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カテゴリー「集会・行動の報告」の111件の記事

2025年2月 6日 (木)

●2.5日韓市民と国会議員の緊急院内集会の報告

昨年12月の韓国における「非常戒厳」とユン・ソンニョル弾劾局面の中で、12月半ば日韓和解と平和プラットフォームが呼びかけた「私たちは尹錫悦政権退陣民主化闘争に連帯します」の緊急団体賛同署名に年末の締切りまでに約140団体から賛同が集まった。

それを受けて、韓国から国会議員と市民の代表が急きょ来日し現状を訴え、日本の市民と国会議員と交流・連帯の場を設けることになった。残念ながら韓国国会での緊迫が続ており、来日が予定された共に民主党の2名の議員は来られなくなったが、市民運動の代表たちが来日してくれた。

2月5日昼過ぎから参議院議員会館講堂に180人の定員いっぱいの人々が集まり、緊急連帯院内集会が開かれた。

今回来日したのは以下の方々。

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              報告するパク・ソグン氏(右)

・パク・ソグン(ユン・ソンニョル即刻退陣社会大改革緊急行動共同議長/進歩連帯常任共同代表)
・キム・ギョンミン(日韓和解と平和プラットフォーム共同代表/韓国YMCA全国連盟事務総長)
・チェ・ヒョンファン(全国金属労働組合クミョム支部 韓国オプティカルハイテック支会/支部長)
・ユン・ジソン(手をつなぐ活動家 (チェ・ヒョンファン支部長と同行)
・ハン・ヒス(韓日和解と平和プラットフォーム実行委員/韓国YMCA全国連合会 大学国際部チーム長)

集会では、韓国側からパク・ソグンさん、キム・ギョンミンさん、チェ・ヒョンファンさんが報告を行った。

韓国側からの熱のこもった現状と見通しの報告を受け。日本側からもそれぞれ連帯発言があった。
日本側からは、主催者挨拶を金性済さん(日韓和解と平和プラットフォーム書記)、続いて

・小田川義和さん(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会)
・布施裕仁さん(ジャーナリスト)
・渡辺健樹さん(日韓民衆連帯全国ネットワーク共同代表)
・菱山南帆子さん(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会共同代表)
・武田隆雄さん(平和をつくり出す宗教者ネット共同代表)

途中、国会議員の皆さんが次々に訪れ連帯の挨拶を受けた。
最後に、閉会挨拶を野平晋作さん(ピースボート共同代表)が行い、終了した。

UPLANさんの集会全編動画は以下

https://youtu.be/PmhEmlzUIDU?si=FdarFkag2lG-u2v-

動画の発言順は以下(敬称略) 金性済(1:00)、朴ソグン(10:15)、金ギョンミン(26:10)、小池晃(共・参院議員 34:55)、チェ・ヒョンファン(39:32)、藤原規眞(立民・衆院議員 45:35)、尾辻かな子(立民・衆院議員 48:00)、山下芳生(共・参院議員 50:20)、福島みずほ(社民・参院議員 52:40)、大椿ゆうこ(社民・参院議員 57:15)、小田川義和(1:03:10)、布施裕仁(1:08:31)、渡辺健樹(1:15:55)、菱山南帆子(1:21:30)、武田隆雄(1:26:45)、津村啓介(立民・衆院議員 1:29:56)、共同声明朗読(1:32:30)、野平晋作(1:37:30)

 

2024年9月 2日 (月)

●8/31関東大震災朝鮮人・中国人虐殺101年犠牲者追悼大会の報告

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         渾身の想いを込めた追悼の舞

2024年8月31日、日韓ネットも大きく関わってきた「関東大震災朝鮮人・中国人虐殺101年犠牲者追悼大会」が開かれた。会場の文京区民センター3A大会議室には超満員の450人が駆けつけ、多くの立見の人も出るなど埋め尽くされた。

昨年の1800人が結集した100年追悼大会、1700人が結集した国会正門前キャンドル行動に引き続くもので、実行委員会では継続した取り組みが確認されている。

午前10時からは当時の貴重な資料を展示した「原史料・パネル展」も開かれた。「原史料・パネル展」の模様はこちらの動画から https://youtu.be/WlymRotavtk

午後2時からは本集会が開始された。第一部は韓国・中国の遺族の皆さんを中心とした追悼式。第二部は虐殺の責任をただす集いに移った。詳細な次第は下記。全編動画(川島進さん撮影)はこちらから。https://youtu.be/a04j8uDmG6w

 *なお、これ以外の各地の取り組みは例年通り行われています。

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       追悼大会のため来日した韓国の犠牲者遺族

第1部 追悼式
  黙とう
  開会挨拶 田中宏(一橋大学名誉教授)
  遺族挨拶 朝鮮半島から
         中国から
  国会議員挨拶
  追悼の舞 曺和仙

第2部 関東大虐殺の責任をただす集い

  開会挨拶 藤田高景(100年追悼大会実行委事務局長)
  特別報告 川口正昭(旧群馬の森追悼碑を守る会共同代表)
  講演 関東大震災にいたる歴史的構造
          山田朗(明治大学教授)
     ヘイトクライム、レイシズムをのり越えて
          有田芳生(ジャーナリスト)
     国家責任追及の経過と課題
          田中正敬(専修大学教授、関東大震災の朝鮮人虐殺の
                    国家責任を問う会事務局長)
  報告 関東大震災ジェノサイドをアメリカで伝えることの意味
          金美穂(サンフランシスコ「慰安婦」正義連盟)

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    関東大震災虐殺にいたる歴史的構造について講演する山田朗・明大教授

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2024年5月21日 (火)

●沖縄平和行進に韓国代表団が参加

2024年沖縄平和行進に韓国代表団が参加

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 5年ぶりの再会だった。新型コロナ感染症で訪沖できなかった韓国からの代表団。基地のある韓国各地から沖縄との交流で元気にやってきた。
 辺野古の座り込み現場では「岩のように」の歌とユルトン・ダンスで盛り上げ、座り込みの仲間と一緒に警察にごぼう抜きされた。佐喜真美術館で沖縄戦の図に衝撃を受け、普天間基地の全容を見て未だに返還されない現状に怒りの声を上げた。平和行進では汗を流して一緒に歩き最終地の宜野湾市立グランドで連帯挨拶を行い、玉城デニー知事と固い握手。下記の写真は代表団の様子。今回は「基地ネットワーク」から16人(平沢、群山、義政府、仁川、ソウル、済州島など)、さらに済州島カンジョンから2人、済州島「平和の海」から6人、その他3人の合計27人が平和行進に参加した。

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東アジアの米軍基地問題解決のための沖縄・韓国 国際シンポ

 終了後は宜野湾セミナーハウスでシンポジウムをおこなったのだが、下記の写真はその様子だ。石垣島から駆け付けた上原正光さんからはミサイル基地化が進む琉球弧の様子が報告され、沖縄在住で辺野古弁護団、普天間・嘉手納弁護団の弁護士白充(ペク・チュン)さんは沖縄と「朝鮮国連軍」について問題提起があった。韓国からは「平沢平和センター」から平沢と群山の米軍基地の現状が報告されたが、驚いたのは平沢で市議会などを通じて「平和行政」を推進させ、条例制定など新しい運動も始まっていることだった。また、「開かれた軍隊のための市民連帯」では沖縄の発表に呼応する形で、「国連軍司令部」の再活性化や日本を引き込む危険な動きなどが報告された。それぞれ中身の濃い発表で時間が足りないほどだったが、課題は次回につなげていくことが約束された。(2024年5月19日、沖縄那覇空港で。K)

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2024年3月 6日 (水)

●3.5合同軍事演習に反対し米韓大使館へ抗議行動

3月4日から11日までの米韓大規模軍事演習「フリーダム・シールド(自由の盾)」に抗議し即時中止を求めて、3月5日午後、東アジア市民連帯による米韓大使館への抗議行動が雨の中50人の人々の結集で行われた。

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今年のフレーダムシールドは原子力空母やB1Bなど戦略爆撃機の投入や、敵前上陸、対北侵攻に向けた野外機動演習が昨年の倍に強化され、朝鮮指導部の斬首作戦を含む戦争挑発演習である。大規模軍事演習を直ちにやめ、今こそ朝鮮半島「危機」の根源である停戦状態に終止符を打ち平和協定を締結せよ--の国際世論を高めよう。

なおこの米韓合同演習には日本の自衛隊も密接にリンクしており、日米韓軍事同盟化に反対して3月13日に日本政府(外務省)への申し入れも予定されている。

2024年3月 5日 (火)

●辺野古埋立て・代執行 3.4防衛省に抗議要請書(日韓ネット)

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3月4日、辺野古の海の埋め立てに抗議する防衛省への月例行動がありました。
日韓ネットが要請文を担当し、日本政府岸田総理と防衛大臣にあてて抗議要請文を手渡
しました。

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 防衛省の担当官に抗議要請書を手交する日韓ネットの仲間(防衛省正門前)

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                         抗議要請書

内閣総理大臣 岸田文雄様
防衛大臣   木原 稔様
                   2024年3月4日 日韓民衆連帯全国ネットワーク

 本年1月10日、沖縄県防衛局は、名護市辺野古の大浦湾側の埋め立て工事を始めました。90メートルの深さのマヨネーズ状地盤に7万本もの杭を打ち込むとのこと。最低でも12年かかるという「工事」は、できてもすぐに沈んでしまいかねないものです。国は、沖縄県民の民意を踏みにじり、県の地方自治を踏みにじって「代執行」として「工事」を始め、大浦湾を破壊しています。玉城沖縄県知事は、最高裁に上告して工事の中止を求めていましたが、2月29日、最高裁は沖縄県の上告を事実審理を全くせずに門前払いしました。代執行裁判は、防衛省が行政不服審査法による「私人」として不服申し立てをしたことから始まりました。でも、戦車やミサイルを持つ防衛省がなぜ「私人」として不服申し立てできるのですか!最高裁の不受理を認めません。大浦湾を破壊する工事をすぐにやめてください!
 2月6日、沖縄戦の遺族らが防衛省に訴えました。「沖縄戦の遺骨や血も混じっている南部の土砂を海の埋め立てに使わないでほしい」と。防衛省はなぜ「南部から土砂をとらない」と言わないのですか。人道上許されないことです。
 林芳正官房長官が1月28日、就任後初めて沖縄県を訪れ、県庁で玉城デニー知事と会談しました。玉城知事が、辺野古への新基地建設計画断念を求めたのに対し、林官房長官は「工事を進めていく」と従来の見解を繰返しました。「一日も早い普天間基地の危険の除去」と言いますが、ならば米国と交渉して、すぐに基地を閉鎖すべきです。「辺野古移設が唯一の解決策」というのは、普天間基地をこのまま使い続けてくださいと言っているようなものです。政府のやり方は、まちがっています。
 近隣諸国を仮想敵とした防衛計画のもと、自衛隊のミサイル配備など大軍拡が続く沖縄、琉球諸島。人々は、不安な毎日を送っています。私たちは平和に暮らしたいのです。アジアの国の人々とも仲良くし、対話で平和を維持したいのです。だれも戦争を望んでいません。自衛隊に対してもそうです。地震が多発し、いつ大災害に見舞われるかわからない状況です。災害に対していち早く駆け付け、人命救助に当たることを望んでいます。自衛隊は戦争の準備、人殺しの訓練をするのではなく、解体して人命救助隊になることを私たちは望んでいます。
 以下、要請します。
一、大浦湾への土砂投入を直ちにやめてください
一、遺骨が混じる南部の土砂を使わないでください
一、沖縄県民の民意を踏みにじる「辺野古新基地建設」を撤回してください
一、危険な普天間基地閉鎖に向け、米国と交渉してください
一、アジアの平和のため、戦争準備をやめてください

2023年9月20日 (水)

●8/31-9/2.3関東大震災朝鮮人・中国人虐殺100年の取り組みの詳報

 今年の関東大震災時の朝鮮人・中国人虐殺100年にあたり、あらためて歴史の事実に真摯に向き合い、未だに虐殺の事実すら認めない日本政府や小池百合子都政を追及する多様な取り組みが繰り広げられた。
 その一つ、関東大震災朝鮮人・中国人虐殺100年犠牲者追悼大会実行委員会は、8月31日に犠牲者追悼大会、9月2日に国会キャンドル集会、9月3日にはヘイト攻撃にもっともさらされている川崎での国際シンポジウムなどが連続行動として繰り広げられた。
 ここには朝鮮半島の虐殺犠牲者遺族、中国の虐殺犠牲者遺族らが一堂に会し、また韓国・中国・米国などからさまざまな運動体を代表する海外ゲストが駆けつけた。
 ここでこれらの取り組みの報告をしておきたい。(W)

 1800人が結集した8/31虐殺犠牲者追悼大会
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 8月31日、文京シビック大ホールで開かれた犠牲者追悼大会には1800人が集まり、朝鮮半島と中国の遺族と共に虐殺犠牲者を追悼した。
 始めに開会挨拶を、実行委員会共同代表の田中宏・一橋大名誉教授、在日韓国・朝鮮人として慎民子・一般社団法人ほうせんか理事、在日中国人として林伯耀・関東大震災中国人受難者を追悼する会共同代表がそれぞれの立場からおこなった。
 韓国・中国の犠牲者遺族の証言と想い
 続いて朝鮮半島と中国の遺族代表が登壇した。

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 韓国の遺族として登壇したのは、関東大震災時に群馬・藤岡警察署の前で自警団によって虐殺された南成奎さんの孫の権在益さん。「朝鮮人が放火している」などの流言は群馬県にも伝わり、祖父は警察署に避難したものの押し寄せた自警団に他の朝鮮人と共に虐殺された。祖父の南さんは当時38歳、建設労働者として日本に出稼ぎに行き、藤岡、新川の砂利採取場で働き始めて2カ月しか経っていない時に虐殺された。南さんは他の労働者と共に藤岡の成道寺に埋葬されているという。2017年に遺族会を結成した権さんは、虐殺された祖父の気持ちに思いを馳せながら「日本政府は謝罪してほしい」と強く訴えた。
 中国からは、東京都江東区で虐殺された周瑞楷さんの孫で、700人近くの遺族会「温州遺族聯誼会」会長である周江法さんが登壇。祖父の周瑞楷さんは同じ村の人たちと20人で日本に労働者として渡り、うち18人が江東区大島で軍人と青年団主体の自警団によって殺害されたという。周瑞楷さんの3人の弟も同時に殺された。周瑞楷さんの妻は翌年に病死し、周江法さんの父親は、3歳で父を4歳で母を失い、苦難の生活を送ったという。 
 権在益さんや周江法さんは他の遺族たちと共に、連日開かれた集会や記者会見などに出席。真相究明、日本政府の謝罪と賠償を求め、訴え続けている。
 来賓として、中国大使館の楊宇首席公使、朝鮮総聯の徐忠彦副議長が挨拶、また出席した立憲・共産・社民・れいわの各党議員が紹介され、この間この問題で国会質問を行った杉尾参議院議員(立憲)、福島参議院議員(社民)が報告した。
 さらに海外ゲストとして、韓国の「関東虐殺100周忌追悼事業推進委員会」共同代表で「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」理事長でもある李娜栄さん、震災時に虐殺された中国の社会運動家王希天の孫である、中国「王希天研究会」の王旗会長(代読)、米国「サンフランシスコ『慰安婦』正義連盟のジュディス・マーキンソン会長の連帯挨拶があり、日本政府による真相究明と公式謝罪を求めた。

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 4つの特別報告と草の根市民団体の報告
 日本からは4人の特別報告と、早くから犠牲者を追悼し、調査に取り組んでいた4つの草の根市民団体から報告があった。
 専修大学教員の田中正敬さんは、現政権が「(虐殺の記録が)調査した範囲では見当たらない」と国会で答弁し、また政府が国家の関与を認めたことがないことこそが問題だとした。「誰でも閲覧可能な史料があるにもかかわらず、事実を認めない。虐殺が忘れられ、責任追及をする人々がいなくなるのを待っているのだろう。史料に基づいて政府に虐殺の事実を認定せざるをえないように追い詰めると同時に、人権抑圧を当たり前のように日本が行ってきたことが虐殺を招いたと、現在の社会がきちんと認識することが大事だ」と話した。
 ノンフィクションライターの安田浩一さんは「メディアと民衆の責任」について、「本来デマを否定し、人の命と尊厳を守るべきメディアが虐殺に加担し、朝鮮人への憎悪を煽った。いま、メディアの一部は隣国の脅威と恐怖を煽り、外国籍市民の増加を〝治安〟の問題にすりかえているし、ネットではヘイトスピーチがあふれている。虐殺を過去の話にできない時代を私たちは生きている」と指摘した。
 「ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク」の崔江以子さんは、「ヘイトクライムのターゲットにされている私は、100年経った今、再び殺されるかもしれません」と切り出し、ヘイトスピーチや脅迫状、誹謗中傷の被害に遭っていると語った。安倍元首相の銃撃事件の時は、「日本から出て行け」と脅迫電話があったという。「今はあのジェノサイドから地続きです。差別禁止法制定は待ったなしです。皆さんと共に実現したい」と訴えた。
 「9・1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典実行委員会」委員長で日朝協会の宮川泰彦さんは、東京都の責務について言及した。1973年に両国の横網町公園内に、当時の都議会全会派の賛同・協力のもと「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑」が建立され、翌年から追悼碑の前で、追悼式典が行われてきた。東京都は追悼碑の所有・管理者であり、都知事は追悼式典に追悼の辞を送付していたが、小池都知事は就任2年目以降、追悼の辞送付を拒否している。
 宮川さんは「小池都知事は『全ての被災者を追悼している』と回答しているが、自然災害で命を失った犠牲者と、人の手によって命を奪われた被害者を一括りのするもので、人道上の観点からも大きな問題」とし、「都の責任は何なのかをきちんと考えるべき」と述べた。
 草の根報告は、「千葉県における関東大震災と朝鮮人犠牲者追悼・調査実行委員会」の平形千恵子さん、「一般社団法人ほうせんか」の落合博男さん、「関東大震災時朝鮮人虐殺の事実を知り追悼する神奈川実行委員会」の山本すみ子さん、「関東大震災中国人受難者を追悼する会」の川見一仁さんが登壇し、各地の長い間の取り組みや現在の活動状況などを語った。
 この中で神奈川実行委員会の山本さんは「『証拠はゼロ』などと回答する政府に騙され続けてきた私たちは、このゼロの怒りを大きな課題としたい」と強調し、当時の神奈川県知事が作成したとみられる朝鮮人虐殺に関する文書が新たに見つかったことを報告した。
 追悼大会は最後に、『隠された爪痕』など関東大震災時の朝鮮人虐殺の記録映画製作を続けている映画監督の呉充功さんの報告に続き、「歴史に誠実に向き合い、国家の責任を問い、再発を許さない共生社会への第一歩を」とする大会宣言を全体で採択して終了した。
 このほか追悼大会では、中国「東方文化芸術団」と韓国「京畿民芸総」の歌・演奏・舞踊のほか、崔善愛さんによるピアノ演奏、李政美さんと在日中国人の紫金草合唱団とのコラボによるミニコンサートもあり盛りだくさんの大会だった。また夜の追悼大会に先立ち、この日午後には当時の資料のパネル展も開かれ平日にもかかわらず多くの人が訪れた。

 

 9/2国会キャンドル行動にも1700人が結集

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 9月2日は国会正門前でキャンドル集会が取り組まれ、1700人が結集した。
 関東大震災朝鮮人・中国人虐殺の国家責任を問い、朝鮮半島と中国の遺族、各国のゲストとともに、100年目にして初めて日本の国会前に一堂に会し、日本政府に虐殺の事実を認め、謝罪・賠償を要求する大衆的な行動に立ち上がったものだ。
 集会では、はじめに実行委員会を代表して日韓ネットの渡辺健樹さんが主催者挨拶。
 続いて、震災後に群馬県の藤岡警察署に一時保護されていた朝鮮人が地元の自警団員に襲われ、17人が虐殺された「藤岡事件」遺族の曺光換(チョ・グァンファン)さんは、祖父の兄が30歳で亡くなった。朝鮮が植民地となり、貧しい家庭を何とかしたいと思い日本へ来たとのこと。「日本は全く反省してない。資料を公開し、100年前に何があったか明らかにするべきだ。今日ここに集まった人、全員が英雄です」と訴えた。
 中国人遺族の周松権さんは、今年日本政府に2回目の督促状を提出したことを紹介。同督促状は▽歴史を語り継ぐために殺害された現地に記念碑を建てる▽中国人と朝鮮人の歴史を含む記念館建設▽日本の歴史教科書にこの事実を書き、日本の若い世代に歴史を知ってもらう―ことなどを求めている。
 集会では在日朝鮮人、在日中国人の訴えのほか、韓国「関東虐殺100周忌追悼事業推進委員会」の金鍾洙執行委員長、「サンフランシスコ『慰安婦』正義連盟」のジュディス・マーキンソン代表がそれぞれの取り組みを報告。また共産党・小池書記局長、社民党・福島党首、れいわ新撰組・櫛淵共同代表が連帯と決意を述べた。
 最後に、集会参加者全員で政府への要請書を確認し、国会に向かってシュプレヒコールを挙げて終了した。

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 歴史の隠蔽、排外主義、戦争動員に危機感

 これらは小さな市民団体が結集しておよそ1年半をかけて準備してきた取り組みであったが、3日間で延べ4000人近い人々が結集したことは、歴史の隠蔽と排外主義、新たな戦前への動きの強まりの中で、危機感を感じている人々も広がっていることを実感させた。

この間、日本政府は国会での野党議員の質問に対しても、虐殺に「関連する資料は見当たらない」などとその事実すら認めていない。
しかし事実は、政府が「震災を利用し朝鮮人が各地に放火」等のデマを拡散し流言蜚語が広がった。戒厳軍の制圧下で、軍・警と共に、官憲主導下に組織された自警団に結集した民衆により6000人を超える朝鮮人、800人近い中国人が虐殺された。また、日本の社会主義者や労働運動の活動家や、朝鮮人、中国人と間違われた一部日本民衆も虐殺された。
朝鮮、中国への侵略と植民地支配を推し進めていた日本は、現地の民衆の強い抵抗に遭い、その憎悪と恐怖から、日本国内で官民一体となりジェノサイドを敢行したのである。
そして百年。他民族への嘲(あざけ)りと蔑視、ヘイトクライムは今も後を絶たない。朝鮮学校の「無償化」からの排除など国レベルでの「他民族への公的な差別」が継続していることと、日本政府が関東大震災での大虐殺事件を一世紀にわたり隠蔽し続けていることは表裏一体である。
首相自身が会長を務める中央防災会議の報告書でさえ、「大震災の死者・行方不明者約10万5000人のうち虐殺の犠牲者を1~数%」と推計し、「過去の反省と民族差別の解消の努力が必要」と指摘している。関東大震災での虐殺を隠蔽し歴史を改ざんする政府の責任を放置したままでは、再び加害の側へ動員されてしまう危険がある。
今こそ、多民族・多文化が共生できる社会へ踏み出すため、日本社会の隅々から立ち上がろう。いま再び隣国への敵がい心を煽り「敵」基地攻撃を正当化する政府の戦争動員に立ち向かおう。

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2023年7月28日 (金)

●7.22停戦協定70年ソウル平和行動参加報告(かもめ)

  朝鮮戦争の停戦70年・平和行動の日、色とりどりの旗がソウルの街にひるがえった。デモ行進では韓国のデモには珍しく外国語も飛び交った。宣伝カーの女性が「今日は多くの海外ゲストが来ています。みんなで一緒に叫びましょう」として韓国語でピョンファ(平和の意)、ピース、日本語でヘイワなどと声を合わせた。戦争NO,平和YESというスローガンは誰にでも分かりやすく、みんなの声が大きくなった。

  宣伝カーの女性が言う。「1年は365日、今は220日が過ぎていますが、既に115日間、軍事演習が行われているのです。もう沢山です。もう止めましょう。朝鮮戦争を終わらせて平和に生きましょう。」「世界ではSDGsや脱炭素と言っていますが、軍事演習で使われる二酸化炭素の排出は誰が測っているのでしょうか。戦争は止めて気候変動や食料のためにお金を使いましょう

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  デモ行進が終わって集会の場所に近づくと、空の雲は一層濃くなり今にも雨が降りそうだった。
  集会のスタートは軽快な太鼓の合奏。10代、20代の若者が元気に叩くと、会場と一体となっていった。

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  会場の周りは世界各地から送られてきた統一旗が掲げられている。中には在日の人たちが寄せ書きをした旗も見受けられた。海外ゲストが紹介される頃には雨は本格的に降ってきて、集会参加者は急いで雨合羽を着たものの本降りの雨にあまり役立たない。
  それでも最後のフィナーレ、市民大合唱では皆さん平和の歌を高らかに歌い、会場を盛り上げてくれた。

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  7月23日には韓国側が用意してくれたバスに乗ってフィールドワークに出かけた。統一展望台では、あいにくの天気で北の方角も曇って見えなかったが、70年もなお戦争が終結していないことを感じさせられた。ぜひ多くの人に来てほしいと心から思った。

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2023年3月13日 (月)

●米韓合同軍事演習の中止を求め、米韓大使館へ抗議行動

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                                       (K.M)
 今日(3月13日)から米韓合同軍事演習「フリーダム・シールド(自由の盾)」が始まった。史上最大の野外機動訓練を含むこの演習は、朝鮮半島のみならず東アジアの平和を脅かすものだ。既に韓国メディアでは、その一部が報道されている。
https://newsis.com/view/?id=NISX20230313_0002224564

 13日午後1時、米国大使館前に集合した東アジア市民連帯のメンバーらは米国大使館に向けて抗議行動を行った。あいにく小雨のぱらつく天気だったが、約40人の参加者は怒りの拳を上げた。
 さらに午後2時半には韓国大使館に向けて抗議行動を行い、シュプレヒコールを上げた。

通りがかりの幼稚園児が不思議そうに見ていて参加者が説明する一幕もあった(写真下)

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雨を突いて米国大使館へ(上) 抗議のシュプレヒコール(下)

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東アジア市民連帯では声明も発表し、米韓大使館へ送付している。

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   【声明】米韓軍事演習の中止を求める
                       2023.3.13 東アジア市民連帯

 私たちは、本日(3月13日)より実施される米韓両軍による合同軍事演習「フリーダムシールド」の中止を強く求める。
 米韓両軍は年初より頻繁に合同演習・軍事訓練を強行してきた。いずれも朝鮮半島の平和を脅かす危険な演習・訓練である。「フリーダム・シールド」と名付けられた今回の演習は、実弾演習をともなうより実戦的で大規模なものだ。これら繰り返される演習・訓練は、朝鮮半島を戦場とする導火線に火を着けたような危険な状況に陥っている。
 3月2日には米韓の特殊部隊が、朝鮮の核施設などへ精密打撃する訓練が実施された。米軍からは強力な対地掃討能力を持ったAC130J攻撃機が初めて参加した。また、朝鮮の指導部の暗殺を狙った「斬首作戦」訓練も実施された。翌3日には、米韓両空軍が黄海や朝鮮半島内陸部で連合空中訓練を行った。今年5回目である。これには核爆弾を搭載可能な戦略爆撃機B1Bが参加・展開している。
 これに先立ち、2月7日、バイデン大統領は一般教書演説を行い、内外政策について明らかにした。しかし、外交政策では中国とロシアに言及したものの、朝鮮には一言も触れなかった。朝鮮とは外交交渉しないと宣言したに等しい。朝鮮に対しては軍事力などの圧力をかけて、現体制の崩壊を導くという考えであることが明白だ。また、2月16日には韓国国防白書が発表され、「朝鮮の政権と軍はわれわれの敵である」との規定を復活させている。米韓両軍が何のために朝鮮を威嚇・挑発する軍事演習を繰り返しているのか、明らかだろう。
 こうしたなかで、「フリーダムシールド」を5年ぶりに復活させ、過去最長の11日間実施する。そこでは、野外機動訓練「ウォリアーシールド」や、核施設などを精密打撃する特殊部隊訓練「チークナイフ」なども実施するとしている。これには、「上陸作戦」や「斬首作戦」が含まれている。いずれも朝鮮を対象とした先制攻撃・侵攻作戦であることは明らかだ。これらが実行に移されれば、朝鮮側が防衛・抑止のための戦争態勢に入ることは火を見るよりも明らかであり、実際に戦争が起きる危険性を高めることにつながる。
 朝鮮半島や日本など東アジアの平和を希求する私たちは、こうした戦争状況を生み出す恐れの強い米韓合同軍事演習「フリーダムシールド」をただちに中止するよう強く要請する。

【東アジア市民連帯は、私たち日韓ネットなど各市民団体や平和フォーラム、6.15共同宣言実践日本地域委員会の在日の皆さんなどで構成され2014年8月27日に設立】

2023年3月 2日 (木)

●3.1(104周年)新宿キャンドル行動に160人

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3月1日午後6時から新宿西口で3.1朝鮮独立運動104周年キャンドル行動が行われた。

4年前の3.1(100周年)以来毎年開催されている新宿でのキャンドル行動で、160人の人々が手に手にキャンドル(ペンライト)を掲げながら取り組んだ。リレートークの開始前とフィナーレになりぞうさんが「朝露」などを熱唱した。

途中から右翼・レイシスト集団が妨害してきたが、毅然として行動を繰り広げた。

リレートークでは最初に主催者あいさつを野平晋作さん(3.1ネット、ピースボート)が行い、それぞれの課題に取り組んでいる各団体の代表が熱烈にアピールした。司会は総がかり行動から菱山南帆子さん。

【リレートーク】

  歌・なりぞうさん、司会菱山南帆子(総がかり行動実行委員会)
  主催者挨拶 野平晋作(3.1ネット・ピースボート共同代表)
  徴用工問題 山本直好さん(日鉄裁判支援する会事務局長)
  関東大震災虐殺100年問題 宮川泰彦さん(日朝協会会長)
  「慰安婦」問題 柴洋子さん(日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表)
  朝鮮学校差別問題 森本孝子さん(朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会共同代表)
  停戦協定70年問題 ソン・ヒョングンさん(在日韓国民主統一連合議長)
  沖縄基地問題 青木初子さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)
  改憲問題 土井登美江さん(総がかり行動・壊すな!9条実行委員会)

  川島進さんの動画 https://www.youtube.com/watch?v=gQW43DZxxrY

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熱唱するなりぞうさん

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徴用工問題でアピールする山本直好さん

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日本軍「慰安婦」問題解決全国行動の柴洋子さん

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総がかり行動 土井さん

 

 2023 3・1朝鮮独立運動104周年集会 賛同団体⇒個人一覧・50音順 (2/27現在)      

【団体】I女性会議千葉県本部、「憲法」を愛する女性ネット、原水爆禁止日本協議会(原水協)、強制動員問題解決と過去清算のための共同行動、研究所テオリア、憲法を生かす会関東連絡会、在日韓国民主女性会、在日韓国民主統一連合、新社会党、新社会党東京都本部、スペース21、朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会、朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会、朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会、「止めよう1辺野古埋立て」国会包囲実行委員会、日韓民衆連帯全国ネットワーク(日韓ネット)、日朝協会、日本カトリック正義と平和協議会、ピースボート、ぴ~す・め~る、ふぇみん婦人民主クラブ、フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)、婦人民主クラブ、部落解放同盟東京都連合会、平和を実現するキリスト者ネット、平和といのちイグナチオ9条の会、本郷文化フォーラムワーカーズスクール(HOWS)、許すな!憲法改悪・市民連絡会、1923関東朝鮮人大虐殺を記憶する行動、【個人】青柳清美、秋山淳子(オール埼玉総行動副実行委員長)、浅井健治、新里倫子、池上仁、石下直子、伊藤英一、岩崎富久男、岩本乾治、内田雅敏(弁護士)、大下富佐江、大友陽子、小笠原三枝子、奥村律子、尾澤邦子(日韓ネット・ノレの会)、尾澤孝司(日韓ネット)、小田川興、小野信也(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)、川見一仁、川村肇(独協大学教員)、北川広和(日韓ネット・「日韓分析」編集)、北原れい子、金性済(日本キリスト教協議会総幹事・日韓プラットフォーム書記)、くじゅうのりこ(東アジアの和解と平和ネットワーク)、久世裕子、黒田恵、権龍夫、近藤ゆり子、宋世一、高史明(作家)、斎藤義夫(元都立高校教員)、坂本史子(元目黒区議)、桜井大子、佐藤邦也、芝崎眞吾(東水労退職者会)、申嘉美、鈴木敏夫(子どもと教科書全国ネット21事務局長)、高梨晃嘉(日朝国交正常化を求める神奈川県民の会事務局長)、高野孟、高橋昭子、高橋華枝、竹腰英樹、武田隆雄(日本山妙法寺僧侶)、田上中、谷口洋子、寺尾光身(名古屋工業大学名誉教授)、土松克典(日韓ネット・HOWS)、中地弘志、中塚明(奈良女子大学名誉教授)、中村知明(郵政ユニオン本部顧問)、中村光一、奈良本英佑、難波幸矢(日本キリスト教団東中国教区常置委員)、西惇、花村健一、原崎澄子、番場明子(ぴ~す・め~る)、飛田雄一(公益財団法人 神戸学生青年センター理事長)、平野晶男、平山良平、福島博子、布施由女(三多摩日朝女性のつどい世話人)、松浦賢治、森内慎一郎、森本孝子(朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会共同代表)、矢野秀喜(強制動員問題解決と過去清算のための共同行動)、山口菊子、梁大隆(1923関東朝鮮人大虐殺を記憶する行動)、吉沢公良(荒川住民ひろば)、與芝豊、吉原真次、渡辺一夫(韓国良心囚を支援する会全国会議代表)、渡辺健樹(日韓ネット共同代表)、渡辺真哉、渡辺多嘉子、渡辺吉男 匿名希望5名

 

2023年2月27日 (月)

●3.1(104周年)2.25屋内集会の報告 尾澤邦子

                        日韓ネット事務局 尾澤邦子

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 チェ・ウナ氏の入国拒否に抗議

 2月25日午後6時半、文京区民センター2A 会議室で、3.1朝鮮独立運動104周年東京集会が開催されました。司会は、総がかり行動実行委員会の山口菊子さん。

 冒頭の主催者あいさつで日韓ネット共同代表の渡辺健樹さんから語られたのは、集会の韓国ゲストとして招かれたチェ・ウナさんが、昨24日午後成田空港入管で入国拒否され強制退去させられたということでした。チェ・ウナさんは、韓国進歩連帯自主統一委員長として、集会で報告をすることになっていました。主催者から送られた招請状を提示し、主催者に確認してほしいと要求したにもかかわらず、5時間も拘束され退去させられたとのこと。なんてひどいことでしょう。抗議の緊急声明を集会参加者一同として発することになりました。

 慎蒼宇・法政大教授が講演

 法政大学教授の慎蒼宇(シン・チャンウ)さんから「関東大震災時、朝鮮人はなぜ殺されたのか?朝鮮植民地戦争と3.1独立運動、朝鮮人虐殺への道」と題する講演がありました。
 シン・チャンウさんのおじいさんのお兄さんは、関東大震災当時、八広の京成鉄橋の近くにいて虐殺の被害にあったが、奇跡的に生き延びたとのこと。シン・チャンウさんは、「関東大震災時の朝鮮人虐殺は、『天災』ではなく『人災』です」と強調しました。「植民地ではすでに多くの朝鮮民衆虐殺を日本軍隊、憲兵、警察は経験し、虐殺を後方から支える社会が形成されていた。関東大震災100年を迎えるにあたって、日本には二つの歴史認識が欠落している。ひとつは、朝鮮人虐殺に対する歴史認識、人権意識が悪くなってきている。また、植民地主義への告発、民衆・民族運動の歴史に対する認識が確立されていない。関東大震災朝鮮人虐殺の背景には、日本による朝鮮植民地支配と民族運動への蔑視・差別がある。日本では、植民地支配からの独立を求めた運動を『反日』『暴徒』という言葉を付け、凄惨に弾圧を続けてきた。それは『不逞鮮人』という言葉につながっていく。関東大震災時には、架空の『朝鮮人テロリスト』というイメージを作り上げ、無実の朝鮮民衆への攻撃に転嫁した。この時期に形成された植民地意識が克服されることなく、今でも韓国などから批判が来ると『反日』というレッテルを貼って怒りをあらわにする。これは植民地主義です。」と話しました。そして関東大震災朝鮮人虐殺の背景として、植民地における軍事的暴力と現地の人々の抵抗の歴史(植民地戦争)があり、日本は民族運動の殲滅と「連座制」による民衆虐殺を繰り返してきたと話しました。なぜ虐殺が繰り返されたのかを示す「軍人・軍隊の朝鮮植民地戦争・台湾・シベリア経験」の資料は、その研究の深さと広さに感じ入るぼう大なものでした。
 最後にまとめとして、関東大震災で朝鮮人は三度殺されているというお話がありました。
1.虐殺=自然災害時の偶発的事故ではなく「人災」(一度目)
2.事後処理において国家権力によって隠蔽された(二度目)
3.今も日本政府による公式謝罪・補償・真相究明・責任者処罰はなし(三度目)
 まだまだ話し足りないようでしたが、時間に追われてしまいました。

 韓国ゲスト  キム・チヘさんが停戦70年に向けた平和行動提起

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 韓国ゲストの報告は、韓国進歩連帯自主統一局長のキム・チヘさんが行いました。「朝鮮戦争の停戦70年、新しい平和の道を切り拓こう!~停戦70年に向けた平和行動の提案~」と題して話しました。
 キム・チヘさんは、東北アジアにおける対立と、戦争危機が高まる朝鮮半島の情勢について話し、韓米日戦争同盟に対抗し、戦争危機をなくし、戦争を起こさせない、平和実現のための共同行動を行おうと提案しました。韓国では「停戦70年、朝鮮半島平和行動」が発足し、735団体が参加しているとのこと。主な活動としては、朝鮮戦争終結と平和実現のための100万人署名運動、全世界300か所での平和行動、韓米合同軍事演習・韓米日軍事協力反対活動など進める計画とのこと。そして「共に戦争危機を克服し、戦争同盟反対、朝鮮半島の平和体制と東アジア平和協力体制構築のため連帯して闘おう」と呼びかけました。

 特別報告 南西諸島軍事化の危険性について高良鉄美・参議院議員
 
Photo_20230302111501  特別報告として、参議院議員の高良鉄美さんから、南西諸島軍事化の危険な動きについて訴えがありました。高良さんは「沖縄の住民に説明なしにミサイル配備が進められている。また、閣議決定された安保3文書では、民間の船を利用して弾薬を運び、住民は後回しにされている。すでに戦争の準備が始まっている危ない状況だ」と話していました。「『主権在米』であってはダメ、戦争を止めよう」と訴えました。

 参加者は170名。行動提起で登壇した「子どもと教科書全国ネット21」の鈴木敏夫事務局長は、高校生が使っている日本の歴史教科書には、関東大震災での虐殺が「殺傷事件」として書かれていたが、それも今回抹消されたと話していました。南京虐殺も「南京事件」になっているとのこと。やはりと思って、がっくりします。
 3月1日夜には新宿でアピール行動を行うので集まってほしいと呼びかけがありました。また9月にはさまざまな行動・集会が予定されています。あきらめず、歴史に学び、声を上げなければと思いました。

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