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カテゴリー「集会・行動の報告」の75件の記事

2018年7月 3日 (火)

●6・30 キャンドル革命の源流 3・1朝鮮独立運動100周年キャンペーンがスタート

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 日本の植民地支配からの独立を求めて朝鮮半島全土で人びとが立ち上がった「31独立運動」から来年で100周年を迎える。これを前に、来年3月まで持続的な活動を繰り広げようと630日、東京・文京シビックセンターで「キャンドル革命の源流 31朝鮮独立運動100周年キャンペーン 日本と朝鮮半島の関係を問い直す6・30スタート集会」が120人余の人びとの参加で開催された。

 同キャンペーンは、これまで朝鮮半島問題に取り組みながらまったく接点のなかった諸団体が初めて協力し、朝鮮半島問題を軸として、安倍政権による「明治150年キャンペーン」や9条改憲・「戦争のできる国」作りに対峙し、また、427板門店宣言、612米朝首脳会談など朝鮮戦争終結・平和体制構築と非核化など、東北アジアの平和への歴史的な動きにも連動していくことを目指している。

 630スタート集会では、はじめに準備事務局を代表して渡辺健樹さん(日韓ネット共同代表)が主催者あいさつ。続いて趙景達(チョ・キョンダル)千葉大教授が「『31朝鮮独立運動から100年』が問いかけるもの」と題して記念講演を行った。

                                    

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 趙さんは、31独立運動が最初は独立宣言の起草などで知識人らが役割を果たしたが、「独立」の言葉すら知らなかった多くの民衆たちは、生活の実感から立ち上がり、知識人らを乗り超えて200万人ともいわれる人びとの決起となっていったとその実相を詳しく紹介した。そして31精神とは「生活主義に立つ民衆の異議申し立て」であり、キャンドル革命に繋がる源流だと指摘した。

 続いて、準備事務局から矢野秀喜さん(朝鮮人強制労働被害者補償立法をめざす共同行動)が3月までの取り組みについて提案。①1919年⇒2019年の朝鮮半島の人びとの闘いに学ぶ、②日韓・日朝-日本と東アジアの関係の新たな方向を打ち出す、③31日に日本と南北朝鮮を結ぶ市民宣言を目指す-を柱に小集会やスタディツアーなども企画。来年の本番では31直近の22324集会の開催や31当日のキャンドル行動、また南北共同行事として取り組まれるソウルなど現地の31集会への参加も検討課題に。

 さらに、呼びかけ人の高田健さん(許すな!憲法改悪市民連絡会、総がかり行動共同代表)、渡辺美奈さん(女たちの戦争と平和資料館[wam]館長)がそれぞれの立場から発言した。

集会は最後に石橋正夫さん(日朝協会会長)の閉会あいさつで締めくくり、キャンペーン行動のスタートを切った。

2018年3月 2日 (金)

●3・1独立運動99周年 止めよう!安倍政権が煽る米朝戦争の危機 2・24集会の報告

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 224日夜、東京・文京区民センターで「31朝鮮独立運動99周年 止めよう!安倍政権が煽る米朝戦争の危機 224集会」が開かれ、会場いっぱいの200人が参加した。

 はじめに主催者あいさつを渡辺健樹さん(日韓ネット共同代表)がおこなった。渡辺さんは冒頭、前日発生した朝鮮総聯本部への銃撃テロを糾弾し、安倍政権による朝鮮敵視と在日朝鮮人差別・弾圧政策がこうした行為を助長していると指摘。現在、平昌五輪を契機に南北の対話局面が生まれているが、安倍政権はトランプ米政権にすり寄りながら、「最大限の圧力を」「米韓合同演習を予定通り行うべき」などと繰り返し、妨害と冷水を浴びせることに躍起となっている。これを許さず現在の対話局面を継続させ、さらに米韓演習中止、米朝対話と平和協定締結へと声を挙げ国際世論を喚起していこう-と呼びかけた。

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 続いて、半田滋さん(東京新聞論説兼編集委員)が登壇し、「安倍政権があおる米朝の危機」と題して講演を行った。半田さんはパワーポイントを使いながら、①自衛隊の現状、②安保法制の制定、③安保法制施行で自衛隊に起きたこと~南スーダンPKOの変化、北朝鮮情勢をめぐるトランプ・安倍の二人三脚、小野寺防衛相のトンデモ発言、「米艦・米軍機防護」と洋上補給、東アジアで日本を起点とする軍拡競争の時代、④安倍首相による憲法第93項への加憲の狙い-について分かりやすく話してくれた。【半田さんの講演要旨は別掲】

P1010489_1024x768                             半田滋さん

 休憩をはさみ、平昌(ピョンチャン)現地での南北共同応援と交流の様子が映像で流され、韓統連(在日韓国民主統一連合)訪問団で参加した韓青同(在日韓国青年同盟)のメンバーが報告をおこなった。日本のメディアの多くで五輪期間中、親朴槿恵の右派らによる「抗議」の様子は垂れ流されたが、メディアでは流されない民間交流の生の姿が映像で紹介され、参加者からは「こんなのがあったことは知らなかった」という声も聞かれた。

 また集会には、翌日の東京マラソンに「統一旗」のゼッケンをして走るカナダ在住の市民ランナー、ナ・ヤンイルさんも参加し、飛び入りであいさつ。ちなみに翌日の東京マラソンでナさんは「統一旗」のゼッケンと共に「朝鮮学校差別反対」の手書きのステッカーも胸につけ東京の街を疾走。タイムは4時間チョットだったとのこと

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                        韓統連ピョンチャン現地訪問団

続いて、韓国ゲストのハン・チュンモク韓国進歩連帯常任代表が登壇し、「2018年激変する情勢と韓国民衆運動の方向」と題して報告をおこなった。ハンさんは、「いつも朝鮮半島の平和の問題に関心を寄せていただいている日本の皆さんに先ず感謝申し上げたい」と述べながら、「平昌五輪に南北共同応援のため韓統連代表団、朝鮮総聯代表団が来たが軍事政権やこれを継承する政権の時代にはかなわなかったことだ。これもキャンドル革命により政権交代を実現させた大きな成果だ」「民衆が非暴力でキャンドルを掲げて革命を成し遂げたのは洋の東西を問わず歴史上初めてではないか」と力強く指摘した。

そして、①朝鮮半島の情勢変化~北朝鮮のICBM・核武力完成宣言により数十年続いた米朝対決が歴史的分水嶺を越えたこと、そして米朝対決の終結に向けた最終段階に入りつつあること~、②キャンドルの民心と文在寅政権、③キャンドル革命の精神と進歩的民衆運動の方向-などについて報告。参加者からも大きな連帯の拍手が起きた。【ハンさんの報告要旨は別掲】

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                            ハン・チュンモクさん

集会はさらに、辺野古の闘いについて青木初子さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)、改憲阻止の闘いと当面の総がかり行動について高田健さん(許すな!憲法改悪・市民連絡会)、「慰安婦」問題の日韓合意の問題性と闘いについて中原道子さん(「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC)共同代表)、朝鮮学校への「無償化」差別に対する高裁上告審への再決起について森本孝子さん(「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会)など、各団体・各課題からのアピールを受け、最後に201831集会アピールを確認して終了した。

P1010520_1024x679                   青木初子さん
P1010521_1024x768                    高田健さん
P1010524_1024x768                    中原道子さん
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                             森本孝子さん

 

 

【31集会アピールと呼びかけ・賛同一覧は下記】

31朝鮮独立運動99周年集会

   

 今年の31日は、日本の植民地支配からの独立を求め朝鮮半島全土で人びとが立ち上がった31独立運動(1919)から99周年を迎えます。私たちにとっては、歴史を直視しながら日本と朝鮮半島やアジアの人びととの平和な関係をいかに築くのかを問い直す日でもあります。

朝鮮半島の緊張の根源と平和への道

しかしこの間、平和な関係を築くのとは真逆の事態が進行してきました。今、朝鮮半島の軍事緊張は極度に高まり、一触即発の状態が続いています。米国はサードを韓国に配備、史上最大の米韓合同軍事演習を繰り返し、朝鮮側は核実験やICBMなどの発射実験でこれに対抗しています。

日本では一方的に「朝鮮の脅威」のみが煽られていますが、これは誤った見方です。

朝鮮戦争の停戦協定(1953.7.27)から今年で65年にもなりますが、50年代末から韓国に膨大な核兵器を配備し(同時期沖縄にも1300発の核ミサイル配備)、停戦状態のまま大規模軍事演習で絶えず軍事的威嚇を加えてきたのは米国です。この米国の軍事的圧迫が朝鮮を核・ミサイル開発に向かわせたのです。                      

 朝鮮半島の緊張状態を平和の方向に転換させるためには、米国が大規模軍事演習を停止し、朝鮮も核・ミサイル開発を停止する「相互停止」がまず必要です。そして何よりも対話により現在の停戦状態から平和協定締結に向かうことです。これは私たちが求める朝鮮半島非核化の近道でもあるのです。

しかし、これを拒み続けているのは米国です。ここに朝鮮半島の緊張の根源があります。

平昌冬季オリンピック・パラリンピックを契機に南北対話の再開と米韓合同軍事演習の延期が発表されましたが、さらに演習そのものの中止と米朝対話・平和協定実現に向けて国際世論を喚起しましょう。

朝鮮半島の緊張利用する安倍政権

安倍政権は、トランプ米政権の軍事攻撃を含む「すべての選択肢」を全面的に支持し、朝鮮半島の緊張を煽り、それを最大限に利用して「戦争のできる国」作りを推し進めています。

戦争法に基づく自衛隊の米軍への戦争協力(集団的自衛権行使)拡大、11千億円もする陸上配備型イージスシステム(イージスアショア)や先制攻撃のための「敵基地攻撃能力」導入など米国からの高額兵器購入をはじめとした大軍拡政策、さらに「共謀罪」の強行成立などによる治安管理体制の強化を推し進め、いまや憲法9条の改悪にまで手を付けようとしています。これを絶対に許してはならないでしょう。

韓国民衆と連帯しよう!日朝正常化と米朝平和協定の実現をめざそう!

国交正常化を目指すことで合意した日朝ピョンヤン宣言(2002.9.17)に基づき、対朝鮮敵視政策を転換し、米国に対話と平和協定締結を促すことこそ、日本の取るべき道であり日本の平和の道にも直結しています。また昨年、国連で採択された核兵器禁止条約に加盟して自ら米国の核の傘から離脱し、米国を筆頭とする核保有国にも同条約への加盟を促すべきです。そうしてこそ朝鮮への非核化要求にも説得力を持つのです。その実現を目指して声をあげていきましょう。平昌オリンピック・パラリンピックを契機として米韓合同軍事演習の中止と反戦平和をめざす韓国民衆と連帯しましょう。          2018224  

   

 2018 3・1集会呼びかけ・賛同一覧(3/2現在)                   順不同                                 

日韓民衆連帯全国ネットワーク、ピース・ボート、「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC)、許すな!憲法改悪・市民連絡会、反安保実行委員会、在日韓国民主統一連合、荒川住民ひろば、憲法を生かす会東京連絡会、「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会、新社会党東京都本部、スペース21、全水道東京水道労働組合、朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会、日韓平和連帯、日朝国交正常化をすすめる神奈川県民の会、ピース・ニュース、ぴ~す・め~る、本郷文化フォーラムワーカーズスクール(HOWS)、安達由紀、池上仁(学校事務職員労組神奈川執行委員)、石井寛(韓国良心囚を支援する会全国会議事務局長)、石谷春日、大畑龍次(日韓ネット)、大村一浩、小笠原三枝子、岡田雅宏、尾澤邦子(日韓ネット・ノレの会)、尾澤孝司(日韓ネット)、小野信也(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)、加藤賀津子、加藤正姫(日韓ネット)、加納美紀代、北川広和(日韓ネット・「日韓分析」編集)、北原れい子、黒田恵、東風徹(韓国良心囚を支援する会全国会議)、権龍夫、近藤ゆり子、坂本史子、坂本美幸、桜井大子、柴田高好、高梨晃嘉(共同行動のためのかながわアクション代表世話人)、高橋年男、武田隆雄(日本山妙法寺僧侶)、寺尾光身、土松克典(日韓ネット)、冨田一彦(新社会党)、中村知明(郵政ユニオン本部書記長)、奈良本英佑、蜂巣裕人、花村健一(樹花舎代表)、花輪不二男、番場明子、福島進、福島博子、布施由女(三多摩日朝女性のつどい世話人)、本田都南夫、森本孝子(平和憲法を守る荒川の会)、矢野秀喜(朝鮮人強制労働被害者補償立法をめざす日韓共同行動事務局長)、山田昭次(歴史研究者)、渡辺一夫(韓国良心囚を支援する会全国会議代表)、渡辺健樹(日韓ネット共同代表)、渡辺好庸、渡辺さ江、渡辺吉男 匿名希望1

 【3・1講演詳細】半田滋さんの講演レジュメから

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2018年2月24日

31朝鮮独立運動99周年集会

 

東京新聞論説兼編集委員

獨協・法政大非常勤講師

半田滋

 

 

安倍政権があおる米朝の危機

 

 

第1章 自衛隊の現状

 

1 「軍事大国とならないこと」のウソ

 2013年版防衛白書には「他国に脅威を与えるような強大な軍事力を保持しない」として、「たとえば、大陸間弾道ミサイル(ICBMIntercontinental Ballistic Missile)、長距離戦略爆撃機、攻撃型空母の保有は許されないと考えている」との記述があったが、この3種の例示は2014年以降の防衛白書から消えている。

 2019年度防衛予算案には「敵基地攻撃」が可能な巡航ミサイルと島嶼防衛用高速滑空弾が登場。護衛艦「いずも」の空母化計画も浮上した。

 もともと自衛隊は戦闘機の航続距離を延ばす空中給油機、敵地上空で管制ができる空中警戒管制機(AWACS)、対地・対艦攻撃ができるF2、F35戦闘機などを揃え、着々と敵基地攻撃能力を磨いてきた。

 

2 世界でも先端の装備品

 ①イージス護衛艦、そうりゅう型潜水艦、90式戦車、IT化された陸上部隊など

 ②防衛費は10年連続してマイナスだったが、第二次安倍政権の2013年度以降、プラスに転じ、来年度を含めれば6年連続のプラスとなり、5兆円を突破する。

 

3 活発化する海外活動

 ① 国連平和維持活動(PKO、1992年より継続)

 ② ソマリア沖の海賊対処(2009年より継続)

 ③ 特別措置法によるインド洋派遣(2001年~10年)、イラク派遣(2003~09年)

 ④ 海外緊急援助隊(92年より継続。丸腰で行う災害救援活動)

 

 

第2章 安全保障関連法の制定

(2015年9月成立、16年3月施行)

 

1 集団的自衛権の行使とは

 「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにも関わらず、実力をもって阻止する国際法上の権利」

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 国連憲章で具体化

※現実には大国が他国を侵略するための口実にされてきた事実

1956年 ソ連のハンガリー動乱への介入

1965年 米国のベトナム戦争参戦

1968年 ソ連のチェコスロバキアへの介入(「プラハの春」への介入)

1978年 ソ連のアフガニスタン侵攻

 

※日本政府の見解

「集団的自衛権の行使は、自衛権発動の第一要件(我が国に対する急迫不正の侵害があること)を満たしておらず、自衛のための必要最小限度の範囲を超える」

 

2 安保法で容認された集団的自衛権行使(存立危機事態という事態の誕生)

 前記の「武力行使の3要件」に合致すれば、可能。

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 集団的自衛権、集団安全保障(閣議決定なし)に限定されない

 (例・ホルムズ海峡の機雷除、邦人輸送中の米艦艇防護)

 

3 可能になった他国の軍隊への後方支援

  日本の平和と安全に重要な影響(重要影響事態法)

 国際の平和と安定を目的(国際平和支援法=恒久法)例・イラク特措法

  国連決議または関連する国連決議がある場合

※①②でやることは同じ。世界のどこでも、どんな他国軍も後方支援可能に

 

4 PKOの拡大と国際的な平和協力活動(国際平和共同対処事態法=PKO協力法)

 PKOでも治安維持を担当、さらに国連が統轄しない人道復興支援活動や安全確保活動、例・イラク特措法

※大義名分なき海外派遣を可能に

 

 前提・受入国の同意があれば、「国家に準じる組織」は敵対する存在として現れない(2014年7月1日集団的自衛権行使を容認した閣議決定)

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 カンボジアPKOのポルポト派は?イラク派遣のフセイン残党は?

※任務遂行のための武器使用を容認

 

 任務の拡大、人道復興支援、安全確保活動

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※日本のPKO、世界のPKOの現実を無視!

 日本の得意分野は後方支援、安全確保は発展途上国の分野

 5 武力攻撃に至らない侵害(自衛隊法)

 弾道ミサイル警戒監視中、共同訓練中の米軍などの防護

※米軍などは日本防衛のために活動しているとは限らないのだが…

 

 前提・自衛隊法95条「武器等防護のための武器使用」

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 現場の自衛官が判断する

※他国軍の防護は「集団的自衛権の行使」と同じ。それを現場の自衛官に丸投げすることの恐ろしさ

 6 国会承認は「原則事前」

※派遣内容は特定秘密とされ、「事後」では意味不明になりかねない

※法制化により、もはや憲法改正なしに自衛隊は事実上、軍隊に

 

 

第3章 安保法施行で自衛隊に起きたこと

(軍隊化への道をたどり始めた)

 

1 南スーダン国連平和維持活動(PKO)の変化

 「駆け付け警護」の開始

 「宿営地の共同防衛」の実施

 ※治安悪化により、日本人70人のうち大使館員など20人弱を残し脱出。

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 ※「駆け付け警護」の可能性は限りなく小さかった

 ※蓋然性が高いのは治安情勢の極端な悪化により、「宿営地の共同防衛」。他国軍防衛のための武器使用=集団的自衛権の行使に限りなく近い武力行使 

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 2016年7月、自衛隊の宿営地を挟んで政府軍と武装勢力との間で撃ち合いが発生。戦車まで登場した

 

(南スーダンPKO情勢をめぐり、国連と食い違う日本政府の見解)

1 治安状況をめぐる見解の相違 

 【日本政府】  

 「比較的、落ち着いている」(2016年10月8日、稲田朋美防衛相)

※この結果、翌11月15日閣議決定で第11次隊に新任務を付与 

 

 【国連】

 情勢報告書(2016年8月12日~10月25日)

「『volatile(不安定な、流動的な)』状態が続いている。国全体の治安は悪化しており、とりわけ政府軍が反政府勢力の追跡を続けている中央エクアトリア州の悪化が著しい」(同州にはジュバが含まれる)

 

② 国連人権理事会の専門家グループ(2016年12月1日)

「複数の地域で集団レイプや村の焼きうちといった民族浄化が確実に進行している」「ルワンダで起きたことが繰り返されようとしている段階だ。国際社会はこれを阻止する義務がある」

 

③ 国連安保理提出の機密文書(2月14日AFP報道)

「各地で治安が悪化し続け、長引く紛争と暴力の影響が市民とって壊滅的な規模に達している」「この傾向が続けば、いかなる政府も統制が及ばなくなる上程がこの先何年も続くおそれがある」

 

 国連人道問題調整事務所(16年11 月16日報告)

「昨年の同時期より100万人多い、推定370万人が深刻な食糧危機に直面している。食糧不足が今ほど悪化したことはなく、さらに悪化する情勢にある」

 

2 南スーダンめぐる国連決議採択で日本は棄権

16年12月25日、武器輸出の禁止や内戦当事者の資産凍結などを定めた制裁決議案の採決。米国主導で提案された決議案は、理事国15カ国のうち、米英仏など7カ国が賛成。日本、中国など8カ国が棄権に回り、否決。

 

【岡村善文国連次席大使】

「生産的でない」(自衛隊に理解を示し、友好的な態度をとっているキール大統領を追い込むべきではないとの政府判断)

【米国のパワー国連大使】

「棄権した国々の決定にたいして歴史は厳しい判断を下すだろう」

※自衛隊派遣を維持することが最優先され、南スーダン和平の道を閉ざした

 

2 北朝鮮情勢をめぐるトランプ・安倍の二人三脚

 ① 北朝鮮の核・ミサイル問題でトランプ政権が重大な関心

 国連総会でトランプ大統領が「米国には大きな強さと忍耐があるが、もし米国や同盟国を守ることを強いられたら北朝鮮を完全に壊滅するしかない。ロケットマン(金正恩委員長)は自殺行為を続けている」

 翌日の国連総会で安倍首相が「対話による問題解決の試みは無に帰した」「必要なのは対話ではない。圧力なのです」と全面的にトランプ氏に同調

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 ※衆院解散の理由に「来年になれば選挙どころではない」との見方。米国による北朝鮮攻撃か。

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※北朝鮮の弾道ミサイルを防ぐことは不可能。原発はどうなる

 

3 小野寺五典防衛相のトンデモ発言

 北朝鮮の弾道ミサイルがグアム島を直撃した場合

「日本の安全保障にとって米側の抑止力、打撃力が欠如するということは、これは日本の存立の危機に当たる可能性がないとは言えない」(8月10日、衆院安全保障委員会)と存立危機事態にあたり得ると答弁。

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※「存立危機事態」の認定。間もなく日本有事に発展へ

 

4 始まった「米艦防護」「米軍の航空機防護」と「米艦への洋上補給」

 5月に護衛艦「いずも」による米艦艇の防護。5月より月1回のペースで日本海に展開する米イージス艦への洋上補給を実施。

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※ともに非公表。国会および報道機関によるチェック不能

※「知る権利」などどこ吹く風の安倍政権だったが…

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 安倍首相は1月22日の施政方針演説の中で「北朝鮮情勢が緊迫する中、自衛隊は初めて米艦艇と航空機の防護の任務に当たりました」と初めて公表。

 しかし、詳細な中身は1年分の活動を国家安全保障会議(NSC)への報告後。国民への公表はさらにその後。一年以上も前に行った米軍防護を知る結果に。←←←後の祭りというやつ?国会承認も、国会報告も不要なので時の政権のやりたい放題に。

 

5 防衛費の増加、自衛隊の増強

 専守防衛の建前が崩れ、自衛隊は肥大化

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 防衛費は10年連続減少、これを安倍政権が6年連続で増加へ。この路線に安保法が上乗せされ、さらなる防衛費の増加へ(18年度は5兆1911億円の見込み)。海外における武力行使とあいまって周辺国に日本への警戒感。東アジアで日本を起点とする軍拡競争の時代

 ① 長距離の巡航ミサイル3種を導入へ

 ② 空母保有も浮上

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 従来の延長線上ではなく、真に必要な防衛力のあるべき姿を見定めてまいります」(1月22日施政方針演説)←←←安倍首相のお墨付き?

 

 

第4章 安倍首相による第9条3項加憲

 

※これまで見てきた通り、現行憲法下の活動であっても国内外のニーズに応える一方、憲法解釈上、際どい活動も増えている

※このうえ憲法に「自衛隊」を書き込む意味は、憲法解釈を変更した閣議決定および安全保障関連法で踏み切った集団的自衛権の行使をフルスペックとすることか

※すると、憲法9条2項は死文化し、憲法そのものの役割が薄れる

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それこそが安倍政権の究極の目標か。すなわち憲法を実質的に空文化して、「時の政権」の思い通りに日本を変える。米国との戦争にためらいなく参加する

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安倍政権の森友問題、加計問題で見られる通り、政権の私物化

戦前のような国家主義的国家への復帰、「日本を取り戻す」「美しい国へ」の現実化

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日本の平和や国民の幸福を目指すのではなく、自分の空想する国家、そして国家のために生命を捧げる国民による独裁国家への回帰を目指すのか?

 

以上

 【3・1韓国ゲスト報告詳細】 ハンチュンモクさんのレジュメから

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2018年激変する情勢と韓国民衆運動の方向

 

ハン・チュンモク韓国進歩連帯常任代表

1.朝鮮半島の情勢変化

 

(1) 北、米本土へ攻撃可能な核戦力を保有。「米国とのパワーバランス」を目標に、「国家核武力完成の歴史的偉業、ロケット強国の偉業実現」を宣言

- 2006年に初の核実験以降、北の核ミサイル能力は早い速度で発展

- 2017年の「新年の辞」で「大陸間弾道ミサイル開発が最終段階に入った」と公言し、7月には初の「火星14型」大陸間弾道ミサイル発射に続き、9月に水素爆弾の実験、11月には米本土への攻撃可能な大陸間弾道ミサイル「火星15型」 ICBMの発射実験

 

(2) 数十年間続いた米朝対決が歴史的分水嶺を越えた(ICBM/核武力完成)

 北は既に米本土への先制攻撃能力をもつことにより、数十年間続いた米国の一方的な戦争政策に、実効的に反撃できるようになった。数十年間にわたり、一方的劣勢のもとで進められていた米朝対決が最終局面に入った。

 

(3) 米朝対決の終結に向けた最終段階に入るだろう

 - 北は2018年「新年の辞」を通じて

 1) 「核武力完成」を再度宣言

- 「米本土全域がわれわれの核攻撃の射程圏内にあり、核のボタンは私の執務室の机の上に常に置かれている」

- 2018年には「核弾頭と弾道ロケットを大量生産、実戦配備に拍車をかけていく」

 

 2) 人民経済の自立性を強調

  - 「並進路線」を固持しつつ、関係正常化に向け前進するとするもの

- ポイントは、米国の対北政策放棄の意思にかかっている。したがって米国の今後の対応で海上封鎖などの制裁を戦争水準にまで高めるならば、通常角度の発射、グアムへの発射など、実戦能力と意志を見せつける物理的措置があり得るという緊張した情勢

 

 3) ピョンチャン(平昌)オリンピックへの参加発表

- 代表団、選手団、応援団、芸術団の派遣

- 米朝関係の主導権をしっかり握ると同時に、南北関係発展にも攻勢をかけるようだ

 

<これまでも敵対する核保有国との交渉事例、例えばロシア、インド、パキスタンなども核を保有した状況下で、国交正常化や関係改善、協定の締結などを行っている>

 

2. キャンドルの民心とムン・ジェイン(文在寅)政権 

 

文在寅政権の初めは、北への敵対、対米追従の基調だったが、北のピョンチャン・オリンピック参加を機に、南北関係の発展と朝鮮半島の平和実現で積極的な姿勢に変わってきている。

 

- 文在寅政権は発足直後、「対話と制裁を並行」「非核化合意に基づく平和交渉」などを主要基調として発表

  - しかし、実質はトランプ政権が進める「制裁強化」、軍事的圧迫政策に追従する一方で、北の優先的非核化を要求し、これを南北関係と結びつけるなど、実質的な「対話」再開とは逆行する基調、政策で一貫していた

  - また、「北の脅威」を口実としたサードミサイルの配備強行、米国の兵器・武器の大量購入、防衛費分担金の増額などの要求を全て受け入れる。さらに、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の延長や韓米日の合同演習強化など、韓米日の同盟強化の方向に進む

  - 2017年までは李明博・朴槿恵の政策をそのまま踏襲するようだった

  - 2018年、北の「新年の辞」発表とピョンチャン五輪参加により、南北関係改善の契機となり、金永南常任委員長/金与正第一副部長の訪南と南北首脳会談の提案など、対話と交渉の局面が開かれている

  - 文在寅政府はキャンドル市民を信じ、民族協力を優先させる政策の転換をはかり、南北関係の発展と朝鮮半島の平和実現の意志を高めるべき。また、市民の大衆的な平和統一運動が求められている

 

3. キャンドル革命の精神と進歩的民衆運動の方向

 

(1) 国民主権の自主時代、歴史的激変期を迎え、分断の積弊清算運動を。

 

  キャンドル抗争は民衆的な闘いにより、平和的方法で民主主義革命を実現させた。

現代は民衆が主人公となる国民主権の時代であり、韓国社会の矛盾の根源が崩れる歴史的な激変期だ。

  -北の核武力、ICBMの完成は、米国にとって自分の頭上に核爆弾があり、核攻撃により常に緊張せねばならないことを意味する。戦争か、平和かを決める米国の最終決断の日が近づいている。

  -分断積弊の2つの柱、米国と国家保安法を克服し、北についてキチンと知ろう

「米国の真実を知ろう」:2次大戦以降の侵略戦争と住民虐殺、米軍犯罪

「北をキチンと知る運動」を展開

 

(2) 自主統一運動の力量の強化、自主統一闘争を前面に出して、恒久的な朝鮮半島の平和体制構築、統一国家を作ろう

 

 1) ピョンチャン五輪を機に、南北関係が開かれており、民族共助で米国の圧力をはね返し、新たな平和の局面を開こう

 

- 米国や保守勢力とキャンドル市民の対決

 -金永南常任委員長/金与正第一副部長の訪南/マンギョンボン(万景峰)号:空路、陸路、航路が開かれた→南北首脳会談の提案で南北関係の改善

 -韓米合同軍事演習の中断と和解、交渉の局面に転換:韓米同盟と民族共助

 

2) 613日の地方議会選挙で、積弊清算・社会大改革闘争により、直接民主主義、民衆の直接政治実現の運動を。

 

-2018年自治体選挙は地方自治という点での限界はあるものの、補欠選挙、文政府1年、改憲などの局面、朝鮮半島の平和など、大変政治的な性格となるだろう

  - ここでは民主主義、生活、自主の要求が噴出し、争点化できるように。

  - 進歩民衆陣営は、共同の進歩的公約、選挙制度の改編、改憲、進歩政党の候補者乱立調整など、進歩的政党強化のため最善を尽くす

 

3) 2018年民族共同行事/8.15自主統一決起国民大会/20193.1運動100年事業を名実共に国民的キャンドル大会へと成功させよう 

 

4) 自主統一闘争を強めるため、主体的力量を強めよう

 

- 進歩運動の強化は、自主統一運動の団結を強めることから始め、労働者、農民など、基層民衆を中心に、各界各層を広範囲に包括する大きな連帯連合体を作っていこう。

- 基層民衆に深く根差した強い進歩政党を強化する

- 地域の平和統一運動を強化:市郡区レベルで参加団運動を大衆的に展開

- 核心となる平和統一運動の活動家/幹部力量の養成と教育に拍車をかける

 

5) 朝鮮半島、アジアの平和と共同の繁栄のために韓日平和連帯、国際平和連帯を強めよう

 

- 20187.27停戦協定の日に、米軍の住民虐殺や犯罪を告発する国際大会を開こう

- 2018年民族共同行事、815自主統一集会で韓日平和連帯/国際平和連帯を実現しよう

- 20193.1運動100周年の民族共同行事と集会韓日平和連/際平和連現しよう

 

 

【韓国進歩連帯とは】

労働者・農民・女性・青年学生などの諸団体が参加する韓国進歩勢力の連合体。

朴槿恵政権を退陣に追い込んだ キャンドル行動をはじめ、昨年220団体で構成さ

れた「NOトランプ共同行動」などでも米トランプ政権の戦争政策に反対して中心的

役割を担っている。平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック・パラリンピック期間の米韓

軍事演習の延期だけでなく、演習の中止と米朝、南北対話による緊張緩和と平和

・統一を求めて取り組みを強めている。

 

2018年2月 7日 (水)

●2・7米国大使館申入れ行動 米韓合同軍事演習中止と米朝対話・米朝平和協定を要求

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  2月7日午後、日韓ネットも参加する東アジア市民連帯が呼びかけた米国大使館への申入れ行動が、約50人の人びとで行われた。

  韓国インターネット「統一ニュース」も報道 http://www.tongilnews.com/news/articleView.html?idxno=123707

  はじめに集合地点の虎ノ門駅前で、6・15共同宣言実践日本地域委員会の孫亨根議長と平和フォーラムの藤本泰成共同代表の挨拶を受け、横幕を先頭に米国大使館に向けて移動した。

  米国大使館前では、東アジア市民連帯を構成する13団体と賛同していただいた76団体・64個人の連名による申入れ書が読み上げられ、「米韓合同軍事演習を中止しろ!」「米朝対話をおこなえ!」「米朝平和協定を締結せよ!」などのシュプレヒコールを挙げながら申入れ行動が行われた。

  集約集会では、在日本朝鮮人留学生同盟、日本山妙法寺、ピースボートの代表らが発言、最後に日韓ネットの渡辺健樹共同代表が「米韓合同軍事演習の中止をあくまで求めてさらに取り組んでいこう」と締めくくり発言をおこない、行動を終了した。

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アメリカ合衆国大統領  ドナルド・トランプ様

アメリカ合衆国駐日大使 ウィリアム・ハガティ様

平昌五輪を機に米朝における軍事演習の停止と対話、平和協定の実現を求める

 19506月に始まった朝鮮戦争は、1953727日に停戦協定が成立しましたが、米国と朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)の間は、未だ停戦状態のままに放置されてきました。米国はこの間、大韓民国(韓国)内に高高度ミサイル防衛システム(THAAD)を配備し、史上最大の米韓合同演習を繰り返し、朝鮮は米国への対抗策として核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの発射実験を行っています。

私たちは東北アジアの平和を求める立場から、米国政府が主張する制裁の強化と「すべての選択肢がテーブルの上にある」という強硬な外交・軍事政策に反対し、話し合いで解決に向けた行動を起こすよう主張してきました。65年にも及ぶ停戦状態を脱し、朝鮮が繰り返し求めてきた平和協定の締結へと米朝両国政府が動き出すことを強く求めます。

29日から、平和の祭典である冬季オリンピック・パラリンピックが、韓国江原道の平昌において開催されるにともない、米韓合同軍事演習が延期され、南北対話が再開しました。会談では、朝鮮と韓国の間で朝鮮選手団の参加と政府代表団、応援団、芸術団の派遣、朝鮮のスキー場での南北合同合宿の開催が合意されるなど、双方の真摯な対話と努力により平和・友好的な環境が作られています。

トランプ米大統領は文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領との間で、南北対話の再開を受けて「会談継続中はいかなる軍事行動も行わない」、「適切な時期と状況で北朝鮮が望めば、対話の窓は開かれている」と述べたとされています。朝鮮も国連などの場において停戦協定を平和協定へとの主張を繰り返し述べて来ました。軍事的挑発を繰り返し、制裁措置を強化する中からは、何も生まれるものはないと断言します。

過去を振り返ると米韓合同軍事演習が停止されていた期間(92年)、または米朝間・南北間で対話が成されている期間は、朝鮮も核実験やミサイル実験を実施しませんでした。逆に、米韓合同軍事演習が継続的に実施され、まともな対話がなされなかったこの10年間、朝鮮は核・ミサイル開発のスピードを加速させました。

私たちは、東北アジア・朝鮮半島情勢の平和的態勢構築の基盤として、平昌オリンピック・パラリンピックを機に延期されている米韓合同軍事演習を止め、その継続下において朝鮮も軍事的対抗措置を止めることにより、直ちに朝鮮半島での軍事的緊張緩和と平和協定締結に向けた米朝交渉が開始されることを強く求めます。

私たち日本の市民団体は、米朝両国が対決から対話へと歩み出すことにより、朝鮮半島と東北アジアの恒久平和の礎を築いていくことを強く求めます。

201827

【呼びかけ】東アジア市民連帯

構成団体:フォーラム平和・人権・環境、ピースボート、日韓つながり直しキャンペーン、日韓民衆連帯全国ネットワーク、「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会、村山首相談話を継承し発展させる会、東京朝鮮人強制連行真相調査団、615共同宣言実践日本地域委員会、朝鮮学園を支援する全国ネットワーク、朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会、日本朝鮮学術教育交流協会、「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC)、全日本建設運輸連帯労働組合

賛同団体(76団体、順不同)

東北アジア情報センター(広島)、日本山妙法寺、平和をつくり出す宗教者ネット、基地のない沖縄をめざす宗教者の集い、大阪平和人権センター、猪飼野セッパラム文庫、フォーラム岐阜、岐阜地区労働組合協議会、憲法を生かす会・茨城、憲法を生かす会東京連絡会、平和・人権・環境を守る岐阜県市民の声、岡山県平和センター、山口県平和運動フォーラム、朝鮮の自主的平和統一を支持する長野県民会議、朝鮮の自主的平和統一を支持する長野地区会議、朝鮮の自主的平和統一を支持する上小地区の会、朝鮮の自主的平和統一を支持する松本市民会議、過去と現在を考えるネットワーク北海道、原発やめよう/つながろう関西・マダム会議、大阪府退職教職員憲法九条を誇りにする会、不戦へのネットワーク、朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会、共同行動のためのかながわアクション、日朝国交正常化をすすめる神奈川県民の会、神戸国際キリスト教会、エラスムス平和研究所、月刊「コモンズ」、かながわ平和憲法を守る会、ワールドビヨンドウォー(world beyond war)、日本軍「慰安婦」被害女性と共に歩む大阪・神戸・阪神連絡会、朝鮮女性と連帯する岡山県女性の会、I(あい)女性会議岡山、東アジアの平和と友好を求める民衆の会、神奈川県朝鮮人強制連行真相調査団、朝鮮・韓国の女性と連帯する埼玉の会、埼玉県平和運動センター、郷土教育全国協議会、時を見つめる会、朝鮮女性と連帯する千葉県女性の会、I女性会議千葉県本部、許すな!憲法改悪・市民連絡会、日韓平和連帯、日本と南北朝鮮との友好を進める会、樹花舎、全関東単一労働組合、安倍政権にNO!東京・地域ネットワーク、憲法骨抜きNO!ねりま、第九条の会・ヒロシマ、ふぇみん婦人民主クラブ、朝鮮女性と連帯するふくおかの会、在日朝鮮人作家を読む会、アジア連帯講座、NPO法人世界ヒバクシャ展、本郷文化フォーラムワーカーズスクール(HOWS)、人権平和・浜松、ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン、ピース・ニュース、エナガの会(戦争しないさせない市民の会・柏)、三多摩日朝女性のつどい、反天皇制運動連絡会、アジア共同行動日本連絡会議、かながわ朝鮮女性と連帯する会、Little Hands、日朝連帯いばらき女性の会、平和・環境・人権 しながわ、全水道東京水道労働組合、ATTAC Japan、品川平和・市民、ピースリンク広島・呉・岩国、NPO法人ピースデポ、武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)、労働運動活動者評議会、戦争しないさせない市民の会、朝鮮女性と連帯する北海道の会、東京日朝女性のつどい、市民自治をめざす1000人の

賛同個人(64名、順不同・敬称略)

横原由紀夫、木津博充、武田隆雄、江上彰、泉行俊、高本吉久、有村文江、奈良本英佑、寺尾光身、城山大賢、藤井幸之助、松元保昭、竹内宏一、中沢浩二、近藤ゆり子、阿部太郎、青木茂、石堂太郎、野村修身、鴻巣美知子、中西綾子、岩村義雄、加藤剛、西平幸代、原田章弘、斎藤紀代美、伊藤照子、富山徳之(鄭坤)、佐野通夫、丹羽雅代、尾沢孝司、磯貝治良、長谷川和男、森本孝子、金誠明、大束愛子、松平直彦、申嘉美、北村めぐみ、梅田恵利子、四津谷薫、玉井昌子、小林嘉直、吉村ますみ、加藤義雄、赤塚弘美、田比良宏史、水田令子、折口恵子、芝先良樹、折口晴夫、井上淳、田中徹、奥山篤、大畑喜一郎、宗博文、新宮賢一、田端ひろ子、西脇裕、杉山富夫、山下治子、京極紀子、田上中、田上聡

2017年11月 5日 (日)

●トランプ訪日・日米首脳会談に向けた110団体共同声明

11月5日からのトランプ米大統領の訪日・日米首脳会談に向けて、11月2日、朝鮮半島と東アジアの平和を求める110団体の共同声明が発せられました。【下に110団体共同声明】

11月3日午前には日韓ネットと在日韓国民主統一連合(韓統連)の共同で米国大使館への抗議・申し入れ行動も行いました。その後、日韓ネットは安倍9条改憲NO!国会包囲行動にも合流。翌4日には新宿で韓統連・日韓ネットの共同でトランプ訪日・訪韓反対のキャンドルデモにも取り組んでいます。またトランプ訪日当日の11月5日は、一日共闘の「トランプ・安倍の戦争会談反対11・5新宿デモ」にも参加していきました。

これらの行動は、韓国の220団体で作る「NOトランプ共同行動」のトランプ訪韓反対行動や米国各地で取り組まれたNOトランプ行動とも連携した行動となりました。

 ●韓国の「NOトランプ共同行動」が作成した韓国・日本・米国の連鎖行動の動画は下記から

 https://drive.google.com/file/d/1J8zV08yeS4kRF1hPCnAbcfba8P3OUCR2/view?usp=d

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                  米大使館に「戦争挑発やめろ」とシュプレヒコール

P1010421_800x600_2                 110団体共同声明を読み上げる日韓ネットの仲間

P1010435_800x507                     安倍9条改憲NO!4万人で国会を包囲
P1010427_800x600                     国会正門前の沿道を埋め尽くした人々

122713_60249_6341                        11・4新宿キャンドルデモ

共同声明PDF版→ 「2017112notrunp.pdf」をダウンロード

         トランプ米大統領訪日と日米首脳会談に向けた 

   朝鮮半島と東アジアの平和を求める

       110団体共同声明 

                        2017年11月2日

 トランプ米大統領のアジア歴訪で、115日には日本を訪れ日米首脳会談も行われます。私たちは、トランプ大統領訪日と日米首脳会談が、日米戦争同盟の強化と第二次朝鮮戦争への危険な動きをさらに加速させかねないものとして、これらの動きに強く反対し平和を求める諸団体が共同で声明を発するものです。 

      朝鮮半島の緊張の根源と平和への道

今、朝鮮半島の軍事緊張は極度に高まり、一触即発の状態が続いています。米国はサードを韓国に配備、史上最大の米韓合同軍事演習を繰り返し、朝鮮側は核実験やICBMなどの発射実験でこれに対抗しています。

日本では一方的に「朝鮮の脅威」のみが煽られていますが、これは誤った見方です。

朝鮮戦争の停戦協定から今年で64年にもなりますが停戦状態のまま大規模軍事演習で絶えず軍事的威嚇を加えてきたのは米国です。

 この米国の軍事的圧迫が朝鮮を核・ミサイル開発に向かわせたのです。

 朝鮮半島の緊張状態を平和の方向に転換させるためには、米国が大規模軍事演習を停止し、朝鮮も核・ミサイル開発を停止する相互停止がまず必要です。そして対話により現在の停戦状態から平和協定締結に向かうことです。これは朝鮮戦争当事者である米朝の義務であり、私たちも求める朝鮮半島非核化の近道でもあるのです。

しかし、東アジアの軍事プレゼンス維持のためこれを拒み続けてきたのは米国です。

ここに朝鮮半島の緊張の根源があります。

私たちはトランプ大統領に、先の国連演説での「朝鮮を完全に破壊する」などといった言辞を撤回し、朝鮮政府と無条件で対話し緊張緩和を図ること、何よりも朝鮮半島の停戦状態に終止符を打ち、平和協定を締結し、朝鮮半島の恒久的平和体制に向かうことを強く要求します。

 

朝鮮半島の緊張利用する安倍政権            

 

安倍政権は米国に追随して「対話より圧力」の旗を振り、朝鮮半島の緊張を煽り、それを最大限に利用して「戦争のできる国」作りを推し進めてきました。

戦争法に基づく集団的自衛権行使(自衛隊の米軍への戦争協力)拡大、1800億円もする陸上配備型イージスシステム(イージスアショア)や相手国への先制攻撃のための「敵基地攻撃能力」導入など米国からの高額兵器購入をはじめとした大軍拡政策、さらに「共謀罪」の強行成立などによる治安管理体制の強化を推し進め、いまや憲法9条の改悪にまで手を付けようとしています。

とくに安倍首相は、「すべての選択肢はテーブルの上にある」とするトランプ氏の発言に支持を表明してきましたが、これは軍事行使の支持を含むものであり明らかな憲法9条違反です。

しかも、真っ先に標的となる在日米軍基地はそのままに(沖縄では辺野古新基地建設を強行し)、原発の再稼働を推し進め、「対話より圧力」などと唱える安倍政権に「国民の安全」のため平和な環境を築こうという意思は見られません。

私たちは、これらの動きに強く反対します。                     

 

日朝正常化と米朝平和協定の実現を

 

また安倍政権は「戦争のできる国」づくりのため、朝鮮のミサイル試射にJアラートを広域に活用し、各自治体に防空演習を行うよう指示してきました。しかし、9月15日のミサイルは、高度400キロを周回している国際宇宙ステーションの倍の高度800キロで日本上空を2分で通過しました。Jアラートも防空演習もPAC3もほとんど意味がなく、人びとを戦時動員さながらに駆り立てようとするものです。

憲法9条を持ち平和国家を標榜する日本は、このような安倍政権とは別の道を歩むべきです。

私たちは日本政府に、国交正常化を目指すことで合意した日朝ピョンヤン宣言(2002.9.17)に基づき、対朝鮮敵視政策を転換し、トランプ米大統領に朝鮮との対話と平和協定締結を促すことを強く求めます。

【お断り 朝鮮民主主義人民共和国の略称は「朝鮮」としています】

 

日韓民衆連帯全国ネットワーク、ピースボート、「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC)、許すな!憲法改悪・市民連絡会、反安保実行委員会、在日韓国民主統一連合、憲法を生かす会、フォーラム平和・人権・環境、東北アジア情報センター(広島)、樹花舎、パレスチナ連帯・札幌、在日朝鮮人作家を読む会、ポラムの会、志太・憲法を大切にしよう会、憲法を生かす会・茨城、不戦へのネットワーク、平和・人権・環境を守る岐阜県市民の声、研究所テオリア、東アジアの平和と友好を求める民衆の会、<ノーモア南京>名古屋の会、モントリオール9条の会、東京日朝女性のつどい、ユニオンと連帯する市民の会、真宗遺族会広島地方支部、米軍Xバンドレーダー基地反対・京都/近畿連絡会、平和といのち・イグナチオ9条の会、ピース・ニュース、バンクーバー9条の会、労働運動活動者評議会、朝鮮・韓国の女性と連帯する埼玉の会、朝鮮学校生徒を守るリボンの会、人権平和・浜松、朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会、本郷文化フォーラムワーカーズスクール(HOWS)、韓国良心囚を支援する会全国会議、東京都学校ユニオン、猪飼野セッパラム文庫、福岡地区合同労働組合、朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会、ユーゴネット、沖縄文化講座、沖縄の自立解放闘争に連帯し反安保を闘う連続講座、ノレの会、共同行動のためのかながわアクション、日朝国交正常化をすすめる神奈川県民の会、日本と南北朝鮮との友好を進める会、湘南護憲市民の会・鎌倉、労働者共闘、憲法9条-世界へ未来へ連絡会、戦争法廃止・安倍たおせ!反戦実行委員会、ふぇみん婦人民主クラブ、ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン、全日本建設運輸連帯労働組合、かたつむりの会、教育に愛と平和を取り戻す会、KOBEピースiネット、荒川住民ひろば、「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会、平和憲法を守る荒川の会、平和をつくり出す宗教者ネット、日本山妙法寺、在日韓国青年同盟、在日韓国民主女性会、在日韓国人学生協議会、NGOラブ・アンド・ピース、破防法・組対法に反対する共同行動、共謀罪反対!国際共同署名運動、新社会党朝鮮半島問題プロジェクトチーム、ぴ~す・め~る、沖縄を考える市民の会、朝鮮女性と連帯する会ふくおか、ストップ秘密保護法かながわ、時を見つめる会、I女性会議千葉県本部、子どもの未来を望み見る会、アジア連帯講座、ミナト神戸を守る会、札幌「資本論」に学ぶ会、ピースリンク広島・呉・岩国、くらしと憲法をつなぐ会、安倍政権にNO!東京・地域ネットワーク、憲法骨抜きNO!ねりま、被爆二世の会、アジア共同行動日本連絡会議、埼玉県平和資料館を考える会、現代を問う会、アジェンダ・プロジェクト、ピープルズ・プラン研究所、Attac東海、郷土教育全国協議会、基地撤去をめざす県央共闘会議(神奈川)、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、「憲法」を愛する女性ネット、武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)、日朝友好連帯埼玉県民会議、安保関連法廃止!市民の集い、全水道東京水道労働組合、全関東単一労働組合、多文化・共生を考える会、反天皇制運動連絡会、いのちとくらしを考える会・宮城、9条の会・おおがき、I女性会議ひょうご、東アジア市民連帯(構成団体:フォーラム平和・人権・環境、ピースボート、日韓つながり直しキャンペーン、日韓民衆連帯全国ネットワーク、「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会、村山首相談話を継承し発展させる会、東京朝鮮人強制連行真相調査団、615共同宣言実践日本地域委員会、朝鮮学園を支援する全国ネットワーク、朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会、日本朝鮮学術教育交流協会、「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC)、全日本建設運輸連帯労働組合)                               【順不同】

 

2017年9月23日 (土)

【講演詳細】9・16集会 纐纈厚・山口大名誉教授のレジュメから

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日朝ピョンヤン宣言15周年 朝鮮半島と東アジアの平和を求める9・16集会

南北朝鮮の和解と統一を阻むもの

~アメリカの覇権主義と追随者たち~

 

                                  Rep.纐纈厚

                                                                                                                         .朝鮮分断の歴史過程~日本の朝鮮植民地支配を出発点として

 

1)歴史の事実から

 

〇日本敗戦過程のなかで:

「ポツダム宣言」(1945.7.26.)連合国側、特にアメリカの思惑と違い日本受諾拒否(1945.7.27.)を躊躇連合国の日本降伏計画に齟齬。アメリカ、原爆によりソ連を牽制(1945.8.6)ソ連対日宣戦布告(1945.8.8.)アメリカ、二度目原爆投下(1945.8.9.)

 

日本、「国体護持」を条件に降伏受諾(1945.8.10.)日本国内で降伏条件をめぐりクーデタ発生。「聖断」により決着(1945.8.14.)玉音放送(1945.8.15.)この一連の流れのなかで朝鮮分断方針は明示されず

 

〇アメリカによる日本占領計画作成(1945.8.10.-11)

占領計画の完成(1945.8.16.)アメリカの三省委員会(アメリカ陸軍はソ連による朝鮮全土の単独占領の可能性を阻止し、38度線での分断方針を構想

 

⇒何故、38度線なのかに就いては諸説あり

 日清戦争後、朝鮮半島をめぐり緊張関係を高めていた日本とロシアが1896に、38度線を境界線朝鮮分断を画策。同様に1903年にも朝鮮分断交渉を水面下で進め、交渉妥結に至らなかったことも含め、日露戦争が開始(1904)[1]

 日本の大本営が本土決戦に備えて38度線以北を関東軍の管轄とし38度線以南の朝鮮軍を大本営の直轄とした[2]

 

〇朝鮮植民地化政策のなかで:

1910822日、違法性の高い「朝鮮併合条約」により朝鮮の植民地化日本、朝鮮半島を大陸侵攻の橋頭保に

⇒第二次世界大戦終結後:フランスのように占領後、直ぐに独立が不可能であった背景があった。朝鮮臨時政府「大韓民国臨時政府」(中国上海で設立)の動向との関連、日本降伏に伴い機能不全に。日本敗戦(ポツダム宣言受諾)以後朝鮮戦争(1950.6.25.-1953.7.27.休戦協定成立)

 

 

2)戦後史研究から

 

〇分断を志向する米ソの角逐のなかで:

8月6日の広島、9日の長崎への原爆投下により、日本敗北が時間の問題となって以後、占領計画書作成過程の最終段階で米国の戦争指導者たちは、ソ連軍がこのまま進撃すれば朝鮮全土、北海道まで解放占領する勢いに危機感を強め、急遽、国務-陸軍-海軍3省委員会(SWNCC)のジョン・マックロイが2人の若い将校に隣室で朝鮮を分割する地点を見つけるようにと指示

 

⇒8月10日から11日にかけての深夜のことで、作業に与えられた時間は30分、2人は地図を見ながら、「アメリカ側に首都を含めることができる」という理由から、北緯38度線を選択、これが朝鮮において米ソ両軍によって占領されるべき地域として確定され一般命令第1号に含まれた

 

*この2人が30分の間に選んだ線が、36度線あるいは39度線ではなくて38度線だったのかについては以下の事実が参考されたのであろう。①日露両国が、1896年(日清戦争終結の翌年),38度線を境界線として朝鮮を分断する交渉した経緯があり、同様の交渉が再度、1903年(日露戦争の前年)にも行われた[3]

 

〇朝鮮植民地支配との関連性:

⇒日本の大本営が本土決戦に備えて38度線以北を関東軍の管轄とし、38度線以南の朝鮮軍を大本営の直轄としたことから、日本敗北後、関東軍がソ連に、朝鮮軍がアメリカにより武装解除された経緯から、38度線以北を事実上ソ連に、以南を事実上アメリカの支配権下にすえおくことになった[4]

 

⇒38度線提案が出され、38度線条項を含む一般命令が討議されている間にソ連軍は19458月12日朝鮮北部に入り進撃、8月15日には千島攻撃を開始する予定だったが、米軍はまだ沖縄に留まっていた(九州上陸作戦の予定は194511月1日であった)

 

⇒一般命令第1号は、19458月15日マッカーサ元帥に打電され、ソ連にも打電されたが、スターリンは、翌日ソ連軍による北海道北半部占領を提案し米国から拒否されたが、ヤルタ秘密協約遵守の言質を与えられたこととの引き換えに38度線分断を黙認

 

⇒8月15日に日本政府は、天皇の権威でやっと軍部の抵抗を抑え込み、天皇が戦争終結の放送をし、全日本軍に戦闘停止命令を発した。38度線条項を含む一般命令第1号は1945年9月2日、マッカーサ元帥によって発せられた。

 

.今 韓国で何が起きているのか~韓米同盟への見直し求める動き

 

1)韓国国内での新たな動き

 

〇アメリカのためだけの同盟:

Is this an alliance? Get lost with your THAAD!(これが同盟なのか。サードを持って消えろ!)=韓国の人々がアメリカ政府やアメリカ軍基地に向け、口々に叫んでいるスローガン=不平等な韓米関係と従属的な韓米同盟の見直しを希求する切実な声

 

⇒韓国国内では、文在寅大統領の下、「6・15南北共同宣言」への見直しの機運が高まる

 

〇韓米同盟の見直しを迫る:

2000613日から金大中大統領と金正日国防委員長との首脳会談が行われ、「六・一五南北共同宣言」を発表=「自主的解決」による統一及び韓国の「連合制案」と北朝鮮の「連邦制案」の共通性を相互に認め合うこと等を骨子とし、南北朝鮮が自主的平和的統一への方向で共同歩調を採ることを合意

 

2007102日から開始された盧武鉉大統領と金正日国防委員長との首脳会談後に発表された「10・4宣言」も含め、韓国では所謂「6・15時代」を取り戻そうとする運動が活発化=韓国が対米従属路線から脱し、主権を回復する運動とも位置付けられる

 

韓国の主権を回復することが切望され、韓国政府とこれを支える韓国国民が団結して、「6・15南北共同宣言」以来、両国間で検討されていた統一方式の共通性を土台とする統一国家構想の具体化に向けて歩みだす機会との位置づけ

 

 

2)「戦闘なき停戦」の時代をどう捉えるのか

 

〇米朝間の歩み寄りの時代から相互批判・対立の時代へ:

北朝鮮の核開発プログラムの凍結を取り決めた米朝枠組み合意」(1994年10月21日)が成立。2003年に決裂するまで10年近く継続。アメリカ韓国・北朝鮮・中国ロシア日本の六ヵ国から構成された北朝鮮の核開発問題に関し、解決のため関係各国外交当局の局長級担当者が直接協議を行う「六者協議」が、20038月から20073月まで北京を協議場に、合計6(合計9次)開催

 

〇合意や協議が破綻した理由は何か:

六か国間の軋轢の深刻化=日本と韓国及び中国とは、領土問題や歴史問題で相互不信に陥り、アメリカとロシアとはシリア問題等で険悪化し、日本と北朝鮮はミサイル発射実験などで冷却化

 

アメリカの北朝鮮政策の硬直化:である。これに日本も韓国も追随し、加えて中国の北朝鮮への影響力も薄らぎ、ロシアも具体的な手を打てず、傍観者的な立場に

 

〇「戦闘無き停戦」の本質としての〝戦闘なき戦闘〟状態の恒常化:

アメリカは休戦協定(第13d項)違反を侵しているだけでなく、北朝鮮侵攻計画「5015計画」を決定(2016.6.

 

繰り返される米韓軍事合同演習の実態=「戦争のように演習し、演習のように戦争する」事実上の戦争⇒北朝鮮の経済・工業・教育など全ての分野に消耗を強いる目的(今回の演習も北朝鮮で始まった稲の収穫期と合わせた農業・食料生産の削減を意図)

 

アメリカ軍が韓国軍を巻き込んで実施する米韓合同軍事演習は、軍事演習の範疇では捉えきれないもので、事実上〝演習〟という名の戦争である。」(ジョン フェッファー栗原泉他訳〉『アメリカの対北朝鮮・韓国戦略』明石書店、2004年)

 

米軍関係者による恫喝の繰り返し=cf.金正恩がソウルを砲撃すれば、米空軍の核爆撃機による〈クローム・ドーム〉作戦で北朝鮮は地球上から消えてしまうだろう(前米空軍合同参謀本部次長トーマス・マッカーニ予備役中将の発言)

 

 

 

Ⅲ.アメリカの北朝鮮恫喝政策が「脅威」の根源 

 

 

1)アメリカによる「二重の恫喝」

 

〇アメリカによる南北朝鮮同時的恫喝:

北朝鮮には米韓合同軍事演習と核戦略で、韓国には韓米同盟の履行を迫る意味で、アメリカは南北朝鮮を同じ「鳥の籠」に押し込めている

 

韓国の政府も国民も実は強く認識しているが、南北朝鮮分断の固定化が、アメリカの利益に叶うと考えている

 

〇歴史を跨いでの〝植民地支配〟の継続:

戦前期朝鮮は日本による35年間に及ぶ植民地支配を受け、戦後は1951年以降、アメリカによる、事実上の〝植民地支配〟(新植民地)を受け、それを担保するものとして米韓安保・米韓地位協定を締結(日本も同質)

 

「国際内戦」と称される朝鮮戦争は、脱植民地の戦争ではなかったのか、という問いが発せられていることの意味(米ソ冷戦体制は、アジアにおける植民地支配の継続を担保)=朝鮮戦争(1950-53)を〝脱植民地戦争〟と把握する視点が意味するもの

 

〇自主的平和的統一とは、〈復元〉ではなく〈創造〉であること:

休戦協定締結以後、南北朝鮮は1972年の「7・4南北共同声明」で祖国統一の三大原則に合意し、1991年には「南北基本合意書」を取り交わし、南北関係を国家と国家の関係でない統一を志向する関係と規定

 

分断の歴史的性格からして、朝鮮統一とは分断以前の状態へ単に復元することではなく、統一とは朝鮮民族固有の歴史と文化とを踏まえ、新たな国家を創造すること

 

 

2)休戦協定を潰したアメリカ

 

〇最初に休戦協定を潰したのはアメリカ:

休戦協定第13節d項=南北朝鮮が損傷を受けたり、使い古した装備の再配備以外には朝鮮に新しい武器を持ち込むべきではないと規定。事実上、核兵器とミサイルの持ち込みを禁じていた

 

19569月、アメリカのアーサー・W・ラドフォード統合参謀本部議長は、アメリカ政府内部でアメリカの軍備増強として朝鮮に核兵器を持ち込むことになると主張、アイゼンハワー大統領の承認を得た。

 

1957621日、在朝鮮国連司令部軍事休戦委員会の会合でアメリカは北朝鮮代表団に国連軍(UNC)は最早休戦協定第13節d項に対する義務を負わないと表明

 

19581月、W7などの核砲弾が発射可能のMGRI(オネスト・ジョン)、W9/W31、核砲弾発射可能のM65 280mmカノン砲が韓国に配備

 

〇北朝鮮からは平和協定締結への繰り返しの提案[5]

1970年代:朝米間平和協定締結案、1980年代=韓国を含めた米朝韓間三国による平和協定案、1990年代:新しい平和保障体系樹立提案、2007104日、停戦協定関係国が集い、戦争終結を宣言する問題を推進することについての提案、20101111日:朝鮮戦争勃発60年になる年に停戦協定を平和協定に変更するための会談を速やかに開始することについての提案

 

201336日、朝鮮人民軍最高司令部スポークスマン声明=「停戦協定の効力を全面的に白紙化する」と宣言

 

最近における弾道弾迎撃ミサイル・システムであるTHAADミサイルTerminal High Altitude Area Defense missile)の配備に至るまで、アメリカは核兵器やロシア・中国・北朝鮮を対象とした攻撃・迎撃兵器を朝鮮半島および日本を含め地域周辺に大量に持ち込み続ける。

 

〇繰り返される南北朝鮮間の軍事衝突:

真相は定かではないものの、韓国海軍の大型哨戒艦「天安」沈没事件2010326)、北朝鮮人民軍の多連装ロケットBM21北朝鮮名BM11によると思われる砲撃が、韓国領土内の延坪島に向けて発射され、韓国軍も応戦した事件が発生した。こうした南北間の緊張関係が増幅する傾向

 

 

3)アメリカがアジアでの軍事プレゼンスに執着する理由は何か

 

〇親米国家の再生産による世界覇権主義の貫徹:

⇒アジア(韓国・フィリピン・インドネシア等)、ラテンアメリカ(アルゼンチン・チリ・ブラジル等)、中東(イラク・リビア等)の親米軍事独裁政権を支援し、その限界性が露呈されると見るや、表向きには「親米民主政府」、実際上には「民主的独裁」とも呼称し得る政権形成に奔走

 

⇒アメリカからの自立志向を仄めかす親米国家指導者への干渉と恫喝=cf.田中角栄(中国への自立的接近)、小沢一郎・鳩山由紀夫(在日米軍有事駐留論)らへの干渉と失脚を誘導

 

〇アメリカの本音は何処にあるのか:

⇒アメリカ外交の常套手段は分断政策=かつてユーゴスラビアを解体し、続けてチェコスロバキア・中央アフリカ・イラク・シリア・スーダンと事実上の分断による内紛の常態化政策を直接間接に実行

 

1997年成立の「アメリカ新世紀プロジェクト」Project for the New American Century, PNAC)は、アメリカ第一主義を掲げるアメリカの権力集団が、アメリカ主導の朝鮮統一を目途とし、朝鮮半島全域にアメリカの軍事力プレゼンスを展開。アメリカの意向を汲んだ統一朝鮮が、新たな経済収奪対象地域と算定

 

韓米同盟も日米同盟も、南北朝鮮の自主的平和統一の阻害要因。段階的であれ同盟関係の緩和から、さらには解消のプログラムの構築が大胆に検討されるべき

 

 

4)作為された〝脅威論〟の果てに

 

〇〝脅威論〟の実際は、「作為された脅威」であること:

〝脅威〟がアメリカの朝鮮半島における軍事プレゼンスを正当化するために利用されていること、そして、日本では安倍首相の言う「東アジアの安全保障環境が変わった」という言辞によって、集団的自衛権から安保関連法、さらには共謀罪まで次々に法制化されていく外交軍事政策の口実にされていることが、実は平和を希求する人々にとって、本当の脅威であること

 

防禦的抑止力の向上を目的に、北朝鮮は今後もミサイル発射実験を繰り返すことは充分に予測されるが、それはアメリカの具体的な侵攻作戦が発動されない限り、先んじて動くことはあり得ない。

 

日本本土に落下した場合に備える訓練が各地で企画実践されているが、それはある種の政治プロパガンダの一環として地方自治体や住民を巻き込んで、所謂脅威の実態化に懸命。極めて悪質なプロパガンダである。

 

作為された「脅威」が日本や韓国を含め、アジア全域の人々にとっては実際の脅威

 

 

.分断状態の清算と南北統一に向けて~平和実現を阻むものは誰か

 

 

1)繰り返される戦争挑発の背景

 

〇分断固定化の利益構造:

⇒分断の固定化を意図するアメリカの思惑⇒朝鮮半島を不安定化することにより、アジアにおけるアメリカのプレゼンスを堅持し、常時介入路線を正当化する⇒今回のカールビンソンを旗艦とする機動部隊による恫喝行為もその象徴的事例

 

〇米韓合同軍事演習の意図:

米韓両軍は2017年3月1日、北朝鮮の脅威に備えた定例の合同野外機動訓練「フォールイーグル」を開始、昨年の訓練には、米軍約1万7000人、韓国軍30万人以上が参加したが、今回も同程度かそれ以上の規模で実施⇒共和国は臨戦体制化を強いられ、軍事領域以外にも防衛体制が敷かれる(経済・教育などの諸領域に影響)

 

〇日本自衛隊も合同軍事演習に参加:

⇒朝鮮半島の緊張が高まる東アジアで日米韓が合同演習。日本はヘリ空母型護衛艦「いずも」(満載時24000トン、長さ248m)、アメリカは空母カールビンソン(10万トン、長さ333m)(日本は今までより大きな役割を果たす。南シナ海にも、海上自衛隊が最大級の護衛艦「いずも」などを派遣

 

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                いずも                   

Photo_2               カールビンソン

                  

日本とアメリカ、韓国の3カ国は14日から2日間の予定で日韓両国の近海で弾道ミサイル防衛の合同訓練を開始⇒日本もより大きな役割を担う

 

2)米韓合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン」

〇演習の実態:

⇒8月21日~31日まで実施:演習には米軍1万7500人、韓国軍5万人が参加、以前は乙支フォーカスレンズ을지 포커스 렌즈Ulchi-Focus Lens)と呼ばれていたが、当時2012年に予定されていた戦時作戦統制権の韓国軍への転換に備えるために2007に改称、韓国軍が主導しそれをアメリカ軍が支援する形で実施[6]

⇒アメリカ軍は北朝鮮が米韓合同軍事演習にあわせて挑発してくる可能性が高いと判断して、今月21日から24日にかけて行われる米韓合同軍事演習の「乙支フリーダムガーディアン」の際に空母2隻を展開

⇒空母2隻に随伴する、イージス巡洋・駆逐艦10隻以上、原子力潜水艦3隻以上、戦闘機160機以上とトマホーク巡航ミサイル100発以上の戦力を保有

 

        <カールビンソン()とロナルド・レーガン>

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.繰り返される共和国への戦争挑発~事実上の戦争の常態化

 

1) 北朝鮮侵攻作戦計画の変容

 

〇在韓米連合軍に何が起きているのか:「5027」から「5015」へ[7]

 

⇒作戦計画「5015」(2016.6.韓米連合司令官兼在韓米軍司令官署名)、韓米安保協議会(SCM)が朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国と略す)の戦略転換に対応して作成した作戦計画で当初は戦時作戦統制権(戦作権)の転換予定に伴う措置、結局は戦作権の転換は2020年代まで延長となったが「5015」はそのまま履行

 

 

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              図をクリックすると拡大します

 

〇)作戦計画「5027」と「5015」の違い:

⇒朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国と略す)の侵攻阻止に集中するのではなく、全面戦争開始前に迅速かつ積極的に北上侵攻作戦を進め、北朝鮮の壊滅を意図する作戦計画⇒北朝鮮は、これに共和国は「7日戦争計画」で対応戦略を準備⇒「5015」は、「5027」と共和国国内の急変事態に対応する「5029」などの総合作戦計画と捉えておくのが合理的

 

⇒韓国国防省は計画で、共和国の核・ミサイル施設に先制攻撃を加える防衛システム「キルチェーン」と、独自の韓国型ミサイル防衛(KAMD)の構築に向けた予算を優先的に配分

 

⇒韓国国防軍は日本自衛隊と同様に日米韓三国軍事同盟の強化路線を敷く

 

 

2)朝鮮半島の平和構築の方途は

 

〇自主的平和的統一のための戦略:

朝鮮民族の主体性を尊重し、外圧・恫喝など軍事的かつ非平和的手段を拒否するなかで、南北朝鮮の融和と友好関係の阻害要因を段階的に除去すること。その意味で以下の金正恩氏の発言の意味を確りと受け止めるべきであろう

 

5000年の悠久の歴史と燦然たる文化を誇る朝鮮民族が、70余年の長きにわたり外部勢力によって分断の苦痛と辛酸をなめているのは、これ以上たえることのできず容認できない民族の恥です。国の分断が持続すればするほどわが同胞がこうむる被害と災難は重なり、朝鮮半島における戦争の危険は増大し、しまいには民族的惨禍をまぬかれないでしよう。国と民族がそれぞれ自己の利益を前面におしだし、きそって発展を指向しているとき、朝鮮民族が北と南にわかれていまなおおたがいに反目し対決しているのは、みずから民族の統一的発展をはばみ、外部勢力に漁夫の利をあたえる自殺行為です。これ以上民族の分断を持続させてはならず、われわれの世代にかならず祖国を統一しなければなりません。[8]*傍線引用者

 

北と南が統一の同伴者としてたがいに尊重し、協力していくためには、相手方を刺激する敵対行為をとりやめなければなりません。相手側にたいする敵対行為は不信と対決を助長し、関係の改善をさまたげる主な障害です。[9]

 

〇南北和解の第一歩を築くために:

大韓民国(韓国)の対米従属政治から脱却し、在韓米軍の撤退を求め、米韓安保廃棄への方途を示すことが不可欠

 

⇒そのためは日本も対米従属・日米同盟強化論・日米安保を段階的解消に向けて取り組む必要性⇒韓米安保・日米安保の段階的解消を通して、南北朝鮮及び日朝関係の戦略的和解の方向性を希求していくことが重要

 

日本の姿勢として、徒にアメリカに追随する姿勢から、主体性を取り戻すことが肝要、日韓・日朝関係改善のためには、朝鮮支配の歴史を見据えなおし、あるべき歴史認識を深めていくことが急務


[1] ブルース・カミングス〔鄭敬謨・林哲・加地永都子訳〕『朝鮮戦争の起源1 1945-1947年  解放と南北分断体制の出現』(明石書店、2012年)、181頁。

[2] 大森実『戦後秘史』第8巻、講談社、1981年、48頁。

[3] ブルース・カミングス前掲書、181頁。

[4] 前掲『戦後秘史8 朝鮮の戦火』、48頁。

 

[5] 『労働新聞』201336日付。以下、北朝鮮の停戦協定への構えについては、高一「朝鮮戦争とその後:北朝鮮からみた停戦協定体制」((成蹊大学アジア太平洋研究センター編刊『アジア太平洋研究』No.39,2014)を参照。

 

[6] 乙支とは高句麗将軍である乙支文徳から命名。

[7] 「東アジアの平和を求め岩国基地強化と韓米合同軍事演習に反対する日韓共同アピール」(基地と平和を考えるフォーラムin岩国 2017.2.18.)では、「きたる3月上旬から4月にかけて韓米合同軍事演習「キー・リゾルブ」・「フォールイーグル」が行われようとしています。昨年(注:2016年)の同演習は、朝鮮民主主義人民共和国に対する先制攻撃と体制破壊をも想定した「作戦計画5015」にもとづいて実際、史上最大規模となりました。このような演習は、朝鮮半島の軍事緊張と戦争危機を極度に高め、東アジアの平和を阻害するものに他なりません。」と記し、「5015」の意図を明確に指摘している。但し、ここで言う「先制攻撃」とは、北朝鮮の核・ミサイル発射の兆候があれば、30分以内に「先制攻撃」するものであって、そうでない場合は必ずしも想定されていない。韓国国防軍の対北朝鮮作戦計画「キルチェーン」(Kill Chain)の基本概念もそうである。そこでは特に米韓合同軍事演習に典型的にみられるように〝誘発〟や〝挑発〟の軍事・宣伝行為が絶えず繰り返されていることは抑えておくべきであろう。

[8] チュチュ思想国際研究所編『金正恩著作集』第二巻、白峰社、201718日刊、188頁。

[9] 同上、194頁。

 

2017年9月17日 (日)

●【速報】9・16日朝ピョンヤン宣言15周年集会開く

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 9月16日夜、東京・文京区民センターに雨の中約150人の人々が結集し、「日朝ピョンヤン宣言15周年 朝鮮半島と東アジアの平和のための9・16集会」が開かれた。

 集会では、渡辺健樹さん(日韓ネット共同代表)が主催者挨拶。

続いて纐纈厚・山口大学名誉教授が登壇し、「南北朝鮮の和解と統一を阻むもの-アメリカの覇権主義と追随者たち」と題して講演。①戦後の朝鮮半島の南北分断が日本の朝鮮植民地支配に起因していること、②韓国内の民衆の闘い、③アメリカの朝鮮恫喝政策が「脅威」の根源、④平和実現を阻むものは誰か、⑤繰り返される朝鮮への戦争挑発、⑥朝鮮半島の平和構築の方途-などについて詳しく話された。【講演の詳細内容は後日掲載】

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                    纐纈厚さん

 休憩をはさみノレの会から、8月に参加した「徴用工像とともに 仁川(インチョン)平和文化祭」の映像が流され、さらに「リムジンガン(臨津江)」を参加者とともに合唱した。

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                            熱唱するノレの会

 

続いて、この間の朝鮮高校への「無償化」差別裁判の広島・大阪・東京など各地の判決について、長谷川和男さん(「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会共同代表)が特別報告を行った。長谷川さんは「大阪地裁判決はまっとうな、当たり前の司法判断で勝利したが、広島・東京地裁では原告の訴えを一顧だにしない、政府の差別政策と小理屈を司法が追認した不当判決が出された。これを日本人が許していることが問題であり、日本人の歴史的責任が問われている。戦後、困難の中で営々と築かれてきた朝鮮学校の素晴らしさを広く伝え、世論を変えていくことが必要だ」と訴えた。長谷川さんは、この間全国の朝鮮学校への激励行脚を行っており、今回スケジュールを調整して参加してくれた。

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                  長谷川和男さん

  集会は各団体からのアピールに移った。

辺野古の新基地建設をめぐる緊迫した状況と闘いについて大仲尊さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック共同代表)、「慰安婦」問題の日韓合意の問題性と闘い、石垣島の慰安所で亡くなった朝鮮人被害者の碑建立の経過などについて中原道子さん(VAWW RAC共同代表)、この間の朝鮮半島の平和のための取り組みと改憲阻止の闘いについて高田健さん(許すな!憲法改悪・市民連絡会)、キャンドル行動と新政権成立以降の韓国の現状と民衆の闘いについて宋世一さん(ソン・セイル=在日韓国民主統一連合副議長)が、それぞれの課題での提起を行った。

これらを受け、最後に「集会アピール」を全体の大きな拍手で確認し終了した。

P1010393_640x480                   大仲尊さん
P1010395_640x480                   中原道子さん
P1010397_640x480                    高田健さん
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                         宋世一さん

日朝ピョンヤン宣言15周年

朝鮮半島と東アジアの平和を求める

16集会アピール

 

今、朝鮮半島の軍事緊張は極度に高まり、一触即発の状態が続いています。米国はサードを韓国に配備、史上最大の米韓合同軍事演習を繰り返し、朝鮮側は核実験やICBMなどの発射実験でこれに対抗しています。

         朝鮮半島の緊張の根源と平和への道

日本では一方的に「朝鮮の脅威」のみが煽られていますが、これは誤った見方です。

朝鮮戦争の停戦協定から今年で64年にもなりますが停戦状態のまま大規模軍事演習で絶えず軍事的威嚇を加えてきたのは米国です。

この米国の軍事的圧迫が朝鮮を核・ミサイル開発に向かわせたのです。                      

 朝鮮半島の緊張状態を平和の方向に転換させるためには、米国が大規模軍事演習を停止し、朝鮮も核・ミサイル開発を停止する「相互停止」がまず必要です。そして対話により現在の停戦状態から平和協定締結に向かうことです。これは朝鮮戦争当事者である米朝の義務であり、朝鮮半島非核化の近道でもあるのです。

しかし、これを拒み続けているのは米国です。ここに朝鮮半島の緊張の根源があります。

                 朝鮮半島の緊張利用する安倍政権

安倍政権は米国に追随して「対話より圧力」の旗を振り、朝鮮半島の緊張を煽り、それを最大限に利用して「戦争のできる国」作りを推し進めています。

戦争法に基づく自衛隊の米軍への戦争協力(集団的自衛権行使)拡大、「共謀罪」の強行成立、そして憲法9条の改悪にまで手を付けようとしています。これを絶対に許してはならないでしょう。

また日本政府が公然とおこなっている朝鮮高校への「無償化」差別に反対し、「無償化」適用を強く要求していきましょう。

                 日朝正常化と米朝平和協定の実現を

国交正常化を目指すことで合意した日朝ピョンヤン宣言(2002.9.17)に基づき、対朝鮮敵視政策を転換し、米国に対話と平和協定締結を促すことこそ、日本の取るべき道であり、日本の平和の道にも直結しています。その実現を目指して声をあげていきましょう。

 2017年9月16日 集会参加者一同

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 9・16集会呼びかけ・賛同一覧(9/16現在)                              順不同    

 

日韓民衆連帯全国ネットワーク、ピース・ボート、「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC)、許すな!憲法改悪・市民連絡会、反安保実行委員会、在日韓国民主統一連合、荒川住民ひろば、韓国良心囚を支援する会全国会議、憲法を生かす会東京連絡会、新社会党、新社会党東京都本部、スペース21、全水道東京水道労働組合、朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会、日韓平和連帯、日本カトリック正義と平和協議会、ぴ~す・め~る、本郷文化フォーラム・ワーカーズスクール(HOWS)、安達由紀、石井寛(韓国良心囚を支援する会全国会議事務局長)、伊藤英一、岩村義雄(神戸国際キリスト教会牧師)、上原成信(沖縄の老人・90才)、大畑龍次(日韓ネット)、岡田雅宏、尾澤邦子(日韓ネット・ノレの会)、尾澤孝司(日韓ネット)、小野信也(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)、片山光広、加藤加津子、加藤正姫(日韓ネット)、川見一仁、北川広和(日韓ネット・「日韓分析」編集)、北原れい子、近藤ゆり子、高史明(作家)、東風徹(韓国良心囚を支援する会全国会議)、佐藤大介(ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン)、高梨晃嘉(日朝県民の会・かながわ)、竹内宏一(日朝教育・文化交流をすすめる愛知の会事務局長)、武田隆雄(日本山妙法寺僧侶)、塚本春雄(横浜事件国賠を支える会)、寺尾光身、土松克典(日韓ネット)、冨田一彦(新社会党)、中村知明(郵政ユニオン本部書記長)、永好和夫(ボランティア)、成川晃、原崎敏、番場明子(ぴ~す・め~る)、布施由女、正木峯夫、森本孝子(東京朝鮮高校生裁判を支援する会事務局)、矢野秀喜、山田昭次(歴史研究者)、横原由紀夫(東北アジア情報センター運営委員)、吉原真次、渡辺一夫(韓国良心囚を支援する会全国会議代表)、渡辺健樹(日韓ネット共同代表)、渡辺吉男 【匿名希望1名】

 

2017年8月17日 (木)

●【詳報】 2017 8・15ソウル平和行動に日本訪問団参加

韓米合同軍事演習中止・サード配備撤回・平和協定締結もとめ8・15行動

17815_2            キャンドルに代わる1万余の赤い傘で埋め尽くされたソウル市庁舎前

 8月15日、72回目の光復節(解放記念日)のソウルは激しい豪雨の1日となった。

 午後3時、豪雨を突いてソウル市庁舎前広場では、韓国進歩連帯・民主労働組合総連盟(民主労総)・全国農民会総連盟(全農)・全国貧民連合、全国女性連帯など200余りの社会・市民団体が主催する「主権回復と朝鮮半島の平和実現のための8・15汎国民平和大会」が1万人余りの結集で開かれ、参加者はキャンドルの代わりの赤い傘をさしてぬかるみのなかを座り込んだ。さらに集会後、光化門の横にある米国大使館前で抗議行動を繰り広げた。

 

 8・15光復節には、政府主催の記念式典や日本への戦後補償を要求する被害者団体・支援団体などの行動も毎年取り組まれているが、労働者・農民・貧民・女性・青年学生たちは何十年にもわたり、解放とともにもたらされ今なお続く南北分断克服のための取り組みを進めてきた。とくに今年は、キャンドル行動の巨大なうねりで朴槿恵政権を打倒し、新政権発足後初めての8・15であり、また朝鮮半島の緊張が極度に高まっている中での大会開催となった。

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      心を一つに韓米軍事演習中止、サード配備撤回、平和協定締結のスローガンを叫ぶ

 大会では、はじめに労働者、女性、青年学生の各団体から選抜された500人の統一先鋒隊(全国キャラバン隊)が、各地での取り組みや交流の成果を報告。律動(集団群舞)を披露して会場を大いに盛り上げた。とくに民主労総から選抜された200人の統一先鋒隊は、龍山(ヨンサン)に新たに設置された日本による強制労働を象徴する「徴用工像」の除幕式にも参加後、首都圏市民にトランプの卑劣な言葉を知らせて「戦争危機の中に国を押込む韓米戦争演習を中止しろ」との500枚の横幕を市中に掲示するミッションにも取り組んだ。私たちも訪問中、ソウルの各所でこの横幕を見た。

 

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                   500人の統一先鋒隊が先頭で決意表明

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                  8・15の数日前にミッション「横幕作戦」が遂行された

チェ・ジョンジン民主労総委員長職務代行(注 ハン・サンギュン委員長が不当拘束されているため)や全農、全国女性連帯など各団体代表が登壇し大会決議文を朗読。

決議は、「最近米国は朝鮮半島での武力行使を云々(うんぬん)しているが、キャンドル政府を自認する文在寅(ムン・ジェイン)政権は、清算すべき朴槿恵前政権の韓米同盟強化政策、一方的な対北敵対政策から抜け出せずにいる」と批判し、「一触即発の軍事的危機を前に韓米が21日から31日まで実施予定の合同軍事演習『乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン』は当然中止するべき」であり、「米国が数十年間推進してきた対北敵対政策を中断し関係正常化と平和体制構築に向けた対話と協議に入れ」と訴えた。さらに「偉大なキャンドル抗争で腐敗と反民生、事大主義、反統一の政権を追い出したが、分断と冷戦を克服しない限り積弊(積もり積もった弊害)清算の時代的課題を成し遂げることはできない」として、「分断により未完成である私たちの光復(解放)をもう完成させよう」と提起した。さらに「韓米日同盟を完成させる意図で強行された韓日『慰安婦』合意と韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を廃棄し、朝鮮半島危機を高めるサード配備を直ちに撤回しなければならない」と要求した。

                                     

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            ハン・チュンモク韓国進歩連帯常任共同代表

 登壇したハン・チュンモク韓国進歩連帯常任共同代表は、「文在寅政権は、隣国の反発と報復を招き、我が国が統制できない米軍のサード(高高度ミサイル迎撃システム)配備をただ韓米同盟という名前で押し切っている。韓米同盟の名のもとにすべての常識と合理、平和への要求が敬遠されている状況下で自らをキャンドル政府と自認できるのか」と問い、「キャンドルの灯に込めた人々の願いは、国民が主人になる国、自主権がある国らしい国だ。朴槿恵積弊勢力が追求した韓米同盟の国、対米屈辱の国ではない。私たちこそがキャンドルの灯だ。国民が主人である国、使い道がなく平和を害するだけのサードのような兵器が配備されない国、米国に『戦争はあってはならず、平和交渉を開始せよ』と堂々と要求する国、キャンドルの灯が念願する自主・平和・統一の世の中をどうしても創ろう」と力強く訴えた。

 続いて、イ・チャンボク6・15共同宣言実践南側委員会常任代表議長の激励辞、良心囚釈放推進委員会による「ハン・サンギュン民主労総委員長、イ・ソッキ旧統合進歩党国会議員の釈放」を求める映像と公演、韓国民衆歌謡グループ「ウリナラ」のミニコンサートなども行われた。

 またサード配備地でこれに反対している星州(ソンジュ)、Xバンドレーダーの前面に位置する金泉(キムチョン)からも住民が大挙して参加し、金泉の代表から「サード配備撤回」まで闘う力強い決意表明がなされた。

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                   サード(THAAD)配備撤回を叫ぶ金泉の住民代表

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日本からの訪問団、在日韓国青年同盟も連帯あいさつ

さらに東京・関西・沖縄・平和フォーラムなどから参加した日本の訪問団と、政権交代により入国が可能となった在日韓国青年同盟(韓青)代表団が一緒に登壇し、日本訪問団を代表して勝島一博・平和フォーラム事務局長、韓青を代表してキム・スンミン委員長がそれぞれ連帯の挨拶をおこなった。

P1010274_640x480        日本訪問団も全員登壇し勝島・平和フォーラム事務局長が連帯挨拶
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                      在日韓国青年同盟代表団も連帯挨拶

 

 1万余人で米国大使館前抗議行動

  

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        米国大使館前を埋め尽くし抗議する人々(左端の建物が米大使館)

 大会を終えた一万余人の参加者は、「NO WAR NO TRUMP」と書かれた先導車と「怒りの雷鳴」を模した数百人の太鼓隊を先頭に光化門(カンファムン)前広場へ向けて平和行進を開始。ここは昨年キャンドルで埋め尽くされた場所だ。米国大使館はこの広場の通りに面して建っている。当初予定していた米国大使館への「人間の鎖」は裁判所から不許可決定を受けたため、大使館前に1万余人の参加者が幾重にも陣形をとり、キャンドル代わりの赤い傘で埋め尽くされ、米国・トランプへのレッドカードにもなった。参加者は米国大使館に向かって「サード配備反対」「戦争やめろ」「平和協定を締結しろ」などのスローガンを口々に叫んだ。

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口をチャックでふさいだトランプの似顔絵とSTOP!UFG(乙支フリーダム・ガーディアン)と書かれた横幕を掲げ行進する人々

 米国大使館前行動は1時間ほど行われ、最後にチェ・ジョンジン民主労総委員長職務代行が「72年前と比べて日本と米国が入れ替わっただけで帝国主義の支配が続いている。韓国政府が出ることができないなら民衆が団結して朝鮮半島の戦争危機を防ごう」と締めくくり行動を終えた。

P1010254_640x472                    NO WAR  NO TRUMPを掲げた先導車

P1010261_640x480_4           先導車に取り付けられたトランプの吹き流し。下からの風でコミカルに動く

Photo              「怒りの雷鳴」を模した数百人の太鼓隊が先頭で行進
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2017年6月25日 (日)

●【詳報】6・11朝鮮半島と東アジアの平和 東京国際シンポ開く

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 611日午後、東京千代田区の中央大学駿河台記念館で「615南北共同宣17周年 国際シンポジウム 朝鮮半島と東アジア-平和への新たなステージへ」が開かれ約300人の人々が参加した。主催は、日韓ネットを含む13団体によって構成されている「東アジア市民連帯」。前日の10日にソウルで開催された国際シンポ「コリア国際平和フォーラム」(報告・発題別掲)と連動した取り組みでもある。

 

 最初にソウルシンポからとんぼ返りしたばかりの藤本泰成・平和フォーラム共同代表が「東アジア市民連帯」を代表して主催者あいさつ。続いて来賓あいさつを朝鮮最高人民会議代議員の南昇祐・朝鮮総聯副議長、615共同宣言実践南側委員会のハン・チュンモク常任代表が行った。

 南昇祐氏は、「米国の朝鮮敵視政策と世界最大規模の軍事演習で朝鮮半島は緊張状態にあるが、朝鮮の国防力強化と南の独裁政権の積弊清算時代の始まりにより、朝鮮半島の平和と北南関係改善の新たな希望が開けると確信している」と述べた。

 ハン・チュンモク氏は、「韓国のキャンドル革命は朴槿恵政権を打倒し文在寅政権を誕生させ変革への火を灯した。しかしこれは出発点に過ぎない。韓国民衆はこれを起点にこれまでの積弊を清算し、分断を克服して朝鮮半島の恒久的平和体制を構築する道を歩んでいくだろう」と力強く述べた。

P1010132_640x480                             藤本泰成さん
P1010137_640x480                              南昇祐さん
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                            ハン・チュンモクさん


 シンポジウムでは、纐纈厚・山口大学名誉教授がコーディネーターを務め【韓国】キム・ピョンギュ 反戦平和国民行動共同執行委員長・韓国進歩連帯反戦平和委員長、【朝鮮】李柄輝 朝鮮大学校文学歴史学部准教授、【カナダ】ミシェル・チョスドフスキー オタワ大学名誉教授(ソウルシンポと同じ・別掲)【中国】鄭己烈 中国清華大学客員教授(韓国人)【ロシア】キム・ヨンウン ロシア科学アカデミー極東問題研究所朝鮮問題研究センター上級研究員、【日本】浅井基文 大阪経法大客員教授・元外務省地域政策課長-の6人が発題を行った。

 

米国が強要する敵対政策の束縛から脱してこそ615時代が再び訪れる

 

韓国キム・ピョンギュさんは、「朝鮮半島は今すぐに戦争が起きてもおかしくない状況にある。この危機は12年のことではなく、朝米ジュネーブ合意や6者会談など解決の努力がなかったわけではないが、米国は対北敵対政策を放棄しないばかりかかえって強化し、周辺国もこれに追随したことが今日の状況を生み出している」「しかし、米国の対北敵対政策はこれ以上維持することが難しく、破産直前にある」「韓国ではキャンドル革命により政権交代を実現したが、米国の対北政策の束縛から脱しなければ615時代を再び迎えることはできない。今、韓国では『韓国のどこにもサードは要らない』というスローガンから『これが同盟か?サードを持って消えろ!』というスローガンに代わり、韓米同盟そのものを正そうという大衆運動が始まっている。韓国の人びとは文在寅政権が米国の圧力に耐えられるか心配しているが、結局615時代を再び開くことは韓国の統一運動陣営とキャンドル革命に立ち上がった人々が成すことでありその展望は楽観的に見ている。朝鮮半島と東アジアの平和のため関連国の皆さんとも連帯し共に闘っていきたい」と力強く述べた。

P1010158_640x480                キム・ピョンギュさん

 615共同宣言の今日的意義と朝鮮半島の平和と統一の行方

 

 朝鮮大学校の李柄輝(リ・ビョンフィ)さんは、「現在、朝鮮半島を覆う一触即発の危機はかつてない危険なレベルに達している。毎年春と夏に米韓合同軍事演習が繰り返されるが、その都度朝鮮側は防御に当たらなければならず、朝鮮側を疲弊させ体制転換を早めようという意図が込められている」「朝鮮半島は依然として停戦状態のままであり、米国の軍事力が増すほど朝鮮側の負担も増大する。このような状態が朝鮮をして核武装に至らせた」「そもそも朝鮮半島の南北分断は日本の敗戦に伴い、米ソの覇権争いとアジア民衆の脱植民地化の闘いの前進の狭間の中で、米国による利益線確保を目的として進められた。朝鮮半島でも全民族代表者の円卓会議が開かれるなど民族統一国家樹立のための脱植民地・自主的な動きが強まっていたが、南朝鮮単独選挙強行などで南北分断を固定化し、自主的な動きを押し潰し、こうして朝鮮戦争勃発。その後の停戦状態のまま今日に至っている」と指摘。こうした歴史と現状の中で「615共同宣言は、分断政府樹立以降の南北対話と統一運動の経験と教訓を踏まえた宣言であり、南北双方が排他的に正当性を主張し合う相克の関係から、「わが民族同士」の精神で、連邦制統一に向かって民族経済の均衡的発展と多方面の交流を進め、相互の信頼を築くことを謳っている。朝鮮半島の非核化も南北和解の推進とそれによる米国の政策変更を実現する長期的展望のなかで構想していく必要がある」として、615共同宣言の今日的意義を力説した。

P1010161_640x480                  リ・ビョンフィさん

 

東北アジアの平和と安全保障に関するロシアの見解

 

 ロシアのキム・ヨンウンさんは、ロシア政府の原則的立場を明らかにした。まずロシア政府の現代世界構造の認識について「多極化が進行し、グローバリゼーションが進んだ結果、世界の勢力と発展の潜在力の中心が分散しながらアジア太平洋地域にシフトすることにより、歴史的な西側勢力による経済と政治に対する支配が弱まっている」「中国・ロシア・インドなどのBRICsやそれに続く諸国の経済的発展により、米国のシェアはさらに縮小し、やがて中国に次ぐ第2位の地位に甘んじることになるだろう」と指摘。しかし、「西側の支配力の減少により、西側がその支配的地位を簡単に諦めるとは考えていない。この点で、将来の国際システムの基本原則を形成する過程で優位を占めようとする闘いが、現代の世界発展段階における重要な傾向になる」として、「平等で持続的な世界秩序の樹立」などロシア政府が打ち出している5つの優先事項を紹介した。

 その中で、朝鮮半島問題については「朝鮮、韓国との友好関係を維持し、緊張緩和と南北朝鮮の和解、相互協力関係の発展のために努力する。またロシアは一貫して朝鮮半島の非核化を支持し、6者会合を通じてそのために可能なすべての措置をとる」。しかし現在、「韓国が米国に追随し、サード(THAAD)の韓国配備で東アジアのパワーバランスが崩れ、ロシアも中国もこの地の軍備を増強しなければならなくなった」「米国は作戦計画5027など朝鮮半島での戦争計画をもっているが、ロシアの立場からしてもっとも重要な安全保障問題は、朝鮮戦争で戦った当事国である米韓と朝中の間で平和協定を結ぶことである。しかし、米国も韓国も平和協定を望んでいない。朝鮮半島の核問題は、米国にとってだけでなく、東北アジアのすべての国にとって平等な安全保障の脈絡でのみ解決できる。こうした点からロシアは朝鮮半島問題の解決過程に積極的に関与していくだろう」と立場を明らかにした。

 またコーディネーターの纐纈さんが質問した、現在の日ロ交渉で日本政府が返還要求しているいわゆる「北方領土」問題に関しては、「西ではNATOが拡大し、東では日韓に米軍基地が置かれており、日米安保体制の存在のもとで返還はありえない」と明言した。

P1010169_640x480                  キム・ヨンウンさん

朝鮮半島と東アジアの平和のために日本が果たすべき役割

 

 発題の最後は浅井基文さん。浅井さんは、まず共有すべき事実認識として「①朝鮮の核ミサイルは今や日韓の米軍基地を射程に収めていること、②また移動式のため事前に補足できず先制攻撃で破壊は不可能、③その攻撃目標も事前に把握不可能であり迎撃も不可能、④したがって第二の朝鮮戦争は悲惨な核戦争となり、その悲劇を防ぐ唯一の道は戦争という選択肢を完全に除外すること、⑤結論として朝鮮核問題の軍事的解決はあり得ず外交的解決のみがあり得る」点を指摘した。その上で「安倍政権は愚かにもトランプ米政権の軍事的選択肢を含む『すべての選択肢』発言を歓迎したが、トランプ米政権も軍事的選択肢があり得ないことを認めざるを得なくなっている」「日本人の多くは安倍政権のまき散らす『北朝鮮脅威論』に影響されている現実がある」とし、「まずは朝鮮半島の緊張原因が何であるかを正しく認識する必要がある。朝鮮の核ミサイル開発を支持するものではないが、朝鮮戦争以来今日まで一貫して米国の核の脅威にさらされ続けてきたことが、朝鮮が核ミサイル開発、核抑止力構築に必死にならざるを得なかったことは理解する。ここでとくに軍事常識のイロハとして私たちが踏まえておくべきことは、朝鮮の核ミサイル能力はあくまでも『抑止力』であって『脅威』とは別だということ。もし朝鮮が仮に先制攻撃を行えば、次の瞬間に米韓の総攻撃で朝鮮は壊滅に追い込まれる。朝鮮が先手を取って「攻撃する意思」はあり得ず、従って『脅威』ではあり得ない所以である。むしろ米韓の先制攻撃に対する『抑止力』としてのみ有効で、3頭の猛獣(米日韓)に取り囲まれて全身を逆立て身構えるハリネズミ(朝鮮)のようなものだ」。そして私たちの課題として、「①安倍政権の振りまく『北朝鮮脅威論』『北朝鮮悪玉論』のカベを取り払うべく全力で取り組むこと、②米日韓の対朝鮮政策こそが朝鮮半島の平和を脅かす原因であることをハッキリさせること、③トランプ米政権及び文在寅韓国政権の新しい朝鮮政策の可能性を積極的に評価し、安倍政権の敵視政策を孤立させなければならない。トランプはイデオロギーとは無縁で損得勘定で判断する危なっかしさが付きまとっているが、その分これまでの政権とは違ったアプローチをとる可能性がある」などと提起した。

P1010175_640x480                  浅井基文さん
P1010164_640x480               ミシェル・チョスドフスキーさん
P1010167_640x480                    鄭己烈さん
P1010178_640x480                    纐纈厚さん

 各発題を受け、コーディネーターの纐纈厚さんが中間まとめを行い、さらに各シンポジストに的確な質問を投げかけて、引き締まった、より深まった討論の場となった。

 

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 シンポは最後にアピールを会場の参加者全体で採択して終了した。

.11東京国際シンポジウム アピール

 いま朝鮮半島は戦争の危機に直面しています。トランプ政権や安倍政権、そしてマスメディアも、その責任のすべてを朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)に転嫁しています。しかし、北朝鮮が核・ミサイル開発に突き進んだのは、米国が朝鮮戦争の停戦協定を平和協定に転換することを拒否し、核先制攻撃戦略に基づく米韓合同軍事演習を強行するなど、北朝鮮に対し対話せずに圧力だけを強めてきたからです。

私たちは、世界中のどの国による核開発にも戦争挑発にも反対します。そして、朝鮮半島における軍事緊張の当事者は米国と朝鮮です。私たちは、米朝両国が前提条件をつけずに平和協定の締結に向けた対話のテーブルに着くよう要求します。

 トランプ政権に追随して「北の脅威」をあおっているのが安倍政権です。その狙いは、安倍政権自体、安倍首相自身が抱える問題から国民の目を逸らすためだけではありません。「共謀罪」の法制化で国民監視体制を敷くことと合わせて、国民の統合策とし、さらには戦争への国民動員策とするためです。あるいは、北朝鮮を敵とみなし敵基地攻撃能力保有の必要性を強調することにより、憲法9条を改廃するとの狙いも潜ませています。私たちは、平和憲法の柱である9条を破壊しようとする安倍政権の暴走を断じて許しません。

 朝鮮半島では、北の人民も南の民衆も、対決ではなく対話を、戦争ではなく平和を心から願っています。その南北間には2000年6月に両首脳が署名した6.15南北共同宣言があります。韓国に文在寅民主政権が誕生したいまこそ、南北が対話し交流し協力し合い、6.15共同宣言の実践に向けて歩み出すことを希望します。

 私たちは、シンポジウムを通じて、制裁や圧力では問題が解決しないこと、また、周辺各国は、いたずらに朝鮮を危険視するのではなく、北と南が対等な立場に立って自主的に話し合えるよう、環境整備に寄与すべきだということを理解しました。そして、朝鮮半島を初めとした東アジアに平和を築き上げるためのヒントが提示されたことも互いに確認しました。

 私たちは、朝鮮半島の平和を、そして東アジアの平和を心から望んでいます。20世紀は戦争の世紀でしたが、私たちには21世紀を平和の世紀とする責務があります。

 韓国の文在寅民主政権誕生を契機として、東アジア全域を直面する戦争の危機から平和へのステージに作り変えましょう。シンポジウムで得た貴重な種子をそれぞれの持ち場に持ち帰り、平和の花を咲かせましょう。

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