実験を繰り返すことは充分に予測されるが、それはアメリカの具体的な侵攻作戦が発動されない限り、先んじて動くことはあり得ない。

 

日本本土に落下した場合に備える訓練が各地で企画実践されているが、それはある種の政治プロパガンダの一環として地方自治体や住民を巻き込んで、所謂脅威の実態化に懸命。極めて悪質なプロパガンダである。

 

作為された「脅威」が日本や韓国を含め、アジア全域の人々にとっては実際の脅威

 

 

.分断状態の清算と南北統一に向けて~平和実現を阻むものは誰か

 

 

1)繰り返される戦争挑発の背景

 

〇分断固定化の利益構造:

⇒分断の固定化を意図するアメリカの思惑⇒朝鮮半島を不安定化することにより、アジアにおけるアメリカのプレゼンスを堅持し、常時介入路線を正当化する⇒今回のカールビンソンを旗艦とする機動部隊による恫喝行為もその象徴的事例

 

〇米韓合同軍事演習の意図:

米韓両軍は2017年3月1日、北朝鮮の脅威に備えた定例の合同野外機動訓練「フォールイーグル」を開始、昨年の訓練には、米軍約1万7000人、韓国軍30万人以上が参加したが、今回も同程度かそれ以上の規模で実施⇒共和国は臨戦体制化を強いられ、軍事領域以外にも防衛体制が敷かれる(経済・教育などの諸領域に影響)

 

〇日本自衛隊も合同軍事演習に参加:

⇒朝鮮半島の緊張が高まる東アジアで日米韓が合同演習。日本はヘリ空母型護衛艦「いずも」(満載時24000トン、長さ248m)、アメリカは空母カールビンソン(10万トン、長さ333m)(日本は今までより大きな役割を果たす。南シナ海にも、海上自衛隊が最大級の護衛艦「いずも」などを派遣

 

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                いずも                   

Photo_2               カールビンソン

                  

日本とアメリカ、韓国の3カ国は14日から2日間の予定で日韓両国の近海で弾道ミサイル防衛の合同訓練を開始⇒日本もより大きな役割を担う

 

2)米韓合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン」

〇演習の実態:

⇒8月21日~31日まで実施:演習には米軍1万7500人、韓国軍5万人が参加、以前は乙支フォーカスレンズ을지 포커스 렌즈Ulchi-Focus Lens)と呼ばれていたが、当時2012年に予定されていた戦時作戦統制権の韓国軍への転換に備えるために2007に改称、韓国軍が主導しそれをアメリカ軍が支援する形で実施[6]

⇒アメリカ軍は北朝鮮が米韓合同軍事演習にあわせて挑発してくる可能性が高いと判断して、今月21日から24日にかけて行われる米韓合同軍事演習の「乙支フリーダムガーディアン」の際に空母2隻を展開

⇒空母2隻に随伴する、イージス巡洋・駆逐艦10隻以上、原子力潜水艦3隻以上、戦闘機160機以上とトマホーク巡航ミサイル100発以上の戦力を保有

 

        <カールビンソン()とロナルド・レーガン>

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.繰り返される共和国への戦争挑発~事実上の戦争の常態化

 

1) 北朝鮮侵攻作戦計画の変容

 

〇在韓米連合軍に何が起きているのか:「5027」から「5015」へ[7]

 

⇒作戦計画「5015」(2016.6.韓米連合司令官兼在韓米軍司令官署名)、韓米安保協議会(SCM)が朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国と略す)の戦略転換に対応して作成した作戦計画で当初は戦時作戦統制権(戦作権)の転換予定に伴う措置、結局は戦作権の転換は2020年代まで延長となったが「5015」はそのまま履行

 

 

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              図をクリックすると拡大します

 

〇)作戦計画「5027」と「5015」の違い:

⇒朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国と略す)の侵攻阻止に集中するのではなく、全面戦争開始前に迅速かつ積極的に北上侵攻作戦を進め、北朝鮮の壊滅を意図する作戦計画⇒北朝鮮は、これに共和国は「7日戦争計画」で対応戦略を準備⇒「5015」は、「5027」と共和国国内の急変事態に対応する「5029」などの総合作戦計画と捉えておくのが合理的

 

⇒韓国国防省は計画で、共和国の核・ミサイル施設に先制攻撃を加える防衛システム「キルチェーン」と、独自の韓国型ミサイル防衛(KAMD)の構築に向けた予算を優先的に配分

 

⇒韓国国防軍は日本自衛隊と同様に日米韓三国軍事同盟の強化路線を敷く

 

 

2)朝鮮半島の平和構築の方途は

 

〇自主的平和的統一のための戦略:

朝鮮民族の主体性を尊重し、外圧・恫喝など軍事的かつ非平和的手段を拒否するなかで、南北朝鮮の融和と友好関係の阻害要因を段階的に除去すること。その意味で以下の金正恩氏の発言の意味を確りと受け止めるべきであろう

 

5000年の悠久の歴史と燦然たる文化を誇る朝鮮民族が、70余年の長きにわたり外部勢力によって分断の苦痛と辛酸をなめているのは、これ以上たえることのできず容認できない民族の恥です。国の分断が持続すればするほどわが同胞がこうむる被害と災難は重なり、朝鮮半島における戦争の危険は増大し、しまいには民族的惨禍をまぬかれないでしよう。国と民族がそれぞれ自己の利益を前面におしだし、きそって発展を指向しているとき、朝鮮民族が北と南にわかれていまなおおたがいに反目し対決しているのは、みずから民族の統一的発展をはばみ、外部勢力に漁夫の利をあたえる自殺行為です。これ以上民族の分断を持続させてはならず、われわれの世代にかならず祖国を統一しなければなりません。[8]*傍線引用者

 

北と南が統一の同伴者としてたがいに尊重し、協力していくためには、相手方を刺激する敵対行為をとりやめなければなりません。相手側にたいする敵対行為は不信と対決を助長し、関係の改善をさまたげる主な障害です。[9]

 

〇南北和解の第一歩を築くために:

大韓民国(韓国)の対米従属政治から脱却し、在韓米軍の撤退を求め、米韓安保廃棄への方途を示すことが不可欠

 

⇒そのためは日本も対米従属・日米同盟強化論・日米安保を段階的解消に向けて取り組む必要性⇒韓米安保・日米安保の段階的解消を通して、南北朝鮮及び日朝関係の戦略的和解の方向性を希求していくことが重要

 

日本の姿勢として、徒にアメリカに追随する姿勢から、主体性を取り戻すことが肝要、日韓・日朝関係改善のためには、朝鮮支配の歴史を見据えなおし、あるべき歴史認識を深めていくことが急務


[1] ブルース・カミングス〔鄭敬謨・林哲・加地永都子訳〕『朝鮮戦争の起源1 1945-1947年  解放と南北分断体制の出現』(明石書店、2012年)、181頁。

[2] 大森実『戦後秘史』第8巻、講談社、1981年、48頁。

[3] ブルース・カミングス前掲書、181頁。

[4] 前掲『戦後秘史8 朝鮮の戦火』、48頁。

 

[5] 『労働新聞』201336日付。以下、北朝鮮の停戦協定への構えについては、高一「朝鮮戦争とその後:北朝鮮からみた停戦協定体制」((成蹊大学アジア太平洋研究センター編刊『アジア太平洋研究』No.39,2014)を参照。

 

[6] 乙支とは高句麗将軍である乙支文徳から命名。

[7] 「東アジアの平和を求め岩国基地強化と韓米合同軍事演習に反対する日韓共同アピール」(基地と平和を考えるフォーラムin岩国 2017.2.18.)では、「きたる3月上旬から4月にかけて韓米合同軍事演習「キー・リゾルブ」・「フォールイーグル」が行われようとしています。昨年(注:2016年)の同演習は、朝鮮民主主義人民共和国に対する先制攻撃と体制破壊をも想定した「作戦計画5015」にもとづいて実際、史上最大規模となりました。このような演習は、朝鮮半島の軍事緊張と戦争危機を極度に高め、東アジアの平和を阻害するものに他なりません。」と記し、「5015」の意図を明確に指摘している。但し、ここで言う「先制攻撃」とは、北朝鮮の核・ミサイル発射の兆候があれば、30分以内に「先制攻撃」するものであって、そうでない場合は必ずしも想定されていない。韓国国防軍の対北朝鮮作戦計画「キルチェーン」(Kill Chain)の基本概念もそうである。そこでは特に米韓合同軍事演習に典型的にみられるように〝誘発〟や〝挑発〟の軍事・宣伝行為が絶えず繰り返されていることは抑えておくべきであろう。

[8] チュチュ思想国際研究所編『金正恩著作集』第二巻、白峰社、201718日刊、188頁。

[9] 同上、194頁。

 

2017年9月17日 (日)

●【速報】9・16日朝ピョンヤン宣言15周年集会開く

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 9月16日夜、東京・文京区民センターに雨の中約150人の人々が結集し、「日朝ピョンヤン宣言15周年 朝鮮半島と東アジアの平和のための9・16集会」が開かれた。

 集会では、渡辺健樹さん(日韓ネット共同代表)が主催者挨拶。

続いて纐纈厚・山口大学名誉教授が登壇し、「南北朝鮮の和解と統一を阻むもの-アメリカの覇権主義と追随者たち」と題して講演。①戦後の朝鮮半島の南北分断が日本の朝鮮植民地支配に起因していること、②韓国内の民衆の闘い、③アメリカの朝鮮恫喝政策が「脅威」の根源、④平和実現を阻むものは誰か、⑤繰り返される朝鮮への戦争挑発、⑥朝鮮半島の平和構築の方途-などについて詳しく話された。【講演の詳細内容は後日掲載】

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                    纐纈厚さん

 休憩をはさみノレの会から、8月に参加した「徴用工像とともに 仁川(インチョン)平和文化祭」の映像が流され、さらに「リムジンガン(臨津江)」を参加者とともに合唱した。

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                            熱唱するノレの会

 

続いて、この間の朝鮮高校への「無償化」差別裁判の広島・大阪・東京など各地の判決について、長谷川和男さん(「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会共同代表)が特別報告を行った。長谷川さんは「大阪地裁判決はまっとうな、当たり前の司法判断で勝利したが、広島・東京地裁では原告の訴えを一顧だにしない、政府の差別政策と小理屈を司法が追認した不当判決が出された。これを日本人が許していることが問題であり、日本人の歴史的責任が問われている。戦後、困難の中で営々と築かれてきた朝鮮学校の素晴らしさを広く伝え、世論を変えていくことが必要だ」と訴えた。長谷川さんは、この間全国の朝鮮学校への激励行脚を行っており、今回スケジュールを調整して参加してくれた。

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                  長谷川和男さん

  集会は各団体からのアピールに移った。

辺野古の新基地建設をめぐる緊迫した状況と闘いについて大仲尊さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック共同代表)、「慰安婦」問題の日韓合意の問題性と闘い、石垣島の慰安所で亡くなった朝鮮人被害者の碑建立の経過などについて中原道子さん(VAWW RAC共同代表)、この間の朝鮮半島の平和のための取り組みと改憲阻止の闘いについて高田健さん(許すな!憲法改悪・市民連絡会)、キャンドル行動と新政権成立以降の韓国の現状と民衆の闘いについて宋世一さん(ソン・セイル=在日韓国民主統一連合副議長)が、それぞれの課題での提起を行った。

これらを受け、最後に「集会アピール」を全体の大きな拍手で確認し終了した。

P1010393_640x480                   大仲尊さん
P1010395_640x480                   中原道子さん
P1010397_640x480                    高田健さん
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                         宋世一さん

日朝ピョンヤン宣言15周年

朝鮮半島と東アジアの平和を求める

16集会アピール

 

今、朝鮮半島の軍事緊張は極度に高まり、一触即発の状態が続いています。米国はサードを韓国に配備、史上最大の米韓合同軍事演習を繰り返し、朝鮮側は核実験やICBMなどの発射実験でこれに対抗しています。

         朝鮮半島の緊張の根源と平和への道

日本では一方的に「朝鮮の脅威」のみが煽られていますが、これは誤った見方です。

朝鮮戦争の停戦協定から今年で64年にもなりますが停戦状態のまま大規模軍事演習で絶えず軍事的威嚇を加えてきたのは米国です。

この米国の軍事的圧迫が朝鮮を核・ミサイル開発に向かわせたのです。                      

 朝鮮半島の緊張状態を平和の方向に転換させるためには、米国が大規模軍事演習を停止し、朝鮮も核・ミサイル開発を停止する「相互停止」がまず必要です。そして対話により現在の停戦状態から平和協定締結に向かうことです。これは朝鮮戦争当事者である米朝の義務であり、朝鮮半島非核化の近道でもあるのです。

しかし、これを拒み続けているのは米国です。ここに朝鮮半島の緊張の根源があります。

                 朝鮮半島の緊張利用する安倍政権

安倍政権は米国に追随して「対話より圧力」の旗を振り、朝鮮半島の緊張を煽り、それを最大限に利用して「戦争のできる国」作りを推し進めています。

戦争法に基づく自衛隊の米軍への戦争協力(集団的自衛権行使)拡大、「共謀罪」の強行成立、そして憲法9条の改悪にまで手を付けようとしています。これを絶対に許してはならないでしょう。

また日本政府が公然とおこなっている朝鮮高校への「無償化」差別に反対し、「無償化」適用を強く要求していきましょう。

                 日朝正常化と米朝平和協定の実現を

国交正常化を目指すことで合意した日朝ピョンヤン宣言(2002.9.17)に基づき、対朝鮮敵視政策を転換し、米国に対話と平和協定締結を促すことこそ、日本の取るべき道であり、日本の平和の道にも直結しています。その実現を目指して声をあげていきましょう。

 2017年9月16日 集会参加者一同

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 9・16集会呼びかけ・賛同一覧(9/16現在)                              順不同    

 

日韓民衆連帯全国ネットワーク、ピース・ボート、「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC)、許すな!憲法改悪・市民連絡会、反安保実行委員会、在日韓国民主統一連合、荒川住民ひろば、韓国良心囚を支援する会全国会議、憲法を生かす会東京連絡会、新社会党、新社会党東京都本部、スペース21、全水道東京水道労働組合、朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会、日韓平和連帯、日本カトリック正義と平和協議会、ぴ~す・め~る、本郷文化フォーラム・ワーカーズスクール(HOWS)、安達由紀、石井寛(韓国良心囚を支援する会全国会議事務局長)、伊藤英一、岩村義雄(神戸国際キリスト教会牧師)、上原成信(沖縄の老人・90才)、大畑龍次(日韓ネット)、岡田雅宏、尾澤邦子(日韓ネット・ノレの会)、尾澤孝司(日韓ネット)、小野信也(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)、片山光広、加藤加津子、加藤正姫(日韓ネット)、川見一仁、北川広和(日韓ネット・「日韓分析」編集)、北原れい子、近藤ゆり子、高史明(作家)、東風徹(韓国良心囚を支援する会全国会議)、佐藤大介(ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン)、高梨晃嘉(日朝県民の会・かながわ)、竹内宏一(日朝教育・文化交流をすすめる愛知の会事務局長)、武田隆雄(日本山妙法寺僧侶)、塚本春雄(横浜事件国賠を支える会)、寺尾光身、土松克典(日韓ネット)、冨田一彦(新社会党)、中村知明(郵政ユニオン本部書記長)、永好和夫(ボランティア)、成川晃、原崎敏、番場明子(ぴ~す・め~る)、布施由女、正木峯夫、森本孝子(東京朝鮮高校生裁判を支援する会事務局)、矢野秀喜、山田昭次(歴史研究者)、横原由紀夫(東北アジア情報センター運営委員)、吉原真次、渡辺一夫(韓国良心囚を支援する会全国会議代表)、渡辺健樹(日韓ネット共同代表)、渡辺吉男 【匿名希望1名】

 

2015年9月15日 (火)

●9・13ピョンヤン宣言13周年集会の報告

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 913日、東京文京区のアカデミー茗台で「ピョンヤン宣言13周年 日朝国交正常化を求める913集会」が開かれた。戦争法案に反対する連日の国会行動や前日には辺野古新基地建設に反対する国会包囲行動が取り組まれるなど、連続的な行動の合間を縫うような集会設定となったが約120人の人々が参加した。

集会では、はじめに渡辺健樹さんが主催者あいさつ。「戦後70年という節目の年に安倍政権は戦争法案をごり押しし、安倍談話で過去の加害責任をあいまいにした。日本の大きな岐路の中で、これらの動きに反対し、侵略・植民地支配の反省の上にアジアの人々と対話と交流による友好関係を築くことこそ進むべき道だ。その中で日朝間では過去清算はおろか国交すらない異常な状態が続いており、日本人としての歴史的責任を込めて一刻も早い国交正常化を目指そう」と訴えた。

 

高嶋伸欣・琉球大学名誉教授が講演

 

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 続いて高嶋伸欣・琉球大学名誉教授が「拉致問題で歪む日本の民主主義-日朝ストックホルム合意と安倍政権」と題して講演を行った。

 高嶋さんは、まず「安倍首相が拉致問題の解決に対する熱意を喪失しているのではないかという指摘がある。会員制情報誌「選択」(20155月号)によれば、今年春の段階で『官邸は拉致問題を放棄していた』という。安倍首相は、拉致問題はこれ以上展望が開けず、自らの支持率向上につながる劇的な成果はあげられないと見切っているようだ。マスコミはこのようなことを報道しない。それを報道されたら『北朝鮮がけしからんという世論をつくらなければ』などと攻撃されることが予想される今の社会状況が背景にある」「安倍首相が拉致問題に関する調査報告書でなければ受け取ってはならないと指示したとの情報もある。拉致問題以外の報告書を先に受け取ってしまっては立場が保てず、世論の批判を浴びてしまうという状況となっている。安倍政権が掲げる被害者の『全員帰国』という目標も日本側を自縄自縛に陥らせている」と指摘した。

そして「拉致被害者である地村保志さんはかつて、『そもそも北朝鮮による拉致事件はなぜ起きたかを考えると、その一つに戦後国交が正常化されていない日本との対立関係が背景にあるものと考えられる。そういった意味では拉致は戦争の延長、犠牲とも受け止められる』と語っている。福田康夫元官房長官も、拉致事件について『国交がない状況下において起こったというのが前提になる。戦争状態ではないが、戦争状態の継続のような状態にあった』と述べている。拉致問題がどういう状況の中で、何を発端として起こったのかということを、大局的に、冷静に捉えるべきだ。南北朝鮮は最近、話し合いを通じて軍事的危機を回避した。このような大局的な見地からのアプローチこそが求められているのではないか」と強調した。

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 休憩をはさみ、ノレの会の合唱に移り、韓国民衆歌謡<♪反戦平和の歌><♪ソウルからピョンヤンまで>-の2曲を熱唱した。とくに<♪ソウルからピョンヤンまで>90年代から韓国民衆の中で歌い継がれてきた曲で、≪ソウルからピョンヤンまでタクシーなら数万ウォンで行ける距離なのに、何故行けないのか。人類は月にまで行けるというのに光州より近いピョンヤンに何故行けないのか。わが民族の土地ピョンヤンへクラクションを鳴らして走ってみよう≫-という統一を願う歌で会場を盛り上げた。

非武装地帯を越えた各国女性たちの行動 高里鈴代さんが特別報告

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 続いて沖縄からのゲスト・高里鈴代さん(基地・軍隊を許さない行動する女たちの会共同代表)が特別報告を行った。

 高里さんは今年5月、世界各国の女性たち30人が、非武装地帯(DMZ)を通過して朝鮮半島を縦断し、朝鮮の統一と平和を訴えた「ウィメン・クロス・DMZ」に参加。

パワーポイントを使ってその時の模様やピョンヤンとソウルで開かれた国際平和討論会などの様子を詳しく報告した。高里さんはまず「朝鮮戦争の時、沖縄は占領下で米軍の派兵基地とされ、派兵された米兵が再び沖縄に戻った後、女性たちにすさまじい暴力をふるったこと、当時の沖縄の状況は戦争で甚大な被害を受けた朝鮮半島の状況と密接につながっていた」として、今回のプロジェクトに参加を決めたと話した。

Women_cross_dmz                 南側に到着した一行の歓迎集会(ハンギョレ新聞より)

 ウィメン・クロス・DMZは韓国系米国人の女性の強い思いから始まり、2人のノーベル平和賞受賞者をはじめ各国の女性たちに広がった。朝鮮半島の停戦状態を平和協定に転換させることなどを掲げ、南北分断と停戦状態のまま放置され続けている現実に焦点をあてるため徒歩で板門店を越える計画だった。しかし、韓国当局と国連軍司令部の反対で京義線に沿って陸路をバスで越えざるを得なかったが、北と南の市民の大きな歓迎を受け大きな成果があったことを報告した。北側ではピョンヤンとケソンの2か所で平和行進も行われ、沿道の人々から統一への熱望を肌で感じたという。

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 その上で高里さんは、日本の責任として「朝鮮半島を植民地支配し、分断と戦争の大きな原因をつくった日本は、米国に協力することで朝鮮戦争による莫大な利益を得た。そして今、安保法制や辺野古新基地建設のための口実として朝鮮半島情勢の緊張を利用している。朝鮮を『敵対国』というイメージを植え付けることで、自分たちがやってきたことを消し去ろうとしているのではないか」と批判した。そして「沖縄には裵奉奇(ペ・ポンギ)さんという元日本軍『慰安婦』の女性がいた。生前、『(故郷である)韓国を訪ねてみないか』と話を持ちかけられた時、彼女は『統一した故郷だったらね』という言葉を残した」

「沖縄が置かれた状況と朝鮮半島の状況は共通点も多い。朝鮮半島分断の大きな原因をつくった日本が、朝鮮半島問題に対してこれ以上『部外者』のようにふるまうことは許されない」と強調した。

Women_cross_dmz2                         左から3人目に高里さん

 集会は最後に、改憲・戦争法との闘いについて高田健さん(許すな!憲法改悪・市民連絡会)、日本軍「慰安婦」問題について山田恵子さん(VAWW RAC事務局長)、「高校無償化」差別との闘いについて森本孝子さん(「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会事務局)、在日韓国人元政治犯再審裁判について石井寛さん(韓国良心囚を支援する会全国会議事務局長)、韓国・南北関係の動向についてソン・セイルさん(在日韓国民主統一連合副議長)などからのアピールをうけ、今後の取り組みを確認し終了した。

 

2014年9月22日 (月)

●9・13ピョンヤン宣言12周年集会の報告

 5月の日朝ストックホルム合意で動き出した日朝交渉を前に、市民の側から声を挙げようと913日夜、「日朝ピョンヤン宣言12周年 動き出した日朝交渉-今こそ国交正常化へ!913集会」が文京区民センターで開かれ160人が参加した。

 

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 はじめに実行委員会を代表して渡辺健樹さん(日韓ネット共同代表)が基調報告。①日朝ストックホルム合意の誠実な履行を、②安倍政権はなぜ日朝合意したのか-安倍政権の狙いと日本民衆の立場、③日本の戦後責任と東北アジアの平和に直結する日朝国交正常化-の三つの柱から歴史と現状況を明らかにし、市民・民衆の闘いの方向として「安倍政権の集団的自衛権行使容認など『戦争のできる国』づくりや反人民的な政策に真っ向から反対しながら、同時に、安倍政権による日朝ストックホルム合意の履行を監視し、これに逸脱する場合は徹底的に批判しあくまで合意を履行するよう圧力をかけていく-このような闘いが求められている」「今こそ、日朝国交正常化の実現へ声を挙げよう!」と提起した。また来年の65年日韓条約体制50年、戦後70年を問う闘いの重要課題の一つとしていくことも明らかにした。

  基調報告全文「12.pdf」をダウンロード
  日朝ストックホルム合意全文「529.pdf」をダウンロード

イ・ヨンチェ氏が講演

 

 続いて、イ・ヨンチェ恵泉女学園大学准教授が「今なぜ日朝国交正常化交渉なのか-歴史と現状を読む」と題して講演。50年代からの日朝関係と東アジアの動向を分析し、①「韓流」と日韓・日朝関係の現状、②歪曲された日朝関係の歴史的構造、③朴槿恵政権の対外政策と日朝接近、④日朝交渉の課題と展望、⑤北朝鮮は本当に変化しているのか、⑥北朝鮮とどう向き合うのか-を柱に問題を提起した。

 

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 休憩を挟んで、後半のトップバッターとしてノレの会が「歌のようにステキな世界」「イムジン河」を熱唱し、会場全体を巻き込む歌声で大いに盛り上がった。

 続いて、西野瑠美子さん(VAWW RAC共同代表)が在朝鮮「慰安婦」被害者の実態、福山真劫さん(平和フォーラム共同代表)が在朝鮮被爆者の実態について報告した。

 

在朝鮮「慰安婦」被害者の実態を報告(西野瑠美子さん)

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 西野さんは、ピョンヤン宣言の過去清算部分では日韓請求権協定と同じ「経済協力方式」しか明記されていないが、第13回日朝交渉で朝鮮側が「一括妥結」だけでは不十分、「慰安婦」被害者等への個人補償を提起していることを指摘。河野談話でも在朝鮮「慰安婦」被害者の聞き取りもされておらず、「国民基金」の対象からも外されてきたとし、「今や『慰安婦』問題は韓国人『慰安婦』問題にすり替えられ、アジア各地の被害者への関心の疎外化が顕著になっているが、とりわけ北朝鮮に関しては意図的な沈黙が感じられる」と警鐘を鳴らした。そして、西野さんが直接取材した在朝鮮「慰安婦」被害者の具体的事例をパワーポイントの映像も駆使して紹介し、国交正常化と彼らへの謝罪・補償が急がれることを訴えた。

 西野さんの報告全文「9_13.pdf」をダウンロード

 西野さんの当日レジュメ「9_13_2.pdf」をダウンロード

在朝鮮被爆者の実態報告(福山真劫さん)

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 福山さんは、広島・長崎で被爆しその後朝鮮に帰還した人が約2000(推計)いたが、すでに亡くなっている人も多く朝鮮被爆者協会の2008年調査時点で生存者が382人いる現状を紹介。高齢化で健康悪化と生活不安の拡大、被爆2世・3世の問題など緊急な被爆者支援・医療支援が求められていることなど具体的事例を挙げて提起し、日朝国交正常化のなかで必ず解決すべき課題と指摘した。

 

 福山さんのレジュメ全文「fukuyama.pdf」をダウンロード

 

 集会はさらに、集団的自衛権に反対する取り組みについて土井登美江さん(許すな!憲法改悪・市民連絡会)、辺野古の新基地建設阻止に向けて大仲尊さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック共同代表)、朝鮮学校に「高校無償化」適用を求める取り組みを森本孝子さん(「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会)、来年の日韓条約50年を問う取り組みについて矢野秀喜さん(日韓つながり直しキャンペーン2015事務局長)、在日韓国人民主・統一運動についてソン・セイルさん(在日韓国民主統一連合副議長)からアピールを受け、最後に集会アピールを全体で確認して終了した。

 

韓国ハンギョレ新聞の報道(日本語版)

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/18255.html

韓国ハンギョレ新聞の報道(原文)http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/655081.html

 

9.13日朝ピョンヤン宣言12周年集会アピール

 私たちは、「日朝ピョンヤン宣言12周年 動き出した日朝交渉-今こそ日朝国交正常化へ!913集会」を開催し、日朝ストックホルム合意の意義と合意履行の重要性について明らかにした。日本政府は拉致問題だけに固執しているが、合意によれば、「日本側は……すべての日本人に関する調査を要請した」のであり、朝鮮側の特別調査委が調査を完了すれば、日本側は「信頼醸成と関係改善を目指す」ため、ただちにすべての制裁措置を解除して、日朝国交正常化交渉を日朝ピョンヤン宣言にのっとって前進させなければならない。過去清算に基づく日朝国交正常化は、日本の東アジア平和外交の第一歩である。私たちは、安倍政権に対して、この日朝合意を誠実に履行するよう強く要請する。

 日朝国交交渉では、集会で報告された在朝鮮「慰安婦」問題や在朝鮮被爆者問題にも焦点が当てられ、強制連行問題を含む個人補償問題が解決に向かうことが求められる。その実現こそが、来年、締結50周年を迎える日韓条約の抜本的見直しにもつながる。

 ところが、安倍政権は、朝鮮との協議に応じる一方で、朝鮮や中国の脅威を防衛白書などであおりつづけている。また、敗戦記念の式辞で安倍首相は、「加害責任」や「不戦の誓い」を意図的に外している。これは、集団的自衛権の行使容認の閣議決定にも見られるように、海外で戦争のできる国、つまり侵略戦争ができる国づくりを推し進めていることをあらわしている。私たちは、侵略戦争に突き進もうとする安倍政権の暴走を絶対に許さず、断固としてこれを阻止する。

 安倍政権はまた、国連人種差別撤廃委員会の最終勧告にもかかわらず、ヘイトスピーチに対する法的規制に取り組まず、朝日新聞の報道をきっかけに「従軍慰安婦はなかった」とするキャンペーンをマスメディアとともに展開し、朝鮮高校を無償化措置から除外する差別的措置をとりつづけている。

 安倍首相が、侵略戦争・植民地支配を否定する歴史歪曲発言を繰り返し、韓国人、朝鮮人、中国人に対する憎しみをあおる差別排外主義的言動をとっているのは、みずからの人権意識水準の低さと軍国主義への憧憬をさらけ出している。しかし、それだけではない。国民に海外での武力行使を容認させるためであり、詰まるところ国民を戦争に動員する狙いも込められている。

 私たちは平和を願う多くの心ある市民に呼びかける。

こうした安倍政権の人権無視・憲法破壊の諸政策に反対する国内の様々な闘いの連帯の輪を広げよう。

韓国、朝鮮、中国を初めとしたアジア民衆と連携して、東アジアに真の平和を築く努力を強めよう。

そして、動き出した日朝交渉を注視しながら、「今こそ日朝国交正常化へ!」の声を挙げよう。

913日朝ピョンヤン宣言12周年集会・参加者一同

2014年9月 6日 (土)

9・13日朝ピョンヤン宣言12周年集会のご案内

動き出した日朝国交正常化交渉。これに私たちはどう向き合うのか?
日朝ピョンヤン宣言12周年を前に、この状況に対して市民・民衆の側から声を挙げるべ
く下記の集会を開催します。【ビラは下記からダウンロードできます】

ビラ表 「2014913121.pdf」をダウンロード ビラ裏 「2014_913.pdf」をダウンロード

多くの皆様の参加・賛同を呼びかけます。
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  日朝ピョンヤン宣言12周年             
  動き出した日朝交渉-今こそ国交正常化へ!9・13集会
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●講演 今なぜ日朝国交正常化交渉なのかー歴史と現状を読む(仮題)
   李 泳采(イ・ヨンチェ)恵泉女学園大学准教授

     【プロフィール】1971年韓国生まれ。恵泉女学園大学准教授。98年来日、専門
      は日韓・日朝関係。「ヤスクニの闇に平和の灯を!東アジア4地域(日本・韓
      国・台湾・沖縄)キャンドル行動実行委」事務局、光州5.18財団発行「アジア
      ジャーナル」海外編集委員
      <著書>『韓流がつたえる現代韓国』(梨の木舎 2010)、『アイリスでわかる
      朝鮮半島の危機』(朝日新聞社 2010)、『なるほど!これが韓国か---名言・
      流行語・造語で知る現代史』(朝日新聞社 2006)、『朴正煕―動員された近
      代化』(曺喜昖著, 李泳釆監訳, 牧野波訳)(彩流社 2013)、教科書に書か
      れなかった戦争シリーズ『犠牲の死を問う―日本・韓国・インドネシア』(共著
      ・梨の木舎2013)、「東アジアのフィールドを歩く-女子大学生がみた日・中・
      韓のすがお」(編著・梨の木舎 2014)など


 <日本では報道されない>
 ●在朝鮮「慰安婦」被害者の実態  西野瑠美子 VAWW RAC共同代表

 ●在朝鮮被爆者の実態        福山 真劫  平和フォーラム共同代表

  アピール
  ♪民衆歌謡  ノレの会
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  日時 9月13日(土)  資料代 500円
       午後6時30分開会(6時開場)
  場所 文京区民センター 3F (地下鉄「春日」or「後楽園」下車すぐ)     http://www.cadu-jp.org/notice/bunkyo_city-hall.htm      
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●呼びかけ 2014  9・13集会実行委員会                 
 連絡先 日韓民衆連帯全国ネットワーク(03-5684-0194)    
         「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC)
                   (03-3818-5903)
         ピースボート(03-3363-7561)
            許すな!憲法改悪・市民連絡会(03-3221-4668)   
        反安保実行委員会(03-3254-5460)
        在日韓国民主統一連合(03-3862-6881)  (順不同)
   (郵便送付先 東京都文京区小石川1-1-10-105 日韓ネット気付)
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                              【呼びかけ】

 今年5月、ストックホルムで開かれた日本と朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)の政府間
協議は、日朝国交正常化に向けた新たな合意に至り双方が同時発表しました。続いて7
月に北京で開かれた日朝政府間協議では、朝鮮側が戦時中に朝鮮で亡くなった日本人の
遺骨、残留日本人・日本人配偶者、拉致被害者、行方不明者に対する特別調査委員会の
設置を明らかにし、日本政府は独自制裁の一部解除を実施しました。前途は予断を許さ
ないとはいえ、日朝関係は一歩前に動きはじめました。

●日朝ストックホルム合意の誠実な履行を!

日本のマスメディアの報道を見ていると、この合意が拉致問題のためだけにあるように
報じられていますが、それは正しくありません。
合意文では、まず「双方は、日朝平壌宣言にのっとって、不幸な過去を清算し、懸案事
項を解決し、国交正常化を実現するために、真摯に協議を行った」と協議の目標と前提
を明らかにしました。

そして日本政府がとる7項目の行動措置の第一として、「北朝鮮側と共に、日朝平壌宣
言にのっとって、不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、国交正常化を実現する意思
を改めて明らかにし、日朝間の信頼を醸成し関係改善を目指すため,誠実に臨むことと
した」と国交正常化の意思を再宣明しています。また、「在日朝鮮人の地位に関する問
題については、日朝平壌宣言にのっとって、誠実に協議することとした」ことなども明
らかにしています。
これらのことは、日本政府がこれまで取り続けていた制裁一辺倒政策の破たんを示すも
のであり、対話によってこそ日朝関係の改善も拉致問題の解決も見えてくることを改め
て示しています。

そして何よりも、「過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与え
たという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ち」を表明
した日朝ピョンヤン宣言を基礎とした過去の清算問題が協議の大きな柱となっていくこ
とを示しており、日本の市民にとってもその誠実な履行を日本政府に求めていくことが
求められています。朝鮮学校の「高校無償化」適用など即刻行うべきです。

朝鮮側が、日本人遺骨、残留日本人・日本人配偶者、拉致被害者、行方不明者の全面的
な調査を開始することは、朝鮮側の対日戦後処理の本格的開始を意味します。その中に
は、遺族の方たちが待ち望んでいながら日本政府が放置してきた日本人遺骨問題等も含
まれています。

●東北アジアの平和に直結する日朝国交正常化

日朝国交正常化は東アジアの平和に直結しています。日本の敗戦から来年は70年となり
ます。朝鮮民主主義人民共和国成立からは今年で66年になります。この長い期間にわた
り朝鮮との間で国交すらないこと自体が異常なことです。敵対関係に終止符を打ち日朝
民衆の友好・交流の時代に幕を開くべきです。

朝鮮半島では、「撃ち方やめ」に過ぎない停戦状態のまま60年以上放置され続けていま
す。停戦状態を恒久的平和体制に転換させることが必要です。日本はそのことに積極的
に寄与すべきなのです。
私たちはその道に逆行するような集団的自衛権行使容認などの動きに強く反対します。

このような声をあげるため9・13集会を開催します。ぜひ多くの皆様の参加・賛同をお
願いします

2012年9月18日 (火)

9・15ピョンヤン宣言10周年集会の報告

915日夜、東京・文京区民09_00011_2 センターで「日朝ピョンヤン宣言10周年 軍事大国化やめろ!日朝対話と過去の清算を 9・15集会」が開かれ、約150人が参加した。

はじめに実行委員会を代表して渡辺健樹さん(日韓ネット共同代表)が主催者あいさつし、「ピョンヤン宣言から10年の歳月が経っても朝鮮敵視は変わらず、逆に日韓軍事協定締結の動きや日米韓合同軍事演習が行われるまでになった。日韓軍事協定・日米韓軍事同盟に反対し、過去の清算と日朝の対話を-の声を挙げよう」と呼びかけた。また、今年8月の韓国訪問団が撮影・編集したソウル自主平和統一大会と前夜祭、韓日軍事協定反対集会とデモなど韓国民衆の反戦平和、統一への力強い闘いの映像が流された。

続いて、半田滋さん(東京新聞論説兼編集委員)が「米軍再編と強まる日米韓軍事同盟・軍事大国化路線」について、また西野瑠美子さん(VAWW RAC共同代表)が「軍事協定より過去の清算を、日朝の対話を」のタイトルで講演を行った。【講演要旨は下にあります】

集会ではまた、ノレの会が「イムジン河」と韓国民衆歌謡の「岩のように」を熱唱した。

さらに、オスプレイ配備に反対する闘いについて吉田正司さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)、自民党総裁候補全員が集団的自衛権行使の容認を唱えるなど危険な改憲動向に対する闘いについて高田健さん(許すな!憲法改悪市民連絡会)、朝鮮高校の「高校無償化」排除に反対する闘いから森本孝子さん(「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会)と当事者である朝鮮高校生の母親、そして韓国軍部政権時代に弾圧された在日元「政治犯」の再審無罪を勝ちとる闘いから石井寛さん(韓国良心囚を支援する会全国会議)のアピールを受け、今後の闘いへの決意を新たに終了した。

半田滋・東京新聞論説兼編集委員の講演要旨(文責・日韓ネット)

「米軍再編と強まる日米韓軍事同盟・軍事大国化路線」と題した講演で、半田さんは、この間の米国・中国・日本の軍事動向をつぶさに分析し次のように指摘した。

オバマの新国防戦略については、国防費縮小という制約下で「2正面作戦」から「1正面作戦と抑止」(1プラス)への移行とアジア太平洋でのプレゼンス重視を打ち出し、「統合エア・シーバトル」構想の下で空母6隻体制とオーストラリアに海兵隊移駐(ローテーション部隊)・シンガポールに沿岸戦闘艦供与・インドネシアにF16戦闘機24機無償供与を進め、これに日本の新防衛計画大綱の「南西防衛」「島嶼防衛」が連なり、総じて中国包囲網の構築を狙っていること。その中で、米軍再編の真の狙いが、「横須賀、佐世保、岩国を結ぶ空母トライアングル」の形成だと指摘した。そして、「沖縄に海兵隊はいらない。ましてオスプレイは不要」と断言した。

 中国の軍事動向については、「国家の発展にみあった強固な国防力と強大な軍隊の建設」をめざし、96年の台湾海峡危機の教訓や13億人のエネルギー政策のため中東・アフリカに関与しシーレーン確保を必要としているとしながら、海軍力強化により第一列島線の内海化とアクセス拒否、第二列島線への進出を強めている。中国のいう第一列島線と米国が戦後西太平洋の防衛ラインとしてきた「第一層の島嶼ライン」とは同じであり、米国は自らの防衛ラインに中国が進出してくることが気に入らないようだ。中国はまたパキスタン、スリランカ、ミャンマーなどに拠点港を作り「真珠の首飾り」とも呼ばれる戦略もとっている。

 日本は、1976年に自民党政権下で策定された防衛計画大綱以来の「基盤的防衛力」政策から民主党政権で大転換が図られた。基盤的防衛力を「静的抑止」として否定し、「動的防衛力」強化へ転換、中国を意識した「南西防衛」「島嶼防衛」の強化が進められ、与那国島に沿岸監視部隊、潜水艦を16隻から22隻へ、那覇の戦闘機1個から2個へなどが進められている。さらにオーストラリアとの間では2プラス2の開催、日豪ACSA(20105)、軍事情報包括保護協定(20125月)を相次いで結んだ。

韓国との間では、今年に入り朝鮮半島沖での日米韓共同演習(6月)、大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)航空阻止演習(7月・日本が主催し韓国も参加)、リムパックでの日米韓共同演習(8月)と立て続けに合同演習が繰り返されている。これまで自衛隊は、集団的自衛権行使を禁止する憲法上の制約から2010年まで米国以外の国々との共同訓練はできなかった。しかし、同年から「シナリオ訓練」への参加をやめ、「イベント訓練(戦術行動訓練、通信訓練など具体的な有事想定のない訓練)」に参加することとし、各国との連携重視に切り換えた。日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)・物品役務相互提供協定(ACSA)は、5月締結予定が韓国側の野党などの反対で延期になったが、流れは変わらないだろう。

また、竹島・尖閣諸島問題の継続の中で米国の思惑として、<日韓対立は困るが、領土問題の解決も困る(米国抜きで日韓連携に向かうような)>という立場をとっている。

深刻なのは、日本の政治が危険な方向に向かっていること、自民党総裁候補5人全員が集団的自衛権容認で日本維新の橋下氏も同様、改憲発議に必要な国会議員3分の2は目前になっていることだ。これにどう対処していくかが問われている。

西野瑠美子・VAWW RAC共同代表の講演要旨(文責・日韓ネット)

続いて講演の2番手は西野瑠美子さん(VAWW RAC共同代表)。

西野さんは、この間韓国の人びとが日本軍「慰安婦」問題の解決を日本政府に求めていることに対して、日本国内からは「慰安婦が軍に暴行、脅迫を受けて連れてこられた証拠はない」(橋下徹大阪市長)等、加害をねじ曲げるような発言が噴き出し、一部の政治家たちから河野談話攻撃、見直し論が相次いでいることを断じて見過ごせないとして次のように述べた。

橋下大阪市長は、「(河野談話は)日韓の紛争の一番の元凶となっており、政府は直ちに是正すべきだ」と、とんでもない発言をしていますが、先月、野田首相が河野談話踏襲の意思を表明した脇から、現政権の松原仁国家公安委員長は河野談話について、「近く政府内で見直しを提起する」と発言しました。河野談話が「韓国をはじめ近隣国との信頼を築くうえで重要な役割を果たしてきた」ことは、安倍内閣時代も含めて、歴代内閣が踏襲してきたことからも伺える。現在、次回総選挙を意識して民主党・自民党の総裁選に関心が集まっているが、安倍氏は自民党総裁選に乗じて、「自民党は、歴代政府の答弁や法解釈を引きずってきたが、新生・自民党では、しがらみを捨てて再スタートを切れる」「新生・自民党として、河野談話と村山談話に代わる新たな談話を閣議決定すべきだ」等とする発言を堂々と行っている。
 このような事態になったら、隣国はもとより、国際社会の日本不信、日本警戒は増大する一方であり、好戦的で偏狭なナショナリズムの応酬が行きつく果ては日本の孤立であり、過去の過ちをまたもや繰り返すことになりかねない。
 1993年に公表された「河野談話」は、関係資料調査、元軍人等関係者及び被害者への聞き取り、米国公文書調査、沖縄現地調査による「総合的」な判断で発表されたものであり、「歴史の教訓を直視」「歴史教育」への決意を述べた国際公約だ。河野談話の内容は、発表後に発見された資料や被害証言からも確認される。また、日本で提訴された「慰安婦」・戦時性暴力裁判でも、日本の裁判所は被害証言にある連行と慰安所での強制を含む被害事実について認定している。
 「慰安婦」問題は、強制連行を直接示す資料があるか否かの「証拠論」で語られるものではなく、女性の人権が重大に侵害されたその事実に目を塞ぎ、偏狭な国益論を翳してなかったことにする発言に対して、現政府は毅然とした対応をすべきだ。
 日本軍が「慰安婦」制度を創設・運用・管理したのはどのような詭弁によっても消すことのできない歴史的事実であり、日本軍がつくった「慰安婦」制度の下で女性たちは監禁され、逃亡・抵抗する自由すら奪われ、連日、強かんと激しい身体的心理的虐待にさらされた。加えて、アジア各地に連行された女性たちの多くが、連行地に置き去りにされた。しかし、日本政府は戦後、一度たりとて、そうした女性たちの原状復帰に取り組むことはなかった。
 アジア各地で被害にあった女性たちが名乗りを上げてから20数年が経過し、河野談話が発表されてからすでに19年という歳月が流れた。当時60代、70代だった女性たちも8090代となり、一方で多くの女性たちが亡くなっている。被害女性に直接お詫びを伝えられる今こそ、被害者が納得する責任を行使する最後のチャンスだ。私たちは、現政権が「河野談話」の踏襲の意思を具体的に形にし、一刻も早く「慰安婦」問題の法的解決に踏み出すことを強く求める。

2012年8月14日 (火)

9・15ピョンヤン宣言10周年集会のご案内

今年の917日で、日朝首脳が国交正常化の実現を確認した日朝ピョンヤン
宣言からまる10年を迎えます。しかし、10年の歳月が経過したにもかかわらず、
日朝間には対話もなく、逆に野田政権のもとで日韓軍事協定締結や米韓合同
軍事演習への自衛隊の本格的参加など、かつて自民党政権ですらできなかった
事態がなし崩し的に進行しています。朝鮮高校への「高校無償化」除外の差別
政策も継続したままです。先日、朝鮮側の提案による日本人の遺骨収集問題を

めぐり日朝赤十字会談が行われ、日朝政府間の予備会談の開催も決まりました

が、私たちはこれを注視しています。

日韓軍事協定を進めようとした李明博政権への韓国国内世論の厳しい批判を
前に、815を控えた李明博大統領の独島(竹島)訪問のパフォーマンスで、日韓
関係もしばらくは「停滞」するでしょうが、米軍再編下の日米韓軍事同盟強化の
方向は、これを重視する政権が続く限り流れは変わらないでしょう。

こうした状況を踏まえ、下記の集会を予定しています。
多くの心ある皆さまの参加・賛同をお願いします。

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  日朝ピョンヤン宣言10周年                 
  軍事大国化やめろ!日朝対話と過去の清算を 9・15集会

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【講演】  米軍再編と強まる日米韓軍事同盟・軍事大国化路線
                半田 滋さん(東京新聞編集委員) 

      軍事協定より過去の清算を、日朝の対話を
                西野 瑠美子さん(VAWW RAC共同代表)

【映像】2012 815ソウル自主統一大会-韓国民衆の統一への闘い

歌 ノレの会  その他 報告・アピール

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日時 9月15日(土)午後6時半開会(6時開場)
 場所 文京区民センター(地下鉄「春日」or「後楽園」下車すぐ) 資料代800

      http://www.cadu-jp.org/notice/bunkyo_city-hall.htm

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【呼びかけ】

この間、野田政権は消費税大増税・原発再稼動・オスプレイの配備強行などを
推し進め、その本質をあらわにしています。これに対して、反原発17万人集会や
官邸前の再稼動反対行動など反原発のうねり、オスプレイの配備に反対する沖
縄・岩国をはじめとする闘いのうねりが野田政権を追い詰めつつあります。

  ■
野田政権・保守大連立下で進行する軍事大国化路線

他方で、これらの動きと共になし崩し的な軍事大国化路線が顕著になっている事
についても警鐘を鳴らしていくことが必要です。この間、集団的自衛権行使容認
の動き(首相直属機関の国家戦略会議フロンティア部会)、武器輸出三原則緩
和、原子力基本法改正で「わが国の安全保障に資する」を追明記、「独立行政
法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)法」改正で「平和目的に限る」規定を削除、
憲法調査会をめぐる改憲動向の強まりなどが進行しています。

  ■
日韓軍事協定・日米韓軍事同盟反対-今こそ対話で平和築こう

そして、日本と朝鮮半島の間では、ピョンヤン宣言から10年もの歳月が経過したに
もかかわらず日朝間の対話もなく、逆に日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)
や自衛隊・韓国軍間の物品や役務の相互提供協定(ACSA)締結の動き、済州
島沖での米韓合同軍事演習への自衛隊の本格的参加など、日米韓軍事同盟
強化の動きが加速しています。

 これらは尖閣諸島問題を突出させた対中国や、そして北朝鮮バッシングなどの排
外主義・ナショナリズムの扇動とセットで進められています。あらためて私たちは、軍事
大国化路線をやめろ!軍事協定より過去の清算を、対話で平和の実現を-という
声をあげていく必要があると思います。915ピョンヤン宣言10周年集会へ参加を!


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賛同募集中!賛同費 個人千円 団体3千円 郵便振替00110-8-140618
    
口座名  [日韓民衆連帯全国ネットワーク] *915集会賛同と明記して下さい
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【呼びかけ】 2012 915ピョンヤン宣言10周年集会実行委員会              

連絡先  日韓民衆連帯全国ネットワーク(03-5684-0194)    
          
反安保実行委員会(03-3254-5460
      「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター(VAWW RAC

                                                         (03-3818-5903 
   許すな!憲法改悪・市民連絡会(03-3221-4668)   
          
在日韓国民主統一連合(03-3862-6881)   *順不同
               
(郵便送付先 東京都文京区小石川1-1-10-105 日韓ネット気付)