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カテゴリー「経済・政治・国際」の8件の記事

2021年6月 2日 (水)

●【韓国サンケン問題】尾澤さんの不当な起訴に抗議する!

5月31日、不当に拘束されている尾澤孝司さんをさいたま地検は「暴行」「威力業務妨害」でっち上げにより起訴しました。韓国サンケン労組を支援する会と韓国サンケン労組と連帯する埼玉市民の会の抗議文を転載させていただきます。あわせて支援カンパもお願いします。

           【抗 議 文】

 5月31日、さいたま地方検察庁は、「韓国サンケン労組を支援する会」の尾澤孝司さんを「暴行」「威力業務妨害」で起訴しました。断固抗議します!

 尾澤さんは、サンケン電気の100%子会社、韓国サンケンの廃業・解雇問題につき、労組との話し合い応じないサンケン電気に対し、プラカードを持って会社の正門前に立ちました。労働問題の解決として、ごく当然の行為です。しかし、この労働争議を「暴行」「威力業務妨害」とデッチ上げたサンケン電気、起訴したさいたま地検に、満腔の怒りを持って抗議します!
 いったいどんな「業務」をどう「妨害」したというのでしょうか。ありもしない「暴行」をデッチ上げ、警察を呼んで騒ぎを起こしたのは、サンケン電気です。
 解決しなければならない労使問題を棚に上げ、警察のカゲに隠れて逃げるサンケン電気は、卑怯です。
 昨年、サンケン電気は取締役会で、韓国サンケンの会社解散・廃業を決定しました。韓国の地方労働委員会からも「話合い勧告」が出ていました。責任を持って解決すべきです。

 関西地方においても、労働運動に対する酷い弾圧が起こっています。今回の韓国サンケン労組を支援する会にかけられた弾圧は、「威力業務妨害」や「恐喝未遂」をデッチ上げ逮捕・起訴した全日建運輸連帯労組関西生コン支部への弾圧と同じです。労働組合・労働運動に対する弾圧です。「暴行」「暴力組織」としてデッチ上げ、つぶそうとするものです。次にはモノ言う労働者・市民がねらわれるでしょう。
 こんなことを許してはなりません!

 今回いち早く韓国の民主労総は、抗議声明を出しました。また韓国の国会議員41名が連名で、尾澤さんの釈放を求める嘆願書を提出してくれました。それを無視する日本の検察、政府を許しません!
 国際連帯を更に強め、日韓労働者・市民の連帯で、一日も早く、尾澤さんの釈放を勝ち取りたいと思います。
 サンケン電気は、6月の株主総会までに、この韓国サンケンの闘いをつぶそうとしたのだと思いますが、支援の輪は拡がっています。さらに拡げて、韓国サンケンの廃業・解雇を撤回させましょう!

2021年5月31日
韓国サンケン労組を支援する会
韓国サンケン労組と連帯する埼玉市民の会

【カンパ送り先】 ゆうちょ銀行 記号10140 番号54433981
              「韓国労働者とむすぶ会」
[他銀行からの送金は018  普通口座 5443398

 

 

 

2020年12月21日 (月)

●菅新政権と日本情勢 (12.18韓国進歩連帯との日韓ZOOM会議での日本側発題)

12月18日夜、私たちや平和フォーラムなどでつくる東アジア市民連帯と韓国進歩連帯との間でZOOMによる意見交換会が開かれ、活発な論議が行われた。下記はその時の日本情勢についての日本側発題である。双方の発題は以下。

(1)朝鮮半島情勢と課題 アン・チジュン(韓国進歩連帯共同執行委員長)

(2)菅新政権と日本情勢 市民・民衆運動 渡辺健樹(日韓民衆連帯全国ネットワーク)

(3)バイデン政権の誕生と朝鮮半島平和プロセスの展望、そして課題 

           キム・ギョンミン(韓国YMCA全国連盟事務総長)

(4)2020年日本の教育状況 佐野通夫(朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会)

(5)2021/2022米国の戦争・反人道的犯罪に対する国際民間法廷と「America No!国際平和行動」の提案

             リュ・ギョンワン(コリア国際平和フォーラム[KIPF]共同代表)

*コーディネーター 藤本泰成(平和フォーラム共同代表)

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菅新政権と日本情勢 市民・民衆運動
              渡辺健樹(日韓民衆連帯全国ネットワーク)

 2020年9月、安倍晋三は7年8カ月にもわたる長期政権を捨てて突如辞任した。
 安倍の突然の辞任は、モリ・カケ・桜(森友学園問題・加計学園問題・桜を見る会問題など安倍自ら関わった利益誘導の不正)をはじめとする数々のスキャンダルで、ウソと詭弁、公文書の隠蔽・改ざんを重ね、また公言していた2020年までの改憲にも行き詰まり、その挙げ句みずから持病を悪化させた結果である。
 だが自民党内の各派閥は安倍に替わる次期総裁(=首相)選出に素早く動いた。多くの有力派閥は、もともと次期総裁の座を狙っていた岸田文雄、石破茂ではなく、安倍政権で官僚ににらみを利かせ「官邸主導政治」を取り仕切ってきた官房長官・菅義偉(すがよしひで)支持に殺到した。
 こうして9月16日に誕生した菅新政権だが、菅首相は自民党総裁選の時から一貫して「安倍政治の継承」を旗印としてきた。
 周知のように7年8か月に及んだ安倍政権は、歴代内閣が禁じてきた集団的自衛権に道を開く安保法制(戦争法)の強行採決、治安管理強化のための秘密保護法と共謀罪の強行成立など「戦争国家」に向けてひた走ってきた。さらに米軍兵器を爆買いし、日米軍事一体化を推し進め、沖縄の民意を無視して辺野古の米軍新基地建設を強行してきた。
 この「戦争国家」に向けた動きは朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)の「脅威」をことさら煽り立てることと一体で進められた。さらに朝鮮高校に対する「無償化」からの排除など、差別・排外主義を拡散させながら進められてきた。
 また韓国大法院の元徴用工への判決で被告企業への賠償命令が出されるや、植民地主義への反省のかけらもなく「国際法違反」「65年請求権協定で解決済み」などと声高に叫び、対韓輸出規制などの報復すら繰り返してきた。
 そして「自由で開かれたインド太平洋」戦略の名のもと日米同盟を基軸とした対中国包囲の動きも加速させている。
 菅首相の「安倍政治の継承」とは、まさにこれらを継承することだ。

菅政権成立後3か月の主要な動向

 9月16日に菅政権が成立して3か月。各国と同様にこの間新型コロナ対策が大きな争点の一つであるが、ここでは韓国の皆さんと共通の関心事である安保動向と対韓国・朝鮮政策について見ていきたい。

 ①「敵基地攻撃能力」保有への動き
 これはこれまでの建前である「専守防衛」を超えて他国の領域内で武力行使を可能とする兵器を保有しようとする動きである。陸上配備迎撃弾道ミサイルシステム「イージスアショア(Aegis Ashore)」が配備断念に追い込まれたことでにわかに浮上させてきた。
 この問題で、安倍晋三は辞任直前の9月11日にわざわざ最後の首相談話を出し、年内にその方針の取りまとめを求めた。しかし、連立を組む公明党が消極的態度のため年内取りまとめは先送りとなる公算が高いが、「敵基地攻撃能力」保有への動きは始まっており、防衛省では長距離巡航ミサイル、極超音速ミサイル開発の研究も進められている。またすでに安倍政権の時代から「いずも」型ヘリ空母を改修し、短距離離陸垂直着陸のステルス戦闘機F35Bを搭載する本格空母化も進行している。
 ちなみに中止となったイージスアショアの代替としては、12月3日の国家安全保障会議(NSC)4大臣会合でイージス艦2隻にその機能を搭載して新建造することが決まっている。

 ②「自由で開かれたインド太平洋」戦略と日米豪印(クアッド[QUAD])形成への動き
 10月26日、東京で第2回日米豪印外相会議が開かれた。ポンペオ米国務長官をはじめ4か国の外相が顔を揃え、「『自由で開かれたインド太平洋』を具体的に推進していくため、質の高いインフラ、海洋安全保障、テロ対策、サイバーセキュリティ…を始め様々な分野で実践的な協力を更に進めていくことで一致」した。また朝鮮・東シナ海・南シナ海などの地域情勢についても意見交換している。ポンペオは「4か国が連携し国民を共産主義の腐敗や搾取、威圧から守る重要性は増している」と対中国対抗の意図を明白にしている。
中国は「インド太平洋版の新たなNATO構築の企て」(王毅外相)と反発している。
 日本政府としては、最大の貿易相手国である中国との関係も維持しながら、日米同盟を基軸として引き続きQUADと「自由で開かれたインド太平洋」戦略という矛盾した対応をとっていくことになる。

 ③日本学術会議の6人の任命拒否をめぐる問題
 日本学術会議の次期会員として推薦された105人のうち6人を菅政権が除外したことが、現在大きな政治焦点の一つとなっている。
 かつて科学者が国家に動員された歴史の反省から、国の一機関でありながら「高度の自主性が与えられ」た(日本学術会議法・前文)存在として様々な提言等の活動をしている。 
会員は、学術会議が候補者を推薦、内閣総理大臣が任命する方式となっているが、中曽根政権時代の1983年に当の中曽根首相自身が国会で「首相の任命は形式的なものに過ぎない」ことを明言し不文律となってきた経緯がある。
 菅首相はこれを破ったが、除外された6人が共謀罪反対や安保関連法に反対する学者の会、立憲デモクラシーの会などに関わってきたからであることは明らかだ。
 この背景には、日本学術会議が、防衛省・自衛隊による軍需開発のため各大学の研究機関への資金提供などに強く反対してきたことなどへの政権側からの圧力であり、「軍学協同」へ誘導しようとする意図は明白だ。

 ④憲法改悪をめぐる動向
 2020年までの改憲を公言していた安倍の狙いは、昨年の参議院議員選挙で改憲勢力が国会発議に必要な三分の二の議席を割ったため潰え去った。しかし、改憲への目論見は執拗に繰り返されている。
 12月3日に開かれた衆議院憲法調査会で、改憲手続きを定めた国民投票法の改正案をめぐり実質審議が行われた。同改正案は2018年春の通常国会に提出されたものの、野党の抵抗もあり継続審議となってきたものだ。
 最大野党の立憲民主党などは、CMの量的規制をはじめ抜本的な改正を主張しているが、自民党は年明けの通常国会での採択を主張している。
 改憲手続法である国民投票法改正案が採択されれば、自民党は改憲の具体的中身の論議を仕掛けてくるだろう。すでに12月2日、衛藤征士郎・自民党憲法改正推進本部長は、「たとえ一部に躊躇する政党があったとしても、信念をもって憲法改正を提案し、意思を問う」と公言している。

 ⑤対韓国・対朝鮮の動向
 菅政権の対韓国・対朝鮮政策は今のところ安倍政権の踏襲のままで変化は見られない。
 菅首相と文在寅大統領との電話会談でも、植民地主義への反省もないまま、これまで通り「徴用工問題で日本側が受け入れられる解決策を韓国側が出してほしい」とし、ソウルで開催予定の日韓中サミットへの出席も拒み続けている。
この間、韓国から朴智元(パク・チウォン)国情院院長や韓日議連代表団が来日したが、ほとんど進展はなかったと思われる。
 対朝鮮でも、10月26日の菅首相の施政方針演説では「拉致問題は、引き続き、政権の最重要課題」「条件を付けず金正恩委員長と直接向き合う」「拉致・核・ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、北朝鮮との国交正常化を目指す」と述べているだけである。

バイデン米次期政権誕生による変数

 現段階でバイデンの東アジア政策を論じるのは難しいが、いくつかの点を挙げたい。
 トランプは朝米首脳会談をやり共同声明も出したが、米側は朝鮮への一方的な要求だけで何も変えてこなかった。また韓国に対しても駐韓米軍経費の大幅負担増の要求や韓米ワーキングチームにより南北合意の履行も妨害してきた。
 バイデンは、朝米間ではオバマの「戦略的忍耐」への回帰はないとされ、トランプのようなトップダウン方式から、ボトムアップ方式に変わるといわれており、内容次第だが実務的な協議は行われるのではないか。この点では1月に予定される朝鮮労働党大会で打ち出される方針にも規定されるだろう。バイデンが「制裁」強化や韓米合同軍事演習をかつてのように繰り返すなら、再び緊張は高まらざるを得ない。
 ただその際、トランプが朝米首脳会談を行い共同声明まで出した事実、朝鮮のICBM能力の向上、他方で米下院議員に「朝鮮戦争終結決議」賛成者を拡大する市民の努力もあり、これらをバイデンにとっても全く無視できるのかの変数もある。
 私たちとしては2018年の朝米共同声明の遵守を基準とし、朝鮮戦争の終結を引き続き要求していく必要があると考えている。
 このほかにも、トランプが脱退し中国が最近参加を表明し始めたTPP(環太平洋経済連携協定)や「インド太平洋戦略」へバイデン新政権がどう関わるかなど多方面の問題がある。

当面の日本市民・民衆の闘い

 日本の市民・民衆は「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動」を軸としながら日本学術会議の任命拒否への抗議、「敵基地攻撃能力」保有反対、辺野古米軍新基地建設阻止、憲法改悪阻止、いのちと暮らしなどコロナ状況の困難の中で闘いを進めてきた。また朝鮮学校への「無償化」差別への反対、徴用工や日本軍「慰安婦」への謝罪と賠償を求める闘いも繰り広げられている。いま安倍のスキャンダルの1つである「桜を見る会」関連で地検特捜部が安倍事務所の聴取に着手しており、安倍の数々の疑惑追及も終わってない。
 来年の10月21日には衆議院の任期満了を迎え、それまでの間に衆議院の総選挙が行われる。これに向けて今、大衆運動を基礎として野党とつなぐ組織としてつくられた「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)を媒介にして立憲民主党、社会民主党、日本共産党、れいわ新選組、沖縄の風、国民民主党などによる野党共闘と選挙協力に向けた努力も続けられている。
 これにより衆議院においても改憲発議に必要な三分の二割れを実現し、菅政権打倒に向けて闘っていきたい。                          (2020.12.6記)

 

2020年11月15日 (日)

★韓国サンケン労組の闘いを支援・連帯しよう!

韓国サンケン労組の闘いを支援・連帯しよう!
全泰壱(チョン・テイル)さん焼身決起50年-日韓労働者・民衆の連帯を
                               (日韓ネット・かもめ)

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   ▲2020年10月1日、「韓国サンケン労組を支援する会」本社前行動(埼玉)

 韓国サンケン労組の闘いが再燃している。日本でも2020年9月3日に「韓国サンケン労組を支援する会」、本社のある地元新座市でも「韓国サンケン労組と連帯する埼玉市民の会」が立ち上がり、連帯を強めている。闘いの中でみえてきたものは日本と韓国の資本の利益が合致し、巧妙に仕組まれたシナリオによる組合つぶしだった。

本社は日本のサンケン電気-子会社韓国サンケンの解散を一方的に通告

 今回の闘いは、2020年7月9日にサンケン電気本社が100%子会社である韓国サンケンの会社解散決定をホームページで一方的に通告したことにより始まった。2016年から2017年にかけて韓国サンケン労組の仲間が「遠征闘争」で来日し、埼玉県新座市にあるサンケン電気本社に抗議行動を行い、当時日本でも支援の輪が広がったことは記憶に新しい。
 サンケン電気はパワーシステムや半導体デバイス装置などを製造する東証一部上場企業だ。以前は電源三社として名高かったが、「サンケンレポート2020」によると最近では防犯カメラ電源装置などのパワーシステムの事業が約14%、自動車や白物家電などに使う半導体デバイス86%の事業を展開している。
 サンケン電気は韓国に1973年、韓国最南部の馬山自由貿易地域に韓国サンケンを設立。輸出ドライブをかける当時の韓国政府や地方自治体からの様々な税制優遇策のもとに事業を展開、多い時には韓国サンケンに600人近くを擁していた。韓国サンケンがある自由貿易地域の目の前は港になっており、作った製品が直ぐに船積みされ輸出が出来るようになっている。
韓国が民主化した1996年、韓国サンケンの労働組合が民主労総にナショナルセンターを変更し、様々な弾圧を跳ね返して社員の労働条件の向上や賃金の引き上げを図って行った。ちなみに馬山という地域は、1960年の李承晩元大統領を倒した4.19革命の発火点になった所で、1979年の10月、学生や市民が当時の朴正熙軍事政権に反独裁・民主化を要求し大規模なデモを行った「釜馬抗争」の現場として市民の意識も高い。
韓国サンケンでは闘う労働組合の登場で賃金や労働条件を確保したものの、当時LED主流の中でCCFL(冷陰極管)事業にしがみついた本社経営陣の読み間違えで赤字が膨らみ、希望退職やリストラ、会社休業などを繰り返し、労働組合と厳しい対立関係となっていった。

 雇撤回闘争に勝利(2017年)

  その後LED灯具などを製造していた韓国サンケンは50人程度に人員が削減されたが、2016年3月31日には組合員全員のいる生産現場を閉鎖し、組合員全員34人に解雇を通告するという攻撃がかけられた。これに怒った韓国サンケン労組は、工場前にテントを張り24時間体制の座り込みに突入、組合三役が組合員の前で髪の毛を剃る「剃髪闘争」も行った。剃髪の際、女性組合役員キム・ウニョンさんの髪の毛がバッサリ落ちると、あちこちで女性組合員のすすり泣きが漏れた。

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  ▲2016年、会社前で座り込むテントで話し合う韓国サンケン労組の組合員

   果敢な闘いと日本での支援闘争の中、現地の地労委、中労委とも「解雇は不当」との裁定が下され、2017年6月2日には韓国サンケン労組と韓国サンケン(株)との合意書が締結された。内容は会社側が整理解雇への遺憾の意を表し、解雇の撤回と全員の復職を行うとともに労働協約を維持、労組の活動を保障するもので全面勝利だった。さらに合意書には生産再稼働のための措置の実施と併せ、今後重大な雇用問題が発生した際には、労働組合と合意のもとに行うことが取り決められている。

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    ▲2017年6月17日、東京で行われた勝利報告集会

   その後、韓国サンケンでは組合員16人が現場に戻り、本社からの発注を消化すべく生産を続けていた。また争議の直後に自死した韓国人社長に代わり、財閥企業LG勤務経験のある韓国人が韓国サンケンの新社長に就任した。サンケン本社から韓国サンケンに発注する製品は少なく、しばしば会社の休業を余儀なくされる状況が続いた。

 韓国財閥LGの裏事情

 韓国サンケンの来日闘争が続いていた2016年秋から2017年にかけて韓国では朴槿恵の退陣を要求するキャンドルデモが続き、2017年3月に憲法裁で大統領罷免が決定し、キャンドル市民は勝利の喜びに大きく沸き上がった。その年の5月9日に大統領選挙が行われ、翌日5月10日には文在寅が大統領に就任した。
 文在寅政権は様々な改革を掲げていったが、その中には財閥改革も含まれていた。韓国の財閥は総帥とよばれるオーナー一家が権限を握り、その権力は政界にも及んでいる。朴槿恵、崔順実ゲート事件に関係したサムスンの李在鎔や「ナッツリターン」の究極的パワハラで世を騒がせた大韓航空の趙一族は日本でも有名だ。
 韓国財閥のLGグループは財閥序列4位だが、白物家電では草分け的存在で韓国国内はもちろん、東南アジアに行くとエアコンマークにLGがズラリと並んでいる。
   2018年5月9日、LG総帥一族の100憶ウォン(約10億円)脱税容疑で検察が家宅捜索に入ったのだが、これは15年ぶりのことだった。
 このLG系列にチフンという会社があったが、これは2008年に設立されたオーナー一族の個人会社だ。代表はク・ヒョンモ氏で設立当時は21歳。2018年5月以降韓国のマスコミにたびたび登場しその名が知られるようになった。当時LG電子の課長職にあり33歳、LG副会長の長男だ。チフンはこのク・ヒョンモという人物が100%株式を所有する個人会社だ。韓国のインターネットニュース『ビジネスウォッチ』(2018.12.14)によると、「個人会社を設立した理由は分かり切ったこと。個人の財産形成のためだ」。当初はディスプレイ用光学用フィルム事業を行うとして莫大な赤字を出し、その後LG化学やLG電子との内部取引で莫大な黒字を出したものの、政府の内部取引規制で利益が落ち込んだ。
 2018年5月14日の韓国の『ニュース1』記事には、韓国の公正取引委員会が規制強化に乗り出し、財閥一族親会社からの独占的大量受注や私益詐取の改善に乗り出した内容が掲載されている。公正取引委員会ではこの状況のもと、チフンを「私益詐取対象系列会社」に指定した。その後の事業売却などにより、この指定から何とか外れることはできたが、前述した5月9日の検察による家宅捜索などで「尻に火が付いた状況になった」。5月にはチフンに居た職員もほぼ退職し、「抜け殻同然の会社」になっていたのだが、記事では「文在寅政権の発足以降はオーナー個人の会社を整理する必要性があった」としている。
 2018年12月14日付『ビジネスウォッチ』によれば、「オーナー一家の代表的私有企業の変身を模索していたLG一家の4世が個人会社を突然整理した。…これで、いまいましい内部独占取引の世評から逃れられる」。この記事では設立時に10億ウォン(約1億円)の会社を私募ファンドに153億ウォン(約15億円)で売るので、「税金を払っても元は取れる」としている。
 2018年12月17日付『ニュース1』によると、チフンの株売却先はIBK企業財務安定私募投資合資会社というファンドだが、「11月29日、取引直前に電撃的に作られた」ファンド。韓国ではLG系列の会社を売った株を誰が買うのか関心が集まっていたのだが、多分LG一族の別会社が株を買うだろうとされ、そうすればチフンの系列分離も行われ、「お互いウィンウィンになれる」としていた。

 株式ロンダリング?

 チフンの株の買主が取り沙汰される中、2018年12月19日、韓国の『PAXNETNEWS』の記事に突然「日本のサンケン電気」が登場する。サンケン電気は「チフンに対するM&Aを念頭に私債投資ファンド(PEF)に出資者として参加した」としている。そもそもIBKファンドは「チフンの株と経営権を引き継ぐためのプロジェクトファンド」で、「サンケン電気にチフンの株100%を早期償還請求(Put Option)できる契約も締結した」。記事は続く。「チフンのM&A取引に参加した…サンケン電気本社はサンケン電気で製造した電力半導体チップをチフンでモジュール化し、それをLG電子などの家電製品製造業界に供給する製品流通の構造を構想している」。
 サンケン電気は韓国内のLGの裏事情を知って、直接チフンを買うよりも一旦投資ファンドを経由した方がイメージダウンにつながらないと思ったのだろうか。ここまで行くと株式ロンダリングだ。
 
 韓国で事業を拡大予定のサンケン電気

 韓国サンケン労組から提供された資料によると、このチフンは2018年12月18日、臨時株主総会で商号をチフンから株式会社イーケイイー(EKE)に変更している。
2019年7月1日の韓国『DT news24』によると、韓国中部の忠清南道天安市が国内の優良企業6社と投資協約を結んでいるのだが、この6社の中にEKEの名前がある。記事は次の通り。「家電製品用の電力半導体などの電子部品や電子素材を製造するEKEは、天安市が提供する予定の北部BIT一般産業団地内の敷地1万6528㎡に2020年6月から2023年6月まで総額315億ウォンの投資で工場を造成し、新規労働力約50人を雇用する計画だ。」
   サンケン電気は韓国から断じて撤退するのではない。
   今後もLGなどを取引先とする韓国市場での販売、人材豊富な韓国での研究開発、まじめで技術力のある製造部門と、今後も韓国での事業を続けて行くつもりだ。「サンケンレポート」でもそれを謳っており、上記の記事でも新たに「50人の雇用も予定」している。
   2018年サンケン電気の有価証券報告書を読むと、サンケン電気が「アドバンスパワーデバイステクノロジー」というソウルの会社に株式51%を保有したことが掲載されている。この会社の株式49%はシリコンワークスという会社が持っている。シリコンワークスは有機ELテレビモニターやアイフォン画面などに使われる有機ELパネル用駆動ICを製造している会社でLG系列の企業だ。2020年5月の『ニュースウェイ』によると、LGはサムソンには届かないものの、2年前にLG会長に就任したオーナー一族4世のク・グァンモ(満42歳)氏のプライドをかけた半導体事業でこの会社を作り、業績は右肩上がりだ。ちなみにLGは、娘や嫁に事業を分けるサムスンや、外部の人材を経営陣に置くヒュンダイ(現代)財閥と異なり、息子のみに事業を継承させることで有名だ。
   もう一度言うが、サンケン電気は決して韓国から撤退するのではない。むしろLGと一緒になって、韓国での販売や研究開発も強化しようとしている。そのために着々と他企業の株式を取得し、別会社を買収し、資本投入を行っている。その一方で現存する100%子会社の韓国サンケンは作られた「累積赤字」を理由に潰そうとしているのだ。
   その目的はどこにあるのか。それは、民主労総傘下の金属労組に属する韓国サンケン労組を根こそぎ引き抜き、会社ごと廃業させることにより、労組を無力化させようとする組合つぶしに他ならない。
   労働者のクビを切り落とし幸せな家庭を壊すサンケン電気による韓国サンケンの「清算」なるものの裏には、韓国のLG財閥の裏事情と日本のサンケン電気の思惑がマッチした資本の結びつきにより巧妙に仕組まれたシナリオがあったのだ。
   資本が結び付くなら、私たちがつながって行こう。日韓労働者、民衆の連帯が求められる理由が正にここにある。
                                                                                              (2020年11月14日記)

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        ▲2020年10月7日、韓国国会前で訴えるキム・ウニョン副支会長

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        ▲2020年10月11日、東京池袋、サンケン電気東京営業所前で

【当面の行動】

サンケン電気は韓国サンケンの解散を撤回しろ!12 ・20 デモ

◆日時:12 月20 日(日)
    午前11 時集合、12 時デモ出発
◆集合:新座市三軒屋公園
   (東武東上線志木駅南口より歩6 分、埼玉県新座市東北2-28-5 
     新座市東北コミュニティーセンター隣)

主催:韓国・金属労組慶南支部 韓国サンケン支会
   韓国サンケン労組と連帯する埼玉市民の会
   韓国サンケン労組を支援する会
連絡先:東京都台東区上野1-12-6-3F
    中小労組政策ネットワーク気付
    090-1805-8630(尾沢)

<スローガン>
サンケン電気は韓国サンケン労組との団交に応じろ!
韓国サンケンの偽装廃業を許さないぞ!
サンケン電気は韓国サンケンの正常稼働を行え!
韓国労働者の全員解雇を許さないぞ!
韓国サンケン労組と連帯して闘うぞ!
日韓連帯で勝利するぞ!

 

2016年5月19日 (木)

●オバマも安倍も謝罪せよ! 広島からのアピール

安倍首相が同行してオバマ米大統領が広島を訪問します。これに対して広島の仲間たちからアピールが発せられ、重要な視点が提起されていますので転載させて頂きます。日韓ネットも団体賛同しています。(日韓ネット事務局)

 *原文・賛同一覧などは広島の田中利幸さんのブログにアクセスしてください。

   http://yjtanaka.blogspot.jp/2016/05/blog-post.html

【拡散歓迎】

私たちはオバマ大統領に米国政府の原爆無差別大量虐殺について謝罪を要求します

 

同時に日本政府のアジア太平洋侵略戦争について安倍首相の謝罪を要求します

 

    -日本国憲法第九条を擁護する立場から-

  

 194586日と9日の原爆による21万人(内4万人は韓国・朝鮮人)にのぼる広島・長崎市民の無差別大量殺戮、それに続く815日の日本の降伏を、日本軍国主義ファシズムに対する「自由と民主主義の勝利」と米国は誇り高く主張しました。実は、アメリカ政府は、主として、ソ連に対して核兵器の破壊力を誇示するという政治的理由のために、戦略的には全く必要のない広島・長崎への原爆攻撃を決行しました。また、天皇裕仁と日本政府が「国体護持=天皇制の維持」に固執してポツダム宣言受諾を遅らせたことも、アメリカによる原爆攻撃を結果的には自ら招く要因となりました。

 

 ところが、トルーマン大統領は、戦争終結を早め「多数の民間人の生命を救うため」に原爆を投下したと述べて、アメリカ政府が犯した重大な戦争犯罪の責任をごまかす神話を作り上げました。核兵器使用という残虐極まりない戦争犯罪に対する非難は、同年810日に日本政府がたった1回出した抗議声明以外、世界のどの国の政府からも出されませんでした(ちなみにこの抗議文には焼夷弾爆撃に対する批難も含まれていました)。かくして、「自由と民主主義の勝利」という名目上の「正義達成」目的のために使われた手段である核兵器もまた、正当化されてしまいました。そのため、核兵器そのものの犯罪性が、その後、厳しく追及されないままになってしまいました。 

            

 それが追及されなかったため、「正義は力なり」という米国の本来の主張は、核兵器という大量破壊兵器を使ったことによって、実際には「力(=核兵器)は正義なり」とサカサマになっていたことを暴露する機会が失われてしまったのです。つまり、米国が主張する民主主義の本質「正義は力なり」という普遍原理は、核兵器使用という犯罪性を隠蔽するための口実として使われることで、すっかり空洞化されていたのです。その結果、核兵器使用は「人道に対する罪」であり、核抑止力は「人道に対する罪」を犯す準備・計画を行う犯罪行為=「平和に対する罪」であるという核兵器の本質が、いまだに明確に普遍的な認識となって世界の多くの人たちに共有されていないのです。

 

 一方、日本は、1945815日に発表した終戦の詔勅(天皇メッセージ)で、「非人道的な原爆のゆえに降伏せざるをえなかった」と述べ、「原爆投下」だけを降伏決定要因とし、15年という長期にわたってアジア太平洋各地で日本軍が犯した様々な戦争犯罪や、アジア各地で起きていた抗日闘争を徹底的に無視するどころか、戦争は「アジア解放」という「正義」のためであったとの自己正当化のために原爆被害を利用しました。こうして、アメリカ政府同様に、日本政府もまた原爆殺戮を政治的に利用して、自国の戦争責任を隠蔽しました。

 

 しかも、連合国側に降伏するやいなや、日本政府首脳たちは「一億総懺悔」を国民に強要することで自分たちの戦争責任をうやむやにしてしまいました。同時に、天皇裕仁は本当は戦争に反対した「平和主義者」であったが、一部の軍指導者たちに政治的に利用された「戦争犠牲者」であるという神話を創り上げました。そのため、日本国民は天皇をまさに自分たちの戦争被害体験の象徴と見なすようになり、「一億総懺悔」は「一億総被害者意識」へと急速に転化していきました。日本人だけが被害者という「一億総被害者意識」からは、それゆえ他のアジア人=日本軍の残虐行為の被害者は完全に排除されてしまい、朝鮮人被爆者ですら長年の間「被爆者」とは見なされませんでした。その後、原爆無差別殺戮は日本の戦争被害のシンボルとしておおいに政治的に利用されるようになる一方で、日本人は、その加害の張本人であるアメリカ政府の責任を追及することもせず、日本人がアジア太平洋各地で繰り広げた残虐行為の加害責任を問うこともしないという、「加害者不在の被害者意識」にとらわれるようになりました。

 

 つまり、これまで、私たち自身が被害者となった米国の原爆殺戮犯罪の加害責任を厳しく問うことをしてこなかったゆえに、私たち日本人がアジア太平洋各地の人たちに対して犯した様々な残虐な戦争犯罪の加害責任も厳しく追及しないという二重に無責任な姿勢を産み出し続けてきました。わたしたちの戦後「民主主義」には、厳明な「責任認識」の上に立った「正義履行」という点で、このような重大な欠陥があったのです。そのため、米国の軍事支配(日米安保体制)には奴隷的に従属する一方で、アジア諸国からは信頼されないため、いつまでたっても平和で友好的な国際関係を築けない国となっています。このように、日米両国が犯した由々しい戦争犯罪行為の責任のどちらもがこれまで真剣に問われなかった事実は、今わたしたちが暮らしている日本社会の閉塞した現状と実際には深く且つ密接に関連しているのです。特定秘密保護法導入、安全保障関連法=戦争法の導入、「河野談話」や「村山談話」の実質的否定、原発再稼働、辺野古米軍新基地建設など、安倍政権が矢継ぎ早に出している反民主主義的で人権無視の政策は、この70年にわたって蓄積されてきたこのような日米両国の戦争責任問題と密接に絡んだいろいろな矛盾が、今まざまざと露呈しているのだと言えます。

 

 したがって、私たちには、もう一度「原爆・焼夷弾無差別大量殺戮」と「日本軍残虐行為」という二つの「人道に対する罪」の原点に立ち戻り、その視点からアメリカをはじめとする核保有国や核の傘に依存する日本などの核抑止力神話を打ち破るとともに、確固とした戦争反対の国際連帯を構築することが求められています。戦後間もなく、当時の首相・幣原喜重郎が発案し、占領軍最高司令官マッカーサーの支持をえて国会で十分議論が重ねられた上で作成された日本の憲法第九条は、そのような視点に立って市民運動を展開するための、私たちが拠って立つべき思想的基底であることを、再度ここで確認しておく必要があります。

 

 日本の植民地主義、軍国主義、米国の核戦争を経て、憲法第九条は、国家の非武装、軍事力によらない平和という絶対平和主義の思想、すなわち「いかなる理由によっても人間には人間を殺す権利はないし、誰も殺されてはならない」という信念が具現化されたものです。「原爆・焼夷弾無差別大量殺戮」も「日本軍残虐行為」も、まさしくこの絶対平和主義という普遍原理にあからさまに乖背する非人道的で破壊的な暴力行為です。これらに対する「責任」も認めず「謝罪」もしないまま、核兵器を保有し続け軍事力を増大させながら、「核のない世界」や「安全平和なアジア」の構築だけを表面的、形式的にだけ唱えることは、単に欺瞞行為であるだけではなく、憲法第九条の精神=人類の普遍原理を空洞化する、「人道に対する反逆行為」です。

 

 よって、私たちは、オバマ大統領が広島を訪問される際には、米国大統領として、原爆・焼夷弾無差別大量殺戮が人類に対する由々しい犯罪行為であったことをはっきりと認め、米国政府の責任の所在を明らかにした上で、原爆・焼夷弾被害者に謝罪し、残り少なくなった米国大統領の任期期間中、「核廃絶」に向けて全力で努力する覚悟を公にされることを要求します。と同時に、日本政府、安倍政権にも、中国・北朝鮮・韓国をはじめアジア太平洋諸国に対して自国の「戦争責任」を真摯に認め、謝罪し、「被害者」、「被害国」が受け入れられるような適切な戦後補償政策を実践していくことを強く求めます。 

2016 510

 

呼びかけ人:

久野成章 田中利幸 横原由紀夫

2015年6月29日 (月)

●戦後70年・東アジア市民宣言に賛同を!

憲法違反の戦争立法を強引に推し進めようとしている安倍政権は、歴史認識をめぐり8月に安倍談話を出すとしています。これに対して日本(在日の諸団体を含む)と韓国、米国の社会・市民団体は共同して、新しい時代を切り開いていく決意を込めて「東アジア市民宣言」を起草しました。多くの皆さまの賛同を呼びかけます。

 

東アジア市民宣言

 

-戦後70年!私たちは新しい時代を切り拓く-

 

 

私たちは、歴史認識などをめぐって近隣諸国との対立・反目を深めている安倍首相が、今夏に発表しようとしている「戦後70年談話」の内容に憂慮します。70年前、日本の敗戦によって、アジア諸国は侵略戦争と植民地支配の痛苦から解放されました。多くの市民が犠牲となった歴史と真摯に向き合い、私たちは、東アジアの市民として平和・共存・共栄のための信頼と協調の新しい友好関係をつくりだしていかなくてはなりません。

 

 日本は、侵略戦争と植民地支配の反省から、日本国憲法において「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起きることのないようにすることを決意し」、9条によって「戦争の放棄」を宣言しました。また、侵略国としての加害の責任を裁いた極東国際軍事裁判(東京裁判)を受け入れ、国際社会に復帰しました。戦後50年を経過した1995年には、「わが国は遠くない一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで、国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、とりわけアジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えました。この歴史の事実を謙虚に受け止め、あらためて痛切な反省の意を表し、心からのおわびの気持ちを表明する」とした村山首相談話を閣議決定し、世界に向けて発表しました。東アジアの市民は、その真摯な反省とお詫びの心をしっかりと受け止め、新しいアジアの時代が拓かれていくとの期待を抱きました。

 しかし、その後の日本社会には、村山首相談話の内容を否定し、先の戦争を自存自衛の戦争であり、アジアを解放する戦争であったとするなど、歴史事実をねじ曲げようとする勢力が跋扈しています。アジア諸国の平和と繁栄を求め、信頼と協調の関係をつくろうとして努力を重ねている東アジア市民への挑戦とも言えるもので、私たちの将来に大きな禍根を残すものです。

 とくに、安倍首相が発表しようとしている「戦後70年談話」において、「未来志向」に名を借りて、戦後50年の村山首相談話の核心を否定することは絶対に許しません。

 日本社会は、アジア・太平洋戦争を引き起こした国として、侵略戦争と植民地支配の加害の責任を継承していかなくてはなりません。

 戦後70年、東アジア市民のたゆまぬ努力にかかわらず、いまだ東アジアは対立と反目の中から抜け出せずにいます。私たち東アジア市民は、信頼と協調を基本にした真摯な対話の中から、以下に示す努力を粘り強く重ね、新しい時代を切り拓いていくことを決意します。

 

①安倍政権が、侵略戦争と植民地支配の加害責任をしっかり認め、被害者であるすべての人々に謝罪と補償するよう求めていきます。

 

②東アジア各国・地域の人々が相互理解を深め、歴史認識の共有化を図る努力を継続し、信頼と協調を基本に平和な地域を求めていきます。

 

③朝鮮戦争における休戦協定を平和協定に転換し、東アジアにおける軍事的緊張関係の最大の要因である、在日・在韓米軍基地の撤去を求め、東アジアに共通の安全保障を確立させ、地域の真の平和確立に努力します。

 

④日朝平壌宣言に基づき、昨年発表されたストックホルム合意も活かしながら、過去の清算に基づく日朝国交正常化を実現するよう求めていきます。

 

⑤日韓条約締結50周年に際して、日韓関係の見直しを行い、深刻な戦争犯罪・人権侵害である日本軍「慰安婦」問題など、抜本的な解決を図るよう求めていきます。

 

⑥戦後世界で唯一残された分断国家である韓国・朝鮮が、南北両首脳が結んだ6.15共同宣言と10.4宣言に基づき、自主的に平和統一に向けて南北の対話をつくり出すよう努力します。

 

⑦東アジアの真の平和のために、信頼と協調を基本に、すべての人々と手をつなぎ、最大限の努力を傾けていきます。

 

                                     以上

 

2015623

 

<日本>

戦後70 新しい東アジアへの一歩へ!市民連帯、フォーラム平和・人権・環境、ピースボート、日韓つながり直しキャンペーン、日韓民衆連帯全国ネットワーク、「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会、村山首相談話を継承し発展させる会、東京朝鮮人強制連行真相調査団、615共同宣言実践日本地域委員会、朝鮮学園を支援する全国ネットワーク、朝鮮の自主的平和統一を支持する日本委員会、日本朝鮮学術教育交流協会、「戦争と女性への暴力」リサーチアクションセンター(VAWW RAC)、全日本建設運輸連帯労働組合

 

<韓国>

戦争反対・平和実現国民行動キリスト教社会宣教連帯会議労働人権会館民家協良心囚後援会民族民主烈士犠牲者追慕(祈念)団体連帯会議民族自主平和統一中央会議民主労働者全国会議民主民生平和統一主権連帯民主守護公安弾圧対策会議民主主義自主統一大学生協議会、民主化実践家族運動協議会仏教平和連帯4月革命会ソウル進歩連帯ウリ民族連邦制統一推進会議イェスサルギ自主統一と民主主義のためのコリア連帯全国農民会総連盟、全国民族民主遺家族協議会全国民主労働組合総連盟、全国民主化運動遺家族協議会(社)全国貧民連合、全国女性農民会総連合全国女性連帯祖国統一汎民族連合南側本部 統一広場統一の道平和在郷軍人会韓国労働組合総連盟韓国進歩連帯韓国青年連帯21世紀韓国大学生連合

 

<米国>

反戦・反人種差別行動(ANSWER

2014年11月15日 (土)

●韓国進歩党強制解散に反対する緊急国際署名の呼びかけ

韓国統合進歩党への弾圧に反対する緊急国際署名のお願いです。

昨年、朴槿恵政権により野党第2党である統合進歩党の強制解散を求める憲法裁判所へ
の審判請求がなされました。

それから1年余の11月25日午後2時から憲法裁判所政党解散審判請求訴訟の最終弁論が予定され、年内にも判決が出される可能性が強まっています。
また、8月11日の高裁判決で無罪判決が出た統合進歩党の現役国会議員イ・ソッキ(李
石基)議員などの「内乱陰謀」ねつ造事件の最高裁判決も迫っています。

2つの裁判は表現の自由、集会・結社の自由という、民主主義の基本的権利と人権をめ
ぐる裁判であり、正当な政治活動を理由に政党が解散させられるならば、代議制民主主
義を否定するものです。

統合進歩党は、イ・ソッキ議員らの裁判と政党解散請求裁判の判決を前に、統合進歩党
の強制解散を阻止し、韓国の民主主義を守るために、下記のように、国際宣言と韓国最
高裁に対する嘆願書への賛同を韓国内だけではなく国際社会にも呼びかけています。
116sinpodan2
            11・6強制解散反対円卓会議で演説するイ・ジョンヒ統合進歩党代表


つきましては、下記の国際宣言と無罪釈放嘆願書にぜひ賛同してくださることをお願い申し上げます。ぜひとも多くの方のご協力をお願いいたします。

●第1次締め切り11月20日、第2次締め切り12月25日)
<こちらに署名していただければ、国際キャンペーンと嘆願書に署名したものとさせて
いただきます>

■お名前:                           
■公表の 可 否
■ご住所(都道府県のみ):
■あれば肩書き(所属団体や職業、役職など):

一言メッセージ

2014年11月13日
日韓民衆連帯全国ネットワーク
韓国良心囚を支援する会全国会議 

●署名送り先=Email:souryuji222@yahoo.co.jp
(〒112-0002)東京都文京区小石川1-1-10-105 Tel/fax03-5684-0194

<以下緊急署名呼びかけ文>
***************************************
「韓国の民主主義を守り統合進歩党の強制解散に反対する国際宣言と無罪釈放嘆願書」
 への賛同をお願いします。
 
韓国ではこの年内にも二つの裁判で判決が出されようとする重大な局面を迎えています。
その一つは、憲法裁判所で進歩的な政党である統合進歩党への政党を解散させる審判請求で、もう一つは、最高裁で統合進歩党の現役国会議員イ・ソッキ(李石基)議員など
の「内乱陰謀」ねつ造事件の裁判です。

「内乱陰謀」ねつ造事件裁判は、今年2月、国家情報院に買収された元党員が盗聴した
録音ファイルを唯一の証拠として、検察側の主張をそのまま認め、イ・ソッキ議員に12年、他の党員6名に7年から4年の懲役を宣告しました。2審では通称RO(革命組織)といわれる地下秘密組織はなく、「内乱陰謀」の謀議もなかったとして、この部分は無罪になったものの、イ・ソッキ議員の講演に「内乱扇動罪」を適用して懲役7年、その他6名に5年から3年の懲役を宣告しました。一般党員への平和を訴える講演が内乱の扇動に当たるのかどうかが、争点となっています。

一方、解散審判請求で朴槿恵政権側が政党解散の理由としているのは、統合進歩党の
国会議員イ・ソッキ議員らが、いわゆるROという地下秘密革命組織を作り「内乱謀議」をしたと起訴されたことです。しかし前述したようにイ・ソッキ議員らの第2審の裁判では、ROもなければ、「内乱陰謀」もなかったと認定されました。
それによって、政党解散に対する審判請求の根拠は大きく崩れてしまったのです。

このように、2つの裁判は表現の自由、集会・結社の自由という、民主主義の基本的権利と人権をめぐる裁判であり、正当な政治活動を理由に政党が解散させられるならば代議制民主主義を否定するもので、それこそ韓国の憲法違反なのではないでしょうか。

統合進歩党は、イ・ソッキ議員らの裁判と政党解散請求裁判の判決を前に、統合進歩党の強制解散を阻止し、韓国の民主主義を守るために、下記のように、国際宣言と最高裁に対する嘆願運動を行うということです。

11月6日には世界の著名人を含む139人が賛同する円卓会議を開き、「時局宣言」を発表
しました。

つきましては、この国際宣言と無罪釈放嘆願書にぜひ賛同してくださることをお願い申
し上げます。

 具体的には、下記を要請します。
1、国際宣言の賛同人になってください。
(11月末に新聞などに掲載する予定です。また韓国政府に提出します)
2、最高裁に対する無罪釈放嘆願書に署名してください。

 以上、よろしくお願い申し上げます。
●(第1次締め切り11月20日、第2次締め切り12月25日)

<こちらに署名していただければ、国際キャンペーンと嘆願書に署名したものと
させていただきます>
■お名前:                        
■公表の 可 否
■ご住所(都道府県のみ):
■あれば肩書き(所属団体や職業、役職など):

一言メッセージ


2014年11月13日
日韓民衆連帯全国ネットワーク
韓国良心囚を支援する会全国会議 

●署名送り先=Email:souryuji222@yahoo.co.jp
(〒112-0002)東京都文京区小石川1-1-10-105 Tel/fax03-5684-0194

*********************************************************************
<添付資料(いずれも韓国側から送られてきた資料です)>
1. 韓国の民主主義を守り、統合進歩党の強制解散に反対する国際宣言
2.無罪釈放嘆願書

<資料1>

韓国の民主主義を守り、統合進歩党の強制解散に反対する国際宣言
― 大韓民国の朴槿恵政権は、統合進歩党解散の企図を中止すべきである―

韓国第3党である統合進歩党の強制解散は、韓国の民主主義を後退させるものである。
政党の政治活動を保障することは、民主主義の原則である。韓国政府が統合進歩党を強
制的に解散させようとするのは、政治的多元主義を否定するものであり
、韓国の民主主義を後退させる行為であると判断する。

韓国政府の統合進歩党強制解散の企図は、不当であることが明らかになっている。
韓国政府の統合進歩党解散審判請求の核心的根拠であった、いわゆる「イ・ソッキ(李
石基)議員内乱陰謀事件」について、韓国のソウル高裁は重要な判決を下した。
事実審を終えたソウル高裁は「内乱陰謀」を無罪とし、地下革命組織の存在も認めなか
った。
そして、検察は裁判所に対し、統合進歩党が北と連携しているということを立証する証拠すら提出できなかった。
ソウル高裁の判決では、統合進歩党に対する解散審判請求の核心的根拠であった、いわ
ゆる「李石基議員内乱陰謀事件」の主要根拠が、事実上否定されたことが
明らかになっている。

統合進歩党を強制解散させるための審判請求は、国際基準にも合致しない。
議会主義的に選挙による政府樹立を目的としている統合進歩党に対する解散審判請求に
おいて、韓国政府も加入しているヴェニス委員会(法による民主主義のための欧州委員
会、The European Commission for Democrcy through Law)の関連指針を、韓国政府自
ら違反している。

ヴェニス委員会が2000年に採択した「政党の禁止と解散及び類似の措置に関する指針
(GUIDELINES ON PROHIBITION AND DISSOLUTION OF POLITICAL PARTIES AND ANALOGOUS MEASURES)」の第3項と第6項では、「政党の禁止または強制解散は、民主主義的な憲法秩序を転覆するための政治的手段として、暴力の使用を主張したり、または暴力の使用を介したりして、憲法により保障されている権利と自由を損傷させる政党である場合にのみ、正当化され得る。」、「どのような措置であっても、単に個々の構成員だけでなく、政党自体が違憲的な手段を使用、または使用を準備して政治的な目的を追求して
いるという、十分な証拠に基づいていなければならない。」と規定している。このようなヴェニス委員会の指針により、政党の結社の自由に関する権利は保障されなければならない。

韓国政府の統合進歩党に対する「レッテル貼り」は韓国の民主主義を弱体化させている。
我々は、2012年の韓国大統領選挙で、「国家情報院などの国家機関」が違法に介入した
という疑惑があったこと、そして、真実を明らかにするために韓国国民の闘争があった
ことを知っている。

危機に瀕した韓国政府は、いわゆる「李石基議員内乱陰謀事件」と、統合進歩党の解散
を憲法裁判所に請求することによって、危機を脱したが、韓国の民主主義は深刻な危機に直面することになった。

韓国政府は、米国の「マッカーシズム」を連想させる「従北(北に追従する意)」議論を前面に押し出して、恐怖と憎悪を政治に動員し、韓国国民の民主的思考を遮断した。

また、韓国政府は、ヨーロッパ諸国の中道右派政党の綱領水準にも満たない統合進歩党
の綱領を、政党解散事由として問題視し、国民が統合進歩党に同調することを負担に思
うよう、「レッテル貼り」をしている。韓国政府のこのような「レッテル貼り」は、韓国の民主主義を弱体化させる結果を招いている。韓国政府のこのような動きは、統合進歩党に対する解散審判請求を通じ、韓国社会において国民の口を強制的に封じさせることとなった。韓国政府の弾圧が、統合進歩党から始まって、韓国の他の政党や韓国社会全般に拡大されるという危険な状況にあることを指摘したい。

我々は、崩壊しつつある韓国の民主主義と統合進歩党解散に反対し、世界の民主主義と
良心の名において、韓国の民衆に支持と連帯のメッセージを送り、韓国政府と韓国憲法
裁判所に、それぞれ次のように要求する。

1.韓国政府が統合進歩党に対する政党解散請求を直ちに撤回することを要求する。
1.韓国憲法裁判所に要求する。統合進歩党に対する解散請求を棄却すべきである。
民主主義の核心である政治的多元主義を保障するために、憲法裁判所が先頭に
立つことを期待する。

2014年    月     日
国籍
氏名署名
職業/役職
e-mail



<資料2>
無罪釈放嘆願書

尊敬する最高裁判事
21世紀の大韓民国で、現役の国会議員が「内乱陰謀」の容疑で起訴されたというニュー
スは、私を含め世界各国の良心的な市民にとって、大きな衝撃でした。

さらに驚くべきことは、イ・ソッキ(李石基)議員が講演で、いかなる暴動行為も論じ
たことがないという点です。講演の主な要旨は、「もし米国が朝鮮半島で戦争を
起こそうとするならば、それを防ぐために戦わなければならない」というものです。
また、講演を聞いてから誰も暴動を準備した事実がないという点については、控訴審も
認めた事実です。

私は韓国で、いえ、世界のどの国であっても、「民主主義」と「マッカーシズム」が両
立可能であるかについて、疑問に思います。そのような点からも、
今回の事件は非常に不幸なことです。

尊敬する最高裁判事
各国の人権団体と国際機構は、韓国政府に対し、国家保安法の廃止を数回にわたり、公
式勧告しています。 南北が対峙している状況を考慮しても、人権を弾圧する悪法が
存在してはならないという評価を下しているのです。

李石基議員は、わずか90分の講演をしただけで、9年の懲役を宣告されました。 
結局、「内乱扇動罪」もまた、刑法上の 「もう一つの国家保安法」です。
特に、「表現の自由」に関する世界人権規約第19条に真っ向から違反する反人権的な条
項です。

韓国は、国連人権理事会の理事国に選出された国です。国連人権理事会は、理事国に対
しては最高水準の人権状況を明文化し要求しています。
人権の最後の砦である最高裁判事の判決を通して、韓国の人権状況に対する懸念を解消
し、さらには、韓国がアジアの民主主義と人権増進において、責任ある役割を果たすこ
とを期待します。

ここに切実な思いを込め、李石基議員と関連拘束者たちの無罪釈放を訴えます。

2014年   月   日

氏名 :                                              
国籍 :
職業・ 役職 :

2013年12月22日 (日)

「内乱陰謀罪」ねつ造弾圧反対・嘆願書へのオンライン署名にご協力を

下記の2つのサイトから嘆願書へのオンライン署名にご協力下さい

英語・日本語・韓国語で説明があります。

http://goo.gl/agKTa7
http://www.avaaz.org/jp/petition/petition_52aeacabea5ea/?copy

歎願書

尊敬する裁判長

韓國民主主義發展韓國人權擁護する社會としてけることをからです韓國民主化運動により軍事獨裁時代がおりましたOECD會員國であり世界10位圈にはいる經濟大國ですしかし最近韓國のニュスには憂慮じずにはいられません

韓國國家情報院大統領選擧介入した事實られるようになると國情院解體朴槿惠大統領責任要求する民衆まりましたすると國家情報院統合進步黨李石基議員をはじめとする統合進步黨關係者たちを內亂陰謀したとして搜索逮捕しました

國家情報院らかにした內亂陰謀證據3年間秘密裏査察して錄音したものだとって衝擊けました李石基議員講演したたちの討論中根據拘束するのは思想言論自由拘束することにほかなりません民主主義發展してきた韓國でならば討論じて解決できるにもかかわらず7監獄人權侵害自由拘束という批判直面しているのです念極まりないことです

李石基議員內亂陰謀事件韓國政府政治的反對勢力する政治彈壓政治報復性格いことに注目しています7拘束起訴した初公判かれる韓國政府統合進步黨解散請求しました統合進步黨韓國進步的政黨として弱者代辯のための政治活動っていますニュクタイムスは韓國政府進步黨解散請求去年大統領選統合進步黨候補朴槿惠候補批判したことにする政治報復だと報道しました無視政府解散はファシズムの姿そのものです 

韓國軍事獨裁時代情報機關じて政治的反對者彈壓した歷史があります內亂陰謀ったとして拘束されたり死刑にされたたちは30年後再審じて無罪らかになりました代表的金大中內亂陰謀事件です韓國社會過去情報機關政治的反對者彈壓することに深刻憂慮じえません 

尊敬する裁判長

韓國民主主義發展けていくことでしょうくのむところであり民主主義るために努力しているからです過去った判決再審してきた司法府姿正義をめざす勇氣ある努力として韓國民主主義發展きく寄與したといます 

現在拘束されている李石基議員をはじめとする7マスコミが情報機關提供した搜査內容事實確認もしないまま刺戟的報道したことにより世論裁判にさらされましたその精神的物質的苦痛深刻ですらの家族もまたアカスパイわれ魔女狩式攻擊けています

拘束されたたちが家族同僚ってくることをいます情報機關政治的反對者彈壓する行爲中斷されることをいます韓國民主主義人權擁護後退憂慮わることをいます裁判長正義にみちたいます

名前                                           署名

住所

生年月日

e-mail

職業 又は 役職

2013年8月 8日 (木)

8・1ソウル-ピョンヤン-東京 リレー国際シンポを開催

81日、朝鮮戦争停戦60周年・「ソウル平壌東京リレー国際シンポジウム『戦争から平和へ、朝米平和協定締結の道へ』」が東京・千代田区の学士会館で行われ、在日韓国・朝鮮人や日本の市民ら350名が参加した。

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シンポジウムは、ソウルとピョンヤンで行われた停戦協定60年の行事にそれぞれ参加した海外ゲストを中心に東京で一堂に会し、あらためて朝鮮戦争停戦協定60年を平和協定締結への国際的アピールを強めようと準備されたもので、シンポジウム実行委員会共同委員長は、6.15共同宣言実践海外側委員会の郭東儀共同委員長(日本地域委員会議長)、6.15実践日本地域委員会の安秉玉名誉議長(在日朝鮮人平和統一協会副会長)、朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会の日森文尋議長、日韓民衆連帯全国ネットワークの渡辺健樹共同代表が務め、平和フォーラムが協賛した。

 

シンポジウムには、韓国の平和シンポジウムと平和行進に参加したミシェル・チョスドフスキー・カナダオタワ大教授、ピョンヤンの国際平和大行進と米軍の蛮行を糾弾する国際糾弾大会に参加した米国のラムゼイ・クラーク元司法長官、ブライアン・ベッカー反戦反人種差別行動(ANSWERアンサー事務局長)、マラ・フェルハイドン・ヒリアード弁護士、中国・清華大学の鄭己烈客員教授らが一堂に会し、これに朝鮮大学校の金英子教授も加わり、コーディネーターを韓国問題研究所所長の康宗憲さんが務めるという陣容で行われたもの。

 

シンポジウムでは、クラーク元長官とチョスドフスキー教授が基調報告。

 

 

クラーク元長官(写真右)は、日本の植民地支配から解放された朝鮮に軍103548_33038_3226_2 事境界線を引き、分断された南側を統治した米国が1950年からの3年間の戦争で北側に対し行った軍事行動はジェノサイド(大量虐殺)そのものであったと指摘。朝鮮が受けた被害は、第2次大戦でのヨーロッパ各国の被害を上回る水準であったと述べた。

 

廃墟と化した国土を朝鮮が、米国の軍事的、経済的圧力の中でも再建したことについて触れた元長官は、「平壌は世界的にも美しい街」だと語り、今回の訪朝に関し朝鮮人民の高い文化性と勤勉さを目撃したと感想を述べた。

元長官は、長い歴史の中で朝鮮民族が引き継いできた同じ言語と文化を分断した米国人の一人として、「朝鮮半島の再統一を手助けしたい」と話した。

 

 

ソウルのシンポジウムに参加したチョスドフスキー教授(写真左)は、朝鮮戦争で米国が軍事施設ではなく民間人を標的にした 103548_33039_3226_3 核攻撃作戦を計画し、戦後からこんにちにいたるまで朝鮮を核で威嚇してきたことについて言及し、米国の脅威に対処するために朝鮮が核実験を行わざるを得なかったという経緯は説得力があると指摘した。

 

そのうえで、朝鮮半島の平和的統一のためには、南朝鮮に駐屯する米軍が撤退しなければならないとしながら、それは「現実可能な歴史的プロセス」だと主張した。

 

 

続いて行われたパネルディスカッションで、ブライアン・ベッカーANSWER事務局長(写真右)は朝鮮半島平和には米国政府の意志が大きな影響を与えると指摘し、米国人が自国政府に対して、その実現を要求することは米国人の103548_33041_3226_2義務だと話した。また、米国の圧力によって朝鮮が「崩壊」することはなく、南の民衆も朝鮮半島の平和を望んでおり、米国は朝鮮に対する強硬政策を変換しなければならないと強調した。

 

 

 

サラ弁護士は、朝鮮は米国の終わりなき脅威の中で、平和に生きるという当たり前の権利すらも奪われてきたと話し、米国が主導する対朝鮮経済制裁は事実上の戦争行為にあたる不当な措置だと指摘した。

 

また、金英子教授は「停戦協定60年と日本」をテーマに在日朝鮮人に対する日本政府の一貫した差別政策や朝鮮学校への「高校無償化」適用除外などの状況を報告し、鄭己烈・清華大客員教授は今回のシンポジウム開催の意義について強調した。

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これに先立ち海外ゲストの一行は、日本外国特派員協会での記者会見、朝鮮学校訪問なども精力的に行った。

 

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