●7.1辺野古埋め立て中止せよ!防衛省行動(日韓ネットの抗議申入れ書)
7月1日、辺野古への基地建設を許さない実行委員会(辺野古実)が毎月第一月曜に取り組んでいる防衛省への抗議行動がこの日も取り組まれ、私たち日韓ネットも抗議申し入れ書を防衛省に提出しました。ご紹介します。
UPLANさんの動画 https://www.youtube.com/watch?v=5cqPWwcvTXQ
抗議申し入れ書
安倍晋三 総理大臣
岩屋 毅 防衛大臣
去る6月11日、政府ー防衛省が、沖縄辺野古の新基地建設のためにK8という新たな護岸から土砂の陸揚げを開始したことに、全身の怒りをもって強く抗議する。
県民投票で示された民意を一顧だにせず、なりふり構わず工事を強行する政府ー防衛省の姿勢は、法治国家の衣をかなぐり捨てた反民主主義的暴挙であり、強く糾弾する。
これまで土砂運搬用の桟橋として使っていたのは、大浦湾側のK9護岸だけだった。今回新たにK8護岸から土砂の陸揚げ用桟橋として使用することで、K9とK8の2つの護岸を桟橋として併用することで運び込む土砂の量を増やし、工事を加速させさせようというものだ。だが、埋め立て区域を囲う護岸を陸揚げの桟橋として利用するのは「目的外使用」で違法行為だ。
2013年に沖縄防衛局が県に提出し14年に変更された公有水面埋立承認願書の「設計概要説明書」は、現在の工事区域の土砂搬入場所として大浦湾側の埋め立て区域の「中仕切岸壁」を明示している。K8護岸や、先に使用しているK9護岸からの陸揚げについては触れていない。
設計概要説明書に記載した事項は沖縄県に対する約束事である。護岸に係船機能を追加するのなら県の承認が必要になるはずだが、しかし県の許可を取っていない。
沖縄県はK9の時と同じようにK8護岸利用についても違法性を指摘し、工事中止を求める行政指導文書を沖縄防衛局に出した。
これについて岩屋毅防衛相は6月7日の記者会見で「具体的な陸揚げ場所までは特に限定されているわけではない。K8護岸からの搬入は問題ない」と言ってのけた。
法令の順守を指導する立場にある政府が、沖縄県の行政指導を無視し、本来取るべき手続きを無視して埋め立てを進めている。はたしてこれが民主主義といえるのか、これは明確に法令違反であり、沖縄差別だ。
K8の全長は500mになる計画だが、近くに生息するサンゴの移植許可を沖縄県の許可が下りなかったために、250mだけ建設して強引に使っている。
海流の変化によるサンゴへの影響が懸念される中、沖縄防衛局は途中までなら移植せず整備が可能と押し切ったのだ。公有水面埋立法は、環境保全への十分な配慮を求めている。
埋め立て承認権者の沖縄県は、これまで沖縄防衛局に対し環境保全措置が十分でないとして何度も行政指導を行ってきた。だが政府の一方的な法令解釈によって工事が強行されている。
土砂の搬入を急いだからといって、基地建設が進むわけではない。埋め立て予定海域東側・大浦湾には軟弱地盤が広がっているからだ。既成事実を積み重ね、沖縄の人々に無力感を味わわせ、諦めさせることが目的だ。
軟弱地盤は最も深いところで海面から約90メートルに達する。広範囲にわたり地盤改良工事が必要とされる。地盤強化のため砂を締め固めた杭を約7万7千本も打ち込む工法が検討されているが、「現状では世界でも70mまでしか打ち込んだことはなく、90メートルまで打ち込むのは技術的に不可能だ」ともいわれている。
政府―防衛省は、埋め立て工事に要する総事業費を「少なくとも3500億円以上」と説明するだけで、明確な金額を示していない。工期についてもあやふやだ。県の試算では、地盤の改良だけで1500億円、総工費は最大2兆6500億円まで膨らむと指摘している。
総工費や工期を明示できないで進められているずさんな公共事業はたしてあるのか。民意を踏みにじるだけでなく、莫大な血税を浪費する荒唐無稽な埋め立て工事を直ちに中止すべきだ。
政府―防衛省が進めている強権的な土砂投入は、地方自治を破壊し、沖縄の自己決定権を否定する暴挙であり、強く抗議すると共に直ちに新基地建設を中止することを要求する。
2019年7月1日
日韓民衆連帯全国ネットワーク
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