無料ブログはココログ

カテゴリー「韓国動向」の40件の記事

2017年8月17日 (木)

●【詳報】 2017 8・15ソウル平和行動に日本訪問団参加

韓米合同軍事演習中止・サード配備撤回・平和協定締結もとめ8・15行動

17815_2            キャンドルに代わる1万余の赤い傘で埋め尽くされたソウル市庁舎前

 8月15日、72回目の光復節(解放記念日)のソウルは激しい豪雨の1日となった。

 午後3時、豪雨を突いてソウル市庁舎前広場では、韓国進歩連帯・民主労働組合総連盟(民主労総)・全国農民会総連盟(全農)・全国貧民連合、全国女性連帯など200余りの社会・市民団体が主催する「主権回復と朝鮮半島の平和実現のための8・15汎国民平和大会」が1万人余りの結集で開かれ、参加者はキャンドルの代わりの赤い傘をさしてぬかるみのなかを座り込んだ。さらに集会後、光化門の横にある米国大使館前で抗議行動を繰り広げた。

 

 8・15光復節には、政府主催の記念式典や日本への戦後補償を要求する被害者団体・支援団体などの行動も毎年取り組まれているが、労働者・農民・貧民・女性・青年学生たちは何十年にもわたり、解放とともにもたらされ今なお続く南北分断克服のための取り組みを進めてきた。とくに今年は、キャンドル行動の巨大なうねりで朴槿恵政権を打倒し、新政権発足後初めての8・15であり、また朝鮮半島の緊張が極度に高まっている中での大会開催となった。

815

      心を一つに韓米軍事演習中止、サード配備撤回、平和協定締結のスローガンを叫ぶ

 大会では、はじめに労働者、女性、青年学生の各団体から選抜された500人の統一先鋒隊(全国キャラバン隊)が、各地での取り組みや交流の成果を報告。律動(集団群舞)を披露して会場を大いに盛り上げた。とくに民主労総から選抜された200人の統一先鋒隊は、龍山(ヨンサン)に新たに設置された日本による強制労働を象徴する「徴用工像」の除幕式にも参加後、首都圏市民にトランプの卑劣な言葉を知らせて「戦争危機の中に国を押込む韓米戦争演習を中止しろ」との500枚の横幕を市中に掲示するミッションにも取り組んだ。私たちも訪問中、ソウルの各所でこの横幕を見た。

 

P1010268_640x480_3

                   500人の統一先鋒隊が先頭で決意表明

Photo

                  8・15の数日前にミッション「横幕作戦」が遂行された

チェ・ジョンジン民主労総委員長職務代行(注 ハン・サンギュン委員長が不当拘束されているため)や全農、全国女性連帯など各団体代表が登壇し大会決議文を朗読。

決議は、「最近米国は朝鮮半島での武力行使を云々(うんぬん)しているが、キャンドル政府を自認する文在寅(ムン・ジェイン)政権は、清算すべき朴槿恵前政権の韓米同盟強化政策、一方的な対北敵対政策から抜け出せずにいる」と批判し、「一触即発の軍事的危機を前に韓米が21日から31日まで実施予定の合同軍事演習『乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン』は当然中止するべき」であり、「米国が数十年間推進してきた対北敵対政策を中断し関係正常化と平和体制構築に向けた対話と協議に入れ」と訴えた。さらに「偉大なキャンドル抗争で腐敗と反民生、事大主義、反統一の政権を追い出したが、分断と冷戦を克服しない限り積弊(積もり積もった弊害)清算の時代的課題を成し遂げることはできない」として、「分断により未完成である私たちの光復(解放)をもう完成させよう」と提起した。さらに「韓米日同盟を完成させる意図で強行された韓日『慰安婦』合意と韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を廃棄し、朝鮮半島危機を高めるサード配備を直ちに撤回しなければならない」と要求した。

                                     

P1010269_640x480_2

            ハン・チュンモク韓国進歩連帯常任共同代表

 登壇したハン・チュンモク韓国進歩連帯常任共同代表は、「文在寅政権は、隣国の反発と報復を招き、我が国が統制できない米軍のサード(高高度ミサイル迎撃システム)配備をただ韓米同盟という名前で押し切っている。韓米同盟の名のもとにすべての常識と合理、平和への要求が敬遠されている状況下で自らをキャンドル政府と自認できるのか」と問い、「キャンドルの灯に込めた人々の願いは、国民が主人になる国、自主権がある国らしい国だ。朴槿恵積弊勢力が追求した韓米同盟の国、対米屈辱の国ではない。私たちこそがキャンドルの灯だ。国民が主人である国、使い道がなく平和を害するだけのサードのような兵器が配備されない国、米国に『戦争はあってはならず、平和交渉を開始せよ』と堂々と要求する国、キャンドルの灯が念願する自主・平和・統一の世の中をどうしても創ろう」と力強く訴えた。

 続いて、イ・チャンボク6・15共同宣言実践南側委員会常任代表議長の激励辞、良心囚釈放推進委員会による「ハン・サンギュン民主労総委員長、イ・ソッキ旧統合進歩党国会議員の釈放」を求める映像と公演、韓国民衆歌謡グループ「ウリナラ」のミニコンサートなども行われた。

 またサード配備地でこれに反対している星州(ソンジュ)、Xバンドレーダーの前面に位置する金泉(キムチョン)からも住民が大挙して参加し、金泉の代表から「サード配備撤回」まで闘う力強い決意表明がなされた。

P1010301_640x480

                   サード(THAAD)配備撤回を叫ぶ金泉の住民代表

Photo_2

 

日本からの訪問団、在日韓国青年同盟も連帯あいさつ

さらに東京・関西・沖縄・平和フォーラムなどから参加した日本の訪問団と、政権交代により入国が可能となった在日韓国青年同盟(韓青)代表団が一緒に登壇し、日本訪問団を代表して勝島一博・平和フォーラム事務局長、韓青を代表してキム・スンミン委員長がそれぞれ連帯の挨拶をおこなった。

P1010274_640x480        日本訪問団も全員登壇し勝島・平和フォーラム事務局長が連帯挨拶
P1010288_640x480
                      在日韓国青年同盟代表団も連帯挨拶

 

 1万余人で米国大使館前抗議行動

  

17815_3

        米国大使館前を埋め尽くし抗議する人々(左端の建物が米大使館)

 大会を終えた一万余人の参加者は、「NO WAR NO TRUMP」と書かれた先導車と「怒りの雷鳴」を模した数百人の太鼓隊を先頭に光化門(カンファムン)前広場へ向けて平和行進を開始。ここは昨年キャンドルで埋め尽くされた場所だ。米国大使館はこの広場の通りに面して建っている。当初予定していた米国大使館への「人間の鎖」は裁判所から不許可決定を受けたため、大使館前に1万余人の参加者が幾重にも陣形をとり、キャンドル代わりの赤い傘で埋め尽くされ、米国・トランプへのレッドカードにもなった。参加者は米国大使館に向かって「サード配備反対」「戦争やめろ」「平和協定を締結しろ」などのスローガンを口々に叫んだ。

17815
口をチャックでふさいだトランプの似顔絵とSTOP!UFG(乙支フリーダム・ガーディアン)と書かれた横幕を掲げ行進する人々

 米国大使館前行動は1時間ほど行われ、最後にチェ・ジョンジン民主労総委員長職務代行が「72年前と比べて日本と米国が入れ替わっただけで帝国主義の支配が続いている。韓国政府が出ることができないなら民衆が団結して朝鮮半島の戦争危機を防ごう」と締めくくり行動を終えた。

P1010254_640x472                    NO WAR  NO TRUMPを掲げた先導車

P1010261_640x480_4           先導車に取り付けられたトランプの吹き流し。下からの風でコミカルに動く

Photo              「怒りの雷鳴」を模した数百人の太鼓隊が先頭で行進
17815_2

2016年8月19日 (金)

【2016 8・15ソウル行動報告②】8・15自主平和統一大会

P1000982_640x480
 翌8月15日、ソウル・大学路で開催された「光復71周年-朝鮮半島の平和と自主統一のための8・15民族大会」に参加した。会場に到着するとすでに民主労総や青年・学生らの前段集会が開かれていた。

P1000965_640x480
 全体集会は、迫力ある太鼓パフォーマンスで始まった。

 

6・15共同宣言実践南側委員会の李昌馥(イ・チャンボク)常任代表議長は大会辞で、一方では南北の交流窓口である開城(ケソン)工業団地を閉鎖し、他方では日韓「慰安婦」問題合意と米軍サード配備という現政権の政策を取り上げ、「これらすべてのもの『北朝鮮圧迫のため』としているが、同族を抹殺するために外勢を引き込んで、国の主権と平和を捨てるということは有り得ないこと」と強く批判した。

 

そして、率先して「朝鮮戦争を終わらせる平和協定締結のために積極的に努力しよう」としながら「サードを配備するのでなく関係正常化で平和協定締結に進むべきだ」と強調した。

P1000966_640x480
 また、「最近数年間民族共同行事がまともに成し遂げられずにいる」としながら、ソウル8.15民族共同行事と南北労働者統一サッカー大会が政府の民間交流不許可措置で失敗に終わったことに触れ、「政府の対北政策は明らかに失敗した」と語り、対話と交流、出会いの場を復元するためにより積極的に活動すると述べた。

 

 大会ではまた、キム・ヨンジュン韓国キリスト教教会協議会総務、日本訪問団からフォーラム平和・人権・環境の藤本泰成共同代表、韓国挺身隊問題対策協議会の尹美香(ユン・ミヒャン)常任代表らが発言した。

 

また韓国民主化運動の最長老の一人である白基玩(ペク・キワン)さんも特別発言を行った。

P1000972_640x480
 藤本さんは、「日帝植民支配とその後の民族分断の歴史に対して日本人として責任を痛感し、心より謝罪申し上げる」としながら、「安倍政権が憲法改悪を通じて『戦争をすることができる普通の国』を目指し自民党内でも強硬派で知られる稲田朋美を防衛相に任命するなど歴史わい曲と国家主義を強めようとしている」と批判し、これらに反対していく決意を表明した。

P1000975_640x480

 ユン・ミヒャンさんは、「これまでの真実糾明を要求した日本軍慰安婦被害者ハルモニたちの声を冷遇し、韓国政府が10億円で日本政府と『最終的かつ不可逆的』な終結を推進している」と糾弾し、いまは「財団を設立した後日本政府の10億円が入ってくる日だけを待っている局面」としながら、「公式謝罪、法的賠償と歴史教科書収録、追悼碑建設、責任者処罰など正当な要求を解決するために国民と共に闘い抜く」と明らかにした。

P1000978_640x480
 終了後、平和統一大行進が行われ、私たち訪問団一行も横断幕を掲げて行進した。

117782_52387_480
117782_52386_480

 

【2016 8・15ソウル行動報告①】サード配備反対1万人集会ほか

 東京・大阪・沖縄の各地と平和フォーラムで構成する訪問団は、8月14日、それぞれソウル入りしホテルで合流。韓国進歩連帯の仲間たちとともにさっそく活動に入った。

 1000人円卓会議に参加

 最初は、光化門前広場で開催された「自主平和統一のための1000人円卓会議」に参加。

これは、北側が呼びかけた南・北・海外(在住)の各界代表による連席会議の提案を朴槿恵政権が拒否したため、南側の各界代表1000人の円卓会議という形をとったもの。

各界代表が次々と発言し、南北対決ではなく対話と和解、平和と統一をめざすことの重要性が強調された。

P1000942_640x480

 日本大使館前「慰安婦」メモリアルデー

続いて訪問団一行は、徒歩で日本大使館前に移動。この日はキム・ハクスンさんが初めて日本軍「慰安婦」被害者であることを告白した日で、日本軍「慰安婦」メモリアルデーとして日本をはじめ世界各地で同時行動が行われている。

日本大使館前では、少女像を囲むように人々でぎっしり埋まり日韓政府間「慰安婦」合意を批判する「ナビ(蝶)文化祭」がすでに行われていた。設営された舞台の上では、「冬のソナタ」のキム次長役などで日本でもよく知られる俳優で人権・平和活動家でもある権海孝(コン・ヘヒョ)さんらが熱い思いを語り、また日本から参加した在日韓国人歌手・李政美(イ・ジョンミ)さんが熱唱した(写真)。

P1000946_640x480_2

ソウル市庁舎前広場を埋めたサード配備反対1万人集会

 8月14日午後7時からソウル市庁舎前広場に1万人が結集して「サード(THAAD)韓国配備撤回汎国民大会」が開かれ、サード配備が予定される星州(ソンジュ)住民35人も参加した。

 大会では、星州住民がサード配備反対の思いを込めた歌を披露。星州農民会の李ジェドン会長は「サード反対の闘争が全国に拡散しており、その力でホワイトハウス10万署名運動も成功した」と強調し、星州住民の闘いに対する協力と応援を求めた。

P1000953_640x480
 星州は、朴大統領の先祖代々の墓所もあり、住民の8割近くが与党支持でそのうち4割近くがセヌリ党党員という土地柄だという。そこへ降ってわいたサード配備の話に当初は「なんで星州なのか、ほかの土地へ持って行け」といった反対姿勢だったが、やがてサードの危険性が明らかになるにつれ「これは地球村の平和の助けにならない」「星州だけでなく韓半島のどこにもいらない」「地球村のどこにもいらない」という姿勢に変化していったという。

舞台後方の大モニターでは、翌日の現地集会で1000人が剃髪で抗議を予定している星州現地と生中継され、現地からの生々しい声も届いた。

P1000952_640x480_2
 参加者らはキャンドルを掲げながら、サード配備によって平和が脅かされ、中国・ロシアとの関係破綻で経済も打撃を受けるとし、配備撤回を要求した。

 大会では、民主労総の委員長代行、米国のブルース・ギャグナンさん(宇宙への兵器との配備に反対するグローバル・ネッ トワーク事務総長)なども発言した。

 続いて8・15前夜祭へ

 サード反対汎国民大会が終わると、そのまま今度は「815自主平和統一文化祭(前夜祭)」に切り替わり、夜遅くまで様々なパフォーマンスが繰り広げられた。日本と米国の訪問団も全員登壇してアピールし大きな拍手を受けた。

P1000963_640x480
P1000961_640x480

2016年7月 6日 (水)

●ハン・サンギュン民主労総委員長への重刑判決に抗議する- 民主労総の抗議声明

 昨年1114日にソウルで開かれた民衆総決起大会など13件の集会で「不法行為を主導した」として逮捕・起訴されていたハン・サンギュン民主労総委員長に、ソウル地裁は74日「特殊公務執行妨害致死傷罪」などを適用し懲役5年と罰金50万ウォンの判決を下した。全斗煥軍事独裁政権を打倒した19876月民衆抗争・労働者大闘争以降で、大規模集会主催者に加えられたもっとも重い刑である。

 1114民衆総決起大会は、朴槿恵政権による反民衆・強権政治に反対し13万人もの人々が結集した。これに対して警察は「不法集会」として警察車両と放水車で車壁を作り、参加者へ高圧放水を容赦なく注いだ。この過程でカトリック農民会のペク・ナムギさんが集会現場にただ素手で立っていただけなのに、高圧の放水銃で至近距離から直撃され転倒し、今も昏睡状態のままである。

 私たちは、ハン・サンギュン民主労総委員長にかけられた重刑攻撃に国際的な抗議と韓国労働者・民衆の闘いに連帯を表明する。  (日韓ネット事務局)

 

 【昨年12月のハン・サンギュン委員長逮捕時の日本からの抗議声明は下記】

http://nikkan-net.cocolog-nifty.com/blog/2015/12/post-b2bc.html

 

P1000671_640x4711            昨年の8・15ソウル国際平和討論会で挨拶するハン・サンギュン委員長

権力に屈服した公安判決、重刑宣告を糾弾する

 ハン・サンギュン委員長とすべての拘束者を直ちに釈放せよ

201674日 全国民主労働組合総連盟

 

今日ソウル地方法院がハン・サンギュン委員長に懲役5年を宣告した。政権の常軌を逸した剣の舞いを止める一筋の司法の正義に期待したが、無駄な期待となった。司法府までが大統領府の掌から一歩も抜け出せないことを見せ付けた判決だった。今日の判決は政権に平れ伏して、民主と人権、労働を踏みにじった判決として記録されるだろう。自ら権力の物陰から抜け出せず、司法の独立を語ることこそ言語道断だ。

国民が付与した公権力が権力の私兵になったとすれば、それはもう公権力ではない。三重の車壁と数万人の警察兵力、降り注ぐ水大砲は、13万の民心を踏みにじっても大統領府のへの道を守るという、いわゆる『ディフェンスゾーン』死守のための公権力であり、不法な国家暴力だった。保護されなければならないのは、権力の私兵になった公権力ではない。不法な車壁を乗り越えて平和的な行進をする権利、抵抗し、要求する権利こそが保護され、保障されなければならない権利だ。法廷に立たなければならないのはハン・サンギュン委員長ではなく、ペク・ナムギ農民に生死の境を彷徨わせている暴力的公権力とその責任者でなければならない。

権力を私有化した朴槿恵独裁政権の凶悪行為が続いている。父母連合の官製デモ動員とセオウル号の真実糾明妨害のための特調委の強制終了、新手の報道指針、政経癒着の密室非公式長官協議体など、どれ一つをとっても尋常ではない。労働改悪と大量解雇リストラで労働者は苦しみ、民生は破綻しているのに、財閥資本に降り注ぐ特典は続いている。

国内政治だけが問題でない。南と北は対話と交流が全面的に中断、封鎖され、韓半島周辺を戦争の危機に追い遣るTHAAD配置を強行するなど、緊張と対決に駆け上がっている。残酷な大韓民国だ。

民主と民生、平和と人権を踏みにじる独裁が、むしろ労働者・民衆を断罪しようとする世の中を終わらせよう。民主労総は今日のハン・サンギュン委員長に対する政治報復・公安弾圧の有罪判決を認めない。権力の圧迫に屈することなく釈放判決を出すことができる司法の正義を要求する闘いと、公安弾圧、労働弾圧に抗して集会デモの自由、完全な労働三権を勝ち取るための闘いも止まることはないだろう。更に、朴槿恵政権の暴圧に抗して労働改悪廃棄、最低賃金1万ウォンなど、5大要求を勝ち取るための720ゼネスト総力闘争、9月の二次ゼネスト、11月の20万民衆の総決起によって、さまよう政権の最後の基盤を押し倒す闘いの最前線に立つことを、ここに明らかにする。トゥジェン! 

(翻訳・日韓民主労働者連帯)

2016年5月25日 (水)

●'16 5・15沖縄平和行進に今年も韓国から参加

  2016 5・15沖縄平和行進・韓国参加団同行記

                                    (H・K)

 今年も沖縄5.15平和行進に韓国から参加団が訪沖した。

海軍基地が完工した済州(チェジュ)の江汀(カンジョン)、それ以外の済州の平和活動家、米軍基地のある平澤(ピョンテク)の平和センター、「基地村」のある議政府(ウィジョンブ)の女性支援センター、ソウルにある軍事、米軍基地に関する活動をする市民団体、釜山の基督教の団体等25名が参加。今年は早いもので沖縄と韓国の連帯20周年にあたる。

 

 初日(5/11)は南部戦跡、韓国人慰霊塔を訪れる。沖縄戦のことなど今年も沖本裕司さんが案内してくださった。

 

2016okinawaa_22016okinawab_2
2016okinawa1_3

 

健児の塔近くの泉。当時は貴重な飲み水だったそうだ。

2016okinawa2

 

2日目(5/12)は辺野古座り込みに参加。午前中の座り込みは自治体で曜日ごとに参加するそうだが、この日は中部の方が多く来ていた。

2016okinawa3

 

3日目(5/13)辺野古にて出発式でキム・ヨンハンさんが20年を振り返りながら挨拶をし、平和行進開始。

2016okinawac
2016okinawa4
2016okinawa5


 午後から高江を訪問。

  ヘリパッドのこと、1200億円もする欠陥機オスプレイのことや高江の自然のことなど説明を聞く。

2016okinawa6

 その後、演芸大会も行われる。

2016okinawa7

「歌は下手なので」と歌と踊りを披露してくれたカン・ミさんに続いてみんなで踊る。

 2016okinawa8

 大人数で食堂に入れず、宿泊先のペンションで夕飯と翌日の朝食は自炊。お米20合と30人分のみそ汁。

 

2016okinawad2016okinawae

4日目(5/14)は沖縄県立博物館にてシンポジウム

 

テーマ:「海を越えて手をつなごう -武力で平和はつくれない-」

日時:2016514日(土) 午前10時~午後5

会場:沖縄県立博物館美術館 2階講堂(200名)

 

発表① 戦争法制・戦争の現実的危機

沖縄(佐藤学 沖縄国際大学)

韓国(パク・ソクジン 開かれた軍隊のための市民連帯)

 

発表② 基地(環境・人権・現況)問題の報告

神奈川(木元茂夫「安保法制と自衛隊」DVD上映と解説)

韓国(カン・ミ 平澤平和センター)

韓国(基地村女性人権問題 トゥレバン)

 

発表③ ドキュメント上映と解説

沖縄(『圧殺の海』最新版より)

韓国(基地平和ネットが制作)

 

発表④ 戦争の脅威に立ち向かう取組み

京都(大湾宗則 XバンドとTHAAD配備)

沖縄(新垣徳正 オール沖縄の辺野古阻止の取組み)

韓国(済州 カンジョン海軍基地問題)

2016okinawa9

 5日目(5/15)は首里の末吉公園から出発。

2016okinawa10

 最後は那覇市新都心公園にて県民大会。江汀村婦人会会長カン・ムンシンさんが江汀の状況を訴え連帯をアピール。

2016okinawa11

 翌日の新聞にも載る。

2016okinawa12

 その4日後に号外が出る。繰り返される米軍関係者の凶悪犯罪に“ 怒!”

2016okinawa13

 

2016年4月18日 (月)

●緊急分析:朴槿恵与党が惨敗!何があったのか韓国総選挙

韓国の国会議員選挙、何があったのか

                                   日韓ネット事務局・ かもめ

 

1)第20代総選挙(国会議員選挙)の結果

 

 

                                                                   
 

 

 

区分

 
 

議席

 
 

        政党別当選者数  (2016414現在)

 
 

1

 
 

2

 
 

3

 
 

4

 
 

×

 
 

共に民主党

 
 

セヌリ党

 
 

国民の党

 
 

正義党

 
 

無所属

 
 

選挙区

 
 

253

 
 

110

 
 

105

 
 

25

 
 

2

 
 

11

 
 

比例代表

 
 

47

 
 

 13

 
 

 17

 
 

13

 
 

4

 
 

×

 
 

合計

 

(現職)

 

増減

 
 

300

 
 

123

 

102

 

21

 
 

122

 

146

 

24

 
 

38

 

(20)

 

18

 
 

6

 

5

 

1

 
 

11

 

×

 

 

2016413日に行われた韓国国会議員選挙は、与党「セヌリ党」が24議席を減らして惨敗、野党の「共に民主党」は21議席増で第一党となり、「国民の党」も院内交渉団体を大きく上回る議席数増を勝ち取った。与党の過半数割れは2000年以来16年ぶり(上段表参照)。

 次はこれらを反映した韓国各紙の選挙関連「社説」の見出しだ。

『朝鮮日報』与党に投げた国民の警告、朴大統領が直接答えるべき

『中央日報』選挙の民意は大統領の変化を求める

『東亜日報』与党惨敗、朴槿恵大統領に変革求める国民の命令

『ハンギョレ新聞』民意は朴槿恵大統領を審判した

『京郷新聞』朴大統領は国政の失敗を謝罪し、大転換を宣言せよ

 

2)朴槿恵大統領への「審判」

先の韓国マスコミの見出しにあるように、今回の選挙は朴槿恵大統領の諸政策に対する「NO!」の表れだ。

ソウル市をはじめとする首都圏では野党に大敗北し、「野党不毛の地」「朴大統領の心臓」と言われた大邱では元京畿道知事を務めたキム・ムンス(37.8%)が「共に民主党」の金候補(622%)に敗れた。釜山(選出議員、全体で18人)では、前回の選挙でセヌリ16人、民主が2人だったのが、「セヌリ」12人、「共に民主」が5人、無所属1人と大きく変化している。

ソウル市カンナム(江南)は富裕層の住宅地で保守の地盤として有名だが、ここでも「共に民主」の51歳の女性議員が51.5%で当選した。京畿道の江南とよばれる高級マンションが林立するブンダン(盆唐)でも「共に民主」に議席を明け渡した。「絶対に揺るがない保守の牙城」にあちこち風穴が空いていった。

ソウル市鍾路区では「共に民主」候補(524%)が与党候補のオ・セフン(40.0%)を破る。オ・セフンは元ソウル市長で与党の若手ホープ。次期大統領選候補としても名が挙がっていただけに与党にとって、この敗北は痛い。

また、若手の「朴槿恵キッズ(日本でいう“朴槿恵チルドレン”)」のソン・スジョ(プサン)やイ・ジュンソク(ソウル)の敗北は、朴槿恵大統領にとって大きな痛手だ。

日本の各紙も朴槿恵大統領の「死に体」状態は避けられない、慰安婦問題をめぐる昨年末の「日韓合意」の行方も不透明、との論評。朝日新聞では「日本が年内合意を希望する自衛隊と韓国軍の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結も厳しくなるとみられる」と指摘。

 

3)内紛で自滅

 与党敗北の大きな理由の一つに、公認候補の選出過程でみせた与党の政治抗争、内紛がある。朴槿恵大統領が自分に近い「親朴(大統領派)」のみを公認候補に選び、これに抵抗する「非朴(反大統領派)」との泥仕合はすさまじかった。「親朴」はさらに「真朴(大統領への忠誠派)」となり、大統領は周りの意見に耳をかさずイエスマンのみを登用、「非朴」を切り捨てて行った。ハンギョレ新聞はこの状況を「韓国の政党史上で最悪」、「過去にも公認の軋轢が高まり大統領府の圧力が取り沙汰されたことはあるが、“大統領が気に入らない”という理由だけで、これほど多くの現職議員を公認排除したことはない(2016.3.16)」と書いた。大統領自身の強引な手法が与党支持層からもそっぽを向かれた。

代表的な人物がユ・スンミン。大邱で判事の家に生まれ、2005年には当時ハンナラ党代表だった朴槿恵の秘書室長、20152月には与党の院内代表も務め、元祖「親朴」とまで言われたが、国会運営をめぐって大統領府と対立。「裏切り者」のレッテルを貼られ、様々な圧力を受け、ついに7月院内代表を辞職。20163月、大邱の与党公認選出で対抗馬と2倍の差があったと言われるものの、大統領府から排除され、やむなく無所属で立候補した。結果は75.7%を得票、与党候補を破った。

韓国の中央選挙管理委員会では大邱の投票率54.8%、釜山55.4%と発表しているが、これは全国で最下位が大邱、下から2位が釜山を意味している。

 

4)野党の候補者一本化

与党の敗北、野党側の勝利を推し進めたのには、野党による候補者の一本化も影響した。与党は「野党の談合、野合」だと非難を続けたが、多くの選挙区で一本化によって勝利が得られた。セウォル号遺族たちと国会前で共に過ごしたパク・チュミン弁護士は「共に民主党」から立候補して当選。お祝いに駆け付けたセ号遺族の代表は、黄色いリボンの輪をパク当選者と、候補一本化のために立候補を辞退した「国民の党」の前候補者にも首にかけてあげた。このソウル市恩平甲の選挙区は、ソウル市で唯一、野党候補が一本化され勝利したところだ。

野党一本化勝利の典型はウルサン(蔚山)だ。蔚山は現代重工業、現代自動車などがある工場の街。ここで音頭をとったのは、民主労総蔚山本部。東区にある現代重工業労組の全員、北区では民主労総北区の事業所組合員100%がモバイル投票を行い、候補者を選んだ後、一本化していくという方法を取った。総選挙での結果は北区無所属のユン候補が61.6%で、与党候補に圧勝。東区でも「共に民主党」と「正義党」などと候補者一本化を果たしたキム候補が58.9%で、「セヌリ党」や「国民の党」候補者を抑えて勝利した。2012年の国会議員選挙では一本化出来ず議席を保守に明け渡したが、これを奪還。付け加えるならば、蔚山当選者のこの2人は、2014年に憲法裁判所で違憲政党とされ解散させられた統合進歩党出身者、以前は民主労総の組合員だった人たちだ。開票翌日の414日、蔚山地検はユン候補の選挙事務所を電撃的に家宅捜査に入った。

 

一方、今回の選挙で野党の一本化がスムーズに進まなかった。「国民の党」が全体の候補者一本化に難色を示したためだ。これにより、共倒れになった選挙区も少なくない。

典型は大田市。「野党の候補者一本化を進める大田市民円卓会議」が作られ、民主労総大田地域本部長の無所属での立候補を取り下げ、「共に民主党」の候補に一本化することが決まったが、「国民の党」側は反発、結局「セヌリ党」の候補者に議席を譲った。「セ」44.05%、「共に」37.4%、「国」17.1%となっていて、野党の得票数を合わせれば、与党に勝利出来たはずと言われている。もし、本格的な野党一本化が行われていれば、セヌリ党の傷はさらに深かったと言えよう。胸を撫で下ろしたのは保守陣営だ。

また、群山市では「正義党」のチョ・ジュノ候補が「意味のない一本化に賛成できない」として一本化に反対、与野党乱れて混戦を続け、「国民の党」が47.2%勝った。

一角では選挙区で「共に民主党」に投票した人が比例で「国民の党」に入れたと言われているが、実際、政党別投票率をみると「共に」の方より「国」の方が多いという現象がある。

 

5)若者の「反乱」

「ヘル朝鮮」という言葉を知っている人は、かなりの「韓国通」だ。韓国の現状を表す若者のネット語。ヘルはHellで地獄の意で、朝鮮は現代韓国を指す。2014年に人気の韓国歴史ドラマ「鄭道傳」は高麗王朝を倒し、朝鮮王朝を建てる内容なのだが、若者がドラマの批評をネットでやり取りしながら、貧困や身分が相続される封建社会が現代でも続いているという意味で使われ始め、韓国の国会でも取り上げられた。もう一つの流行語は「土スプーン」。韓国では食事の際にスプーンを多用するが、金持ちが金や銀のスプーンを使うのに比べ、「泥で作ったスプーン」しか使えないという貧困層を表す言葉だ。

2016415日の『聯合ニュース』によると、韓国の15歳から29歳までの若者の失業率は11.8%で前年比1.1%増。この2月の青年失業率は12.5%と史上最高を記録している。大学入学金の高騰などとも相まって、若者の不満、諦念、さらに怒りは前記の流行語に見られるように、沸々と煮えたぎっているのだろう。これは若者の得票率にも表れ、野党勝利につながった。

選挙管理委員会が411日発表の「投票への関心度、第2次調査」によると、国会議員選挙に「関心がある」と答えた人は73.3%で、1次調査時よりも2.5%増加しているのだが、19歳から29歳以下若者の関心度は7.2%アップしている。この動きは下記の通り。

                                       
 

年齢別

 
 

19代総選挙

 
 

20代総選挙

 
 

増減率

 
 

1

 
 

2

 
 

1

 
 

2

 
 

全体

 
 

65.6

 
 

69.6

 
 

70.8

 
 

73.3

 
 

2.5

 
 

19歳~29歳以下

 
 

48.2

 
 

58.9

 
 

63.3

 
 

70.5

 
 

7.2

 

つまり、2012411日総選挙の第1次調査時と比べると、2016411日の第2次調査では若者の関心度が22.3%と、飛躍的に高まっているということだ。この調査では積極的投票意向についても聞いているが、やはり前回選挙時(第136.1%)に比べて今回(第255.3%)は19.2%アップしている。

この選管の調査では、投票時に何を重点的にみるかを聞いているのだが、人物や能力と答えた50代(41.0%)、60代(38.4%)に比べ、19歳から29歳以下の若者では25.6%3028.7%。一方、若者が「政策中心に選ぶ」2042.0%3040.6%に対し、50代は22.0%6014.8%となっている。

『ハンギョレ新聞(2016.414)』による「世代別投票率」の放送局出口調査を筆者が表にまとめると下記のようになる。

                                               
 

 

 
 

2012年総選挙

 
 

2016年総選挙

 
 

増減

 
 

20

 
 

36.2

 
 

49.4

 
 

13.2

 
 

30

 
 

43.3

 
 

49.5

 
 

6.2

 
 

40

 
 

54.1

 
 

53.4

 
 

0.7

 
 

50

 
 

65.1

 
 

65.0

 
 

0.1

 
 

60代以上

 
 

69.9

 
 

70.6

 
 

0.7

 

『京郷新聞』では、415日の社説で「2030の愉快な反乱」と題し、選挙時になって慌てて若者を物色して立候補させるようなやり方ではなく、本当に若者の意志を政治に反映できるような仕組みづくりが急がれるとしている。

 

6)女性の頑張り

韓国の『女性新聞』では、今回の選挙を「韓国女性政治史において記録されるべき選挙」としている。今回当選の女性議員51人は、前回の選挙時47人に比べ4人増え、全体議員に占める女性の割合も15.7%から17%と「史上最高」となった。特筆すべきは、これまでの「女性は比例で」という慣例を破り、選挙区で勝利し、本格的女性政治家が育ち始めたこと。女性が政治や政党の主要ポストを占められる道が開けたということから、「質的転換がはかられた」。中でも野党の当選者は市民運動や女性運動、労働運動の出身者が多く、政治の中身も変わってくるのではとの期待が高まっている。

 

7)海外からの投票

『聯合ニュース(2016415)』によると、総選挙に海外から投票した人たちの約60%が選挙区では「共に民主党」に投票しており、「セヌリ党」の23.8%の倍を示している。また、野党「国民の党」に9.1%、「正義党」は2.4%。一方、政党比例投票では、37.4%が「共に」、26.8%がセ党、正義党16.5%、「国」13.2%だった。これは海外在住の人たちが駐在員や留学生など、高学歴で若い人が多いため、このような傾向が出ているとしている。

 

8)進歩政党の動き

(1)2000年に労働組合のナショナルセンターである民主労総や多くの進歩的運動勢力によって結成され、2004年の国政選挙で議員10人を獲得した「民主労働党」は、2007年の大統領選挙敗北の責任と路線をめぐる対立から、ついに2008年に「民主労働党」と「進歩新党」に分裂した。その後、「民主労働党」は2011年、穏健派政党との合流で「統合進歩党」となった。

下記は、『オーマイニュース』によるものと選管で調べた数を筆者が表にまとめたもの。

                                               
 

国会議員選挙

 
 

選挙区

 
 

(議席)

 
 

比例

 
 

(議席)

 
 

議席数合計

 
 

2004年(民主労働党)

 
 

4.3%

 
 

2

 
 

13%

 
 

8

 
 

10

 
 

2008年(民主労働党)

 
 

3.4%

 
 

2

 
 

5.7%

 
 

3

 
 

5

 
 

2012年(統合進歩党)

 
 

6%

 
 

7

 
 

10%

 
 

6

 
 

13

 

しかし、「統合進歩党」は前述したように2014年に解散させられ、議員職も剥奪、党の名称も使えなくなった。議員の一部はその後、変転を経て「正義党」となり、進歩政治を標ぼうする議員は5人に減っていた。

進歩的な政党も、「正義党」以外に「労働党(旧社会党)」、旧統合進歩党系列と言われる「民衆統合党」、グリーン政策を打ち出す「緑の党」と分かれて対立、新たな「国民の党」進出や候補者一本化も進まない中で、韓国の運動圏でも大方の予想が「与党圧勝、野党縮小、進歩消滅」というものだった。現実は見事に裏切られたのだ。

 

(2)321日、「2016総選挙共闘本部」(「労働者・農民・貧民を生かし朴槿恵政権審判2016年総選挙共同闘争本部」、以下共闘本部)が発足、12大要求案を提示した。

その主な内容は次の通り。①安易な解雇・生涯非正規・労働法関連制度改悪の中断、②食糧米輸入阻止、TPP反対③死角地帯のない基礎法の改正、露天商取締りの中断、障がい者権利保障法の制定④テロ防止法反対、公安弾圧中止、国家保安法廃止、国家情報院解体、良心囚の釈放⑤歴史教科書国定化廃棄⑥朝鮮半島の平和体制構築、米韓合同軍事演習中断⑦韓日政府の「慰安婦問題」合意無効化、再交渉の推進、⑧セウォル号事故の真相究明など。

 

(3)323日、民主労総は「選挙投票方針」を発表したのだが、その内容は①民主労総の組織内候補者29人、②民主労総の支持候補者28人指名、③戦略的選挙区候補(①と②のうち7地区、7人)④支持政党などだ。支持政党は共闘本部と民主労総の12大要求案を受け入れた4政党、「労働党」、「緑の党」、「民衆連合党」、「正義党」とした。一方、セヌリ党代表の金武星代表や昨年11月の労働者・民衆集会で鎮圧指揮に当たった前ソウル警察庁官ら7人を落選候補と指名した。

326日には民主労総と共闘本部が合同でソウル駅前集会を開催した。事前集会としては、労働組合、障がい者団体、大学生による「慰安婦」問題、2030有権者行動などが行われた。

 

(4)進歩的政党の選挙結果

「正義党」は立候補者数53、議席数10(選挙区4、比例6)を目指し、実際の議席数6(選挙区2、比例4)を獲得した。中でもシム・サムジョン、ノ・フェチャンは連続当選を果たし、議員キャリアも積んだ。政党別得票率は7.3%

「緑の党」はSNSや若者の支持で2%の得票を得られるのではないかと言われていたが、実際は0.76%だった。20162月に結成した「民衆連合党」は立候補者56で比例1の議席を目指したが、実際は0.61%で議席獲得はナシ。「労働党」は立候補12、議席00.38%だった。

先に民主労総の戦略当選者7人のうちの1人は、選挙間際で一本化のため立候補を取り下げたので6人ということになるが、このうち3人、50%が当選した。民主労総候補として指名した蔚山北区で無所属として立候補したユン・ジョンオ、民主労総支持候補として指名した「正義党」のノ・フェチャン(昌原の工業地帯)、工業中心の蔚山東区で無所属のキム・ジョンフンだ。ちなみに、集中落選指名者7人は、そのうち2人が落選した。

 

(5)労働組合出身の議員

 今回、労組出身の議員は13人だった。韓国労総から「セヌリ党」で立候補し当選した4人、「共に民主党」当選者5人の計9人、民主労総からは「共に民主党」議員1人、「正義党」1人、無所属2人の計4人だ。416日の『東亜日報』では、「労働関連制度の改革(改悪)は赤信号となった」と指摘している。

 

9)今後

今回の選挙で勝利したと言って、野党側も手放しで喜べない状況だ。「セヌリ党」は開票日の翌日、離党組で無所属当選の7人の議員について、復党すると発表した。選挙期間中、「親朴」系は「復党は決してない」と豪語していたが、早々に引っ込めた格好。復党すれば「セヌリ党」は129議席となり、「共に民主党」123議席を抑えて第1党になる。

 日本のマスコミ各紙は、いずれも415日の社説で「日韓関係が逆戻りしないよう」注文を付けた。『朝日新聞』は「懸念されるのは昨年末、政治的な決着をみた慰安婦問題の行方である。野党側は合意の無効や再協議を訴えるが、あの合意は日韓両国が、国際社会に向けて表明した約束でもある」としながら、「野党側も日韓関係の改善自体には異論はないだろう。その第一歩が慰安婦合意の着実な履行である。ナショナリズムを国内の政治対立に利用する愚をおかすようでは、健全な日韓関係への展望はひらけない」としている。また、「南北対話の再開そのものは望ましいことだが、日米韓の足並みが乱れないよう3カ国それぞれが心してあたる必要がある」とクギをさしている。

『読売新聞』は「日韓間の懸案である軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結は、野党の勝利で難しくなったとの見方があるが、日米韓の協調の重要性を忘れてはならない」としながら、「気がかりなのは、慰安婦問題を巡る昨年末の日韓合意の履行に向けた取り組み」で大統領の「朴氏がこうした圧力に左右されず、日韓関係改善のために合意を履行」せよとしている。

『毎日新聞』も「慰安婦問題での日韓合意はいまや両国関係を前向きな軌道に乗せる基盤となっている。さらに日韓関係の安定は日米韓の連携にとって欠かせない」とある。

韓国での大方は楽観的な見方のようだが、日米の圧力の元、朴槿恵大統領が残された任期で「日米韓の連携作業」にアクセルを踏まないか、懸念されるところだ。

また、今回の総選挙で政党別得票率が最も高かったのも与党「セヌリ党」だ。2017年の大統領選挙で「共に民主党」と「国民の党」、進歩政党系列が別々に立候補すれば、保守の大統領が続く。

この夏の日本の参院選に向けて、韓国の状況が私たちに示唆するところは少なくない(2016417日記)。

 

2016年3月 9日 (水)

●韓米合同軍事演習を中止せよ!(韓国社会・市民団体の共同記者会見文)

3月7日から大規模な米韓合同軍事演習 「キーリゾルブ」「フォールイーグル」が4月までの予定で始まっています。昨年策定された対北先制攻撃戦略「5015作戦計画」に基づき、米韓併せて30数万の兵力とB2ステルス戦略爆撃機、ステルス戦闘機、原子力空母などが投入され「かつてない」規模で行われています。米日韓の政府やマスコミはよく「北の挑発」と言いますが、これこそ最大の軍事挑発でなくてなんでしょうか。中ロでさえ重大な懸念を表明しています。

2016030701001350
Ajp20160307003100882_01_i
佐世保の強襲揚陸艦に沖縄や岩国の海兵隊部隊、普天間のオスプレイをはじめ各地の在日米軍部隊が投入されるのに加え、米本国からの部隊も在日米軍基地を経由して投入されています。また日本の集団的自衛権行使容認と戦争法成立のもとで自衛隊も密接にかかわってくることは言うまでもありません。

こうした状況は、私たちにとっても無関係でないばかりか、かつての朝鮮侵略・植民地支配とその結果生み出された朝鮮半島の南北分断に対する戦後責任という立場からも、日本の反戦平和勢力は声を挙げていく必要があるでしょう。

こうした状況に対して韓国の広範な社会・市民団体はこの危険な演習の中止を求めて共同記者会見を持ち、各地で反対行動にも取り組んでいます。 以下、記者会見文を紹介します。(訳責・日韓ネット)

**************************************************************************

朝鮮半島に核戦争の危機を呼び、 東北アジアにおける対決を激化させる

韓米合同軍事演習キーリゾルブ・フォールイーグルは直ちに中断せよ!

**************************************************************************

115738_49172_14541

北朝鮮の核実験と人工衛星発射を口実とした韓米当局の北への軍事的圧迫は度を越し ている。対北先制攻撃と体制崩壊まで狙った「作戦計画 5015」による韓米両国軍の キーリゾルブ・フォールイーグル軍事演習が史上最大の規模で行われており、これに 対抗して北朝鮮も先制攻撃を公言するなど、朝鮮半島では極度の対決構造がつくられ ている。のみならず朝鮮半島における米朝、南北の激しい対決は、東北アジアにおい て日米対中露間の対立も一層激化させ、日本軍の朝鮮半島介入と侵入への道を広く開 けることとなる。私たちは、ここに民族の生命と朝鮮半島、東北アジアの平和を担保 にとったキーリゾルブ・フォールイーグル軍事演習の即時中止を強く求めるものだ。

今回のキーリゾルブ・フォールイーグル軍事演習は、北朝鮮が核と大量破壊兵器を使 おうとする兆候だけでも察知されれば先制攻撃を行うという超攻勢的「4D(抑制⇒攪 乱⇒破壊⇒防御)作戦の概念が初めて適用されるものとなっている。今年のキーリゾ ルブ・フォールイーグル演習に動員される韓米両国軍の戦力と訓練も、対北先制攻撃 にそのフォーカスが当てられている。 代表的な先制攻撃戦力の核航空母艦と核潜水 艦、B-2やF-22などのステルス戦闘爆撃機などが動員され、このような先制打撃戦力 の朝鮮半島への配備所要時間を最大限短縮させるための訓練も並行して行われる。韓 米両国軍は、このような先制攻撃戦力により、北朝鮮の核やミサイル施設などに対す る「ピンセット式」打撃や海兵隊による北朝鮮への上陸作戦と内陸進撃作戦、特殊部 隊の核とWMD・大量破壊兵器の除去作戦を展開し、北朝鮮指導部に対する「斬首作 戦」の演習までも実施する。また、さらに中朝、朝ロの国境地域を含む北朝鮮最後方 の奥深くまで占領し、「安定化(?)」 作戦演習も実施する。一言で言うなら、今 年のキー リゾルブ・フォールイーグル演習は、北朝鮮の体制転覆と占領、吸収統一 を狙っている軍事演習だと言えよう。先制攻撃が韓国の憲法など、国内法や国連憲章 を初めとする国際法違反という事実については、改めて指摘する必要すらないこと だ。

しかし、北朝鮮もこれらに対し「… 軍事的対応を全て先制攻撃的な方式に転換させ る」としながら、韓米両国軍の対北先制攻撃戦力と装備などに対する先制打撃と大統 領府やアジア太平洋地域の米軍と米軍基地、米国本土への報復戦を公言し、これまで にない超攻勢的な対南、対米威嚇水位を高めている。

このような米朝、南北の厳しい対立と危機管理体系の不在は、ささいな軍事的衝突さ えも抑えられず拡大し、2013年春の朝鮮半島核戦争危機を超えるような危機をよび、 実際に核戦争に拡がる可能性も決して排除できないという状況になっている。

一方、キーリゾルブ・フォールイーグル軍事演習は、日本軍の朝鮮半島への侵入の名 分とチャンスを拡大させるものとなっている。日米新防衛協力指針の改定や安保法 (戦争法)制定の過程で、北朝鮮への先制攻撃をも示唆してはばからない安倍政権は、 日米合同の対北先制攻撃作戦計画を策定し、朝鮮半島への軍事的介入を狙っている。 超攻勢的なキーリゾルブ・フォールイーグル軍事演習により朝鮮半島の戦争危機が高 まることは、朝鮮半島への再侵略を狙い改憲で自衛隊を国防軍にすげ替えようとして いる安倍政権にとって、良い口実を与えることだろう。韓米日合同参謀議長が先月 行ったテレビ会議で、日本の統合幕僚長がキーリゾルブ・フォールイーグル合同軍事 演習を全面的に支援するという立場を明らかにしたのも、攻勢的韓米合同演習で作ら れる朝鮮半島危機に、日本が期待(?)する隠れた野心と強欲が現れている。

特に、今回のキーリゾルブ・フォールイーグル軍事演習で行われる韓米弾道ミサイル 防衛訓練は、これまでの韓米日弾道ミサイル防衛訓練(「太平洋ドラゴン」)と共 に、韓国へのサード(THAAD高高度)ミサイルの配備と韓米日トライアングルのミサ イル防衛システム、同盟構築のための要石となるだろう。日本軍の集団的自衛権行使 の主な意図のうちの一つが米戦艦と米軍基地を狙う北や中国の弾頭ミサイルを日本軍 が迎撃することであり、キーリゾルブ・フォールイーグル演習への日本(軍)の介入 は、韓国へのサード配備と「日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」や「日韓物品役務 相互提供協定(ACSA)」締結に対する日米の要求がさらに強まる契機となるだろう。

115738_49174_1551
米朝、南北の朝鮮半島での対立激化は、日米と中露の東北アジア対決も同時に激化さ せることになる。中露は韓米日同盟強化と軍事演習強化に対抗し、朝鮮半島の西海岸 とウラジウォストク沿岸の海上で合同訓練を実施しており、中国は山東省に朝鮮半島 に照準をあてた高性能レーダーを配備したのに続き、最近では北朝鮮との国境地域に 最新鋭の主力戦闘機「殲10A」と「紅龍H」爆撃機を配備するなど、韓米(日)の軍事 演習強化に神経をとがらせている。

キーリゾルブ・フォールイーグル軍事演習の「質量的強化(韓国、ハン・ミング国防 長官)」が北朝鮮に核の放棄はおろか、第二次、第三次の水爆実験による北朝鮮の核 戦力強化に帰するだけだということは、これまでの北朝鮮の核戦力強化の過程が良く 示している。したがって、朝鮮半島の非核化への道は、北に対する軍事的圧迫やキー リゾルブ・フォールイーグルなどの演習を中断、規模を大幅に縮小し、攻勢的な性格 を防御的性格に変えて、北朝鮮に対する安保脅威を解消するところから求めなければ ならない。

米国の朝鮮半島における戦術核の撤収、朝鮮半島 非核化宣言と南北基本合意書の締 結、チームスピリット訓練の中断などにつながった一連の過程は、南北米が朝鮮半島 の非核化と韓米合同軍事演習の中断を好循環として解決した良い前例だと言えるだろ う。ここに北の核をめぐる現段階で、朝鮮半島の対決局面も北朝鮮の提案通り、核実 験とキーリゾルブ・フォールイーグル軍事演習を同時に中断するところから解決の糸 口が見いだせよう。

この提案は、中国やロシア、ロバート・カーリン前米国務省北朝 鮮担当官やニューヨークタイムズなど、米国のマスコミでも同じ意見だ。さらに、王 毅中国外相が提案し、米国ケリー国務長官が認めたように、朝鮮半島の非核化と平和 協定締結を同時に達成すれば、恒久的な朝鮮半島の平和体制を構築できるだろう。こ こに私たちは、不法なキーリゾルブ・フォールイーグル軍事演習を即刻中断し、二者 間もしくは多者間会談を再開し、米国の北に対する敵対政策の廃棄と朝鮮半島の非核 化を同時に実現する朝鮮半島の平和協定締結に進むことを韓米当局に強く要求する。

2016年 3月 7日

キリスト教社会宣教連帯会議、労働人権会館、民主化家族協議会、良心囚後援会、民 族民主烈士犠牲者追悼(記念)団体連帯会議、民族自主平和統一中央会議、民主労働 者全国会議、民主民生平和統一主権連帯、民主主主義自主統一大学生協議会、民主化 実践家族運動協議会、変革の再装填、仏教平和連帯、四月革命会、社会進歩連帯、新 たに一つ、開かれた軍隊のための市民連帯、わが民族連邦制統一推進会議、イエスと 共に、自主統一民主主主義コリア連帯、全国農民会総連盟(全農)、全国民族民主遺家族協議 会、全国民主労働組合総連盟(民主労総)、全国民主化運動遺家族協議会(社)、全国 貧民連合、全国女性農民会総連合、全国女性連帯、戦争反対平和実現国民行動、全国 学生行進、祖国統一汎民族連合南側本部、統一の広場、統一の道、平和と統一を開く 人々、平和在郷軍人会、韓国労働組合総連盟(韓国労総)、韓国進歩連帯、韓国青年連 帯、21世紀韓国大学生連合

2015年12月25日 (金)

●韓国民主労総への弾圧に対する抗議文

関連報道 ハンギョレ新聞日本語版より

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/22480.html

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/22503.html

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/22575.html

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/22723.html

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/22837.html

---------------------------------------------------

 大韓民国 朴槿恵大統領 殿

 駐日大韓民国大使 興洙(ユ・フンス)殿

 

抗  議  文

 

1210日、朴槿恵政権が、民主労総のハン・サンギュン委員長を、全く不当にも逮捕したことを強く抗議する。

 朴槿恵政権は、ハン・サンギュン委員長が1114日の民衆総決起大会はじめ4月以降の一連の街頭行動を指導したとして、全斗煥軍事政権後に初めての騒擾罪を適用した。

これは、労働法制の改悪を強行する朴槿恵政権に対してゼネストで対決している民主労総への弾圧であると共に、民主主義を破壊し、民衆の生活を破壊している朴槿恵政権の退陣を求めている韓国の民衆運動そのものを圧殺しようとする弾圧である。

 

 1216日、民主労総は、政府推計でも現代、起亜、韓国GMの自動車メーカーを含めた74人が参加するゼネストを成功させた。しかし朴槿恵政権は、労働者の生死を決する労働法制の改悪に反対するゼネストに対して違法ストとして今後更に弾圧を行うことを明らかにしている。

 

朴槿恵政権は、1114日の民衆総決起大会を不法暴力デモと非難した。

しかしその根本的原因は、光化門と大統領府近くに申告した集会をすべて禁止し、その周辺一帯を巨大な車の壁を設置して、交通を遮断し源泉封鎖したことだ。それによって民衆総決起大会はもちろん、市民の通行さえ妨害した。更にこれに抗議する集会参加者には、無差別にカプサイシンの入った高圧の放水銃を、長時間膨大な量を乱射し、多くのけが人を出した。これにより500名以上の市民が水泡など重大な皮膚炎などを発症している。また50名の市民が連行されている。

集会とデモの自由は韓国でも憲法で保障されている市民の権利だ。憲法裁判所は警察の設置した車の壁は違憲であると判決している。

 

この過程で、カトリック農民会のペク・ナムギさんが集会現場にただ素手で立っていただけなのに、高圧の放水銃で至近距離から直撃され転倒し、今も昏睡状態である。至近距離からの直撃は、放水銃の取り扱い規則に違反する違法なものである。放水銃の威力を知りながら無抵抗の一人の農民を危篤に陥らせたのだから未必故意による殺人未遂だ。

 

また、集会後警察は、公企業と民間企業に公文を送り集会参加者の情報収集をはかり、1531名を捜査対象に上げ、そのうち現在までに731名を捜査している。

 また、民主労総本部事務室と産別地域組織事務室など8か所を押収捜索して、デモと関連のない物品をあたかもデモで使われた物品だとして展示公開し世論の歪曲をしている。

 

更に朴槿恵政権与党セヌリ党は、催涙液を防ごうと一部集会参加者がマスクや覆面をしていることを捉えて、デモ参加者を「テロリスト」に例え、テロ関連法案と絡めてIS(イスラム国)のように顔を隠す覆面デモをできないよう、に覆面デモ禁止法を作らなければならないと主張している。これではまるで軍事独裁政権時代にもどったようだ。

 

我々は、労働者の国際連帯の立場から、民主労総を始めとする韓国民衆への弾圧に強く反対し、ゼネストをはじめとする民主労総の闘いを断固支持するものである。

以上の立場から、重ねて民主労総を始めとする韓国民衆運動への弾圧に強く抗議し、下記のことを強く求める。

 

1、民主労総への弾圧を中止し、ハン・サンギュン委員長を釈放すること

1、放水銃の直撃で重体に陥っているペク・ナムギさんの事態に対して、真相を究明し、謝罪すること。責任者

  を処罰し、再発防止を約束すること

20151225

 

賛同団体:(20151223日現在)

全国労働組合連絡協議会

国鉄労働組合

全統一労働組合

中小労組政策ネットワーク

全国一般労働組合全国協議会

APFS労働組合

アジア共同行動日本連絡会議

レイバーネット国際部

ATTAC Japan(首都圏)

戦争法廃止・安倍たおせ!反戦実行委員会

労働運動活動者評議会

沖縄文化講座

NO-VOX持たざる者の国際連帯行動

三里塚に緑の大地を・労働者市民の会

豊島文化社

日韓民衆連帯委員会

韓国良心囚を支援する会全国会議

日韓民衆連帯全国ネットワーク

本郷文化フォーラムワーカーズスクール(HOWS

 

 

連絡先:東京都港区新橋6-7-1 川口ビル6F

全国労働組合連絡協議会

2015年9月19日 (土)

●安保法制の強行採決糾弾 韓国市民・社会団体の共同記者会見文

侵略と戦争の安保法案の制定・改正を強行する安倍政権を糾弾する!

朝鮮半島再侵略と北朝鮮への先制攻撃を狙う安保法案を廃棄せよ!

                                   2015918

12032067_864304020350618_77117696_3       【写真】9/18日本大使館前(ソン・ミヒ全国女性連帯常任代表のブログから)

安倍政権が17日に参院特別委で安保法制を前触れもなしに通過させたのに続き、直ちに今日(18)の本会議でもこれを強行採決する予定だ。日本の平和憲法と専守防衛の原則、民主主義の弔鐘が打ち鳴らされているとともに、日本軍によるアジア太平洋地域の平和の破壊と朝鮮半島再侵略への警鐘が大きく鳴り響いているのだ。これに対し私たちは、日本帝国主義の侵略戦争により東アジアだけで数千万人が犠牲となった日本の戦争犯罪をまた再びは許すことはできないという切迫した心情をもって、日帝による朝鮮半島の侵略と植民地支配、収奪の歴史が決して繰り返されてはならないという痛切な心情をもって、安倍政権に対して安保法制の参院強行採決の即刻中止と侵略と戦争のための安保法案の全面廃棄を強く求める。

 

自らを軍国主義者と自認してはばからない安倍首相は日本の軍国主義と軍事大国化に突き進んでいる。戦犯国日本が再び軍国主義に突き進むことを防ぐための強力なシビリアンコントロール装置であった防衛省の運用企画局を廃止し、制服組を統制してきた背広組の地位を低下させることによって制服組を中心とした軍国主義へのステップを準備した。また防衛装備庁を新設して武器の導入と輸出を一元化することにより、日本の軍事大国化を推進する機構を整えた。これまでの政権で凍結されたり逆に削減されたりしてきた防衛予算は、2012年の安倍政権の発足以来3年連続で増額されている。

 

日本の軍事大国化の要は海兵隊の創設と上陸用の武器・装備など、侵略戦争の手段の導入にある。安倍政権は海兵隊を2018年までに創設するとし、水陸両用車とオスプレイの導入を急いでいる。また戦力投入手段である軽空母1隻を2017年までに追加導入するなど、自国防衛ではない第3国を相手とする侵略戦争と上陸作戦に備えた戦力と装備の導入に拍車を加えているのだ。

 

侵略戦争のための日本の戦力と装備の導入は侵略的な軍事演習につながっている。この5月に陸上自衛隊は初めて米豪の合同軍事演習タリスマン・セーバーに参加し、831日には陸海空の自衛隊が統合軍事演習ドーン・ブリッツ2015に参加して米豪などと共に上陸演習を実施し、武器と軍需物資を前線に補給する後方支援演習を展開した。このような自衛隊の後方支援演習は日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の改訂以降に初めて実施されたもので、自衛隊の防衛予算の増額と侵略的な戦力と装備の導入が新ガイドラインの履行と、米国との集団的自衛権行使のためのものであることを端的に示している。

 

こうした日本の軍国主義化と軍事大国化、とりわけ侵略戦争の戦略と武器導入の行き着く先が朝鮮半島にあることは今や誰の目にも明らかな事実となった。いわゆる平和安全法制整備法案などの安保法制に、自衛隊が韓国領土に入ってくるときに韓国の事前同意や承認を得るという規定はどこにもない。安倍政権が金科玉条の如く掲げる「武力行使の新3要件」だけを満たせば、自衛隊は韓国領土に進入することができる。すなわち「武力行使の新3要件」に規定された「明白な危険」なる曖昧模糊とした事態を平時・重要影響事態・存立危機事態・武力攻撃予測事態などに分類した日本政府の恣意的判断によって平時から有事に至るまで、いつであれ日本人保護、軍需支援、機雷除去、戦闘捜索、北朝鮮安定化作戦などを名分として自衛隊が韓国に入ってくることができるのだ。さらに日本軍の韓国再出兵は、(連合権限委任事項CODAによって)平時から有事に至るまで韓国軍の戦時作戦統制権を握っている米国の要求と結合したとき、韓国はこれを防ぐ力とすべを失うことになる。日本とこれを牽引する米国によって私たちの主権が奪われる状況が厳然たる現実となり得るのだ。

 

その上、日本は不法な対北朝鮮先制攻撃の意図を全面化している。日本の中谷防衛相は「法的要件を満たせば他国の領土内で(敵の)基地も攻撃できる」(2015.5.24)と語り、日本軍が韓国領土に入って北朝鮮を攻撃することも可能と主張することで韓国の主権を全面否定する発言をためらわなかった。さらに最近では、「朝鮮半島の有事に……米軍艦船と戦闘機も防護対象に拡大」可能であり、「事態の拡大抑止と早期収拾作戦を遂行する航空機などの防護措置をとることになるだろう」と日本軍の朝鮮半島での戦争への参加と実行の意志を隠そうともしていない。

 

だがこれまで安倍政権が提示してきた集団的自衛権の行使事例は破綻を重ねている。ホルムズ海峡での機雷除去や、米国艦船で脱出しようとする日本人を守るために米艦を防護しなければならないという集団的自衛権行使の論理などが欺瞞的主張であると次々に暴露されているのだ。その結果、だいぶ前から日本人の間では安倍首相に「ウソつき」の烙印が押されている。今回の安保法案の参院特別委での暴力的通過の様相こそ、安保法案がいかに正当性に欠け、いかに日本人から全面的に否定されているかを雄弁に物語っている。

 

それにもかかわらず安倍政権があくまでも安保法制を通過させて侵略と戦争の道を歩むならば、その先にあるのは日本の未来への弔鐘のみだろう。私たちは、アジア太平洋地域が再び日本の侵略の戦場になることを、朝鮮半島に再び日本軍が侵入してくることを決して許さない。安倍政権はこうした私たちの警告を厳粛に受けとめ、軍事大国化と侵略戦争を放棄すべきことを強く要求する。

 

境界を越えて、国際労働者交流センター、キリスト教社会布教連帯会議、労働人権会館、労働者連帯、農民薬局、民家協良心囚後援会、民族問題研究所、民族民主烈士犠牲者追慕(記念)団体連帯会議、民族自主平和統一中央会議、民主労働者全国会議、民主民生平和統一主権連帯、民主社会のための弁護士会(民弁)米軍問題研究委員会、民主守護公安弾圧対策会議、民主主義自主統一大学生協議会、民主化実践家族運動協議会、反戦平和連帯()、仏教平和連帯、四月革命会、社会進歩連帯、開かれた軍隊のための市民連帯、民族が一つになる運動本部、私たちの広場(ウリマダン)、民族連邦制統一推進会議、イエスと共に、人権運動サランバン、自主統一と民主主義のためのコリア連帯、全国農民会総連盟(全農)、全国民族民主遺家族協議会、全国民主労働組合総連盟(民主労総)、全国民主化運動遺家族協議会()、全国貧民連合、全国女性農民会総連合、全国女性連帯、全国学生行進、全泰壱(チョン・テイル)労働大学、全泰壱(チョン・テイル)財団、祖国統一汎民族連合南側本部、統一広場、統一の道、平和と統一を開く人々、平和在郷軍人会、韓国労働組合総連盟(韓国労総)、韓国進歩連帯、韓国青年連帯、21世紀韓国大学生連合、ソウル進歩連帯、京畿進歩連帯、光州進歩連帯、全南進歩連帯、慶南進歩連合

2015年5月31日 (日)

●5・28日韓労働者連帯集会の報告

528日夜、「ストライキで闘う韓国労働者を激励-日韓労働者連帯交流集会」が東京・文京シビックセンターで開かれ、約100人の労働者・市民が参加し、来日した韓国の民主労働組合総連盟(民主労総)仁川(インチョン)地域本部の人々と熱い交流を行った。

P1000586_640x480

全国労働組合連絡協議会(全労協)や中小労組政策ネットワークなどの労組関係と日韓ネットなど市民団体関係者でつくる実行委員会が主催したもので、韓国からはキム・チャンゴン民主労総仁川地域本部・本部長、チェ・ギス民主労総仁川地域本部・未組織非正規職闘争部長ら4人が参加した。

P1000581_640x480

集会ははじめに全労協の金澤壽議長が主催者あいさつ、来日した4人のメンバーの紹介のあと民主労総仁川本部が作成した424ゼネストとそれに至る記録映像が上映された。

 

続いてキム・チャンゴン仁川本部長が424ゼネストとその背景について報告を行った。

P1000583_640x480

キムさんは、まずゼネストの背景としてこの間の朴槿恵政権の選挙不正をはじめとする数々の不正疑惑や「経済民主化」などの公約破棄、セウォウル号事故への無責任対応、さらに政治的危機を乗り切るため民主労総本部への警察力投入、全国教職員労組(全教組)の非合法化、統合進歩党の強制解散に代表される公安弾圧を繰り返している状況などを挙げた。

 

そして全国的な選挙がない2015年に、これまで強行できずにきた労働市場の構造改悪、公務員年金改悪、公共機関の偽正常化対策などを「経済再生」を装い仕掛けてきている。

 

これに対して民主労総は201412月、初の委員長直接選挙を実施し先制的なゼネストを主張したハン・サンギュン氏を選出、今年2月の定期大会でゼネスト方針を可決した。

朴槿恵政権の安易な解雇・低賃金・非正規職増産、公務員年金改悪など、経営界の身を削ることなく労働者だけに犠牲を強要する政府の一方的な労働市場の構造改革を阻止し、「労働者・庶民の救済」のため現在5580ウォン(約618円)の最低賃金を1万ウォン(1,116)に引き上げることやすべての労働者の労働基本権保障、公務員年金改悪の阻止、公共機関の偽正常化対策の粉砕、セウォル号事故の徹底した真相究明と屑同然のセウォル号施行令の廃棄、成完鍾(ソン・ワンジョン)問題(注・元京南企業会長で政権中枢や側近への不正資金提供のメモを残して自殺)で現れた腐敗政権の退陣に向けてさらに力強く前進していくことなどが打ち出された。

 

424ゼネストはそのための闘いの端緒を開くものだった。そこには成果も欠陥もあったがそれを克服しながら大衆的な討議を基礎にさらに前進していきたいと、力強く、また率直に語った。

P1000585_640x480            非正規職問題について語るチェ闘争部長(左)

ムさんの報告を受けて質疑が活発に行われた後、東京清掃労組の押田五郎さんと日韓ネット事務局の土松克典さんが連帯のあいさつを行った。また会場の大きな拍手の中、韓国側が持参した檄布とペナントが金澤・全労協議長と中小労組政策ネットワークの平賀雄一郎さんに手渡された。集会は最後に鳥居一平・中小労組政策ネットワーク事務局長の閉会挨拶、そして韓国式のシュプレヒコールと日本式の団結ガンバローの交換で日韓労働者の連帯の決意も新たに締めくくった。

P1000589_640x480

より以前の記事一覧